雄英高校2日目。ピカピカの新入生である雄英高校1年生は、入学最初の授業に挑む。
ヒーロー科A組の午前の授業では、セメントスの現代文やプレゼント・マイクによる英語が行われる。
「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」
プレゼント・マイクの問いに、誰も答えない。彼の授業時のギャップに皆が驚いているからだ。
「エヴィバディヘンズアップ盛り上がれ!」
(普通)
(普通だ)
(クソつまんねぇ)
(関係詞が違うから4!)
(英語は苦手だ。分からん)
一般教科を担当するプロヒーローの授業は、最高峰の雄英高校ヒーロー科と雖も、普通の授業と変わりなかった。
昼休みの食堂は、ランチラッシュが料理長として厨房を仕切っている。彼の料理は、安価で美味しく学生の味方だ。
「ランチラッシュ!みぞれ豚カツ定食の白米大盛りと拉麺の炒飯・餃子セットを頼む!」
「す、凄い量を頼むね。そんなに食べられるのかい?」
ランチラッシュは、思わず聞き直す。無理もない。
異形型に見えない目の前の少年がフードファイター並の量を注文したのだ。
「心配御無用です」
「そうかい。そこにある配膳カート使っていいからね」
「ありがとうございます」
武瑠は、配膳カートに昼飯を乗せ、一佳がいる席まで運ぶ。
「頂きます」
そして、席に座り、食事に感謝を告げ、豪快に白米をかっ喰らう。山盛りの白米がみるみると武瑠の腹の中へと消え去る。
「武瑠は、相変わらず良く食べるな〜」
一佳は、武瑠の食欲に苦笑いする。ちなみに、彼女が頼んだ料理は、サバの味噌煮定食である。
「失礼。隣に相席しても宜しいかな?」
「良いですよ。大丈夫だよな?武瑠」
相席を頼まれた一佳は、武瑠に聞き込む。
一佳の言葉を聞いた武瑠は、断る理由が無い為、掻き込んでいた白米を飲み込み、承諾した。
「どうぞ、座る時にはお気を付けて」
「では、失礼するよ」
武瑠の目には、山盛りの白米2杯と6品の主菜と副菜。そして、淡い水色の髪と片目隠れの顔が映る。
武瑠は、彼の顔を見て、思わず椅子から立ち上がり、狼狽えた表情で少年を指差した。
「し、失礼を承知で申します。もしかして、ふ、吹雪なのか?」
「ふふ、久しぶりだね。武正。君の仲間⋯逃若党の吹雪だ。今世では、高野吹雪を名乗っているよ」
「吹雪ー!懐かしいなぁ!久しぶりだな!あぁ⋯吹雪!ようやく会えた!」
「あはは、涙で制服が濡れる。痛い痛い痛い」
前世ぶりの再会に涙を流す武瑠は、力加減を誤り、強く抱擁する。吹雪の身体から悲鳴が上がった。
吹雪は、解放してもらえる様に武瑠の肩を少し叩く。
「今は武正ではなく、武瑠という名だ。よろしく頼む」
「ああ、勿論だ。武瑠」
武瑠は、吹雪に耳打ちをする。逃若党の軍師を務めるほど、聡明な吹雪は、直ぐに理解した。
「吹雪とは、その⋯中学時代の修行仲間だ。吹雪、彼女は拳藤一佳。俺の幼馴染だ」
「1年C組の高野吹雪だ。よろしくね拳藤さん」
「」
武瑠は、前世での経験を修行として話し、会話に花を咲かせた。
昼休みが終わり、午後の授業であるヒーロー基礎学に差し掛かる。
「わーたーしーが!普通にドアから来た!!」
オールマイトが廊下から入室し、クラス全体が湧き上がる。
「オールマイトだ⋯!すげえや本当に先生やってるんだな⋯!」
「銀時代のコスチュームだ」
「画風違いすぎて、鳥肌が⋯」
歓声を受けたオールマイトは、ウキウキステップで教壇に上がる。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う課目だ!単位数も最も多いぞ!」
「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!」
「戦闘⋯」
「訓練⋯!」
オールマイトが公開した授業内容に誰かが呟く。オールマイトは、説明を続けた。
「そして、そいつに伴って⋯こちら!入学前に送って もらった個性届と要望に沿ってあつらえた⋯戦闘服!」
「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!」
『はーい!』
男子更衣室に着いた武瑠は、番号のロッカーに荷物を置き、制服から戦闘服に着替える。
「これが俺の戦装束か」
ケースからコスチュームを取り出す。武瑠のコスチュームは、小袖、袴、紋付き羽織、陣羽織、模造刀の打刀、鎧通しだ。
東坂ファウンデーションが開発した武気の力を最大限に引き出す特殊な薄布諸籠手を装着。その後、父親の義武から渡された紙に記されている合言葉を呟く。
「武装変化」
次の瞬間、武瑠の全身は、軽鎧の姿に変化した。
軽量化が施された鎧は、現代技術と義武の技術が合わさり、防御性の高い軽量素材が配合されている。
腰には、打刀と鎧通しの模造刀が差し込まれている。
武瑠は、一頻り確認した後、黒陣羽織を羽織った。
「お前のヒーローコスチュームの技術力凄えな」
陽気な見た目の黄髪男子が話しかけてきた。武瑠は、声を掛けられて困惑する。
「お、挨拶してなかったな。俺は、上鳴電気!よろしくな!」
「東坂武瑠だ。以後、よしなに」
「しっかし、東坂のコスチューム格好いいな!サムライって感じがするな!」
「武士」
近くで会話を聞いていた常闇がひっそりと呟いた。
準備を終えた武瑠は、集合場所であるグラウンドに赴くと八百万から声を掛けられた。
「格好いいお姿ですわ。武瑠さん」
「お〜、モモさ⋯ブフォ!?」
武瑠は、八百万を見て、咳き込んだ。
今の八百万は、露出の多い赤いハイレグ風の衣装だからだ。
「いかがなさいましたか?武瑠さん」
「モモさんは、なんというか⋯色めかしいな」
八百万は、武瑠の言葉を読み取り、顔を赤らめる。
「い、色めかしいなど!女性に対して、失礼ですわよ!武瑠さん!」
「モモさんは、自分の魅力に気付いたほうが良い!モモさんみたいな別嬪さん然り、女子が其処まで肌を出すのは、心配になるんだ」
「べ、べべ!」
八百万は、武瑠からの褒め言葉に手を頬に当て、顔が熱くなるのを感じた。八百万を余所に、周囲を見渡す。各々の個性あるコスチュームに、脱帽する武瑠だった。
(愉快な前立てや兜は見た事あるが、鎧までもが愉快な構造とは、時代は変わるものだ)
「おーい!東坂君!」
葉隠に呼ばれた武瑠は、振り向くと目を疑った。
武瑠の目には、神力が宿っている為、透明である筈の葉隠の顔と赤裸々な姿が鮮明に映っている。武瑠から見れば、全裸で此方に向かってくる痴女である。
(全裸陽気ド変態痴女!?全裸逃亡ド変態稚児の若と互角か!)
「葉隠殿か?君の戦闘服は、手袋しか見えないが?」
「あはは〜。私の個性は透明だから、個性を活用する為に手袋だけなんだ」
「な、何とも眼ぷ⋯いや、傾いておるな」
武瑠は、咄嗟に口を押さえ、目を逸らす。葉隠は、武瑠が目を逸らした理由が分からず、首を傾げた。
「恰好から入るってのも大切な事だぜ!少年少女!自覚するのだ 今日から自分はヒーローなのだと!
始めようか!有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!」
オールマイトの覇気を込めた声が演習場に響く。
生徒各々、自然と力が入る。
「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!」
全身装甲の飯田が質問する。
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!」
「敵退治は、主に屋外で見られるが、統計で言えば 屋内のほうが、凶悪な敵出現率は高いんだ。
監禁・軟禁、裏商売⋯真に賢い敵は、屋内にひそむ!このヒーロー飽和社会、ゲフン
君らには、これから敵組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!」
「基礎訓練もなしに?」
蛙吹梅雨は、疑問を浮かべる。オールマイトは、優しく質問に答えた。
「その基礎を知る為の実践さ!但し、今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「分かれるとは、どのような分かれ方をすればよろしいですか!」
「このマントヤバくない?」
「どの位まで斬って大丈夫ですか?」
「んんん!聖徳太子ィィ!」
オールマイトは、一気に来る質問に悶え出した。
授業が進まない為、話を逸らした。カンペを持ちながら。
「いいかい!?状況設定は、敵がアジトに核兵器を隠して、ヒーローはそれを処理しようとしている。
ヒーローは、制限時間内に敵を捕まえるor核を回収する。一方、敵側は、制限時間まで核兵器を守るか。ヒーローを捕まえること!」
(設定アメリカンだな!)
「コンビ及び対戦相手はクジだ!」
「適当なのですか!?」
「プロは、他事務所のヒーローと急造チームアップ する事が多いし、そういう事じゃないかな⋯」
「そうか⋯!先を見据えた計らい⋯失礼いたしました!」
「いいよ!やろう!」
「籤引きとは、確かに公平だな」
武瑠の前世に於いて、籤引きは公平な神の意志として、重宝された神事である。しかし、籤引きのせいで約100年後の未来で大戦乱時代の幕開けを引き起こしたのは余談だ。
「むっ!一人余ってしまったな!⋯少し待っててくれ!」
オールマイトは、細やかな筆捌きで素早くボールに文字を記し、箱に入れた。
「さあ、東坂少年!クジを引いてくれたまえ!」
武瑠は、箱の中に手を入れ、ボールを掴む。武瑠の手の中には、[?]が記されていた。
「英文字じゃなくて疑問符?」
「むむっ!それを引くとはラッキーボーイだな!
東坂少年!それは、お楽しみクジさ!全員の戦闘訓練が終わった後に東坂少年の訓練をやろう!」
緑谷コンビと爆豪コンビの対決は、訓練の度合いを超えていた。2人の間に並々ならぬ因縁があると感じた。
爆豪が緑谷に向けて、大爆発を起こし、緑谷が超パワーで天井を破壊した。麗日が柱をバットに核を触り、勝利。
「でもまぁ、今戦のベストは飯田少年だけどね」
「なな!?」
飯田が驚くのは無理もない。負けたと思っていたら、ベストと言われたのだ。
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?
「何故だろうなあ〜?わかる人!?」
「ハイ、オールマイト先生」
オールマイトの問いに八百万が挙手する。
「それは、飯田さんが一番状況設定に順応していたから、爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り、戦闘を私怨丸出しの独断。そして先程、先生も仰っていた通り、屋内での大規模攻撃は愚策。
緑谷さんも同様の理由ですね。麗日さんは、中盤の気の緩み、そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと」
八百万は、矢継ぎ早に個人的見解を述べる。
「ハリボテを核として扱っていたら あんな危険な行為は、出来ませんわ。相手への対策をこなし且つ、核の争奪をきちんと想定していたからこそ、飯田さんは最後の場面で対応に遅れた。
ヒーローチームの勝ちは 「訓練」だという甘えから生じた反則のようなものですわ。」
八百万の言葉にジーンと胸を震わせる飯田。
「(思ってたより言われた!?)まあ、 飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが⋯まあ⋯ 正解だよ。くう⋯」
「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになど、なれませんので!」
八百万は、ツーンとした態度で締め括る。
次の轟・障子のBコンビと尾白・葉隠のIコンビの対決は、轟の圧勝に終わった。
次々と戦闘訓練が終わり、最後である武瑠の番となった。
「では、東坂少年と戦いたい人!手を挙げて!」
オールマイトの呼び掛けに挙手をした者は、ツンツン赤髪の切島、爆発髪の爆豪、紅白頭の轟である。
「人数が多いけど、大丈夫かな?東坂少年」
「はい、今の自分の限界を試せる絶好の機会ですので、3人相手でも構いません」
武瑠の言葉は、爆豪の逆鱗に触れた。轟や八百万の訓練結果を見て、己の自尊心が崩れかけていた処、挑発とも読み取れる言葉によって、修復された。
「アァ!?調子の良いこと言ってんじゃねえぞ!鎧野郎!ねじ伏せたらぁ!」
「おい、落ち着けって。爆豪」
「⋯⋯⋯」
キレる爆豪を宥める切島。轟は、武瑠の方を見て、ジッと睨み付けていた。
「よし、東坂少年!パートナーを選ぶんだ!」
「じゃあ、パートナーよろしく」
「へ?」
廃ビルの中で武瑠と葉隠は、
「改めて、自己紹介!葉隠透!個性は、透明だよ」
「東坂武瑠。武器を作る力を持っている。」
爆豪と轟対策に武器を具現化する。
「何か、武器は要るかい?必要なら作るけど」
葉隠は、丁寧に武瑠からの提案を断る。
「大丈夫だよ!私は、自分の力でリベンジしたいからね!」
姿は見えずとも鼻を鳴らす葉隠を見て、失言だったと自省する。
「ふっ、無粋だったか。その心意気、見事なり」
さらに元気良く拳を突き出す葉隠を見て、武瑠は、微笑ましく見守る。そして、士気高揚の策として、法螺貝を具現化する。
「さて、戦を始める前の験担ぎと行こうか!」
「その法螺貝は、何処から出したの!?」
武瑠は、深く息を吸い込み、法螺貝を吹く。
法螺貝の音色を聴いた葉隠は、身体の底からやる気が漲るのを感じた。
爆豪達がいる階層にも、法螺貝の音色が聴こえた。
「んあ?何の音だ?」
「法螺貝の音に決まってんだろ阿呆が」
「⋯東坂か」
爆豪達は、階段で2階へと上がる。2階に着いた瞬間、ナニカが飛来する。3人が慌てて避けると、床には、複数の矢が突き刺さっていた。
「鎧野郎か!」
爆豪が状況を理解した瞬間、またもや、無数の矢が迫る。切島は、硬化した手刀で叩き落とし、爆豪は爆破で破壊。轟は、氷壁で矢を防いだ。
「いやはや、初見で避けるとは⋯中々やるな」
廊下の奥から、弓矢を構えた武瑠が襲来してきた。
「はっ!弓矢程度で俺に効くかよ」
爆豪が挑発している間に投げ込まれた球体を見て、足を止める2人。轟は、球体の正体に気づき、再度、氷壁を形成した。次の瞬間、球体が爆発し、氷壁を粉砕した。
「っち!爆弾か!」
「震天雷。簡単に言えば、手榴弾だ。案ずることなかれ。爆音を放ち、軽く爆発するだけだ」
震天雷が連鎖的に爆発し、黒煙が3人の視界を遮る。
「爆豪!轟!」
「余所見とは余裕だな!」
武瑠は、崩拳を放つが、硬化した切島の十字防御に防がれる。だが、切島の行動は想定済みであった。すかさず、切島の腹部に掌底を放つ。
「かはっ!?」
切島は、掌底の衝撃で咳き込む。強烈な一撃により、全身の筋肉が緩み、硬化が解けた。刹那、僧帽筋に当て身を喰らわし、気絶させる。
「少しの間、眠れ」
《切島少年!OUT!》
武瑠は、薙刀を具現化させ、気絶した切島に切っ先を向け、人質として扱う。
モニタールームで武瑠達のやり取りを見ていた一部の生徒は、苦々しい顔で画面を見つめている。
「東坂の奴、訓練で敵役とはいえ、やり過ぎじゃないか?」
「ウチもそう思う。これ、訓練だし」
「それは違うぞ!上鳴少年!耳郎少女!訓練だからこそ、役割に徹するのさ!現実は、訓練と比べて、非情だ!敵が人質を取るのは、常套手段!如何に安全に人質を救助する力もヒーローには求められている!」
「来いよヒーロー。核を持った無法者相手を無力化してみせろ」
薙刀を肩に担いで、挑発する。爆豪は、挑発的な態度に腹が立ち、両掌にバチバチと火花を散らす。
「ぶっっ潰す!」
「おい!アイツの挑発に乗るな」
轟の静止を無視した爆豪は、両掌を爆破させ、武瑠を仕留めるべく、突っ込む。
「死ねえ!」
武瑠は、後退飛びで爆発を避け、爆豪目掛けて、薙刀を振り翳す。躱した爆豪は、仕返しに目眩ましをする。一時的に、視界を塞がれた武瑠は、縦横無尽に振り回す。
「舐めんじゃ⋯ねえ!」
爆豪は、薙刀の刃を白刃取りで押さえ込み、掌を僅かに浮かせ、爆破で粉砕した。
「はっはぁー!これで攻撃出来なくなったな!鎧野郎!」
視界が回復した武瑠は、爆豪の戦闘技能に感心した。武士が活躍する時代に生まれたならば、勇猛果敢な武将として、名を馳せただろう。
(爆豪の気性難では、直ぐに謀反を起こされそうだな)
「だが、慢心注意だな」
薙刀の柄を爆豪の足に引っ掛け、転倒させる。
爆豪は、視界が真横になる中、次の一手として、掌に溜めた汗を放つ準備をする。しかし、薙刀柄で両腕を叩かれ、テープを貼られた。
「んなっ!?」
《爆豪少年!OUT!》
「足元を掬われたな。さて、お主で最後だ」
「おい、もう一人の仲間は何処にいる?答えろ」
「敵が素直に教える訳無いだろ」
武瑠は、打刀を抜刀し、武気を刃に纏わせる。
轟は、右手と右足を構え、警戒する。
「そうか⋯だったら、凍れ」
轟は、氷筍を放つ。武瑠は、片手斬りで斬撃を放ち、氷塊の波を破壊する。轟は、迫りくる斬撃を躱す。轟の背後にある壁に斬撃が当たり、壁は崩壊し、向こう側の部屋が丸見えになった。
武瑠は、二つの万力鎖を具現化させ、轟の手足を拘束する。鎖を引っ張り、転倒させる。轟は、鎖の縛りに抗うべく、鎖ごと、武瑠の右腕を凍らせる。
しかし、戦闘に夢中になり、伏兵に気付かなかった。
「轟君、タッチ〜!」
《轟少年!OUT!勝者、東坂少年&葉隠少女コンビ!》
轟は、武瑠以外に葉隠がいたことを失念しており、隠密行動していた葉隠に隙を与えてしまった。
「講評結果だ!MVPは、葉隠少女と東坂少年だ!」
「但し、東坂少年は、陽動の役割だとしても、少し前に出過ぎる節があるみたいだね。見きわめて行こう!葉隠少女は、透明を活かした隠密行動は、良い点だね。最後に2人の良いところを挙げるならば、陽動・隠密の行動が共有されていた点だね!」
「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし、真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ、皆、上出来だったぜ!それじゃあ、私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!」
保健室にいる緑谷を除き、制服に着替え、教室に戻った一同は、放課後に親睦を兼ねた反省会を開いた。
「俺ぁ切島鋭児郎!個性は硬化だ!」
「私、芦戸三奈!個性は酸を出すよ!」
「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。個性は蛙よ」
「オレ、砂藤力道!砂糖を摂取することでパワーアップが出来る」
「東坂武瑠だ。まあ、身体能力が高い。以後、良しなに」
武瑠は、お人好しなクラスメイトが次々と自己紹介してくるお陰で、気が楽になった。ふと、喉が渇き、武瑠は自販機がある場所へと向かう。
「少し、果汁水を買ってくる」
武瑠は、自販機近くで緑谷と爆豪が何かを話し、その様子をオールマイトが茂みからコソコソと様子見している姿を目撃する。
「氷の奴見てっ!敵わねえんじゃって思っちまった!ポニーテールの奴の言うことに納得しちまった!鎧野郎には叩きのめされた!」
「てめぇもだデク!こっからだ!俺は!いいかっここで!俺は
偶然、壁に隠れて、爆豪の宣言を盗み聞きした武瑠は、自販機でジュースを買う目的を果たしたので、緑谷と爆豪を眺めた後、教室へと戻っていった。
その日の夜、とある街に存在するBARで不穏な動きがあった。
手だらけの男は、オールマイトの活躍が記された新聞記事を広げ、黒靄の店員と犯行計画を練っていた。
「なぁ、どうなると思う?平和の象徴が敵に殺されたら」
裏社会に潜む悪意は、ヒーロー社会を瓦解すべく、静かに蠢いていた。
「ヒーローとやらは、敵の首級を挙げることは御法度らしいな」
「御成敗式目よりも分かりづらいな」
「はぁ、前世の妻である魅摩、光、栄、誉に会いたい」
「腕が鈍ったな。鍛錬するか」
敵連合襲撃における最初の武器
-
日本刀
-
槍
-
薙刀
-
双節棍
-
人間バット