蛾荒の心の中
『アーカード起きてるかい?』
僕は自分の中にいる吸血鬼に話かけた。
『なんだ...蛾荒よ?』
『嫌.......ただこの状況をどうやって切り抜けようと思って』
そう、僕は早く家に帰ろうと思っていたでも。
『お前は本当にそんな事を思っているのか?』
『............』
僕の中で何かが変わっていた。
『お前ならやろうと思えばもっと早くに1人だけでも切り抜けられただろう...だがそれをしなかった何故だ?』
『......』
そう今思えば最初からあの二人を見捨てれば何時でも逃げられた、だかそれをしなかった。
『お前は最初から考えていなかったのさ.......二人を見捨てる事を』
『まったく......化け物からは考えられない事だ.....』
『.........』
確かにそうかもしれない、嫌最初は見捨てようとしただが、アリサの話を聞いて僕の何かが揺らいでいたのである。
『だか』
『?』
『半人前のお前からすれば上出来だ』
アーカードに言われた瞬間僕の何かが変わった。
『『あきらめ』が人を殺す あきらめを拒絶した時 人間は人道を踏破する権利人となるのだ』
『彼女達にはまだあきらめていないと?』
『親友が化け物であっても関係無いと言った......それもまたひとつだ』
『ハハ......まぁまだ僕らと同類にする必要は無いけど.....そうだね.......手を貸してくれないかい?』
『アーカード』
「――――アリサちゃん」
そして、水を打ったかの如く静けさに満ちた空間に、すずかの感極まった声が小さく響く。
彼女の目からは、またもや大量の涙が零れ落ちていた。
でも、それは悲しみの涙じゃなく――。
「私……私ぃ……」
「……ゴメンね、すずか……言い出せなくて辛かったでしょ?……でも、これだけは覚えておいて?」
涙を流すすずかに、アリサは優しい声を掛ける。
「アンタにどんな秘密があろうと、私はそれを受け入れる……なんてったって、『親友』なんだからね」
「うん……ぅん……ありがとぅ」
2人は互いに優しい笑みを浮かべながら見つめ合う……その心に確かな友情を持って――。
「……犯せ」
「「ッ!!?」」
しかし、この状況はそんな2人の優しい友情すら食い物にしてしまう。
さっきまでショックを受けていた氷村は突如、顔を起こすとそう呟いた。
その顔は、美形とはかけ離れて、これ以上ないぐらいに醜悪に染まっている。
「この金髪の餓鬼を犯せッ!!その後四肢を斬り落として灼けた棒で死ぬまで甚振ってやるッ!!サッサと犯れぇえええッ!!!」
ソイツの吼える言葉の内容も、正にゲスに相応しくおぞましい言葉だ。
自分達のリーダーの言葉を聞いた黒服達は、その顔に欲望を貼り付けて、アリサの元へとゆっくり近づき始めた。
まだ小学生の幼気な少女を、大の大人が数人がかりで犯そうとする。
コレ以上無い醜悪だ。
「ッ!?止めて叔父様ッ!!アリサちゃんに乱暴しないでぇええッ!!!」
「五月蝿い黙ってろッ!!お前はソコでお前の親友とやらが嬲られる様を良く見ておけッ!!後でお前も同じ様にしてやるからなッ!!」
すずかの懇願も聞き入れず、氷村は黒服達と同じ様な汚無い欲望の瞳をすずかにぶつけながら、醜悪に嘲笑う。
「へへへっ……まだ餓鬼だが、上物にゃ違いねぇ」
「あぁ、さっそく楽しむとするかぁあああッ!!」
「ッ!!?」
ここまで気丈にも強い侮蔑を篭めた視線で男共を見ていたアリサだったが、やはり怖いモノには逆らえず、ギュッと目を瞑って震えてしまう。
「――止めてぇえぇえええええええええええッ!!?」
そして、男達の手がアリサの服に殺到した――――。
「モード......」
声がした。
「アーカード!」
ズガガガガガガン
よくわからない言葉と言い終わってからの銃声、そして目を瞑っていたアリサとすずかはまぶたを開いた時目の前には
赤い男が立っていた。
グダグダかもしれない(泣)