これは鬼矢たちが幻想郷に訪れる二年前のことだった
??「さ~て今日はどんな悪戯をしようかね」
幻想郷の何気ない道を一人の少女が歩いていた。
彼女は鬼人正邪、天邪鬼の妖怪で何時も通りの日常を過ごしていた。
正邪「よし、今日はあのスキマ婆の顔にでも落書きをしてやろうかね」
そう、何時も通りのを過ごす筈だった。
だが彼女は気づいていなかった。
まさか自分が…自分の前に現れた世界の境界を超えてしまった事を…
正邪「…あれ?」
考えから抜け出て正邪は目の前に広がる景色に呆気に取られる。
自分は先ほどまで草木ある道を歩いていた。
それが何時の間にか足から伝わるのが何やら硬い地面に変わっており、周りも見た事のない建物らしい物体になっている事に気付く。
正邪「ど、何処だい此処は…」
自分ただ何時も通りに歩いていた。
それなのに見当も付かない所に来るなんてありえない。
色々と来る事に頭が追い付かずに途方に暮れる正邪に…声をかける者がいた。
???「ねぇ、君」
正邪「え?」
後ろからの声に正邪は振り返る。
そこにいたのはメガネをかけてアホ毛を生やした黒みがかったショートヘアの高校生位の少年がいた。
いきなり声をかけて来た少年に正邪は訝しげに見る。
正邪「だ、誰だい。アンタ」
警戒してる正邪に流石に知らない人から声をかけられたら警戒されても仕方がないのを分かっていたのか少年は口を開く。
少年「もしかして迷子?」
正邪「べ、別に迷子じゃないし!」
そう聞く少年に正邪は顔を逸らす。
それに少年はああ、やっぱりなと思いつつそれを顔に出さずに名乗る。
少年→伊御「俺は伊御。もし良かったら警察まで一緒に行こうか?」
正邪「け、警察?なんだよそれ」
名乗った少年、伊御の言った単語に正邪は目をパチパチさせる。
その様子にさらに内心確定かなと考えながら伊緒は続ける。
伊御「ねぇ、もしかして君って…」
グゥ~
聞こうとした時、正邪のお腹から可愛らしい音がし、正邪は顔を赤くしてバッとお腹を押さえる。
それに伊御は聞こうとしたのとは別のを聞く。
伊御「お腹すいてるのか?」
正邪「へへへへ、減ってない!」
顔を赤くして答える正邪に伊御は苦笑しながら提案する。
伊御「良かったら一緒にケーキ食べないか?」
正邪「け、ケーキ?」
出て来た言葉に正邪は食べ物なのかと考えたがまたお腹がなりそうなので顔を反らしつつ聞く。
正邪「そ、それって美味しいのか?」
伊御「ああ、行く所のは保証するよ」
それにより正邪はな、なら行ってやろうじゃないかと答え、伊御はくすっと笑う。
伊御「じゃあ行こうか」
そう言って歩く伊御の後ろを正邪も付いて行く。
ハチポチ~店前~
正邪「此処にケーキってのがあるのか?」
目の前の建物を見て聞く正邪にそうだよと伊御が言って扉を開けて入り、正邪も続く。
?「お、伊御。遅かったじゃねぇ…」
か…と言いかけて出迎えた明るい黄土色のショートヘアの少年は伊御の後ろにいた正邪を見てしばし固まった後に伊御の腕を掴んで正邪から距離を取る。
そんな少年の不可思議な行動に残された正邪は首を傾げる。
少年「おい、伊御!お前、あのコスプレ少女何処で拾ってきた!」
伊御「いや、もしかすると本人かもしれない」
チラチラと正邪を見ながら小声で話しかける少年に伊御はそう言う。
それに少年ははぁ?と何言ってんのお前?と気持ちが籠った声を漏らす。
少年「お前、二次元とリアルがごっちゃになってないか?」
伊御「んじゃあ試しにどこから来たのか質問して見ろ」
真面目な顔で言う少年に伊御は正邪を見て言い、少年はしょうがねえな…と呟いて正邪に近づく。
少年「ねぇ御譲ちゃん。何処からき…」
少女「あぶなーい!」
少年「ゲフゥ?!」
話しかけようとした少年だったが別方向の声と共に来た衝撃と共に吹き飛ぶ。
いきなりの事に正邪も呆気に取られる。
少女「ふぅ、危ないところでした」
伊御「いやいや、何してるんだ姫;」
少年を吹き飛ばしただろう栗色のショートボブヘアで左右に結ってある紺色のリボンが特徴の少女に伊御は冷や汗掻いて言う。
正邪「ひ、姫?」
少年「ち、ちなみに名前であって考えてる姫とは関係ないからな」
伊御「大丈夫か榊;」
出て来たのに呆気に取られる正邪に少年がよろめきながら起き上がって言い、伊御が冷や汗掻いて聞く。
少女「いやぁ~姫っち、ナイス突撃じゃったよ」
フェッフェッフェッと笑って姫と呼ばれた少女とは別のオレンジのボブカットでお団子二つ、目が前髪で隠れている少女が指を立てて賞賛する。
それにより伊御は姫と呼ばれた少女の行動に納得して呆れる。
伊御「お前の仕業か真宵」
榊「色々と理由を聞かせてくれ」
ふうと息を吐く伊御の後に榊が聞く。
真宵「いや~榊さんが可愛い女の子をナンパしていると思いまして」
榊「ちげぇよ!!ただどこから来たのか聞こうとしただけだよ!」
悪びれもなく理由を言う真宵に榊はそう言う。
真宵「それにしても…どこかで見た格好じゃね?確かと…!?」
姫「ふえっ!?」
伊御「えっと、そう言えば名前も聞いてなかったね。後どこから来たのかも?」
正邪を見て何か言おうとした真宵を伊御が慌てて口を抑えた後に変わりに聞く。
正邪「アタシ?アタシは鬼神正邪。幻想郷からこの変な世界に来た天邪鬼さ」
その言葉に榊と真宵は止まり、姫は幻想郷の部分に首を傾げ、伊御はやっぱりか…と思ってると腰まである明るい黄土色のロングヘアの女性が来る。
そして正邪を見るとあらあらと笑う。
女性「貴方が紫さんが言っていた子ね。聞いてたとおり可愛いわね」
榊「え?みいこ姉、今紫って…」
女性から出て来た名前に榊が驚いて聞こうとする前に正邪を連れて奥に行ってしまう。
誰もが顔を見合わせる。
数分後…
しばらくして何か疲れた様子の正邪を連れたみいこが来る。
伊御「み、みいこさん。何してたんですか;」
みいこ「色々とお話してたのよ~後、榊に言って置くと知り合いからこの子を預かってほしいでウチに居候する事になったわ」
榊「はあ!?」
恐る恐る聞く伊御にみいこはそう言い最後の言葉に榊は驚く。
真宵「なんと?!榊さんがこんな可愛い子と同棲ですと?!」
伊御「いや、微妙に違わなくないか?;」
驚いて言う真宵に伊御はツッコミを入れる。
榊「(ヤベェ…こんなことクラスのやつ等にバレたら…殺される?!)」
姫「えっと…みいこさんは正邪さんと知り合いなんですか?」
色々と榊が戦慄している間に話しに付いていけてない姫がみいこに聞く。
正邪「いやそうじゃねぇけどどうやらこの人とあのスキマ婆が…」
みいこ「せ・い・じゃ・ちゃん。それはひ・み・つと人をそう言っちゃだめよ♪」
それに正邪は答えようとしてみいこが笑顔のまま正邪の肩にポンとおいて言い、それに正邪はコクコクと頷く。
姫を除いた3人は深く聞かない方が良いなと思った。
少女「…伊御」
するとさっきまでいたが黙って見ていた腰の下まである青のロングヘアで、上向きに一本くるりと巻いたアホ毛が特徴の少女が伊御に話しかける。
伊御「どうしたのつみき?」
少女「今更だけど私たち…あの子に自己紹介してないわよ」
それに誰もがあーと納得する。
連れて来る前に名前を明かした伊御以外は自分から全然名前を言ってない。
真宵「確かにはじめてあったのに自己紹介をしてないってのは失礼じゃね」
伊御「正邪に名前を言ったのは俺だけだからな」
うんうんと頷く真宵の後に伊御が言うと榊が俺から行くぜ!と手を上げて自己紹介する。
榊「俺は戌井榊。そっちに居るみーこ姉の弟で伊御のダチだ」
次に私がやるんじゃよと真宵が出る。
真宵「私は片瀬真宵。面白いことが好きな伊御さんの友達なんじゃよ!よろしくじゃね!次は姫っち!」
指名された事でふえっと驚いた後に姫は慌てて自己紹介する。
姫「春野姫です。よ、よろしくお願いします!正邪さん」
正邪「おう」
聞いた後に次に無口な少女へ顔を向ける。
ほらつみきと伊御に頭をポムする。
少女「…御庭つみき。よろしく」
正邪「ってそれだけ?」
簡潔に名を言うつみきに正邪は思わずつんのめり、伊御達は苦笑する。
真宵「つみきさんは無口で可愛い女の子なんじゃよ」
榊「あと伊御の事が好きなんだぜ」
つみき「にゃ?!」
伊御「こらこら、そこの2人つみきを困らせるな」
そんな正邪に真宵と榊が付け足してつみきは顔を赤くして伊御が注意する。
しかも動じてない事から正邪は鈍感かと呆れる。
正邪「(でもアイツ、からかいがありそうだな)」
つみきを見てそう思った正邪はふと真宵と榊と目が合い、それに2人はグッと見せ、この2人もからかうのが好きと分かって返す。
つみき「にゃ!」
ただ、その後につみきにより榊と真宵のふたりは吹き飛ばされて壁にめり込む。
正邪「(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?)」
伊御「つみき、此処はお店だから学校の様にしたらダメだろ;」
つみき「(ぷい)」
正邪「(いやいやいや!と言うかこう言う事があるの!?)」
それに驚く正邪を尻目にやんわりと窘める伊御につみきは顔を反らし、正邪は心の中でツッコミを入れる。
正邪「ねぇ、お前ってホントに人間?」
つみき「人間よ」
思わずそう聞いてしまった正邪につみきは何言ってんのとばかりに呆れる。
正邪「じゃなんで普通の人間が…」
続けて言おうとして正邪のお腹が鳴る。
それに正邪は顔を赤くして自分が此処に来たのはケーキを食べる為なのを思い出す。
榊「お、腹が減ってるのか」
伊御「そう言えばケーキを食べさせてあげるで連れて来たんだった」
それを聞いて笑う榊の隣で伊御が本来の目的を思い出して呟く。
榊「ならちょっと待ってろ」
それを聞いて榊は店の奥に引っ込み、伊御も正邪を椅子に座らせる。
しばらくして榊がショートケーキを持って来る。
正邪「これがケーキ?」
榊「おう、ウチの人気ケーキだ」
置かれたのを見て呟く正邪に榊はそう言う。
幻想郷では和菓子しか食べた事のない正邪は珍しそうに見た後に置かれていたフォークを持って少し切り分けて切り分けたのをフォークに刺して口に含む。
正邪「!」
そして来た甘さと旨味に驚く。
自分が今まで食べて来た和菓子とは全く違う美味さと衝撃に驚いた後にほにゃりとなる。
榊「どうだ?」
正邪「お、美味しい…和菓子以外でこんな甘くて美味いのを食べた事ない!」
笑って聞く榊に正邪は笑って言う。
それに伊御も笑う。
正邪「ねぇ!他にはどんなのがあるの?」
けいこ「うふふ、気に言って貰えて嬉しいわ」
聞く正邪にけいこは笑って言った後にちょっと待っててねと言って別のケーキを持って来る。
それに正邪は目を輝かせて食べて行く。
真宵「ただあまり食べ過ぎると体重がhゴフゥ?!」
つみき「いいところなのに余計な口出ししない」
伊御「いやだから学校の様にしちゃあ駄目だろ;」
余計な事を言おうとした真宵はつみきにより再び壁にめり込み、そんなつみきを伊御は注意する。
しばらくして満腹になったのかふいーと満足そうに正邪は息を吐く。
正邪「いやー、マジこんなに美味しい奴を食べられたのは初めてだわ―他にもこんな飲み物とかもね~」
みいこ「ふふふ、それは良かったわー」
満足そうに出されたジュースを飲んで感想を述べる正邪にみいこは何時も通り笑って言う。
色々とあったが此処で何か楽しい事を待っているのを正邪はなぜかそう確信していた。
みいこ「あ、ちなみに正邪ちゃん伊御君達と同じクラスになるから」
一同「え?」
微笑ましそうに見ていた一同と正邪はみいこの言葉にまた呆気に取られる。
これが1人の天邪鬼と親友となる者達の出会いと彼らの物語の始まりであった。
榊「次回、2日和目!学校⇔買い物に続くぜ♪」