灰崎祥吾、黒子のバスケに登場するキャラクターで、相手の技を奪う強奪の使い手。
素行不良だがキセキの世代と呼ばれるバスケットボールプレイヤーに匹敵するバスケの腕を持つ。
灰崎祥吾について知っているのはそれぐらいだが、そんな灰崎祥吾に生まれ変わっていた俺。
それで黒子のバスケの世界に生まれ変わったのかと思っていれば、どうやらこの世界はヒロアカらしい。
ヒーローが実在するアメコミみてぇな世界で、アメコミみてぇなクソ市民も混ざってる世界に、世の中クソだな、と吐き捨てたくもなる。
しかもオールマイトがまだ生まれてもいねえみたいだから治安も最悪だ。
ヒロアカの原作何十年前とかなんだろうが、オールフォーワンの全盛期とか嫌な時代に生まれちまった。
さて、両親はある日俺を置いて夜逃げしやがったりもしたんで、捨て子ってことになるのかもしれねえが、どうやって生活していくかを考えておかねえとな。
と言っても5歳児に肉体労働は不可能で、出来ることは限られてるから、個性を上手く使って生きていくのが良さそうだ。
そう考えて、俺は「強奪」の個性で、他人の個性を奪いながら自由に暮らす。
「強奪」で奪った光合成やら、養分吸収などの個性を使って植物から養分を吸収して栄養を補給したりもして過ごすことが多いんで、森の中で過ごすことが多くなったりもした。
オールフォーワンのように奪って、与えることも可能な個性ではなく、ただ奪うだけの「強奪」だが、それなりに役に立つ個性だ。
資格も無しに個性を使っている俺はヴィランってことになるのかもしれないが、ヴィランでも構わねえから問題ねえな。
「強奪」で奪った不老と長寿の個性で随分と長生きしていた俺は、様々な個性を「強奪」してから戻った森の中で珍しく人と出会った。
四ノ森と名乗った男性は鍛練を行っている真っ最中で、身体を鍛えているようだったが、ワンフォーオール4代目継承者が生きている時代ってことは、オールマイトが生まれるのは随分と先らしい。
植物操作で俺が作ってやった鍛練道具でひたすら鍛練をしていた四ノ森。
十数年間ひたすら鍛練を行っていた四ノ森へと珍しく来客が来たが、来客はワンフォーオール5代目の万縄で間違いなさそうだ。
その後、息を引き取った四ノ森の死因を万縄と一緒に調べて記録を残してから、四ノ森を埋葬して森へと戻った俺。
個性とは身体機能であり、よりその個性に適した身体へと変わっていく人体。
奪った個性を使い続けることにより「強奪」することに適した身体へと変わっていた俺の肉体は、奪った個性を完全に使いこなせるように変化していた。
衣類創造の個性を用いて用意した衣服を着用し、町に個性を「強奪」しに向かい、ヴィランらしき相手から個性を奪っておく。
万縄から煙、煙から志村へと託されていたワンフォーオールの個性が、まだ若いオールマイトへと譲渡されたことも確認できた。
あまり表に出てこないオールフォーワンが志村を殺しに現れることは確かだ。
ピンチはチャンスと何処かの異世界おじさんも言っていたし、ちょっと出向いてみることにするか、と決めた俺は、その時を待つ。
オールフォーワンに立ち向かうワンフォーオール7代目の志村が、足止めしている間にワンフォーオール8代目のオールマイトはグラントリノによって逃がされていたみたいだ。
ワンフォーオール7代目とオールフォーワンだけが残された戦場に乱入した俺は、触れることなく「強奪」でオールフォーワンの個性を奪う。
全ての個性が使えなくなり「何をした!」と狼狽えているオールフォーワンへと少しは説明してやることにした俺は口を開いた。
「奪い、与える個性と、ただ奪うだけの個性は、どちらの方が強いのか。という単純な話だ。お前の個性よりもシンプルな俺の個性の方が強かったってことだな。つまり何が言いたいのかと言うとだ」
笑みを浮かべた俺はオールフォーワンへと告げる。
「それはもう、俺のもんだ」
無個性となったオールフォーワンの身体から養分吸収の個性で養分を全て吸収し、カラカラとなった身体を分解の個性で完全に分解して消し去っておくと、此方を警戒していたワンフォーオール7代目。
「もう用はねえから俺は帰るぜ。あんたも家に帰るんだな」
それだけ志村に伝えて立ち去った俺は、しばらく森の中で過ごしていたが、画風の違うオールマイトと出会うことになり、何故か感謝されることになった。
「お師匠は貴方のお陰で命を救われ」とまで言ってきたオールマイトには「単なるヴィラン同士の潰しあいだから気にすんな」と伝えておくと「特に悪事を働いていない貴方はヴィジランテだと思われているようですが?」と不思議そうな顔で答えたオールマイト。
更に詳しくオールマイトから話を聞いてみると、どうやら世間では俺をヴィジランテとして扱っているらしい。
オールフォーワンを倒した男として危険視もされていたみたいだが、基本的に森で暮らしている俺が、ヴィラン以外の他者に危害を加えることがなかったことで、あまり危険ではないと判断されたみたいだ。
「正式にヒーローになってほしいという意見も出ているみたいですよ」とも言ってきたオールマイトには「ヒーローとかは向いてないから無理だな」と答えておく。
その後、オールフォーワンの勢力の残党やらとオールマイトが激しい戦いを繰り広げていても、たまに戦いに参加してヴィランから個性を奪う程度で、基本的に森で過ごしていた俺。
全盛期オールマイトが毎日元気に活動を続ける日本はだいぶ平和になったようだ。
活動に限界がないオールマイトが後継者を探すかどうかで僕のヒーローアカデミアが始まるかどうかが決まりそうだな、とは思ったが、とりあえず「無個性じゃないとワンフォーオールを受け継いだら寿命が短くなるぞ」とはオールマイトに忠告しておいた。
これで後継者を選ぶとしたら無個性の誰かを選ぶことになる筈だが、緑谷が選ばれるかはわからない。
オールマイトが後継者にしたいと思えるような存在が居るかどうかだな。
まあ、その辺はオールマイトが決めることだから、俺が気にすることではないか。