ロクデナシ賢者教師、現代ダンジョンを転移と核撃で破壊する 作:ゴミカス蛆虫宮沢鬼龍
単なる事実として君は強い。それはもう、理不尽な程に。
あらゆる魔術の中で間違いなく最強と言われる魔術、3秒程度の詠唱後に世界の好きな場所に転移できる反則としか言えない効果を持つ【転移】
あらゆる魔術の中で最強の攻撃魔術、小型戦術核に匹敵する爆発を起こす【核撃】。
この二つの魔術を行使することで君は大体の問題は解決できる。何なら国の一つや二つ落とせるだろう。
君は他にも各系統に10位階、白黒二系統存在する魔術を全て使えるが転移と核撃でほぼ方がつくのであまり使用しない。
さらりと言ったが全ての魔術を使いこなせる探索者は本当に希少だ。
第4位階以上の魔術を使える探索者は5%にも満たない。
その上君は日本人だ。君を人間にカテゴライズするべきかは色々な意味で議論の余地があるが
日本は優秀な侍職と忍者職を大量に排出しているものの、クリスマス後一週間もしないうちに門松飾り始める端的に言ってイカれた宗教観により、神への祈祷を原動力とする白魔術を使える日本人はほぼ存在しない。
そんな中白魔術を使えるだけでなく全10位階の白魔術を全て使える君は例外中の例外なのだ。
◆◇◆◇
某タックル大を中退した上に勤務した区役所でもカスみたいな部署に飛ばされた君にとって生きるとは地獄だった。
公僕というと聞こえは良いが奨学金により家賃もろくに払えずネカフェ難民のような生活を送り仕事ではクソ市民に詰められ同僚からは社内ニート扱いの3コンボだ。
首をくくろうとした瞬間に【覚醒】現象が起こり【賢者】のクラスに君がなった事は君や同僚には幸運だったが迷宮の魔物には不運だった。最悪の部類の。
◆◇◆◇
君への依頼はとある政府高官の親戚を達人級、要は君達超越者を抜いた探索者の中の最高位階にしろというものだった。
昼前に君の下に送り届けられたのは16歳ほどの二人の少年少女だった。
少年はいかつく逆立った髪を赤色に染めたヤンキー風の青年であり、その目には値踏みする様な光と反骨心が灯っている。黒のスカジャンと銀でできた髑髏のネックレスと完全に輩の服装だが、よく見ればそれらは中々に高級な素材を使っているのが伺える。
少女の方はまああれだ。こいつ“アレ”じゃねえかという感じの雰囲気の白髪の少女だ。ボブカットにした髪型と顔面の造形はきれいだ。が、本能で分かる社不感と上下ダサジャージという服装がそれを台無しにしている。
少年の名は「カナタ」
少女の名は「ヒナタ」
らしいが君はあまり気にしていない。君は単純に他人への興味が薄いのだ。
君は常日頃からなぜ超越者とまで呼ばれる俺様の知名度が低いのか、なぜ自分に興味を持っている愚民共が少ないのかと疑問に思っているが何のことはない、単純に他人に興味を持たない人間なので他人にも興味を持たれてないだけだ。
そして白髪の少女はともかくチンピラ風の赤髪の青年は好きになれないと君は思った
君はチンピラが嫌いだ。
単純にいじめられてたというのもあるがそれ以上に彼らが善行を行った際の周囲の異様な持ち上げ、そして筋は通すだの根はまっすぐだの真っ当に生き続けていれば決して受け取れない称賛を受け取れる事、その他の様々な人格面への過大評価が嫌いだ。
君は彼らも人格面では自分と同レベルのクズなのにこの扱いの差は何だとキレて憤慨している。
それ以上に彼らが真っ当に生きてきた人間よりも人格面を褒め称えられる事のあることに憤慨もしている。
君は善人は悪人よりも幸せになるべきだと言う普段の言動からは信じられない程真っ当な倫理観を持っているため正当に善行が評価されないのが大嫌いなのだ。
もちろんその倫理観は君の利己性の前では吹けば消えるためこの世の全ての善人よりも自分は優遇されるべきだと思ってはいるが。