東風谷さんと僕   作:覚め

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かずき君は仏か神様が選べと言われたら3分悩んで神様を指さします。
重要なのは、三分間悩んだ結果が指さすだけということ。


仏様

「よし…封印が解けた…!」

 

「聖様…」

 

皆の顔は、細かな違いはあれど、まるで救いの手を見るような顔だった。僕はぼけーっとした顔でその封印とやらを見ていた。出て来たのは、なんとも独特な服をした女性。これが聖さんか。世紀の大発見に同伴しているような気分にもなるが、顔を見てはっきりと分かったことがある。二歩引く。いや、もっと。合計で12歩下がる。この人、魔法使いだ。しかも僕より相当上の使い手。また三歩下がる。三歩目を歩もうとした時、何かにぶつかる。

 

「星、この子は?」

 

「っ!?」

 

真後ろには聖さん。何故?というよりも、こんな、漫画みたいなことがあるのだろうか?腕を掴まれてしまい、全然動かせない。どうなっている。わけがわからんぞ?今すぐにでもバイクに乗って帰りたいのだが、しかしここは魔界。帰り方のわからない僕にそれは不可能である。逃げる?無理。どれだけ早く逃げてもまず無理。本能的に怖がってる。いやほんと、掴まれ腕が全然動かないんだって。

 

「ついて来たんです。魔界に入る時に忠告はしたのですが、楽しそうだから、と」

 

「まあ、そうなの?」

 

「ぃや、そうだけど…っ!」

 

「無駄よ。貴方の非力じゃ、動きすらしないわ」

 

「バケモンかよ!?」

 

「強化魔法よ。素はそこまで変わらないわ」

 

「変わらねえのはどうなんだよ」

 

手を離してもらい、グーパー。いやこれでも中学時代はかなり暴れてたんすよ僕…つい昔の口調も出ちゃったし。いやまあ、良いんだよ。それは。腕を見るとあざ一つない。どゆこと?もしかして握る力を弱くして腕の力だけで僕の全力受け止めてたの?バケモンじゃん。怖…魔法使いって怖いわ…魔理沙さんなんか馬鹿でかいビーム出すし。パチュリーさんは量がえぐい魔法使うし。フランドールさんは身体能力か。

 

「…そんなに警戒しないで。初対面で腕を掴んだのは謝るわ」

 

「星さん怖いっすよあの人」

 

「いやまあ、私も封印されている間のことは知りませんから…」

 

「何?じゃあウン百年の進化なの?封印される前はあんなのじゃなかったの?」

 

「まあ、はい」

 

「昔の人、手抜いて封印したでしょ」

 

「ま、聖様が大人しくしてるから成立した封印でもあるから間違いではないさ。」

 

「違えよ封印すんなら身動き取れないようにしとけって話だよ」

 

「君やっぱかなり荒れてる子だよね?」

 

そうして船に乗ったままで帰還。僕から見た収穫はひとつ。なんかとんでもないバケモンの封印解いたらしいと言う情報だけ。怖〜。外に出てまずは早苗ちゃん探し。てか帰ったらすぐそばにいた。その時の早苗ちゃんのスピードって、聖白蓮のソレと同じくらいだったと思う。抱きついて離れないし。船の上に土塊を作り、それじゃあねと挨拶して守矢神社へ出発。いやしかし魔界かぁ。危険な要素一切なかったな。

 

「ただいまぁ」

 

「ん、おかえり」

 

「神奈子様ぁ!かー君が異変の最中に私を置いていったんですよ!」

 

「嘘つけ、逆だろ?」

 

「いやほんと」

 

「…成長したな…いつも早苗の後ろにいたお前が…」

 

「その上追っていた船ごと姿も消して!」

 

一頻りの愚痴が終わった後、早苗ちゃんは僕に向き直った。怖っ!と思い一歩下がりたいがあいにく聖白蓮が連想されるのでやめた。それに詰められて終わりだろうし。目も怖いし。とか思ったら抱きついて来た。もうなんなのかよくわからない。僕は勢いそのままに後ろに倒れ、今後どうしようとか考える。僕自身、人間関係を広げると多分どこかで爆発四散するタイプだと思うし、そんなに広められない。夢ではあるけどね。聖さんかぁ…名前伝えてねえな?

 

「ぅあー…」

 

「しっかし、とんでもないのが復活したな」

 

「え?」

 

「そうだねぇ…ま、友好的だし良いんじゃない?」

 

「案外助けたことで良い関係が結べたり出来るかもしれんな」

 

「…どんくらいやばいんですか?」

 

「安心しろ、私ほどじゃない」

 

「いざとなれば私たちも出張るからさ」

 

…安心したいと言う意味ではそう言うことを聞いているんじゃない。え、僕もしかしてとんでもないやらかしをしたの?え…か、確認しに行こうかな。いやでも…うん、やばかったら博麗の巫女がなんとかするし、多分大丈夫だろ。多分…多分。早苗ちゃんを抱え込む。不安だ。どうか聖さん達が何もしないことを願うが…いやいや、相手もそんなに無鉄砲なわけじゃないから。それは分かっているけれど。

 

「…どうしよっかなー」

 

「何、やってしまったことはしょうがないよ。大切なのはそれをどう捉えるか、だ」

 

「神奈子、多分そうじゃない」

 

「え?」

 

「まあでも、気になるなら会いに行けば良いんじゃない?早苗もそう思うだろう?」

 

「いや、まあ…そうですけど。かー君は私のものです。それは忘れないでくださいね?」

 

「分かってるよ」

 

「つまりこれは既成事実です。今後一切の目移りは浮気とみなします!」

 

「飛躍しすぎだよ」

 

土塊に乗って空の旅。人里の上を通るなと言うのは早苗ちゃんから聞いているので人里を避ける形で。しかし、あの人たちってどこにいったんだろう。僕は行き先なんか当然知らないし。魔力も…つーか魔力ってどう感じるんだ?わかんね。パチュリーさんなフランドールさんに聞いておくべきだったな。失敗。そんなわけで空を飛びながら船を探す。でも見当たんないわ。見慣れない建物なら見つけたけど。

 

「よいしょっ」

 

「おー、かずきじゃん」

 

「あら?…船は?」

 

「これだよ」

 

「はぇあ?」




船「寺に?…できらぁ!」
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