東風谷さんと僕   作:覚め

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早苗ちゃんと。邪魔ありきで。


逢瀬

後ろ歩きがしたくてもできない状況というのは、なんと不便だろうか。何故か神奈子様の強引なおすすめにより、僕と早苗ちゃんはデートすることになった。地底とかいう場所で。案内人もなしに。早苗ちゃんが一回下見に行っていたらしいが、それいつやったのかな。とにかく行こうぜという話で。話によれば鬼が多いらしく、相当に荒れた治安をしている場所らしい。そんな中僕らは温泉デート。何やってんだ?

 

「…空を歩くというのも不思議な気分ですね」

 

「ま、地面はあるけどね」

 

「ところで下から響く衝撃は?」

 

「ん?ああ、多分妖怪」

 

そのまま降りてみる。と、鬼が大量。なんですかこれ…全員お祭りのような振る舞い。落ち着いてるやつもいるけど、僕からすれば全員ほぼ同じで。いや待て、ほんとにうるさすぎるぞ。なんで寄ってくるんですか。レーヴァテインで殴る?処す?と迷っていると、僕たちに近づいた鬼は倒れていった。なにこれ。早苗ちゃん?はなにもやってないっぽい。レーヴァテインにそんなことできないはずで…

 

「あーあ。酔い潰れてやがら」

 

「でっか」

 

「どこ見て言いました?かー君?私の顔を見て、ほら、正直に」

 

「違ーう。身長、身長だから」

 

「…胸の話してんのか?はしたない奴らだな」

 

お前の格好で…と。胸部を少し晒すように着崩した浴衣を着た、一本角の鬼。名を勇儀と言うらしい。が、それ以上におかしいことがある。なんだか僕を知っているようなのだ。誰かから聞いたのだろうか?僕として頭の中に浮かんだ候補として…アレだな。そう、萃香。萃香さんくらいしか思い当たらない。同じ鬼同士と言う接点しか思いつかないが。でも僕らは一応温泉を目指しているので。

 

「温泉?あー、確かあっちだな。あっちあっち」

 

「本当ですか?」

 

「本当だよ。鬼は嘘が嫌いなんだ」

 

「嫌いなだけで嘘は吐く」

 

「あ?」

 

温泉へ急ぐ、が。道を塞がれた。勇儀さんに。なにやらメンツの話をしたいらしい。僕は勇儀さんを超えるように土塊の階段を作り、早苗ちゃんと共に歩く。と、勇儀さんの頭上あたりで足を掴まれ、土塊ごと抜き取られる。僕だけ。何故。引き摺り下ろされた時に服が角に引っかかってしまい、服がかなり破れる。まさか僕も勇儀さんと同じような着崩しをするとは。ついでに皮膚も少し裂けている。

 

「っ…」

 

「えいっ」

 

「痛っ!?こいつ…いい度胸じゃないか!!」

 

「いい度胸、してますね」

 

「っあ?」

 

「うわっ」

 

レーヴァテインで刺した後に掴まれた肩が放られる。痛い。そして目が怖い早苗ちゃん登場。そのままどこから出したのかお札とお祓い棒。僕の魔法はただレーヴァテインを出すだけ。まだそれだけしかできないからこう言う弾幕ごっことか戦いとかは蚊帳の外。早苗ちゃんには助けてもらってばかりで、少しは僕も早苗ちゃんを助けたいものだ。が、今は無理。とりあえず服が欲しいかな…

 

「お、これこれ」

 

「鬼から剥ぎ取りすんのかよお前…」

 

「ぅ…」

 

「早苗ちゃん!?」

 

「いやまあ、かずきだろ?お前。萃香のやつから聞いてるぞ、萃香に対して刺したんだってな?」

 

「…そういえば」

 

「いい度胸だよ、お前は。度胸だけじゃダメだけどな?次はもっと鍛えて来い。」

 

「で、温泉は?」

 

「打撲に効く温泉はあっちだが…混浴じゃないからな。嫌だろ?」

 

「なに考えてんすか」

 

まあ、早苗ちゃんは混浴が良いとは言うだろうけど。勇儀さんに混浴のある温泉まで案内してもらう。混浴のある温泉にたどり着き、そのまま受付を済ませて温泉に入ろうとする。その前に早苗ちゃんを起こす。起きた。温泉ついたよ。混浴だよ、と語りかける。勇儀さんのおかげで貸し切り状態だよ。そう言うと早苗ちゃんは猛スピードで起き上がり、服を脱ぎ始めた。はやいよ、行動が。

 

「はぁ〜!かー君と二人きりの温泉!」

 

「何言ってんの。勇儀さんもいるよ」

 

「よっ。ちなみにこの温泉は私が経営してる。潰れることもない」

 

「…チッ」

 

「なんだよその舌打ちは。ったく…」

 

まあ良いけど。僕としては湯が胸の傷にどう出るか。早苗ちゃんも背中に大きなあざがあるし…二人してお湯に浸かる。あんま痛くないな。そう思いながら底のほとんどない温泉に首元まで浸かる。座るとこんなに沈むのか。隣の勇儀さんが肩くらいだからあんまり気にしなかったけど。早苗ちゃんを見てみると、割と大変そう。上を向いて浸かっている。大丈夫かな早苗ちゃん…

 

「椅子とか、ないんですか…?」

 

「ない!私が掘った温泉だからな。私の身長に合わせた深さだし。それにそもそも私以外使わないからね」

 

「だって」

 

「…じゃあかー君の膝上に」

 

「僕も今正座してこれなんだよね…」

 

「座りやすくて好都合です」

 

「じゃあ二人とも私の膝に座るかい?」

 

「ダメです今度は霊夢さん連れて来ますよ」

 

「げっ…あの巫女は勘弁」

 

そう言って僕も辛い中早苗ちゃんが僕の膝下に座ることに。少しの波で結構体が揺れるんすよ。大丈夫っすかねこれ。そんな感じに浸かっていると、勇儀さんがあがった。見ようとしたら早苗ちゃんに止められた。そんなにですかね…横目に見た勇儀さんはやっぱりデカかった。身長ね。身長の話。何を察したのか早苗ちゃんは目が怖いよ。どうしてこんな目に。

 

「…私も同じくらい…」

 

「身長の話。良い?」

 

「まさか身長が大きい人が」

 

「違うから!」




かずきの魔力は現在フランドールの魔力を使っているだけで、かずきの魔力ではないです
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