我が輩の名は死柄木改。
我が輩は三兄弟の長男であるが、次男の死柄木全の性格が最悪なのである。
中国で光る赤子が生まれる前から我が輩と次男は異能を持っており、異能を持つ人々が増え始めてから、動き出した次男。
他者の異能を奪うことも可能な異能を持つ次男の全は、他者から異能や命を奪うことに躊躇いがない。
欲しいと思えば何でも奪う全は、我慢するということを知らぬようであるな。
様々なものを改造可能な異能を持つ我が輩の異能を狙う次男対策に、奪われないように異能を改造し、襲いかかってくる全を改造した肉体で迎撃する日々を過ごしていた我が輩。
奪い取った様々な異能を用いて多彩な攻撃を行ってくる次男ではあるが、改造した肉体のフィジカルで全てを蹴散らす我が輩には敵わない。
そんな我が輩のことを末弟の死柄木与一は、ヒーローでも見るかのような目で見てくるが、我が輩はヒーローではないのである。
コミックの魔王に憧れている万年中2病な次男が襲いかかってくるから迎撃しているだけであり、我が輩は積極的に次男の行動を止めようとしている訳ではないのでな。
次男は次男で家族への執着は強いので、貧弱な末弟に力を蓄積するという異能を与えていたりもしたが、弱々しい末弟では異能を活かせていないようであった。
という訳で我が輩の異能で末弟の肉体を改造しておき、筋肉モリモリマッチョマンな状態にしておくと「力がみなぎる、溢れる」と言い出す末弟。
ドラゴンボールのブロリーみたいになってしまった末弟に、ちょっと改造し過ぎたかと思ってしまった我が輩だったが、末弟本人は喜んでいたことは間違いないのである。
その後、末弟は次男に戦いを挑み、周辺の地形が激変する程の激しい戦いの末に、末弟は次男に勝利。
そしてそのまま次男は末弟に殺害されてしまったようであるが、殺してでも次男を止めなければいけないと末弟に思われていたようであるな。
それから長男の我が輩と末弟の与一は、我が輩の改造の異能で老化も無い身体へと改造されている為、長い時を過ごす。
世代が替わり、異能を持つ人々の方が増えてきた頃、悪行を働く者達を成敗していた末弟が、ヒーローになってみないかと国の政府関係者から打診されることになり、国に認められた史上初のヒーローとなった末弟。
ちなみに末弟が「兄もヒーローにしてくれませんか?」と頼んだおかげで、我が輩も何故かヒーロー扱いされることになってしまった。
ヒーローが悪を倒すコミックで、ヒーローの姿に憧れていた末弟は、公にヒーロー活動が出来ることに喜んでいるようであったな。
職業としてのヒーローである為、悪行を働く存在を倒せば給料を貰えるらしいのであるが、生かして捕らえることはまだ望まれてはいない。
異能持ちの犯罪者を捕らえておく牢獄が存在していないことが、原因なのは間違いないのである。
そこで我が輩の異能である改造を活かし、強固な牢獄を急ピッチで大量に作成し、ついでに様々な異能に対応した設備も用意しておくと凄まじく喜ばれた。
末弟が捕らえた相手に我が輩が改造で手を加えて、自身の意思では異能を使えないようにしておき、強固な牢獄にぶちこむという弟との共同作業を行ってみた我が輩。
そんな作業を繰り返していると随分と治安が良くなった我が輩達が生まれた国。
人々の為に悪と戦う末弟は、いつしか人々に平和の象徴と言われるようになっていたようであるな。
本名でヒーロー活動をしていた与一は、ピースメーカーと呼ばれるようになり、いつの間にかグッズなども売られるようになっていたようであった。
人々を守り助ける為に戦う者達がヒーローと呼ばれ、異能を用いて犯罪を行う者達がヴィランと呼ばれるようになり、まるでアメコミのような呼ばれ方であるなと思った我が輩。
更には異能と呼ばれていた力が個性と改められて呼ばれるようになった頃、ヒーローという職業を目指す子どもが増えた。
老いることもなく衰えることを知らない我が輩達がトップに君臨するヒーロー社会。
拳による一撃で天候すらも変えることが可能な末弟と我が輩を越えようと思うヒーロー達は居らず、ヴィラン退治の件数も圧倒的な我が輩達。
今日もヴィラン退治を行っていた我が輩と末弟であったが、正義感の強い無個性の少年と出会うことになる。
八木と名乗った少年は、我が輩達のことを知っていて、特に平和の象徴と呼ばれる末弟に会いたいと思っていたようであった。
正義感が強い八木少年は、誰かの役に立ちたいと思っており、平和の象徴になりたいとも思っているようであるな。
長年生きてきて人を見る目はそれなりにある我が輩と末弟であるが、八木少年なら力を手に入れても悪用はしないと断言出来る程度には信用できた。
「兄さん、彼なら」
「うむ、大丈夫そうであるな」
そんな兄弟の会話をした後、我が輩の個性、改造によって八木少年の肉体を改造しておき、並みの増強系個性とは比べ物にならない程の身体能力と強靭な肉体を与えておき、その肉体を十全に扱えるように特訓を行わせる。
手加減を間違えることなく、自在に改造された肉体を動かせるようになった八木少年。
その後、八木少年が雄英高校のヒーロー科に合格したことも知った我が輩と末弟。
職場体験で八木少年に指名を出しておいた末弟により、ピースメーカー事務所にやってきた八木少年にヒーロー活動を経験させてみたが、中々様になっていたようである。
時が過ぎて成長してきた八木少年に更なる改造を施しておき、再び特訓の日々を過ごす八木少年。
八木少年が雄英高校を卒業し、オールマイトとして活動を始め、更に国の犯罪率が下がったりもしたようであるが、流石に零になることはない。
まあ、犯罪者は末弟に捕まるかオールマイトに捕まるかの違いが出てくる程度にはなったようであるな。