ロクデナシ賢者教師、現代ダンジョンを転移と核撃で破壊する   作:ゴミカス蛆虫宮沢鬼龍

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決着

「あのクソゴミ呪文ですらこれになるのかよ!化け物じゃねえか!」

 

火球を連打する君に対抗するべくカナタが唱える呪文を聞いて君は驚いた。

 

 魔術への対処法はご存知だろうか。

 

 打たれる前に殺す、これ一択だ。

 

 一応上澄みの探索者であれば他にも対処法があるものの9割の探索者にとって魔術はやられる前にやるしか対処法はないものだ。

 

 先の火球を彼が躱せたのも君に手心があったためだ。

 

 誘導性、範囲、詠唱終了からの発動までのタイムラグ、要は様々な要因により回避は困難を極め、鎧や盾での防御もほぼ不可能、その上威力も範囲も凶悪な魔術は発動させてしまったら厄介極まりない。

 

 もっとも、厄介な行動を取るやつがいたら行動させずにぶち殺すが合言葉の君達超越者には発動したらヤバい攻撃は発動すらしないため無意味だが。

 

 そしてカナタが唱えたのは数少ないやられる前に殺す以外の魔術への対抗手段。第三位階【沈黙】。

 

 効果は抵抗に失敗した者の口を封じ魔術の詠唱を停止させる。

 

 

 

 

 そしてこの魔術は君のお気に入りでもある。

 

 迷宮探索者の恥…要は追い剥ぎの一行の魔術師がドヤ顔で魔術を放とうとした瞬間にこれを叩き込み、魔術が発動せずドヤ顔のまま停止している追い剥ぎの間抜けヅラをtwitterにアップするのは君の楽しみだ。

 

 やられる前にやるができない相手に対しこれを選択した判断の良さ、そしてそれ以上にダンジョンに潜った経験が無いのにもかかわらず第3位階の魔術が詠唱できるということに君は感動した。

 

 この歳でそれだけの詠唱速度を出すのは正直驚いた。研鑽か?才能か?少なくとも片方だけではけしてたどり着け無い領域にいる。

 

 しかし相手は君だ。

 

 国内どころか人類最強の魔術使い。

 

 血の滲むような研鑽も溢れんばかりの才能も全く足りない。チートには届かない。

 

 それを遥かに超える速度で君は唱える。

 

 第3位階、【沈黙】を。

 

 彼の詠唱よりも早く完成した生命体の発声機能を侵し潰す毒霧は容易く彼の抵抗を貫通し喉を破壊した。

 

 彼は一瞬戸惑ったものの戸惑ったのは一瞬だった。

 

赤髪は爆発するような音とともに踏み込み抜刀した。

 

 やはり判断が速い。一刻も早く敵を倒すという前向きな戦意は迷宮戦闘においてもっとも重要なものだ。こいつは当たりだと君は凶悪な笑みを浮かべる。

 

 彼に敬意を評し君は自身の使える最強の魔術の発動を決断した。

 

 黒魔術系統第10位階【核撃】

 

 この世に魔術は数あれど間違いなく最強の威力の魔術、核融合による炎と毒を模した極大エネルギーが叩き込まれる。

 

 人類種において使い手が二人しかいない黒()()の最高位階呪文。

 

 

 

 君がこれを習得した際には小型戦術核兵器に匹敵する攻撃を個人が繰り出せる事のヤバさ故、世界がパニックに陥るのを防ぐべく君は超越者なる称号と特権、権益と引き換えに世界の政府に首輪をつけられた。

 

 現に今も監視の為に常にドローンで追跡されている。

 

 もっともこれとは別ベクトルに凶悪な呪文を複数保有し本気で暴れれば国の2つや3つ滅ぼせる君に対しては牽制程の効果すらないのだが。

 

 ともかく核の炎が彼の両手両足を生命活動に支障が無い程度に消し飛ばした。

 

 ここで不思議に思った方もいるだろう。

 

 小型戦術核並の攻撃撃ってその程度の被害なのおかしくね?と。

 

 その通り、もし仮に魔術で核融合をさせ放っていただけなら君もろとも一つの県が消し飛んでいただろう。そこで役立つのが転移魔術を応用した空間操作だ。

 

 空間転移の応用で核の火種と対象をこの世界から切り離し核融合を一点に留める。

 

 これにより威力を一切落とさず範囲を限定できるようになったため、単なる自爆技である核融合が【核撃】に昇華された。

 

 

 そしてその指向性を活かし彼の手足部分のみに核爆発を限定したため彼は芋虫と化しているわけである。

 

 

 

 

 

 

 

 手足を消滅させられても彼は悪鬼のような形相で君を睨みつけてくる。

 

 

 強者に媚び弱者を虐げる…とまではいかないものの強者には不細工な愛想笑いを浮かべ弱者はそれなりにぞんざいに扱うという生存戦略に基づいた対応が覚醒前の君のスタイルだった。

 

 そんな君だからこそ強者に対しても一切戦意も敵意も失わない彼を、尊び、憧れ、そして叩き潰そうと決意を固めた。足を前に振るった。

 

「覚えてろ、絶対あんたを超えてやる!」

 

 蹴られながらもそう言い放った彼の意識が持ったのは君の13回めの蹴りが顔面へ叩き込まれるまでだった。

 

 

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