ダイバーは透き通る世界で何を成す   作:余楽

23 / 26

メリークリスマス。どうも余楽です

早く投稿出来るとか言ってましたが少し遅くなってしまいました
思ってたより書きたい内容詰めてたら伸びてしまって結果、投稿が少し遅くなってしまいました

今回も頼んしでもらえたら嬉しいです


22話:それでも手放さなかったもの②

 

 

シロコ達は先へと進んでいた。PMC兵は殆ど殲滅したことで今地上には敵が居らず立ち止まる事なく順調に進んでいた。

基地の奥地に行くと、新しい建物が無くなり廃墟や瓦礫が少しづつ増え始めていた。

どうやら、ここまでは手を回してはない様だ

順調に進んでいたシロコだったがが、あるものに気づいて足を止めた

それに釣られる様に先生も足を止める。突然止まったシロコにセリカは声を掛ける

 

 

「どうした、シロコ先輩?」

 

「これって……」

 

 

シロコが指を指した先には駐屯地には似つかわしくない物が落ちていた

それは、黒板だ。此処はあくまで駐屯地、学校ではない筈なのに何故黒板があるのかシロコ達にはわからなかった

 

 

「これって……黒板ですよね?」

 

「う、うん。それ以外にも、色々と見慣れたものがいっぱいあるわね」

 

セリカが周囲を見渡すと確かに見慣れた物が散乱していた

机や掃除用具のロッカー、下駄箱など、学校用具がなど放置されていた。何故こんなものがこの砂漠のど真ん中、しかもPMCの駐屯地にあるだろうかと、疑問に思っていると一際大きい建物を見たアヤネが気付いた

 

 

「ここって……もしかしてアビドスの本館じゃないでしょうか?」

 

「えっ!?」

 

 

アヤネの予測にシロコ達は驚いていると索敵を終えたキリュウがシロコ達に合流する

通信越しで会話を聞いていたキリュウはアヤネの憶測を校庭した

 

 

『アヤネの憶測は当たってる。ここがアビドス高校の本館……つまり、本当のアビドス高等学校があった場所だ。

その証はそこにある』

 

 

ブルフロガが指を指した所を見ると確かにそこには『アビドス高等学校』の文字が刻まれたものが落ちていた

 

 

「ここが……」

 

「昔の……」

 

「先輩たちがいた……」

 

「アビドス……」

 

 

シロコ達には見えていた。かつての大勢の生徒が集まったであろう校舎が、部活に勤しみ楽しむ先輩達の姿が、シロコ達の目には涙が滲み零れそうになる

 

 

『…………皆、進もう。ホシノが捕まっている場所までは近い筈だ

まずは、ホシノ救出を最優先にしよう』

 

 

、すぐに感傷を振り払った。今は過去の栄華に浸っている場合ではない、ホシノを助ける為に動かなければならない

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

全員が進もうとしたがそれを遮る為にゴリアテが数機現れる

キリュウは、さっさと始末する為に突っ込もうとしたが正確な一撃がゴリアテの片腕を破壊した

キリュウが振り返るとそこにはイオリとアルが居た

どうやら、2人でタイミングを合わせて狙撃してゴリアテの腕を破壊したみたいだ

 

 

「やっぱ、狙撃の腕はずば抜けてるな」

 

「あら?貴方もかなり正確だと思うわよ?」

 

『2人共下がってろコイツらの相手は俺がする』

 

 

ビームサーベルを取り出し構えるが更に背後から爆弾の入った鞄や機関銃がゴリアテを破壊する

 

 

「いえ、下がらないわ。キリュウ!貴方はシロコ達と一緒にホシノを助けるのよ!それまでは私達が貴方達の背中を守るわ!此処は任せて先に行きなさい!」

 

『……分かった。背中は任せるぜ、アウトロー』

 

 

すぐにシロコ達は目的地へと向かって走り出す

アルは背中を向けたままだがその背中はとても勇敢で頼もしく見えた

アルは優雅に笑ってみせるが    

 

 

 

(言っちゃたぁぁーーーーー!!!)

 

 

内心では後悔していた。本来なら一緒に戦おうと思っていたが、なんかノリと勢いでカッコつけたら、この大勢の相手をすることになり、もの凄く後悔していた

 

そんなアルを見て、ムツキとハルカが嬉しそうに笑い、カヨコは呆れつつも微笑む

 

 

「うわー!それは惚れちゃうよアルちゃん♡」

 

「さ、流石です一生付いて行きますアル様!」

 

「はぁ。結局こうなるんだね……まぁ、社長ならそう言うとは思ってたけど」

 

 

全員が戦闘の準備を終えるとアルは増援のゴリアテに向け愛銃の引き金を引いた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

たくさんの人が力を貸してくれたおかげでシロコ達は、基地の最奥部まで近づいた。奥に見える建物をアヤネが発見し声を上げる。

 

「ホシノ先輩の位置を確認できました!あそこです、あのバンカーの地下にホシノ先輩が捕まってるはずです!」

 

「行こう…!」

 

「もうゴールまですね!急ぎましょう!」

 

「あと少し!」

 

 

全員が順調に進む中、キリュウはある違和感を感じていた。

理事が出てきていない事だ、此処まで来たんだ理事からすれば意地でもシロコ達を始末に来るだろう。それなのに姿を見せる所かセンサーを見れば分かるが誰1人として反応がない

違和感を抱きながらキリュウ達は目的地へと突き進んで行く

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『ねぇ、ホシノちゃん。

私ね、ホシノちゃんと初めて会った時、これは夢なんじゃないかなって思って、何度も頬をつねったの。』

 

 

あぁ、なんて懐かしい夢なんだろう

もう、そんな夢を見る資格、私にはないと思ってたのに

 

 

『ホシノちゃんみたいな、可愛くて強くて、頼れる後輩がそばにいてくれるなんていう夢みたいなことが、本当に嬉しくて………うーん、上手く説明出来ないかも知れないけど………

ただ、こうしてホシノちゃんと一緒にいられることが、私にとっては奇跡みたいなものなの』

 

 

その時、私は、「毎日毎日、こうして一緒にいるじゃないですか」とか「『奇跡』というのはもっと凄くて、珍しいことですよ」とか言ったっけ……うへ、我ながら可愛げがなかったな………

でも、先輩はそれを否定して……

 

 

昔を振り返っているとふと、大切な先輩の言葉が頭によぎった

 

 

『ねぇ、ホシノちゃん。いつかホシノちゃんにも可愛い後輩が出来たら、その時は    

 

 

『ユメ先輩』……こんな私にも可愛い後輩が出来ました。

それに信頼出来る大人が現れて、良いことも悪いこともたくさんあったけれど、大人は私達を見捨てに一緒に悩んでくれました

今になって……こんな大事になってやっと先輩の言葉の意味が分かりました……その全て『奇跡』だったということが……

 

 

瞼を閉じようとするが突然、私1人しか居ない部屋に足音が響いた。

 

コツコツと音を立てて私に近付いてくる…もしやユメ先輩が私に恨みこどを吐きに来たのだろうか、それなら……どれほどいいだろうか

 

ホシノはゆっくりと顔を上げるとそこには、特徴的なアホ毛に膝ほどまであるロングヘアーで綺麗な白髪、瞳の色は透き通るような空色で見る人を魅了しそうな程美しく、胸こそ控えめだが高身長でフードが付いた白いロングコート羽織った女性が立っていた

 

 

分かっている。これは夢か幻覚なのかも知れない……そんな事くらい分かる………でも、それでも聞かずにはいられない

私は、目の前の女性に大切な先輩の名前を言う

 

 

「ゆ、ユメ……先輩?」

 

 

その名前を聞いた女性は申し訳けなさそうな表情をするとホシノの目線に合うように屈むと謝罪する

 

 

「ごめんね、私はユメじゃない」

 

 

分かってた……分かってるのに私は何を期待してるんだユメ先輩はもう            いないんだから……

 

 

「もっと出来る事がきっとあるんだろうけど不器用な私にはこんなことしか出来ないや」

 

 

そう目の前女性は言いながら指を鳴らすと私を拘束していた光が消えた

どうやって消したのだろうか…こんな事が出来るのはアイツらの関係者なのかも知れない。

すぐに動こうとしたが思うように動けず倒れそうになる私を目の前の女性が支えてくれる

 

 

「大丈夫。私は貴方の敵じゃないよ。すぐ近く貴方の後輩ちゃんや先生達が来てるからね、それまで我慢してね()()()()()()

 

「………え?」

 

 

私が1人混乱していると外から扉が叩かれる音と共にシロコちゃん達の声が聞こえてきた

 

 

(ホシノ先輩はすぐそこにいるはずです!!)

 

(ん、壊れない……もう一度……)

 

「来たみたいだね。貴方の側に居られるのは此処まで何もしてあげられなくてごめんね。」

 

 

女性は私にそんな事を言うと背を向けて歩き出した

私は、呼び止める為に声を上げる

 

 

「待って!……最後に名前だけでも教えて……」

 

「……ごめんね。今は言えないけどきっと、そう遠くない未来()()()()()()

じゃあね()()()()()()

 

 

そう女性が告げると謎のノイズ音と共に消えていった。

夢だったのか、それとも幻覚か、わからないけれど本当にまた会えるのなら、また話してみたいな…

 

 

(皆!そっちの状況は!!)

 

(扉がかなり頑丈に作られてるみたいで中々開かないんです!)

 

(皆、危ないから下がってくれ、ぶっ壊す)

 

(え?いや!ちょっと待ってホシノ先輩に当たったら    )

 

 

セリカの訴えを遮るように轟音と共に扉が力強くで破られる

ホシノにも会話は聞こえていたが突然、轟音と共に扉が破られた事に驚き鳴き声に近いような悲鳴を上げる

 

 

「うへぇぇぇぇええ!?」

 

 

悲鳴聞きつけてシロコ達は心配そうな声で名前を呼びながら室内へと入って来る

 

 

「「「「ホシノ先輩!!」」」」

 

「……みんな、どうやって………だって、私は……」

 

 

目の前の光景が信じられないと立ち上がる事なく、呆然とへたり込んでいるホシノに先生は優しく言う

 

 

"聞きたいことも沢山あるだろうけどそれは後にしよう。ホシノ、助けに来たよ!"

 

「そっか……みんなが、先生が……大人が……ね」

 

 

ホシノからは困惑や戸惑いを混ぜた複雑な感情の籠った声が漏れていた

そんな中、待ちきれなくなったのかセリカが大きな声で割って入ってきた

 

 

「……お、おかえりっ!ホシノ先輩!」

 

「あー!ずるいです、セリカちゃん!恥ずかしいから言わないって言ってたのに」

 

 

この場にいる全員が言いたかったセリフをを先取りされてことでノノミが不満げにセリカに問い詰める

 

 

「う、う、うるさいわね!別にいいでしょう!」

 

 

先に言われてしまったのは仕方ない。

セリカに続いて先生、アヤネ、ノノミ、シロコの順番でホシノにセリカと同じ言葉を伝えていく

 

 

"おかえり、ホシノ!"

 

「ホシノ先輩、おかえりなさい!」

 

「お帰りなさい、です☆」

 

最後にシロコがホシノに手を差し伸べながら言う

 

「おかえり、ホシノ先輩」

 

 

シロコが言い終えると背後から足音が聞こえてきた。

勿論、敵の足音ではなく聞き覚えの足音だった、ホシノは音が聞こえた方を見るとそこにはゆっくりと歩いて来るキリュウが居た

ホシノは考えた

何て言われるのだろうか?

もしくは怒られるのだろうか?

分からないけれど、ちゃんと受け止めよう

 

そんな事を考えているとキリュウへホシノの近くにまできていた

 

 

「………ホシノ、言いたいことは沢山あるけど…後回しだ。

おかえり、ホシノ!」

 

 

そう言ってキリュウはこの場にいる誰もが見た事ない程の屈託のない笑顔を見せた

その笑顔を見たホシノは、小さく微笑みながら思う

 

 

『おかえり』って……こんなにあったかい言葉だったんだね。ユメ先輩……

 

 

黙るホシノをみんなは何かを少しソワソワしながら待つように笑う

それを見たホシノは、いじらしく、年頃の少女らしく笑う

 

 

「……何だかみんな、期待に満ちた表情だけど。

 求められているのは、あの言葉かな?」

 

「ああもうっ!分かっているなら焦らさないでよ!」

 

「そうですよ!それをホシノ先輩の口から聞くために、ここまで来たんですから!」

 

「うへ~……全く、可愛い後輩たちのお願いだし、仕方ないなあ……」

 

 

       「ただいま」

 

 

「「「「ホシノ先輩!」」」」

 

 

シロコ達は一斉に走り出しホシノに勢いよく抱き着く。

ホシノはそんな4人を正面から受け止めようとしたが、流石に4人を受け止めることは出来ず仲良く倒れるがホシノは幸せそうに笑っていた

その光景を先生達は見守っていた

 

 

「帰ろう、ホシノ先輩。私たちの学校に。

話したいことがいっぱいある」

 

「そうだね……おじさんに聞かせてよ。みんなの活躍を」

 

 

ホシノ達は立ち上がった所でアル達が此方向かって来ているの視認する

どうやらもう地上に残ってる敵を掃討したのだろう

アル達と合流後、ホシノ達が帰る準備を始めたのでキリュウも準備しようとブルフロガへと向かおうとした瞬間、何かの機械が駆動する音が聞こえた

 

それと同時に感じたのは悍ましい執念と憎悪、そして怒りそれが地下から此方に向かって来る

 

 

「ラスボス登場って所かな」

 

 

そう呟くとキリュウは急いでブルフロガに乗り込む

ホシノ達も気付いた様で此方に集まってきた。アヤネが通信機越しに話し掛けてきた

 

 

「キリュウさん。これは一体!?」

 

『さぁな、取り敢えず分かることは地下から何かが来ていることくらいかな。取り敢えず全員離れるなよ』

 

 

全員が戦闘態勢を整えていると地面にあるハッチが開き、1機また一機とロボットが出て来る

たが、出てきたロボットはゴリアテとは異なりブルフロガより小さいがそれでも18m以上あるであろうロボット    いや、MSが現れた

MSの見た目は角ばったデザインが多く頭部カメラザク同様のモノアイ、背部にはミサイルポット、左手にはマシンガン、右手にはグレイズ似たバトルアックスをもっていた

 

キリュウはブルフロガの背部にある高出力大型ロングビームライフルに手を掛けようとしたが最後に現れたMSのカラーリングに見に覚えがあったキリュウは、ライフルを取り出すのやめMSへと視線を向ける

 

 

『感動の再会というところだな。おめでとう、アビドス高校の諸君。そして、シャーレ』

 

「な、貴方は!」

 

「出たわね、諸悪の権化!どこまで邪魔すれば気が済むのよ!」

 

 

MSに乗った理事は沸々と煮えたがる感情を漏らしながら低く声で呟きながら感情を爆発させた

 

 

「対策委員会……ずっとお前たちが目障りだった。これまで、ありとあらゆる手段を講じて……それでもお前たちは、滅びかけの学校に最後まで残り、繰り返し借金を返済しようと足掻いて……あれほど懲らしめたのに、徹底的に苦しめたのに、毎日毎日楽しそうに!!お前たちのせいで、計画が……私の計画がぁっ!!もう無茶苦茶だぁっ!!」

 

 

キリュウ、静かに理事を蔑んだ

そんな穴しかない破綻した計画が崩壊した程度で喚き散らかすとはなんともみっともないものだ

 

 

『極め付けはシャーレ、貴様らが来て全てが狂った!

貴様らのせいで私は全てを失った!全てがめちゃくちゃになった!!」

 

 

キリュウは理事を煽るかどうかで悩んでいた

怒り狂ってる奴を煽るのは逆効果で更に相手を激昂させるだけ無意味なのだが、今までの仕打ちを考えてみると煽り倒した方がいい

それに相手を激昂させることには意味がある、相手が此方しか見なくてなるのと判断力を更に鈍らせられる、ならやらない意味もない

 

 

『よく吠える負け犬だな』

 

"キリュウ君!?

 

 

本当に短い煽り文、普通なら簡単にいなせる様な煽り文だか今の理事の神経を逆撫でするには充分過ぎたようだ

 

 

『……ッ!!!……いいだろう…!まずは貴様から始末してやる!!!』

 

『やってみよろ。スクラップ風情が』

 

 

ブルフロガはホシノ達の前にへと守るように立つ

そして、キリュウは今まで隠してきた()()()を起動する

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

        n_i_t_r_o

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうコクピットに表示されると同時に各所の関節から蒼い炎が発生し最後に左のカメラアイから蒼い炎が燃え上がった

今此処に、『隻眼の悪魔』が顕現した

 

 





ーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

ホシノを救出に成功した先生達だったが、理事は最後の足掻きとして立ち塞がる
キリュウは、此処で決着を付けるべく最後の切り札を機動する

次回、アビドス編最終話【隻眼の悪魔】

彼らはまだ悪魔の本当の名を知らない


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後までご閲覧ありがとうございます
今年中にはアビドス編終わらせたかったのですが間に合いそうにないです
取り敢えず1月には投稿出来る様に頑張ります



時計じかけの花のパヴァーヌ編で新MSを出すか出さないか※作者としては出したい色々と書くのが楽になる

  • 出す
  • 出さない ブルフロガで頑張れ(無慈悲)
  • 作者に任せる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。