本日2回目の更新になりますね
この斉藤くんの話は短編ですが、もしかしたら文を追加して連載にするかもしれません
僕の名は斉藤血潮、一応転生者って奴になる。
僕が生まれ変わったこの世界は、殆どの人々が個性という超能力を持っている世界だった。
そして僕の個性は血液創造という個性で、様々な血液を造り出すことが可能な個性であるが、それだけではなく、ウォーターカッターのように勢い良く創造した血液で何かを切り裂くことも可能だ。
この世界では私有地以外での個性の使用には免許が必要で、個性を公に使える職業としてヒーローが存在している。
僕の個性はヒーローというよりも医療関係に進んだ方が役立つような気がしたので、そっちの方面で個性を使えないかと考えているところだった。
勉強も欠かさず行い、クラスメイトが困っていればそれを助けたりもする僕は、ある程度学校には溶け込めていたかもしれない。
小学校から中学校に進学し、医療関係の勉強をしながら普通に生活していると、クラスメイトの渡我さんに血を吸わせてほしいと頼まれた。
とりあえず雑菌が含まれていない清潔な血液を創造してコップに入れて、ストローで吸わせておくと幸せそうな顔で血を吸っていた渡我さん。
それから定期的に血を吸わせてほしいと頼んでくる渡我さんに血を創造して提供しておくと、毎回毎回恍惚とした顔で血を吸う渡我さんは、どうやら個性の影響で血を吸うことが好きらしい。
そんな渡我さんは家族には恵まれていないようで、血を吸いたいと思う渡我さんを彼女の両親は異常だと考えているらしく、普通にしなさいと、渡我さんの欲求を抑圧させているみたいだ。
それが渡我さんにとってストレスになっていることに気付いていない渡我さんの両親は、間違いなく子どもを大切にはしていない。
だから僕は渡我さんに「血が吸いたくなったら僕にいつでも頼めばいいよ」と言っておく。
渡我さんには好きなだけ血を吸わせてあげようと決めた僕は個性を磨き、血液の創造量と創造する血液の質を高めていった。
中学時代は勉強と身体を鈍らせない為の運動に、個性の鍛練と渡我さんへの血液の提供で時間を使っていたが、人の役に立てていたことは嬉しいことではある。
中学を卒業する卒業式の日、渡我さんに呼び出された僕は、今日も血を吸いたいのかな、と思っていたけど、その予想は違っていて「好きです!斉藤くん!」と渡我さんに抱きつかれながら言われることになった。
渡我さんみたいな可愛い女の子に好かれているとは思っていなかったから驚いていた僕だったが、告白されたなら気持ちには答えなければいけないと考えて「僕で良ければ」と渡我さんを抱きしめて、自分の気持ちを伝えてみる。
「嬉しいです!」と喜んでいた渡我さんの顔は、とても可愛く見えたが、そんな渡我さんの顔が徐々に近付いてきた。
「チューしましょう斉藤くん!」と言いながら僕にキスをしようとしてくる渡我さん。
距離を縮めるのが物凄く早い渡我さんに奪われた僕の唇。
今生のファーストキスは血の味でした。
そんなことがあったが渡我さんと同じ高校に通い、医療関係の個性使用免許の取得の勉強も進め、個性についても更に磨きをかけた僕。
高校在学中に医療関係で個性の使用を可能とする免許と、非常時に個性の使用が可能になるヒーローの仮免も手に入れた僕は、一応非常時には個性の使用を許される立場となった。
ヴィランと呼ばれる犯罪者によって傷付いた人々が血を失った時、僕の個性なら助けることが可能で、様々な血液型の血液を創造して輸血を手伝う日々を過ごす。
血が足りない人々を助けていた僕が、個性の連続使用で疲れていた時、いつもそばに渡我さんが居てくれた。
「斉藤くんは頑張り屋さんなのです」
そう言いながら僕の頭を撫でていた渡我さんは「でもそんな斉藤くんが、私は大好きです」と笑う。
「ありがとう渡我さん、凄い元気が出たよ」
僕は笑顔で渡我さんに感謝を伝えておき、元気をもらった身体を動かしていった。
血が足りない全ての人々の血を用意し、提供した僕は、仕事を終わらせて渡我さんと一緒に帰宅。
高校を卒業後、渡我さんと2人暮らしを始めていた僕は同棲生活にも慣れて、毎朝コップ1杯の血液を創造する日課を忘れることはない。
血を吸いたいと思う渡我さんを全て受け入れている僕は毎日渡我さん用に血を用意しておく。
オールマイトが引退してからヴィランが活発に活動を始めていき、巨大なヴィランによって甚大な被害が出た町もあった。
現在のナンバーワンであるエンデヴァーの不祥事で、ヒーローが信頼されなくなろうが病院は忙しく、負傷者達に足りない血液を用意していった僕は忙しい日々を過ごす。
ヴィランは病院を狙うことも増えて、襲い来るヴィランは全て僕が倒していたが、戦う手段がない人々のことも考えて避難場所である雄英高校に移動することを決めた僕と渡我さん。
避難場所でも医療関係者として働いて、日々を過ごしていた僕は、ある日戦っている少年の映像を見ることになる。
緑谷出久という少年がヴィラン相手に戦っている姿を見て、僕にも何かできないかと考えていると雄英の教師であるイレイザーヘッドが動けるヒーロー達に助力を頼んでいた。
「行ってください。斉藤くん」と僕の背中を押した渡我さんは「頑張って、私のヒーロー」と僕のことをそう呼んだ。
黒い霧のようなワープゲートを抜けて、ヴィランの親玉へと僕は拳を構える。
僕の個性は血液創造。
どんな血液でも創造できる個性。
だからこれから僕が創造するのは戦闘に適した血液。
「ブレングリード流血闘術、111式、十字型殲滅槍」
創造した滅獄の血を十字型の巨大な槍へと変えて、ヴィランへと叩き込む。
前に出た僕は「ブレングリード流血闘術、117式、絶対不破血十字盾」で造り出した巨大な十字の血の盾を用いて、緑谷出久へヴィランが放つ攻撃を防いだ。
ヴィランへと向かって駆ける少年の背に「頑張れ!」と声をかけながら、ブレングリード流血闘術によって戦っていく僕。
緑谷出久、ヒーローデクによって倒されたヴィラン。
その後、避難場所である雄英へと戻った僕は「カッコ良かったですよ、私のヒーロー」と言ってくれた渡我さんを抱きしめておく。
それから、復興が進み、普段通りの生活ができるようになってから僕は「僕と結婚してください」と用意した指輪を見せながら渡我さんにプロポーズをした。
「はい」
そう言って笑った渡我さんの顔が、世界一可愛く見えたことは確かだ。
彼女の笑顔が大好きな僕は、これからも被美子さんが笑って暮らせるように頑張るとしよう。