ロクデナシ賢者教師、現代ダンジョンを転移と核撃で破壊する 作:ゴミカス蛆虫宮沢鬼龍
「とある高官の御子息の教官をやって見る気はないかい?」
そう【国迷日】からの書類仕事に齧りついてる君に話しかけてきたのは金髪の美青年。【勇者】の称号を持つ世界最強の探索者。
君に仕事を降ってきた金髪の青年は超越者の一角、強者男性という概念の煮凝りみたいな存在であり性格そのものは善良な人間である。しかし、ナチュラルに弱者の思考が理解できないと言うかなんというか……はっきり言ってしまえばロボトミーで強引に善人に変えたジャイアンみたいなものだと君は認識している。追放ものの勇者の性格を良くして戦闘力をガチにすればこいつになるとも思っている。
なんせこいつと出会った時の第一声が
「■■君暗いし陰キャだったろ。安心してくれ! 僕はそう言う人にも偏見無いし別け隔てなく付き合えるからさ!」
だ。配慮もデリカシーも全く無い上に傲慢さとアレな性格が滲み出た発言に君はドン引きした。
君はかつてオタクに優しいギャルが人気なのにオタクに優しいチャラ男も人気にならないのはおかしいだろと常日頃から思っていた。
今なら分かる、オタクに優しいチャラ男には需要がないからこそ流行って無いのだ。こいつと関わるうちにそう思うようになっていった
とにかく薄気味悪すぎる。
「他にも仕事はあるけどさ」
君の前に出されたのはオーストリアに新たに出現した魔界への門を閉じる任務、新たに中国に出現した迷宮の踏破、やれなくは無いが死ぬ程めんどくさいものばかりだ。
◆◇◆◇
国迷日、正式名称国際迷宮連盟日本支部、そこの4課が君の職場だ。
もっとも職場というのは名目上のものであり単独で国相手とも戦争が成立する君達最上位探索者、通称【超越者】を閉じ込める為の首輪に近い。
破格の待遇で逆らう気を奪うのが首輪というのかは疑問だが。
「兄さん! でっけえ鼻くそ取れたよ!」
そう言いながら君と会話している金髪勇者に話しかけたのは銀髪の美女。
顔さえ良ければほぼなんでも良いが君のモットーだ。
君は面食いだ。そして恐らく顔以外はどうでも良いと思っている。
日課の一人手遊びをする際興味本意でグラビアの首から下をメスゴリラに変えてみたところ普通にフィニッシュまで行った。
何ならヒトデに変えても行けた。
そんな君でも手遊びのネタに使うにはそれなりの覚悟を必要とするのが彼女、銀髪聖女
明るく優しく自身満々なクソバカという令和の道化として申し分ない素質を持っているため彼女はネットのおもちゃ大物ダンジョン配信者も兼ねている
職場の福利厚生の旅行で海に行った際何の前触れもなく海に放尿してたりゴキブリホイホイにかかったゴキブリを興味本位で捕食して寝込んでいたりと本当に行動がヤバい。
今ここにはいないものの口さがない超越者である忍者の同僚は「人間に似てるアレ」「人間で言ったら8歳くらいのあの女」だの酷い評価を彼女にしている。
概ね君も同意見だが。
◆◇
ある日地球において【覚醒】という現象が起こりレベル、クラス、ダンジョン、他にもまるでゲームのような現象が現実に起こった。
その中で色々あって君は世界最強の魔術の腕前を持つ探索者となった。
そして探索者の中の最高位階、【超越者】として世界に認定された。
4段階ある探索者のランク付けから逸脱した化け物。
それが君達超越者だ。
さしもの君達でも流石に核を撃たれたらヤバいと感じるがそれでもヤバいと思う以上の感想はない。核に対する解答をそれぞれが持っているからだ。
君なら転移、蘇生魔術を自身が消し飛んだ瞬間に発動するよう設定する事で核にも対処できる。君には不可能だが君の同僚には核という概念自体を殺すことで爆発を止める事ができる者もいる。
◆◇
この後君は、色々と面倒な仕事をやるよりはマシかと思って教師の仕事を引き受けた。
口では文句を言うものの何だかんだで頼られるのがきみは大好きだ。
君は常々思っている。
人間というものはコミュニケーションを活かし他者と協力して生き残ってきた生物だと思っている。
コミュニケーションによる社会性こそが人類種の知能以上の強みであり人間としてのアイデンティティーだとも思っている。
それ故にコミュニケーション能力が最低レベルである君は君自身を人間未満だと思っている。
人は一人では生きていけないという優しい言葉すら一人でいるしか無い人間は生きていけないという恐ろしく冷酷な言葉だと思い苦しんでいるほどだ。
自分には何も無いと君は思っている。
覚醒後新たに習得した魔術のみが君を君として成り立たせる唯一のものだと信じて縋っている。そのため魔術の腕を頼られるのが君は大好きなのだ。