ウマ娘小噺まとめ   作:ポンタ4

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アドマイヤグルーヴ
アドマイヤグルーヴはトレーナーの家にお泊りする話


 夏の日差しが和らぎ、秋風の涼しさを感じるこの頃。外は既に月が昇り始め、夜の帳が落ち始めている。もう日の落ちる時間さえも早くなるのか、と感じてしまった。

 夕食を食べ終え、時刻は20時前。濡れた髪をタオルで拭いながら、いつもの様にパソコンを用い、レース関連の資料を眺めていればインターホンが聞こえてきた。

 きっとあの子だろう、と思い、其方に脚を運んでいく。玄関まで辿り着き、扉を開けるとそこには彼女がいた。

 

「いらっしゃい、アルヴ」

「お邪魔します、トレーナー」

 

 紺色のキャリーケースと学生鞄を携えたアドマイヤグルーヴを自室へと招き入れる。靴を脱いではリビングへと向かう彼女。リビングに辿り着くなり、部屋の中を見渡し始めるその様子がなんだか小動物の様で笑みを零してしまった。

 

「…なに?」

「ううん、なんでも」

「そう…」

 

 いつもの素っ気ない態度。契約を結んで時間が経っては多少は心を開いてくれたのかと思ったが、どうやら思い違いらしい。とはいえ、自室に来てくれるというのはある程度信頼をされているのだろう。

 俺は彼女の前を歩きながら、寝室へと迎え入れた。ここは普段自分が使用している寝室だ。本来は家主がこのベッドで寝るべきなのだろうが、レースやトレーニングで疲れている彼女に床で寝ろ、とは中々言えない。

 となれば自然とこのベッドを彼女に譲るべきなのだ、と結論に至った。

 

「アルヴの寝床はここね。俺はリビングで布団でも敷いて寝るから」

「それは…流石におかしくないかしら」

「でも、君に床で寝ろ、とは言いたくないし」

「……なら、お言葉に甘えるわ」

 

 何処か申し訳なさそうに視線を下に向けていくアルヴ。ちらり、と一瞬だけ彼女が此方に視線を向けて来れば、一つ笑顔を見せていく。はぁ、と彼女は溜め息を吐くなり寝室へと脚を踏み入れていった。

 

 

 さて、何故このような状況になってしまったのか。

 それはとあるメールから始まった。『ウマ娘寮における改修工事のお知らせ』というものだ。

 内容としてはウマ娘の寮を数年に一度点検を行うという。それは一日で終わり、またいつもであれば特に何事もない、というのがいつもだった。しかし、今年はそのいつもから外れてしまったようで。

 一部のインフラが限界を迎えつつあり、それらを修繕する必要がある、とのこと。その間、トイレやシャワー室、他にも電気が使えない場所が出てきてしまう。そうなれば今度は生きていくには厳しい生活を強いられてしまうのだ。

 

 無論最初はホテルを探したり、実家が近い人は其方に帰る事となった。なのだが、近隣のホテルは全てウマ娘や観光客たちによって埋められてしまい、中には宿泊場所を見つけられない子も出てきてしまったのだ。

 このままではネカフェで宿泊する必要も出てくる。しかし、それは学生として健全なものではない、と学園も判断し、トレーナー側にも援助を要求することなった。

 トレーナーの自宅を宿泊するも良し、トレーナーが協力してホテルを探すも良し、他の手段を用いるのも良し。

 この中で取れる行動が自宅に宿泊させる、しか無かった。そのため、アルヴを自宅に招き入れることとなったのだ。

 

 LANEで彼女に提案した時は、ネカフェで1人で泊まるか少し遠くのビジネスホテルにでも泊まろうとしていたのだが、学生生活がある中でそれは流石に大変だろう。

 この修繕工事は約二週間かかるというもので、その期間は勿論レースや授業もある。彼女に負担をかけたくない、という思いで俺は家に招き入れることにした。

 当のアルヴは少し渋っていたが、それはそれである。

 

 

「アルヴは夕食はもう食べた?」

「えぇ、外で済ませたわ」

「そっか。明日は休日だし、買い物に行くつもりだけど何かリクエストはある?」

「いえ、特には…」

「そう?なら適当に作っちゃうね」

 

 こくり、と彼女は頷く。制服姿のアルヴが部屋にいる、というのは何とも変な感じだ。夕食を食べた、ということであれば後はお風呂ぐらいか。

 

「俺はもうシャワーを浴びたけど…アルヴは?お湯を張る方がいい?」

「シャワーで問題ないです。その…」

「ん…?」

 

 口を開きかけた彼女は何かを発する前に閉じてしまった。ふぅ、と意を決したように一度息を整えた後に「お借りしても良いかしら?」と。

 まさかそんな事で言葉を詰まらせたのか、という驚きと彼女なりにどう行動したらいいのか分からないのだろう、という不安が理解ができた。俺は笑みを浮かべながら「良いよ。行っておいで」と返せば、少しだけアルヴの頬が緩んだように見えた。

 

 アルヴが着替えを手に持ち、俺は浴場へと案内をする。脚を満足には伸ばせないが体の疲れを癒すには十分な空間。そしてそこに入る前の脱衣所。白いバスタオルを取り出しては彼女に手渡していく。

 

「これで体を拭いて。着替えは………」視線を何度か泳がせてしまう。

「…私で管理するので」

「あ、あぁ、そうだね」

 

 流石にこれは良くない話題だったか。彼女に気を遣わせてしまったことに心の中で反省をする。

 その気まずい雰囲気に居るのに耐えかねて俺は脱衣所を後にした。

 

 

 

**

 

 

 

 リビングに戻った俺はパソコンでレースの資料を眺めていた。秋のG1レースは魅力的なものばかりだ。エリザベス女王杯、天皇賞秋、ジャパンカップ。いずれも彼女の適正距離であり、どれも強豪が集まってくる。

 その中でどれを選択するのか、彼女にとってどれが最適なのかを考えている最中でアルヴから声をかけられた。

 

「シャワー、ありがとうございます」

「あぁ、おかえり。アル…ヴ」

「…?どうされました?」

「い、いや、何でもないよ」

 

 脱衣所から出てきたアルヴは青いパジャマ姿だった。トップスは襟が付いたゆったりとしたものであり、彼女の手まで覆ってしまう程の袖の長さ。ボトムは足首まで伸びており、その服装はいつもの凛々しさ、といよりも可愛らしさを強調させている。

 そして濡れた髪。それが何処か色気を醸し出しており、年の離れた自分でさえも思わず心臓が跳ねてしまう程だった。

 

 彼女は自前のスリッパを持ってきたようで、歩くたびにぱたぱた、と音を鳴らしている。これが彼女のプライベートの姿なのか、と意識をしてしまいそうになるが、頭を振ってはその意識を消そうとした。

 

「何を見ているの?」

 

 アルヴは此方へと近づき、隣へと座ってくる。彼女の肩が少し触れてしまうが、そんな事を気にする様子は彼女には無かった。

 シャワー上がりのせいか、甘い匂いが鼻腔を擽る。お菓子の甘さではない、嗅げば恍惚してしまいそうな魔性なもの。腰を動かしては彼女から距離を取り、パソコンを動かした。

 

「レースだよ。次はエリザベス女王か、天皇賞秋か。どれに挑戦したいとかはある?」

「…特に。トレーナーに任せます」

「ん、そっか」

 

 パソコンをもう一度動かしては自分の目の前に持ってくる。マウスのクリック音と時折自分がキーワードを叩く音だけが部屋に響き渡っている。ちらり、とアルヴの方に視線を向けると彼女は「なにか?」と首を傾げていた。

「なんでもないよ」と一言告げてはまたパソコンに視線を向けていく。彼女は動くことなく、一緒に画面を見ているようだった。

 いつもの彼女であれば一人で本を読んだりすることだろう。一人の時間を過ごす彼女が珍しく俺と一緒にソファーに座り、ただのんびりとした時間を過ごす。

 

 視線を彼女の方に向けては「どうしたの?珍しいね」と尋ねた。

 

「……変…?」

「変だね。もしかして緊張してる?」

「き、緊張はしていないわ。ただ…」

「ただ?」

 

 アルヴは左腕を抱き抱えるように右手を添えていく。視線を下に向けては数秒後、瞳だけ此方に向けてきた。

 

「…慣れていないだけ。この環境に。すみません、お先に寝ます。おやすみなさい」

 

 彼女はそそくさと立ち上がり、寝室の方へと歩いてしまった。それ以上探られたくなさそうに、ぱたん、と寝室の扉が閉じる音。それと同時に彼女が此方を向いたような気がした。

 

 

 

 

**

 

 

 

 

 時刻11時。次の日付を迎えるまで残り1時間。パソコンの画面をずっと見ていたせいか目に痛みを感じる。そして欠伸。大きく口を開けては欠伸をしてしまった。

 

「…そろそろ寝るかな」

 

 明日は休日であるため夜更かしをしても問題ないだろう。とはいえ、疲れた状態でこのままレースを見ていても何も頭には入ってこない。今日の所はここで切り上げて、明日はアルヴと何かをして過ごそう。

 ソファーから立ち上がり、寝る準備のために布団を用意しようと考えた。しかし、ここで一つ誤算があった。

 

「あれ…確か布団とかクローゼットに入れたままだ…」

 

 元々は予備用として敷布団を持っていたのだが普段は使うことは無い。寝室の大きなクローゼットがあるのだが、そこに物置用として使用しては置いていた。季節物の服や捨てようにも捨てられないものなどをそこに押し込んでいるのだが、寝室はアルヴが寝ている。

 

「…いっそのことソファーで寝るか?」

 

 寝室に立ち入り、音を鳴らしてしまえば彼女を起こしかねない。ソファーで寝るのはあまり良くは無いが、一日程度であれば大きな問題ではないだろう。

 だが、掛け布団も何もない状態で寝るのは風邪を引く原因となってしまう。薄いものだけでも取り出しては部屋から出ていこう。それなら音もそこまで出ないだろう。

 

 ソファーから立ち上がり、寝室の扉へと向かっていく。ドアノブをゆっくりと下げていき、音を立てない様に静かに開けていく。少しだけ開いては忍び足で中へ。最低限の明かりでクローゼットまで近づいては、開けようと手を伸ばすと「トレーナー…?」と背後から声が聞こえた。

 しまった、起こしてしまったか。

 背後を振り向いては、暗闇の中で体を起こして座っている人影。その人影に近づいては、膝立ちで視線を合わせた。

 

「ごめん、起こしちゃったか」

「違います…眠れなくて…」

「眠れない?あぁ…慣れない環境でか。分かるよ」

 

 ホテルのような宿泊施設とは違うのだ。いきなり他人の寝室で寝ることになり、そこから睡眠を取る、というのは中々酷な事だろう。もう少し何か気を遣えれば良かったのだが、生憎思いつかない自分に少し辟易する。

 

「…それも違います」

「え?」

 

 暗闇の中で聞こえた彼女の否定の言葉。疑問形の言葉を返してしまう。

 目が暗さに慣れてきたのか、彼女の表情が少しだけ分かるようになってきた。それは寂しそうに眉を下げ、口元を強く結んでいる。強気な彼女が普段見せない表情だった。

 

「……どうしたんだ?」

「………」

 

 アルヴは答えなかった。時折此方を伺うように視線を向けては来るが、直ぐに逸らしてしまう。

 ぽんぽん、とアルヴがベッドを叩いている。まるで隣に座って欲しそうに。彼女に背中を向けながら座っては「これでいい?」と尋ねていく。

 その瞬間に背中に当たる硬いもの。少しだけ柔らかな感触も伝わってきた。どうやら額を押し付けているらしい。

 

「アルヴ?」

「そのままでいいから…聞いて」

 

 背中越しに伝わる声。小さく震えている声だった。

 

「私の事をどうして…そんなに構ってくれるの」

「どうしてって…」

「……スカウトしてくれた時もそう。今日だって、そう。トレーナーはどうして…私に気を遣ってくれるの?」

 

 アルヴの両手が背中に添えられてくる。服を握りしめられ、その手は震えている。

 彼女は孤児だ。施設に入れられ、育ってきた。今回のお泊りで実家に帰るもの、友人と泊まるものもいるだろう。だが、彼女は1人だった。

 いや、人からの感謝や気遣い、それがきっと彼女にとっては苦しいのだろう。いつも一人で過ごしてきた彼女にとっては無いもの。周囲のウマ娘達に囲まれ、多少は慣れたのかもしれない。

 だけど暖かなものを避けてきたアルヴにとっては忌むものだ。己にストイックであり、そして周囲とは関わらない。強くあるために。

 

 彼女と契約を結び、俺は少しずつでも歩み寄っていった。孤高でも構わない。だがいつかは限界が来てしまう。自分という存在が少しでも彼女にとっての聖域になれたら良かったが、どうやら逆効果だったようだ。

 むしろ近づきすぎたことで、彼女は困惑してしまった。家族でもないのに。

 

「…むしろ、気を遣うのに答えが欲しいのか?アルヴは」

 

 俺の出した答えはこれだった。気を遣うのに理由は要らない。ただアルヴが気になったから、彼女の走りに惚れたから契約を結んだ。そして担当ウマ娘を気に掛けるのに、わざわざ理由を付けるトレーナーがいるだろうか。

 

「俺が君を気に掛けたいから、大事にしたいからしてるだけだよ」

「…っ、本当に…そういう所……」

 

 背中に擦りつけられる彼女の額。続くように聞こえてきたのは「嫌い」という彼女の声だった。

 何度か背中にくすぐったい感触が続き、離れていくのを感じる。それと同時に俺は体を動かしては彼女の方に視線を向ける。

 

 アルヴと視線が合っていく。暗闇だがそれがはっきりと分かった。

 俺は彼女の頭に手を伸ばしては、一度だけ撫でていく。少し驚いた表情を浮かべるアルヴ。しかし、直ぐにぺたん、とウマ耳を倒しては撫でやすいようにしてくれた。

 

「ほら、俺はトレーナーだしさ。担当の子に甘えられたり、そういう方が嬉しいんだよ。抱えたり、悩んだりしてるのを見る方が…俺にとっては辛いよ」

「………笑わない?」

「笑わないとも。普段アルヴは言わないんだから、言ってみて」

 

 一瞬だけ目を伏せるアルヴ。頭から手を離そうとすれば彼女はその手を掴んでいく。まるで離れることを許さない様に。そうしてアルヴはその手を自分の頬へと当てていった。

 俺の右手が彼女の頬と手で挟まれてしまっている。何度か擦り寄られ、くすぐったい。

 

「えっと…」

「…人肌が欲しくなったから。動かないで」

「…そ、そうか」

 

 彼女は猫の様に頬擦りを繰り返していく。掌に擦りつけては、今度は手の甲へ。彼女の頬や額に手を擦りつけられ、まるでマーキングをされているようだった。

 流石にここまでされてしまうと恥ずかしさが勝ってしまう。彼女は笑わないか?と聞いてきたが、これでは笑う、というより戸惑いが強い。

 そして何よりアルヴがこんな形で甘えてくる、というのが余計に刺激が強かった。

 

 この恥ずかしさに耐えられず、手を引こうとすれば彼女の握る力が少し強まった。

 

「…嫌よ」

 

 此方を見つめる瞳。暗闇の中でもそれに視線を向けられていることが分かる。ぐいっ、と手を引っ張られるとまた彼女は頬擦りを始めた。

 そして小さな声で「この暖かさは、嫌いではないわ」と呟いていく。そのまま何度か繰り返された後に彼女は満足したように手を離していった。

 

「ありがとう、トレーナー。心配をかけたわ」

「まぁ、君が満足できたならいいが…」

 

 彼女から手を離されたというのに、まだその感触が残っているような気がした。自分の手を見つめては数秒、元々の目的を思い出し、ベッドから立ち上がる。

「どうしたの?」とアルヴから尋ねられたが、俺は背を向けながら答えた。

 

「布団を取りに来たんだよ。掛け布団だけでも、と思って」

「敷き布団は?」

「色々出さないといけないから…今日はソファーの上で寝るよ」

「じゃあ、私の隣で寝るのは?」

「えっ?」

 

 思わず素っ頓狂な声が出てしまい、彼女の方に振り返る。その様子がどうやら面白いらしく、アルヴは口元を隠しながら控えめに笑っていた。

 

「嘘よ。流石にトレーナーとはいえ、それはまだ駄目ね」

「…今日のアルヴは本当に変だね」

「えぇ、変ね。貴方のせいで」

 

 柔らかな表情をするアルヴ。それが見えれば俺も自然と釣られてしまう。

 良かった。彼女が緊張したり、何か憂いがあったらどうしようかと思ったがどうやら要らぬ心配だったようだ。いつもより上機嫌な彼女は珍しいが、それはそれで良い事だ。

 

 クローゼットを開けては中から白くて薄い掛け布団を取り出していく。それを丸めては片手で抱えるように持ってはクローゼットを閉めた。

 その掛け布団を持ったまま、ドアノブに手を伸ばし、少しだけ扉を開けていく。寝室から出ていこうとすると「待って」とアルヴから声をかけられた。

 

「さっき、嫌いって言ったわよね」

「あぁ、言ったね?」

「…あれ、嘘よ。本当は───────嫌いでは無いわ」

 

 寝室にリビングの光がしっかりと入り、部屋は薄暗さへと変わっていく。その中でアルヴは布団を口元まで持っていき、隠すようにしていた。彼女の大きな青いウマ耳が妙にぱたぱた、と靡いていた。

 

 彼女なりの照れ隠し。人への好意を本心で伝えることの出来ない、精一杯の彼女なりの示しだった。

 

「知ってるよ」と一言だけ返していく。

 既に契約を結んで一年以上を過ごしたのだ。彼女を少し揶揄うように、今日のやり返しとして言葉を選ぶ。この好意の伝え方をもっと素直になったらな、なんて思ってしまうがそれを言えばきっと彼女は怒るだろう。

 

「……それは嫌いだわ」

 

 彼女と視線を絡ませ、そして自然と共鳴するように頬が緩んだ。

 

「おやすみ、アルヴ」

「おやすみなさい、トレーナー」

 

 寝室から出ていき、扉の締まる音。リビングと寝室を隔てるそれで彼女の視界を遮ってはソファーへ向かっていく。そのままソファーに寝転がっていき、ソファーに置いてある枕を頭に持っていった。

 手に持った掛け布団を自分の体にかけ、電気を消していく。

 暗くなったリビングで彼女に頬擦りされた手を宙に浮かべては眺めていく。まだそれが熱を持っており、そして彼女にされた感触が妙に生々しく残っていた。

 

「…信頼されてる…でいいんだよな、きっと」

 

 一人呟いては欠片となって宙へ消えていく。

 妙にもやり、とした、だけど暖かなそれを抱えながら俺は目を瞑った。

 

 明日は、どう彼女と過ごそうか。

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