「魔法ね。魔法…これを教えろって?」
「はい。パチュリー様からはそう言われています」
「あの魔女が?てっきりお姉様かと思ったけど」
「…まあ、レミリア様のお願いではありますね」
いつのまにか無惨な血のみでメイクをした小悪魔さんが復活していた。二人の会話を聞いて疑問に思うのだが、パチュリーさんとレミリアさんの関係って何?友人なの?それとも主従関係?何かあるの?…あ、友人なんだ。じゃあ小悪魔さんがレミリア様とか言うのは普通なのか…納得。フランドールさんは何やらやる気らしく、小悪魔さんにホワイトボードを持って来させていた。
「これは読める?」
「…全く」
「…これは?」
「読めない」
「かなり初歩ね…魔力は?」
「それはわかるぞ、こう…かな?」
前ここに来た時やった、魔力が流れる感じをイメージする。結局アレは妖力だったが、とにかくこう言うものだったはずだ。多分。しかしフランドールさんから見ればこれは中々に違うものらしく。できたと思ってフランドールさんの顔を見ればなんとも嫌そうな顔をしていた。そしたらフランドールさんが思いっきりダメ出しをして、十六夜さんが渡して来たマジックアイテムを渡して来た。
「さっきのは魔力みたいなもの。私が今から魔力を流すから、感じて」
「まあフランドール様、嫉妬ですか?」
「だ…違うわよ」
「いつもの口調はどうされたんですか?いつもみたいに黙れとか」
「黙りなさい」
そう言った後、どうやら魔力がこっちに来たようで。なんだこれ、レミリアさんのと少し違う。姉妹だから似てたりするのかな?そうして感じた力の流れを再びイメージ。あ、できてるんじゃない?どう?え、フランドールさんはなんでそんなにニヤけてるの?変なの?あれ、変?なんで小悪魔さんは笑ってるの?ごめん本当にわからないんだけど…あの、パチュリーさんの説教が終わってるならパチュリーさん呼ぼうよ
「…っ、じゃあ次。これは読める?」
「あ、読める読める」
「そうでしょ?魔導書は基本こう言う感じで、魔力量に応じて読める文字が増えるの。ちなみにこれは初級の文字」
「テンション下がる〜」
「…ま、自衛ができる程度でしょ?この次くらいで終わりで十分よね?小悪魔」
「はい、まあ…人だからと襲ってくる程度の妖怪なら撃退できるでしょうね」
「じゃあまずは魔力量ね…いやその前に、今の魔力をずっと作り出すことから?」
「さあ…我々も生まれつきこの程度は作れましたから」
じゃあなんですか。僕は赤ちゃんレベルで満足してる赤ん坊ってことすか。魔女なら生まれて間もない変な奴ってことすか。おかしくないすか。そうして僕は魔力を無意識に作れるようになった。なった、と言うのはアレだ。大きい力の流れをイメージ出来たら、小さい力の流れをイメージするのは簡単になると言う謎理論で無理やりやられた。そんな、パンツのゴムみたいにびらびらになったらどうするんすか?
「パンツのゴムはわからないけど、やってみるものでしょ?」
「ちゃんと出来てますね。今はまだフランドール様の魔力が残ってはいますが、後38時間くらいでそれも消えます。その後ですね」
「長いわねぇ。」
「いえ、こればっかりは。一度身体に覚えさせて、頭でやる。魔力もピアノも同じですからね。魔力の方が難しいだけです」
「分かってるわよ」
「ピアノあるんですか?」
「ないわよ」
ないのかよ。と言いつつ魔力が作れているなら結構。さてそんな感じに次の段階に行こうとした時、目の前に音もなくクッキーが置かれた。僕が固まっているのに対してフランドールさんは平然と食べ始めている。なんなら小悪魔さんも。何?どゆこと?…これも魔法?違う?違うんだ。そうなんだ…味はかなり美味しくて、きっと作った人は敏腕シェフみたいな人なんだろうなと呟いたら十六夜さんが突然現れて礼を言われた。怖いよ。
「あれ、知らないの?咲夜は大体こうやってお菓子置いていくけど」
「静けさ以外も出そうぜ…」
「ごめんなさい、遅れたわ」
「パチュリー様!」
「パチュリーさん」
「…ちっ」
「驚きね。貴女の魔力が二つに増えたと思ったから説教も切り上げたのよ」
「だから?あの魔法使いをどうやって黙らせたのかしら」
「知りたかったら会いに行くこと。後2日はあのままよ」
どうやら魔理沙さんはやられたようだ。そんで持って、僕をみたパチュリーさんは忌々しそうに僕を見て、視線をフランドールさんに戻す。そのまま話を続けた後、また僕を見る。今度は他を見ることもなくジッと僕を見てくる。え…なに…?今度こそ何かされるの?僕何かしたの?よくわかんないよ??僕無知だから…どうやらそうではないらしい。マジか?しかしわからないので立ち去りたい気分。
「…なるほどね。貴女達姉妹も酔狂よね、好きな男に自分の力を染み付かせるなんて」
「なっ」
「自分を無意識下まで染み付かせたからレミィより一歩進んだつもり?そんな小さな一歩で」
「手段を選ばなかったら、それこそあいつの出る幕もない。私はあいつと同じやり方で主張しているだけよ」
「屁理屈ね」
「小悪魔さん小悪魔さん」
「はいなんでしょう」
「何喋ってるの?」
「あー…」
小悪魔さんが悩む素振りを続ける。意を決して言おうとした途端、小悪魔さんと僕の間にビーム。ビーム?おそらく発射された方を見ると、こちらに手をかざしているフランドールさんと、僕達二人とフランドールさんの間に立っているパチュリーさんがいた。何やら険悪なムード。帰った方がいいなら帰りたい。いやほんと、怖いもん。小悪魔さんなんて、ほら。頭抱えてぶるぶる震えてるもん。
「…死ぬかと思いました…」
「ちょっと。客人と小悪魔にでは出さないでくれる?」
「じゃあ黙らせることね。誰だって特定の相手に知られたくないことがあることくらい教えておきなさいよ」
パチュリー「(そもそも私が育ててないしなぁ)」
小悪魔「(ここまでほとんどストレートに伝えてるようなものなのに気づかないのがなぁ)」
かずき「(帰りてぇ…)」