これが(ホロウで)生き残るための、オレの足掻きだぁ!   作:野菜大好き丸

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寄り道茶濁しストーリー。本編の貯蓄が書き溜めてねぇ…どうしよ。


幕問1.機光龍と野良ボンプ

【とあるフリーランス調査員ボンプ】

 

 ボクはモグリでホロウ調査を生業にしているしがない野良(フリー)ボンプ。危険なホロウに出向き、内部のエーテルや資源の情報を集め、それを元にまとめた情報を売って日銭を稼ぐのがボクの生活。

 ホロウの調査というのは簡単なものでなく、常に命の危険が付き物だった。エーテリアスに襲われないように気を付けたり、時にはホロウの中でも外でもホロウレイダー(ごろつき)に絡まれそうになったりと命からがら運よく乗り切れていた。

 

 真っ当に生きたくてもボクは世間で言う不良品(マヌケ)。不良品を雇う人なんておらず、ホロウレイダーと変わらない今の生活以外にすがることができずにただ闇雲に生き延びていた。

 

 

 ただこれでも、一般のボンプよりかはそれなりの鉄火場を切り抜けてはいる。それでもあの時、機械が死を感じ怖れるのはおかしいかもしれないが、ボクは本当に死を覚悟した。

 

 ある日、いつもの通り調査未確認のホロウ内部の調査をしていた。順調に道標となる小型データスタンドをホロウ内部に設置し、内部のエーテル状況を調査していたが、ドジ踏んでエーテリアスに見つかってしまった。逃げてく途中でも別のエーテリアスに鉢合わせ、また逃げる。それを繰り返していくうちにエーテリアスは大量の群れとなってボクを追ってきていた。

 

 逃げて逃げて、ただひたすら逃げ続けていき、ついには袋小路に追い込まれてしまった。追い詰められたボクを囲むエーテリアスが一斉に襲いかかってきた時は、最早ここまでか……と視覚機能を閉じる他なかった。

 

 

 

──ガラガラガラッ! 

 

 

 

 その時だった。瓦礫が崩れ、金属とコンクリートがガリガリと削られ這いずっているような音が響く。その音は段々と大きくなり、こちらに近づいてきた。

 

 音に気づき視覚機能を元に戻すと、ボクを襲おうとしていたエーテリアス達はその音に気づいた瞬間、一斉に音のする方へと体を向け、何かに警戒しているかのように臨戦態勢をとって待ち構えていた。

 

 これだけのエーテリアスの群れが一斉に警戒……いや、音の方から来る何かに怖れているという事実は、今まで見たことも聞いたこともない話だった。

 

 

 

 

 ──そして近くの瓦礫が崩れるのと同時に、瓦礫の中から巨大な影がゆらりと姿を現した。

 

 

『──ゥゥゥゥ……』

 

 それは銀色に輝く鋼鉄の甲殻を纏った大蛇だった。更に驚くべきことに、その大蛇は有機生命体──生物ではなく自分と同じ機械であった。

 

 

 

『ン、ンナァ……!?』

 

 あれは一体なんなんだ? エーテリアスなのか? けれど彼らの象徴とも言えるコアやエーテルの結晶が大蛇の体には見当たらない。

 

 見たことない存在に驚く中、大蛇は自分とエーテリアスの群れを淡々と見渡していく。それはさながら獲物を見定めるかのような仕草であった。

 

 

『……Gyagya!!』

 

 

 緊張が走る沈黙の中、一体のエーテリアスが大蛇に向かって突撃し、右腕と一体化した剣で斬りかかってきた。

 

『…………』バシィン! 

 

『Gya!?』

 

 大蛇は下手人を一瞥すらもせず、尻尾で奴を叩きつけた。ハエを叩き落とすかのような軽い動作にもかかわらず、エーテリアスを地面ごと身体が叩き割られ、光の粒子となって消滅した。

 

 

『G……GuGyaaaa!!!』

 

 同族がやられたのを皮切りに、エーテリアスの群れが一斉に大蛇へと襲いかかった。彼らに仲間意識があるのか分からないが、少なくても目の前の脅威に対し、殺らなきゃ殺られるという生存本能が働いたに違いない。

 

 襲い来るエーテリアスの大群に大蛇は動揺した様子が見れず、むしろ呆れたかのような様子で軽い溜息を吐いた後、大群を見据えながら口に青白い光を集めていく。

 

 ここにいては不味い気がすると思ったボクは、エーテリアスの大群、そして大蛇の正面から直ぐ様離れ、近くの巨大な瓦礫を盾にして身を潜めた。

 

 

『──ゴオォォォォッ!!』

 

 

 瓦礫から隠れたと同時に大蛇の口から青白い光炎の息吹(ブレス)が放たれた。息吹をまともに食らったエーテリアスは悲鳴を上げる間もなくエーテル結晶の身体が融解し、焼き尽くされ、灰燼に帰した。大蛇は続けざまに息吹で薙ぎ払うように首を動かし、エーテリアスを一網打尽に焼き尽くしていった。

 その威力と熱波の余波は瓦礫を盾にして覗き見ていたボクにも強い衝撃を感じさせた。

 

 息吹の勢いが収まると、大蛇の目の前にあるコンクリの瓦礫や道路が熱で黒く焦がされ、地面の所々に煌々と紅く焼き付いた箇所のみが残っていた。

 まさに鎧袖一触。戦いを挑んだ愚者はその命をもってこの末路を歩んだ結果となった。

 

 

 目の前の光景に呆気に取られていると、こちらに気づいているのか大蛇がボクの方に向かって近づいてきた。逃げようにも先程の圧倒的な力の差による威圧感から機体が強張り、蛇に睨まれた蛙の如く動けなかった。

 

 あっという間に大蛇の顔が目前に迫る。ここまで近づかれては逃げ出す前に自身が余裕に入れる大きな口腔でパクンと一口に食べてしまうだろう。

 

 

『──ゥゥゥゥ……?』

 

『ン、ンナァ……?』

 

 

 しかしいつまで経っても大蛇はボクを食べようとしなかった。それどころかボクのことを物珍しいのかジロジロと顔を動かしながら観察していた。

 

 こうなりゃ自棄だと、生き残る為にボクはこの大蛇に話しかけ続けた。思い返せば命乞いもここまでやれば立派なものだとボクは思った。

 

 

 ボクが喋れるだけ喋ったのを大蛇はただ静かに聞き入れる。そしてボクの話を聞き終えた後に自身の尻尾先端をコンクリの地面になぞり、何かを書き始めた。尻尾で書き終えたのを覗き見ると、そこには【?】の記号が書き記されていた。

 

【?】と示した意味。大蛇はボクの話が分からない? 意味が通じてない……というより、まず言語が伝わってないようだと考えられる。

 

 どうしたものかと思ったけど、彼が機械の体であることのおかげである方法を思いついた。ボク達ボンプに搭載されているボンプ言語モジュールを彼にインストールさせることにした。

 

 早速自身の身体から有線ケーブルを出し、大蛇に身体のどっかに繋げて貰うように促す。このケーブルは機体の表面に取り付ければデータ通信が可能で、端子に左右されない優れものだ。

 ケーブルを取り出すボクの姿に彼は何となくこちらの意図を汲み取ってくれたのか、大蛇は頭部の額に当たる部分をボクの方に向けた。額部分にケーブル先端を取り付け、ボクは言語モジュールを送信する。

 

 

 

 

 

『……ン・ナナ。ンナナ、ン・ナナナ! (……すみません。こちらの言葉、伝わりますか?)』

 

 

 データの送信が終わり、もう一度大蛇に向けて話しかける。すると大蛇は地面に【○】と削り記した。どうやらボンプ言語が伝わるようになったようだ。

 

 

『ウゥァァ……』

 

『ンナァ……』

 

 

 しかし大蛇は唸り声を上げることしか出来ず、言葉を話せないようだ。というわけでこちらの問いかけに頭を頷くか横に振る、先程の尻尾での書き記しで大蛇とのコミュニケーションを取り始めることになった。

 

 

 大蛇はちょっと前にここにやって来て、どうやってここに来たのかは分からず、気がついたらここに居たという。ここがホロウという異空間ということも最近知り得て、今は生きる為にこのホロウ内で物資を拾い集め拠点を作り上げて暮らしているという。

 それと自分は蛇じゃなくて龍だと主張し、サイドラという名前があるとのこと。

 

 それでサイドラさんは日頃の探索中にエーテリアスの群れを見かけ、後を追ったら僕とエーテリアスの群れを見かけどうしようかと見定めていたという。ただエーテリアスから手を出してきたので迎撃しただけとのこと。そしてボクもといボンプを初めて見たらしく、襲い掛かる気は無かったという。

 

 どうしようかと考えながら見つめてたらボクが何か話し始め、何言っているのか分からなかったのでダメ元で『?』で伝わるか試したという。後はなんかケーブル伸ばしてきたんでとりあえず付けてみようと思ったらしい。

 警戒心が無いのかと思ったが、仮にウイルスでも送り込んでハッキングでもしてきたら彼の電脳内に住み着いている“しょごりゅう”でウイルスを迎撃し、逆ハッキングをかましていたとのこと。“しょごりゅう”というのは何なのかわからないが、その気はなかったとはいえもしハッキングなんてやってたら確実にヒドイ目に遭っていたかもしれない。

 

 

 何はともあれ、こうしてエーテリアスの群れから難を逃れたことでの安堵から腰を抜かす。するとサイドラさんは地面に何か書き記してボクに見せた。

 

 

【腰抜かしてるとこ悪いけど、助けた礼として対価をもらいたいんだが?】

 

 こんなストレートに謝礼を請求されるとは思わなかったが言い分は間違ってはいない。彼はボランティアでも何でもなく、ましてや窮地を救ってくれた命の恩人もとい恩龍だ。下手に逆らえばボクはあのエーテリアスと同じ末路になってしまうのは想像に難くない。

 

【すまない、こんな場所で話すことではないな。交渉のためにとりあえず住処(ウチ)に来てもらうが構わないな? 悪いようにはしない】

 

 

 そう続けて書き記すとボクを咥えてどこかへ移動していく。完全に逃げられなくなりこの時ボクは一体どんな対価を請求されるのかと新たな危機に気が気でなかった。

 

 そうして連れてこられて辿り着いた彼の拠点。そこはホロウ内と同じ廃墟ではあるが、ホロウ内では珍しい非ホロウ空間であった。液体の中の気泡のように、エーテルの淀みがないこの空間は貴重な安全地帯ともいえる。確かにここなら一応エーテルの侵蝕に脅かされることはなく、拠点としては良い場所だろう。

 

 周りを見れば廃材で出来た作りかけの建物や壊れた重機や装置が散乱していた。無作為に散らかしたかのように見えるものの建物は建築用の素材が足りない状態であったり、銃器や装置に関しては動力部のみを取り出してそれを組み合わせようとしていた。少なくても一から手探りで拠点を築き上げようとしていることがわかる。

 

 

 拠点につくとサイドラさんは咥えていたボクを降ろし、地面に文を書き記していく。

 

 

【さてと、ここまで付き合ってもらったが早速交渉と行こうではないか。時間は有限、時は金なりってな】

 

 

 ──そうして始まった彼との交渉。だがそれは拍子抜けた結果となって上手く纏まった。

 

 彼からの要求は“情報”であり、それも極めて単純に常識的な内容を幅広く教えることを条件に交渉が成立した。彼はエーテルなど一般常識といえる内容を知らず、自分の話す情報の内容に驚いたり、分からない所を逐一質問して問いかけたりしてきた。

 見知らぬ場所に飛ばされたといったが、まさかホロウやエーテルの基礎的な情報を殆ど知らないとは思わなかった。まるで()()()()()()()()()()()()()()()から来たのかと思える。

 

 知識を教えている途中で本当に金品とかいらないのかと尋ねてみたが、彼曰く『いずれ必要にはなるが、情報と比べてまともに人やボンプと交流できる下地が無い今の時期にそんなものもらっても宝の持ち腐れだ』と一蹴されてしまった。

 

 思い切った優先順位だけど情報の有無に関しては同感できる。何せ情報一つを知っているだけで生き抜く手段になり、逆に知らなければ呆気なくスクラップにされる運命に繋がる。情報を蔑ろにしない点に好感を覚え、怪獣の姿に反して合理的に、そして俗世的な物事に考える彼にボクは強い興味を感じる中、ふと何か思ったのか彼が地面に書き記していった。

 

 

【あ、そうだ(唐突)。お前さ確かフリーだって言ったよな? じゃあウチさ、人手が欲しいから雇われない?】

 

 

 端的に言えばスカウトである。本龍曰く、『そろそろ独学も厳しくなってきたし、ここらの情勢や知識に詳しい現地民を雇おうかと考えてたところを見つけたから棚ぼただった』とのこと。

 給料は将来的に払いたいが現場の体制の様子から今は支払えないが、代わりにボンプみたいな機械なら衣食住はきちんと確保できると彼は現場のアピールをしていく。拠点内には建てかけの掘っ立て小屋や充電スタンドがあったりと、確かに給料はともかく安全な生活基盤(インフラ)に関しては発展途上だが整えつつあるのが周りの様子から見てとれる。

 

 無茶苦茶な条件だが正直に言えば、一晩の寝床の確保すら危うい野良のボンプにとってこの条件は破格ともいえる。

 

 

 とはいえ自分の中にある懸念があり、それを見極めるためにボクはある質問をした。

 

『ンナ、ンナナナ? ンナナンナナナ? (あの、その話をどうしてボクに? こんな小さいボンプをなぜ必要としてるのです?)』

 

 

 

 

──何やってんだ!! このマヌケ!!! 

 

 

──ホント使えねぇなお前、これならスクラップの方がマシじゃね? 

 

 

──このボンプは駄目だな、廃棄するしかあるまい。

 

 

 

 

 電脳によぎる今まで浴びせられた罵詈雑言。命令をよく聞き、命令通り一生懸命に働いて頑張ってきたけど、帰ってくる言葉は罵倒されるだけ。

 

 こうして雇われて頑張っても、罵倒されるなら一人で気楽な野良のままがマシだ。ホロウレイダー紛いな事をしてるのも職を選べないだけでなく、選べたとしても他者との関係からもうあんな辛い出来事はごめんだと思い現状を変えようと思っていない。

 

 

 ボクの質問に対し彼は考える素振りを見せた後、再び地面に書き記した。

 

 

 

【単純に言えばこの拠点の発展の手伝いもあるし、この先の未来として商売が行えるような人材が欲しかったんだ。生憎と俺はここらの情勢や物価には疎いし、この体じゃ商売なんてまともに出来んからな】

 

【お前さんの質問の本質としては、雇うならお前さん以外の人間やボンプでもいいと思っているのだろう。まぁ実際そう思っていたから否定はしないけど】

 

【けどまぁ、こうしてコミュニケーションとって思ったが雇うなら俺はお前さんを選ぶ。だって生真面目で良い奴だってなのは分かったし、そういう信用出来るやつに仕事を任せた方が安心できる】

 

【それに自分を卑下しているが、ホロウという危険な場所を潜って生き延びているんだからその小さい体のわりに大したもんだと思うぞ? 自信持てって】

 

 

 

 

 

 何というか、竹を割ったかのように自身の思っていることを伝えていた。ボクが思っていた質問の懸念点を読み取り、それに対し自身の意見を取り繕わずあっけらかんと晒した。

 

 その人の好さに信じそうになるが、けれどそれはスカウトでもよく口実にするような信用を得る手法でありきたりな言葉であり、口ではどうとでも言えるから真偽は分からない。

 

 

 

 

 

 

『……ン、ンナァ! (よ、よろしくお願いします!)』

 

 

 

 

 

 ──でもボクは、目の前の龍に対してもう一度誰かを信じてみようと思った。

 

 

 

【ん、契約成立ってことだな。そういやお前さん名前がないんだよな】

 

【名前が無いのも不便だし名前を付けるか。うーん……よし、お前の名前は“リョウ”だ!】

 

【名前の由来か? そいつは“サイバー・ドラゴン()”を従わせた帝王(カイザー)の名でな、そいつみたいに立派になってもらおうという願掛けだ】

 

【まぁ今のお前さんだとそいつの弟さんみたいに気弱だが、何とかなるだろ。とりまよろしくな、リョウ!】

 

 

 

 

 

 名無しであったボクはリョウという名前を頂き、それからは彼──サイドラ様とともに拠点を発展させていきました。

 

 拠点は大都市に比べれば発展途上ですが、それでも徐々に立派になっていく拠点の姿を見ると今まで味わえなかったやりがいと達成感が感じられました。それでいてボンプであるボクにも仕事の報酬をきちんと支払ってくれるため、より仕事に励もうと思えるくらいに充実しています。

 

 メインである拠点発展の他に、採掘したエーテル結晶を外に売り出して外貨を稼ぎ、ホロウ内では手に入らない物資を調達する仕事を任されました。今後の発展で重要な仕事かつサイドラ様では商売が困難なため、ボクは責任もって黒字になるように品物を売り捌いていきました。

 あ、お客の信用に関わるからぼったくりで売るなと事前に厳命があり、しっかり真っ当な値段で売ってましたのでご安心を。

 

 ただまぁ、過去からの幻影からは逃れられないといいますか、かつていた場所からのちょっかいに受けました。なんでもうちのエーテル結晶の評判が良いと噂になり、せっかくだから自分達が管理して利益を上げてやろうじゃないかと宣う始末です。盗人猛々しいとはまさにこのことですね。

 もちろんそんな話は断りましたが、すると彼らは暴力にものを言わせて品物を強奪し始め、ボクは半分痛めつけられながらもなんとか逃げ帰りました。あの時は自身の無力さから悔しかったですが、これもサイドラ様との作戦の内であえて()()()()()()()奪わせてやりました。

 

 次の行商の際にはまた連中が現れ、カモがネギしょってきたと言わんばかりとにやつきながら品物を強奪しようと襲い掛かってきました。ボクは素直に行商用のリヤカーを奴らに明け渡しお得意様とともにその場から離れ、連中はリヤカーの方に雪崩れ込みました。

 我が物顔でリヤカーを占領する連中にお得意様は憤り向かおうとしていくのをどうにかなだめながら、ボクはとあるスイッチを起動させました。

 

 

──チュドォォォォン!!! 

 

 

 品物もろとも連中はリヤカーの自爆に巻き込まれていきました。サイドラ様から貰い受けた“万能地雷グレイモヤ”というものですが、凄まじい威力です。強盗を爆風で吹き飛ばし、釣り餌として用意した品物やリヤカーを跡形も無く消し飛ばしました。

 爆破後はアフターサービスとしてお得意様には隠し持ってた品物を迷惑料代わりに少し渡してから、その場からとんずらさせていただきました。

 

 それからも強盗が襲来してくる度に躊躇いも無くリヤカーを自爆させ続けていき、遂には強盗されることもなく被害が無くなりました。単純に襲うだけで大損する上に、奴らはお得意様からの顰蹙を買われ強盗する旨味を無くしたのです。

 最初は物資を無駄にすることをどうかと思っていましたが、サイドラ様は『人材に比べれば品物の損失は必要コスト、1:2のアドを稼げればコラテラルダメージってやつよ』と言っていたようにこれも彼の想定だったのでしょうか。恐るべき計略です。

 

 

 

 

 それで強盗自体は無くなりましたが今度は奴ら、ホロウにまで後をつけて追跡してきました。つけられたことに気づきながらも気づかない振りをしながら奴らをホロウ内部に誘い出し、ホロウ内で囲まれ驚いた演技したボクを見て奴らは下卑た笑みを浮かべにじり寄ってきました。まぁその後で計画通りに奇襲しにやってきたサイドラ様の姿を見て怯えた奴らの姿はスカッとしましたけどね。

 あ、あの強盗達の末路なんて言うまでもありませんよ。サイドラ様曰くインガオホーというやつです。

 

 

 

 ボクはサイドラ様に拾われたことで新たなボンプ生を歩ませてくれたことに感謝しかありません。採掘品の調査や交易による活動、新たな人手としてかつての自分と同じ野良ボンプで信用出来るボンプをスカウトしボンプ部隊を結成し、彼らをまとめながら拠点の発展に繋げました。

 

 この先、彼とともにエリー都に負けないくらいにあの拠点を発展させていきたいと──、

 

 

 

 

 

 

 

 

『ン、ンナァァ……』

 

 

 

 だけど申し訳ございませんサイドラ様。突如起きたホロウ災害からボクが生きて帰れるかはわからないです。

 

 

 

 しかし諦めたわけではございません。貴方様からのご命令通り、どんな逆境でも生き残るためにボクは足掻き続けます。

 




・サイドラ
なんか変な機械がエーテリアスに追われとる。野次馬しよっと。
へ~現地民みたいなもんか。雇われない?

軽いノリで雇ったけど自分の出来ないこと(主に行商)をきちんとやってくれてる優秀さに信用出来るボンプ柄からSSRktkr!!と内心狂喜乱舞していた。


・リョウ
自身を不良品(マヌケ)と過小評価している有能ボンプ。ぶっちゃけると行商や秘書的な仕事はガチで優秀であり、性格も真面目で良いボンプ柄な為、ガチャで言うサポーター大当たり枠。
むしろ今までの勤め先にいた彼の雇い主の方が彼にキャパオーバーな仕事をさせすぎて上手く扱えなかった無能。後に以前の勤め先の一つが落ちぶれて倒産したとかなんとか。
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