ヘイロー持ち男子生徒の過去を知った結果   作:縁の下の焼き鳥

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仕事で使う資格云々を取得する為にお勉強してたらめっちゃ時が過ぎてた……。
本当に申し訳ない……。
誤字報告感謝です!


4話 サオリの話

 

 

 シャーレの先生を排除する上で邪魔な存在、嘗てマダ……ベアトリーチェに支配されていた頃の私はアキトに対してその程度の認識でしかなかった。

 

 巡航ミサイルでゲヘナ学園とトリニティ学園のエデン条約締結会場を襲撃し、そこに出席していた先生の命を狙った。

 

 その時にアキトと初めて出会った。先に言ったように、先生を殺すようベアトリーチェに言われていた私からにすれば邪魔でしかなかったのだ。

 

 だが私が想定していた以上にアキトは強かった。それこそ私やミサキ、ヒヨリ、アツコの4人を相手にしながらもアキトは何処か余裕を感じさせながら私達と善戦していた。

 

 まるで歯が立たなかった。どんなに当てようとしてトリガーを引くも、それをアキトはいとも簡単に全てを避けていく。ミサキのスティンガーミサイル、ヒヨリのスナイパーライフル、その全てがアキトに被弾する事はなかった。

 

 アリウスで訓練されてきた私達4人がたった1人を相手に翻弄されていた。

 

 本来なら部隊のリーダーとして常に冷静でいなければならないというのに、一発どころか擦りもしないという事実に私は焦り始め、段々と私は冷静さを欠いていた。他の3人も同様で、特にヒヨリは狼狽してしまい、その隙をアキトに突かれてスナイパーライフルを手放してしまっていた。

 

 結果を言えば惨敗であった。

 

 私達は標的である先生を排除どころか、傷一つすら付ける事も叶わずに離脱されてしまった。

 

  その時の私は焦っていた。そしてその焦りが祟ったとでも言うべきなのだろうか。条約も奪還されてしまったのが致命となり、私達はとうとう与えられた任務を達成する事が出来なかった。

 

 任務を遂行出来なかった事でアツコを連れ去ろうとし、そして用済みとなった私達を排除しようとアリウスからの追手から逃れようと走った。何処か宛なんてある訳がないというのに、私はアツコからの「逃げよう」という言葉に従った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──そしてアツコはアリウスに連れ去られた。

 

 

 ミサキもヒヨリとも連絡なんて取れず、2人が無事なのかすら分からなかった。そんな最悪な状況の中だというのに私には時間は残されていない。急がなければアツコがベアトリーチェによって殺されてしまう。だが今の私だけでアツコを救いに行ける程の実力は持ち合わせていなかった。

 

 だから私は頼るしかなかった。

 

 降ってきた雨が体中に降り注ぎ、冷えてくる。それでも私は探すしかなかったのだ。

 

 任務の為に銃口を向け、挙げ句の果てに殺めようとしていた相手に……先生達に頼るしか方法は思いつかなかった。たとえ殴られたり罵詈雑言を吐かれようとも、私はそれを受け入れるつもりだった。

 

 アツコを助ける為に力を貸して欲しいと、顔が地面に当たるまで頭を下げた。恐らく自分でも鼻で笑ってしまうぐらいみっともない姿をしていたと思う。

 

 すると先生の横に居たアキトが無言で近付いてきた。一瞬私は殴られる覚悟をして、思わず目を瞑った。

 

 次の瞬間、私は文字通りアキトに抱き締められていた。先生も私と同様に困惑している様子だったが、アキトの様子を見て何も言わずに見守っていた。

 

 そして無言だったアキトから発せられたのは──

 

 ──労いの言葉だった。

 

 憎悪が込められた言葉ではなく、ただアキトはずっと私の背中をトントンと、優しく叩いていた。そしてアキトも先生も私に力を貸してくれると言ってくれた。……何故なんだ?

 

 その行動に私は疑問を問わずにはいられなかった。そんな私の疑問に対して、アキトからの返答がきた。

 

 

 「先生はお前達に殺されかけたとしても、生徒であるのなら恨む事は決してない。それが先生の意思なら俺は何も言わないさ」

 

 

 「まあこれは建前だけどな」、その言葉を聞き、それはそうだろうと思った。たとえ先生が私達の行いを許してくれたとしても、それで周りが許すかどうかはまた別なのだから。

 

 

 「本音を言うとな、俺達子どもを道具か何かと勘違いしてる奴のツラを拝みにいきたいんだよ」

 

 

 無茶苦茶な理由だった。たったそれだけで私に力を貸してくれるというのか?頼んだのは此方だというのに、アキトの返答に私は唖然していた。

 

 その後は、夜明けまでにアリウス自治区のバシリカ へと向かい、直ぐにアツコを助け出さなければならない為、道中は私が案内をしていた。

 

 

 「それに……俺みたいな奴になって欲しくないからな

 

 

 アキトがポツリと呟いた言葉は、降り注ぐ雨の音に掻き消されてしまい、先生や私の耳に届く事はなかった。

 

 

……………

 

 

  アリウス自治区へと向かう道中、アリウスの追手から逃げている際に逸れてしまっていたヒヨリとミサキと合流したサオリ達は連れ去られたアツコを救出するべく協力を仰いだ。

 

 2人の説得に成功し、夜明けまでにバシリカ へ辿り着かなければならなかった。聖園ミカの襲撃を受けつつも、何とかバシリカ へ辿り着く事が出来た一行は、ベアトリーチェと対峙する。

 

 計画の邪魔者を排除すべく、異形の怪物へと変貌を遂げたベアトリーチェの姿見て一瞬サオリ達は臆すも、磔にされているアツコの姿が視界に入った。その時点でサオリ達にはベアトリーチェに対する恐れは消えていた。

 

 搾取すべき存在だと見下していたサオリ達によって徐々に追い詰められたベアトリーチェは、やがて其々の会心の一撃を受けてしまった。

 

 ベアトリーチェが動かないのを確認し、直ぐに磔にされていたアツコを救出する一行。安否を確認し、無事だと分かったサオリは涙を流しながら抱き締めていた。

 

 

 「先生、ここは良いので早く聖園の所へ……!」

 

 

 ベアトリーチェとの決戦前、たった1人で恐らく今もサオリ達の邪魔が入らないよう殿を務めている彼女が心配だった。少し悩んで先生は、アキトの言葉を肯定してミカの元へと向かうのであった。

 

 これで戦いは終わった。目的であったアツコも救出する事に成功し、これまでの緊張に包まれていた雰囲気はいつの間にか消えていた。

 

 

 「……これで終わりだと、思いましたか?」

 

 

 ──瞬間、スクワッド全員の背筋が凍った。あれだけの攻撃を喰らわせたというのにまだ動けるというのか?否、嘗てのアリウスの支配者は最早サオリ達と再戦する程の余力は残されてはいないのであった。現にベアトリーチェは匍匐前進の様に動かない体に鞭を打っていた。

 

 ベアトリーチェが笑う。その笑いがどういう事なのかは、今この場に居るベアトリーチェ以外には見当もつかない。ただ一つだけ分かる事は、まだ終わりじゃないという事であった。

 

 やがてベアトリーチェは、隅に置いてある謎の機械へ辿り着いたかと思いきや、その機械を起動させた。起動させたと同時にベアトリーチェが更に笑う。

 

 その不気味なベアトリーチェに、サオリ達は恐怖を感じ、無意識の内に一歩下がっていた。

 

 

 「このまま無事で終わらせてなるものか……!神宮司アキト……仮に私が勝とうが負けようが、私は最初からこうするつもりでしたよ。このキヴォトスから貴方の居場所を消し去ってあげましょう……!貴方の過去でね(・・・・・・・)

 

 

 機械からベアトリーチェの声が聞こえ始める。

 

 語られたのは、ある男の過去について。

 

 その内容は到底信じ難い内容であり、スクワッドを始めにミカを救出しに向かっていた先生も音声を聞いており、内容に驚きを隠せなかった。

 

 それもその筈である。そのある男とは、先生にとっての大切な生徒の1人である神宮司アキトの事であり、連邦生徒会の管轄外の地で傭兵として多くの命を奪っていたという内容だった。

 

 サオリ達の驚愕した表情を見て、満足気に笑みを浮かべていたベアトリーチェ。彼女の意識が途切れる直前に見ていた光景は、此方へ銃口を向けている冷めた瞳をしたアキトの姿であった。

 

 その後、気絶したベアトリーチェをゴルゴンダとデカルマルコニーによって回収され、漸く落ち着け──なかった。

 

 

 「さっきのマダ……ベアトリーチェの話、本当なのか?」

 「……まあな」

 

 

 肯定。だがアキトの顔は俯いて、よく見えなかった。

 

 

 「……何故なんだ」

 

 

 サオリは調印式での時にアキトに言われた言葉を思い出す。

 

 

 『お前達の事はよく知らないし、よく分からない……けど俺が言える事はな、どんな理由があってもそっち(人殺し)に行ったらお終いなんだよ!!』

 

 

 「あの時、私達に殺しをさせまいとしてくれたお前がどうしてなんだ……」

 「それを今ここで言っても仕方がない。もし、理由を知りたいというのなら、シャーレに来てくれ。そこで全部話す」

 

 

 そうサオリに言い、アキトは先生の方へと向かった。サオリ達はそれを見ているだけであった。

 

 

 「シャーレで、か……」

 「どうするの?リーダー」

 

 

 ミサキが聞く。調印式の時、あれだけ殺しをさせないよう妨害や阻止をしてきたアキト。どうしてそこまで自分達に固執するのかは、サオリには知る由もなかった。

 

 だからこそ──

 

 

 「……行こう、シャーレへ」

 

 

 ──サオリは知りたかった。過去を知る事で、自分達に殺しをさせようとしなかったアキトの考えが分かるかもしれないと信じて。

 

 

 「お前の過去、全て聞かせてもらうぞ」




資格の勉強+資格取得の試験を受けて、終わったら滅茶苦茶疲れてきて、好奇心でデビルメイクライやってどハマりしてたら全然執筆してないことに気付いたから急いでやりました。

ストック作ってないからいつになるやら……。
次はお待ちかね?の全員集合!になります。多分オリ主は死ぬ(胃が)

あったか〜い感想待ってます
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