許してくれ
「……あれから、2年か」
長かった。全身真っ黒の童顏の少年キリトは、深く息を吐いた。SAOからログインが出来なくなって、2年だ。攻略は進み、ゴールも近くなっていった。だがその一方で、死人の数も少なくはない。エリア攻略の度に死人は増える。
キリトは攻略戦がある度に参加し、奮闘する。だがその中、キリト同様に装備は真っ暗、異様の武器。物干し竿と言えばいいのだろうか、とにかく異様、異常だった。
それは、第一層の攻略の時からだ。攻略終盤、突然現れて、ボスに一太刀。ポリゴンが砕けるように散っていった。そいつは、目からしてヤバかった。完全に一つしか見てなかった。攻略。これだけだった。
「…………、そうだったな。これがあいつとの出会いだった。と言っても、気になったのは俺の方だったんだけどな」
みんなは、ラストアタック狙いだの、チーターだので罵った。だが俺はそうは思わない。確かにあの段階であの強さ異常だった。でも俺は何かを守ろうとしているように見えた。何かを、そう、何かを…
「そう言えば、一緒にシリカのピナを生き返らせにも行ったっけ」
これが本当の出会いかもしれない。と言っても、あいつが俺を認識した時だ。たまたま、同じクエストを受けて、一緒にいた時だ。シリカのピナが死んだ所に出くわした時は真っ先に手伝う事を決めた時は、驚いた。パーティを組んでからあまり喋らないし、チームプレイはしようとしない。正直変な奴だ。
「……でも、これがきっかけで俺たちは、仲良くなったのかもな」
その晩、宿に泊まった時だ。あいつの腕が時折、透ける事があった。俺は詰むよって聞いた。当然素直に答えるわけも無かったが、しつこく聞いたら答えてくれた。
データ。つまりこいつは、NPCのプレイヤーの様な存在になっている事がわかった。俺は思った。言った。SAOをクリアしたら、お前さ消えてしまうんじゃあないのか?と、なのにこいつは攻略戦は毎回参加し、毎回誰かの盾となっている。そしたら、こいつはこう言った
帰したい奴が居る。自分が生を受けて、初めて出来た感情だ。だから、守るために、悪は滅する。モンスターも、プレイヤーも関係ない。あらゆる可能性を潰して、帰してみせる!
初めて、こいつの感情を見た気がした。帰したい奴はわからないが、多分そいつとシリカを重ねていると思う。
それから何かと会うようになり、と言うもの、半ストーカー状態の俺、こいつは目を離すとこいつはオレンジプレイヤーをPKしようとする。正直ほっとけない。そいつは俺にお人好しと言うが、お前に言われたくない
そしてなんやかんやで、2年だ。
「長かったな〜」
「…………お前、バグってないか?」
「バグってないよ!だいたいお前は「黙れキリト」ん?あれって」
現在、俺は話にあった。男と一緒にパーティを組んでいる。すでに顔なじみか、初期のトゲトゲしい雰囲気は薄れていた。そして目の前にはラグー・ラビット。ラグー・ラビットはとても珍しいモンスターでラグー・ラビットの肉は食材で高級食材だ
「仕留めるか」
男は、小石を拾い。気付かれてもいいのか、全力で投げる
「ズェア!」
そして当たり、ドロップ
「やった!ラグー・ラビットの肉だ。高級食材だぞ」
「はぁ、エギルの店で売るか」
「な、勿体無い」
「俺と貴様の料理は火で炙るだけ、それの方がもったいないだろう」
そう言って、そいつは町の方まで歩き出した。正直大分丸くなった。初めて会った時は怖さも感じた。だが、今は一友人として言える。こいつは元はすごく純粋なんだ。と
「おいキリト。行くぞ」
「待てて、コウ!」
「お、お前ら!これ、高級食材じゃねぇか!」
「……はぁ、やかましい」
「ハハ、エギル。でどのくらいで買ってくれるんだ?」
エギル。こいつは店をやっている攻略組の一人で、コウや俺もこの店をよく使う。コウは攻略組の連中から嫌われていて、店にも入りにくく、回復アイテムを買えずにいた。そんな時、手を差しのばしたのがエギルだ。なんでもエギルは攻略時にコウに助けてもらったとかで、コウの事も嫌わず、接している
「いや、ちょっとまて、こんな機会はない。これは三人で喰っちまおう」
「エギルお前、料理スキルは……?」
「お前ら?」
「俺もキリトも、干し肉オンリーダンジョンだから、料理なんて出来ないぜ」
「あ、これも干し肉にするか?」
「……いいかもしれんな」
「……これだからバトルジャーキー共は」
なんやかんや、言い合ってると…、店に来訪者が
「こんにちはエギルさん。あ、キリトくんにコウくんも」
「いらしゃい。血盟騎士団副団長様のご来店だ」
「やあ、アスナ」
「…………チィ、エギル。その肉やるは、じゃあな」
アスナを見た途端に表情が変わり、面倒くさそうに店から出ようとするかコウ。それを許すわけもなく、アスナに腕を掴まれる
「どうして、私を避けるの?」
「…………避けてない。用事を思い出しただけだ」
「嘘だよ。避けるよ。私をあからさまに遠ざけてるもん」
「………………」
コウはアスナを見るたびに、何かと避ける。攻略戦の時も、アスナは積極的に話しかけようとしているが、何かと理由を付け遠ざけてる。何より攻略組トッププレイヤーの血盟騎士団副団長のアスナが、嫌われ者のコウ話しかけることを周りが許さないのだ。アスナはコウの腕を持ったまま、俺の所まで来る。
「なんの話してたの?」
「あ、ああ、コウがラグー・ラビットの肉を手に入れたんだが、料理スキルが俺たちなくて料理しようがないんだ。アスナ料理スキルは」
腕を掴まれているコウは、面倒くさそうにな顔している
「私は、もうマスターしたよ」
マスターしているか…、じゃあ
「じゃあ、アスナ料理してやれよ。俺やエギルはいいから」
「「は⁉︎」」
「おい!キリトどうゆうことだ?こんな機会は滅多にないんだぞ!」
「いいんだよ。コウが取って、アスナが料理する。入る隙間なんかない」
俺はアスナとコウを見て、そう思った。この二人は話す機会が必要と見た
「お前バカか、んっなこと「……うん。そうね、二人で食べましょ?コウくん。いっぱい、いっぱい話したいこともあるし、ね?」……は、はい」
笑顔なのに、あんな怖いアスナは見たことがない。そしてあんなコウも見たことない。アスナに引っ張られながら、店から出て行く二人
「……キリト。干し肉で我慢するよ」
「……ほら、干し肉」
「ウ、ウイルス?わけがわからない……」
『わかんないかな〜。ジンジンはデータからウイルスになったの』
二年前だ。あのウイルスと出会った。あの時、俺に命が宿ったのは、消えたくて、死にたくて潜った場所で運命が変わるなんて考えもしなかった。
『いいかジンジン。お前はもう俺様の配下だ。下僕だ!奴隷なんだよ!テメーに言い分なんてないんだよ!バーカ」
大神仁として、死んだ自分に、死すら与えてもらえない。なんだ自分は、自分は何者なんだ?お前は
「なんだ?ウイルスだの何だの、わけがわからん。お前は俺に何をさせたいんだ?」
『うぉ?いいねぇ〜、その目。俺様ゾクゾクしちゃう、まぁまず俺がなんなのかだな。このSAOはまだ出来立てホヤホヤなのよ。そんな初々しくて、脆いプログラムにハッキングした我が主、そんな所、茅場明彦は蓋閉めちゃったわけよ。取り残された俺様シクシク、そんな時にジンジンがきたのね?わかる?」
つまりなんだ。こいつは取り残されたから俺を利用してSAOを
『乗っとろうとしてるのか〜?そうゆう事。でお前にして欲しいのは、データ食わせて俺様を強くして欲しいって話だ。モンスター、プレイヤーなんでもいいから食わせろ。手っ取り早いのはゴールなんだが……聞いてる?』
なんだよ。食わせろだ?ふざけやがって、ゴール?そんな事したら俺は消されじゃねぇか。……まてなんでだ?消されることを望んでたんじゃないのか?わからない。自分がわからなくなってきた
「おい、ウイルス野郎」
『ん〜?なーに?OKするの、了解するの?」
「条件がある」
『条件?ふ、ハハハハハ!いいぜ!なんだよなんだよ。いい目になったじゃん!なんだよ言ってみな」
「お前の力を貸せ!あと、その力を使うなは俺だ!それだけは譲らん」
何言ってんだ俺は、なんだよ。さっきから頭にチラつくのは
『はは〜ん。なるほどゴールって聞いて腹くくったって感じだな、なるほど女の為にゴールするってか』
女?………アスナだ。そうだ自分はデータだ。ログインした時点で生を受け、最初に会ったのがアスナで、俺のメモリにはアスナしかない
「…そうだよ。そうだよ!俺はアスナの為に、彼女を帰すためにやるんだ!あらゆる可能性を潰す!モンスターもプレイヤーも関係ない。お前が利用するなら、俺も利用してやる!」
『いいねぇいいねぇ!並んだぜ、今お前は俺と対等になった。ジンジン、いや、コウ!空っぽのお前を利用して、利用される。気に入った。ほら受け取りな』
ウイルスと俺の間に、長い刀がゆっくり降りてくる。俺の手の中に収まると、途端に流れるデータ
「ッ!」
『約束の力だ。そして、武器は〈斬魔・鳴神(ざんま・おおかみ)〉なんの因果かテメーと同じ名前だ。それは俺自身だ。だからそれで切りまくれ、切れは俺の力になる』
わかった。俺はただ彼女を守る。それが生きる意味。プレイヤーを切るのも、その者の罪を切る為
「俺は空っぽだ」
『ん?』
「俺はコウだ。俺はジンでもある。プレイヤーを切るのは罪を刈り取る為に」
さぁ、覚悟は決まった!
グラさん登場せず!イエー!
あとあと出るよ