たとへ、この身が無かろうと…   作:夢幻パンチ

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なんか思いついたので…ザックリ書きました


第1話

男は黒かった

 

黒のロングコート、黒の髪、黒の瞳

 

まるで自分を追い詰めるように…………

 

 

 

 

男の背に長い長剣、この場合は物干し竿の方がしっくりくるだろう。男は物干し竿を鞘から抜き、構える。腰は低く、両手で獲物を持ち、降ろすように低く構える。

目標は目の前。片手剣を構え、怯えるように男から後ずさる。怯える者の頭上にはカラーアイコンがある。色はオレンジ、男の頭上にも同じようにオレンジのアイコンがあった

 

「……………、2年か…長いようで、短い2年だ。……どのみち俺には関係のないことだ」

 

男は誰に言うわけでもなく、まるで自分に言い聞かせるように呟く。

男の獲物は怯える者を切った。何かを言っている。聴こえない。涙を流していた。見えない。いや、聴こえない訳でわない。見えない訳でわない。ただ無関心なだけだ。男の目の前の者は光となり空となる。男にとっては見慣れた光景だった

 

「ッ!遅かった。またやってるのか?もぉPKなんてやめろ!お前だってッ!お前だってこんなことやっても意味がない事は分かっているだろ?」

 

「………キリト、俺は空っぽなんだ。……いや、貴様にはわからんよ一生、な」

 

男は獲物を鞘に戻し、キリトと呼ばれる少年を通り過ぎる。キリトは男を止めることが出来なかった。悔しそうに、ただ下を向くしかなかった

 

「……………クソ、悪を断つことがお前の正義なのかよ。分かってる!分かってるよ!確かにこのSAOの中だと、お前はイレギュラーだよ!でも、違うだろ?なぁ、コウ?」

 

キリトは誰もいない背中に問いかける。誰も答える者は居ない

男に、いやコウ。それが男のプレイヤー名だ

この世界、ゲームSAO〈ソードアート・オンライン〉

この世界において、コウと言うプレイヤーは限りなく

 

イレギュラーである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!βテスターの時は凄い楽しかった。この日を待っていたからね」

 

男の名は、大神 仁(オオガミ ジン)

今年、近所の二流大学に入ったばかりの大学生だ。雰囲気から察するに、爽やかさを醸し出しており、お人好しなんだなぁと思わせるオーラ。でも中身はゲームや漫画、そういったファンタジーに夢を見る青年である。若干まだ大人になりきれない一面がある

それが大神 仁のいいところである

 

そして今日、全国ではSAO〈ソードアート・オンライン〉と言うゲームの発売日

とうぜん仁も予約し、すでに手元ある

 

「またあの世界に行ける。さて始めるか」

 

リンクスタート

 

 

ズ、ズスッ、ピピ

ザーザーザーザー、エラーエラーエラーエラーエラー

エラーにより◯◯◯◯します

 

 

 

 

 

 

 

「帰ってきた。この世界に!さて適当にレベル上げますか」

 

大神 仁を改めプレイヤーコウとしてSAOの世界に来た。この世界での自分は主人公で正義の味方である。駆け出した足は慣れたリズムで一歩一歩速度をます。好奇心が抑えられなかった。探究心は絶えることはない。だが

 

「ん?あの子。初心者かな、NPCでもないみたいだし」

 

彼がお人好しなのは変わらない。困っている人は見捨てることが出来ない、βテスターとしての使命感もあるのか、ただ単に性格なのか、彼は教えることが好きなのだ

 

「えっと、君初心者だよね?俺これでもβテスターなんだ。今からレベル上げするんだけど、一人じゃぁ心細くて」

 

「私が初心者なのは事実、正直私も右も左もわからない状態だったから、ふふ、心細いんでしょ?私もだから一緒にやりましょ」

 

仕草や口調、アバターから見て本当に女性なのがわかる。別に女性だから話したのではない、心細かったのは事実だし、ほっとけない感じだったから話しかけた

彼女は本当に初心者だった。フレンド登録のやり方すらしらなかった。

 

「そういえば、まだ自己紹介してなかったね。俺はコウ」

 

「コウ……じゃあコウ君で」

 

「よれしくな」

 

「私は、私はアスナ」

 

これが、彼女との最初の出会いだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私は茅場晶彦、このゲームの製作者にしてゲームマスターだ。突然だか君達に贈り物がある確認してほしい』

 

今思えばこの時だ、この時

俺の歯車は動いたのだ。大神 仁が…

 

『このゲームでの死は現在での死と同様、現在数名のプレイヤーが亡くなった。これを見てほしい。君達の家族や知り合いだ』

 

先ほど贈り物のにより現在の姿になったプレイヤー達、茅場晶彦が写した映像には泣き崩れる家族、恋人、友達が映し出されていた。だがそんなのどうでもよかった

 

一点その一点をコウは見ていた。恐怖、悪寒、寒いと思った。その映像には

 

 

自分自身である大神 仁が居るのだから

 

「コウ、君?」

 

アスナも気づいた。隣に居る者が今、現在に居ると映像に映って居るのだから

 

「ッ!」

 

気づいたら走っていた。止めるアスナを振り切り、無我夢中で走っていた。なんでだ?思考の中はそればかりだった。

 

ドン

 

何かにぶつかったはわかった。

 

「ん?いやこれは失礼。立てるかい」

 

プレイヤーだった。男は手を差し伸べた

 

「気持ちはわかる。こんな世界に閉じ込められた「分かってたまるか‼︎」……話ぐらいは聴こう」

 

その後全部話した。自分のこと、自分が今何者なのかを全部

 

「ふん……なるほど、………残酷な話だが、多分君の思っていることはあっているよ。ナーヴギアはエラーが起こった場合、強制終了する。なら君だれとゆう問いだが、現実に君の本体がある。だが本体自身が動いているなら、君は誰なんだい?」

 

分かっていた。なんとなく嫌な感じはしていた。だがそれを口にしたら自分(コウ)が自分(仁)で無くなる。だから

 

「君はデータだ」

 

言わなかったんだ。何かが崩れた。砕けた。何もかもがだ。もお死にたい。いや

 

消えたかった

 

「どこに行くんだ?君は死ぬつもりか?なら、止めはしない。だが死ぬなら始まりの街。その協会の地下がある。そこなら静かに死ねるだろう

 

それが私のせめてもだ」

 

ふらふらと気力、覇気、何もかもがだ消えて、崩れ、まさに中身のない空っぽのデータ人形だった。コウはその足取りで始まりの街へと歩いた

 

残された男はただコウを見つめていた。

 

「団長!ヒースクリフ団長!人数揃いました」

 

「ああ、今必要なのは結束力だ。選りすぐりの者を集めギルドを建ち上げる。演説の準備を」

 

「はい!」

 

「………イレギュラー君。君はこのままどうなるか楽しみだよ。いや、君が死んでも問題は無いがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

コウが居るのは始まりの街の協会。協会に入った時点で協会の真ん中には地下へつづく階段があった。まるでコウを向い入れるかのように、死に場所を探すコウにとっては好都合だった。階段を一段一段とゆっくり、ゆったりと降りる。今のコウからしたらとても長く感じた。

 

やっとのこと階段をおり、目の前の扉を開いた。

 

真っ白。何もなかっな。広い空間が無限にあり、ゴールなど存在しないことを錯覚させる。

 

『おいおいおいおい、なんだ?なんでプレイヤーごときがこの空間に入ってんだ?ぁぁ?』

 

モンスター?なら好都合だ

真っ白の空間に霧のような白い何かが居る

 

「殺せ」

 

『ぁぁ?なっだてめー?頭イカれてんのか?いや、はー、てめーなんだデータか。このSAOの中のちっぽけなデータちゃんかよ。プレイヤーかと思ったぜ』

 

「殺せ」

 

『てめーそれしか言えねぇのか?つまんねぇヤツだな』

 

白い何かはまるでオモチャを見るようにコウを見る。そしてつまらなさそうに

 

「俺は何かない空っぽだ。自分がデータのくせに人間だと勘違いした愚か者だ」

 

『だから殺せ、か。なるほどなるほど、OK食ってやるデータちゃんありがたく思え。この俺様がちっぽけデータちゃんを食べてやるよ』

 

ぁぁ、これでも終わる。コウは死ぬ。でも仁は生きてる。それで十分だ

 

白い何かは口らしきものを開け、コウを丸呑みした

 

 

 

 

 

「え?俺、生きてる?」

 

『なるほどなー大神 仁ちゃんかぁ、まだ大学生じゃん。ちゃんと美味しいもん食べなよ。うんうん』

 

コウは生きていた。確かに食われた、はず?

 

「お前!俺は、俺はなんで生きてんだよ!」

 

『データちゃんよぉ、データは食った。だからてめーのことは枝毛1本から足の指のアカまでわかんだよ。よってパンパカパーン♪てめーは俺の下部になりました。ようこそウイルスの世界へ』

 

「ウ、ウイルス?」




つづく

つづく?か?
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