ヘイロー持ち男子生徒の過去を知った結果   作:縁の下の焼き鳥

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どうも、息抜きで他の小説作ってたらめっちゃ進んでなくて焦ってた作者です。
今回は個人的に描きたかった主人公の過去についてです。この為に独自設定タグを使ってたと思ってます。
お待たせしましたが、どうぞ。


5話 語らねばなるまい……

 

 

 あれからどれくらい経ったんだろうか……え?そんなしんみりな感じで言う程経ってないだろうがだって?少しぐらいシリアスで行こうかなって思っただけじゃん。

 

 まあ冗談は一回投げ捨てといて、ベアトリーチェに俺の過去をバラされてからキヴォトスはすっかり俺への話題で持ちきりという訳。ベアトリーチェの言葉を信じてない生徒もいれば、ベアトリーチェの言葉を信じたりして俺に対して批判してる生徒もいたりする。

 

 そりゃそうだろうな、とは思う。何せ急にスマホとかテレビが乗っ取られたのかと思いきや、いきなり知らない女が俺の過去を話し始めるんだからさ。困惑したりするし、信じたりする生徒がいたっておかしくないもんな。

 

 テレビではニュースの殆どが俺に関する話ばかりだ。しまいにはベアトリーチェが言っていたように、俺がシャーレに所属している事で先生の身が危ないんじゃないのかって言われてる。

 

 好き放題言われて思うところはあるが、ベアトリーチェが言っていた事は全部本当の事だしなぁ……。確かに俺は先生と出会う前は傭兵として生きていたし、それで殺しもやってた。

 

 やっぱバレちまった以上はもう残れ──……

 

 ダメだ、さっきから集中出来ん……

 

 え?なんでかって?

 

 

 「居るんでしょアキト!出てきてよ!!」

 「アリス、アキトを助けに来ました!だからこの扉を開けてください!」

 「アキト。私だ、サオリだ。扉を開けてくれないか?」

 

 

 騒々しい……!

 

 何だコイツら?……いや、理由は分かると思う。もしかしなくても俺の過去についてだろうな。てか、アリスが俺を助けに来たとかって言ってるけど何の事だよ。

 

 さっきから扉をドンドンと叩いてくるからちょっと怖いんですけど……ちょっとこのままだと扉を破壊されそうになるから出てみようと思う。……気は乗らないけど。

 

 

 「来た理由は何となく分かるが……」

 「……なら単刀直入に聞くね?殺しをしてたのって本当?」

 「……ここじゃ狭い。場所を変えよう」

 

 

 思ってたよりも深刻な状況なのかもしれない。特に1番様子がおかしいのはホシノで、返答次第によっては多分俺を殺るかもしれない……

 

 というか何でこんなに大勢が来てるの?先生はまだ分かるけど、対策委員会とか、ゲーム開発部とか、何ならアリウススクワッドまで来てるじゃん。これは幾ら何でも多すぎるんじゃないか?そもそもスクワッドに関しては現在指名手配中じゃなかったか?大丈夫かよ……

 

 移動中の雰囲気は案の定最悪だった。普段のホシノとは程遠い程に殺気立ってる姿に、アリスもサオリも若干怯えていた。これじゃホシノのせいで落ち着いて話す事も出来ないじゃ──いや、元はと言えば俺のせいか。あっ、俺か……

 

 取り敢えず、全員が俺の話を聞けるように広い部屋へと移動した。対面する形で俺は椅子に座り、他の全員も椅子に座ったり立ったままの奴がいたりと、完全に尋問か何かだろって思った。要は俺対ホシノ、アリス、サオリ、先生(その他大勢)だからな?これを尋問と言わずに何て言うんだよ。

 

 さて、いつまでも愚痴を言ったってしょうがないしな。そろそろ語るとしますか。

 

 

 「確か俺が殺しをしたのか、だったな?結論から言うと──その通りだ」

 「ッ!!」

 

 

 その瞬間、ホシノが自身の顔を歪めながら手にしてたショットガンを俺に向けてきた。勿論、顔を歪めているのは何もホシノだけではない。こうなるだろうなとは予想してたが、俺に向けているその銃口は揺れていた。

 

 

 「何で……と思っただろうけど、理由を話すには先ず俺の過去を話さないといけない。だからホシノ、今だけはその怒りを堪えてくれ」

 「…………」

 

 

 返答はなかった。が、先程まで俺に向けていた銃口は下げられた。それを確認した後、俺は少し息を吸って……皆んなに語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の、地獄にも等しかった過去を。

 

 

……………

 

 

 俺が赤ん坊の時、物心がつく前はキヴォトスの外で過ごしていたにいたんだ。とはいっても、物心がつく前の話は俺も聞かされた話だからよく分かんないんだけどな。

 

 俺はとある理由で、拉致されて(・・・・・)、その後に俺が所属する事になる傭兵団の拠点で育てられた。当時の俺はそこが傭兵団なんて知らなかったし、正直、傭兵団に居たオートマタの皆んなは俺を大切に育ててくれたから嬉しかったさ……その時まではな。

 

 物心もついて体も大きくなってきた頃、俺は傭兵団の連中に呼ばれて、ある台にうつ伏せにされていた。周りを見れば、俺と同じぐらいの男女も同じ様にうつ伏せにさせられていた。

 

 するといきなり俺の頭、腕、足が同時に物凄い力で掴まれて、俺は動かす事が出来なかった。何がどうなってるのか分からない俺は周囲を見て気付いた。

 

 さっきまで優しかったオートマタ達が無言で頭と手足を押さえつけていたのが見えたからだ。

 

 何で?どうして?そんな事を考えていたら、背中に突然今まで感じた事のない激痛が襲ってきた。そしてザシュッ……と、何かを斬りつけている音も聞こえきた。その音が聞こえてくる度に俺は激痛で苦しんでいた。

 

 何度も何度も叫んだ。止めて!とか、痛いよ!って。でも何も返ってこなかった。すると何かが頬に散ってきた。俺はそれを見る勇気が湧いてこなかった。俺は散ってきたものの正体を知るのが怖かったんだ。本当は何となく正体は分かっていたのに、それを知る事は出来なかった。

 

 俺はあまりの痛さに気を失ったんだが、意識が途切れる直前に俺を押さえ付けていた人達が神秘だとか言っていた。

 

 目が覚めた後、俺は未だ痛む背中に顔を歪めていると、何人かのオートマタが立っていた。

 

 そこで俺は教えられた。俺みたいな子どもを攫って、神秘とかいうのを宿らせる事で子どもながらに身体能力も高く、弾丸如きじゃ屈する事のない無敵の兵器を作ろうとしていたと。

 

 それが拉致された理由だった。

 

 要は俺は傭兵団の戦力となる為だけに攫われたんだ。最初は何を言っているのか全然分かんなかったさ。けど、それだけじゃなかったんだ。

 

 神秘を宿らせる方法……そこに問題があったんだ。

 

 その方法はかなり強引な方法で行っているらしくてな、神秘を宿らせたは良いものの、その神秘に殆どの子どもが耐えきれないせいで体の機能に甚大なダメージが行き、最悪の場合は死に至らしめる事だ。

 

 体の一部が麻痺して動かなくなるは勿論、脳にも影響を与えて脳死状態とか、五感にも影響を与えたりする。少なくとも神秘を宿らせる事に成功した奴の中はそれなりに居るが、何事も無かった奴なんて居なかった。……勿論俺もだ。

 

 

 「俺は味覚がダメになった」

 「「「「「……え?」」」」」

 

 

……………

 

 

 アキトの言葉に誰よりも反応したのは対策委員会のメンバー達であり、青褪めた表情となっていた。それは皆其々が思い当たる節があったからだ。

 

 そんな中、メンバーの中でノノミが冷静さを保ちながらアキトに質問をしていた。動揺を隠し切れていないノノミに対して、誰も指摘を言う事はなかった。

 

 

 「……初めて出会った、あの時から、ですか?」

 「そうだな」

 「柴関ラーメンでラーメンを食べた時は……?」

 「味なんてなかったさ。腹が膨れたら別に良いさ」

 「何で──」

 

 

 それを言わなかったのか……その言葉が出るよりも先にアキトが口を開く。

 

 

 「何で、だと?態々俺の味覚の事をお前らに話して、あの楽しげな雰囲気を俺にぶち壊せってのか?悪いが俺は重苦しい雰囲気の中で飯なんざ御免だね」

 

 

 その言葉に一同は口を閉じてしまう。淡々と理由を述べているアキトとは裏腹に、其々が悲痛な表情や憤りの表情を浮かべていたのであった。

 

 初めてアキトの過去を聞いた事で、心を抉られるかの様な思いとなっていたりしていた。そしてアキトが自身の過去を話しているものの、その当の本人が何一つ感情を感じ取れない程の真顔で語っているというのが気に入らなかったのだ。

 

 

 「……お前は悔しいと思わないのか?」

 「何が?」

 

 

 口を開いたのはサオリだった。その言葉にアキトがキョトンとした表情で首を傾げる。

 

 

 「お前の自由も、味覚も奪われてしまったのだというのに……どうしてお前はそんな平気そうなんだ!?」

 「ちょっとリーダー……」

 

 

 サオリが激昂した表情でアキトの胸倉を掴む。そんなサオリを宥めるミサキ、だがその表情は怒りや悲しみとも取れるような表情であった。サオリとミサキの表情は過去の自分達を思い返しての事なのか、それとも自分達を救ってくれた男の過去に対しての事か。




次話まで続きますが、そこから多分あらすじとかタグにあるヤンデレとか過保護になったりしていきます。
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