東風谷さんと僕   作:覚め

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天邪鬼がかずきを見たら、なんだあのリア充…(殺意)となるはずである。


充実

「それでは今日は何をしに?」

 

「はい。今日はこの館の主人の妹に興味がありまして」

 

「…貴方は?」

 

「その間はレミリアさんと話すかな」

 

「わかりました。」

 

十六夜さんが去る。僕らは今、紅魔館に来ている。僕と早苗ちゃんは途中で別れて、僕はレミリアさんの部屋を訪ねる。十六夜さんはおろか、妖精メイドがいないので僕がノックするわけだ。が、なんだろうか。やはり吸血鬼は夜行性だからなのか、寝ているかもしれない。いくら扉を叩いても出てこない。返事すら聞こえない。中に入るか迷っていると、扉がのっそりと開いた。

 

「何よ咲夜…まだ寝るじ…」

 

何かを言う前に扉を閉められた。レミリアさんはどうやら寝る時は薄着のようだ。フランドールさんはどうだったかな。なんか起こされてた時の服とそのあと出会った服が一緒だった気がするんだ。もしかしたら、細部が違うのかもしれない。そんな感じで扉の前でしばらく待つ。すると、部屋の中からいつも通りのレミリアさんが。失礼しますと告げてそのまま椅子に座る。

 

「私の運命を見て客人が来るのは知ってたわ。でも、寝過ごしただけ」

 

「あらま」

 

「…最近面白いこととかあった?」」

 

「…地底に行った時、寄ってきた鬼が酔い潰れでみんな倒れたよ」

 

「あら、面白い」

 

なんだろ、この、会話初心者みたいな会話。僕は上を向き、レミリアさんは顎に手を添えて、僕よりも浅い角度で上を見る。少しして、レミリアさんがブツブツと言い始めた。客人の前でブツブツ話すのかね、君は。いやまあ正しい作法なんぞは何一つとして知らないけど。僕はレミリアさんから聞こえてくるブツブツ音を聞き流しながら、十六夜さんが作ってくれた菓子を食べる。うん、美味しい

 

「…そうね、きっとそうだわ」

 

「?」

 

「貴方の能力よ。『鬼を酔わせる程度の能力』。強い鬼でなければ酔い潰れ、強い鬼には気に入られる。大方そんなところかしら」

 

「へぇ」

 

「…でも、これだけじゃ色々と変なのよね。私やフランの反応を見るに、対象は…」

 

「…十六夜さん」

 

「はい」

 

「レシピとかってもらえないかな。マカロンの」

 

「差し上げることは出来ますが…材料は全てとある伝を頼っての入荷ですので、おそらくは作れないかと」

 

「なんと」

 

「…あ、そうだわ」

 

合点が入ったらしい。あれ、入った?行った?まあ良いや。レミリアさん曰く、僕の能力は洋酒だと言う。ワインとか。鬼は酒の良し悪しにはうるさいけれど、あるなら飲む。レミリアさん達のような西洋の妖怪はワインが好きらしい。フランドールさんは知らない、とのこと。なんだかよくわからないや。とにかく僕は妖怪からすればお酒ってことだね?そう確認すると、大体そうだと言われた。

 

「出処が気になるわね。ワインの匂いが染みつくような場所にでもいたの?」

 

「…BARのアルバイト掛け持ちしてた時期はあるけど、それもすぐに辞めてたよ」

 

「ちなみに理由は?」

 

「基本中学生は働いちゃダメだからね」

 

「ああ、そういう」

 

「でも、そうなると能力の名前どうなるんだろ?」

 

「…『妖怪を酔わせる程度の能力』じゃない?酒の好みも大いにあるでしょうから」

 

そうなるとしかし、僕を食べないどころか友好的に接してくれる妖怪は全員酒に釣られたのか。なんだか残念。僕としては能力関係なしに関わってもらいたいものだ。レミリアさんはどうやら能力は関係ないと言いたい素振りだが、フランドールさんはどうだろう。彼女も初対面からいちゃもんをつけてきたからね。そのいちゃもんの正体が僕の能力だったわけで。じゃあレミリアさん達信頼出来るくね?

 

「能力とか関係ないのよ。少なくとも私はね」

 

「そうなんだ」

 

「この幻想郷じゃあ洋酒が好きな妖怪はほとんどいないの。そもそも珍しいから」

 

慰められてるのかなんなのかわからないが、まあそれは良い。ワインと日本酒の違いは僕にはわからないし。とかなんとか思ってたら、レミリアさんはあくび。まあ、本人は夜更かし気分なのだから当たり前か。とはいえ生憎僕の手持ちに暇を潰すようなものはない。そろそろお暇して、どこかで早苗ちゃんを待つのが賢明だろうか。ほら、レミリアさんはもう頭が船を漕ぎ始めている。可愛らしい。

 

「それでは十六夜さん」

 

「はい、また今度」

 

「…今度訪ねる時は事前に連絡します」

 

「そうしてもらえると、お嬢様も朝更かししなくて済みます」

 

そう言って解散。でも早苗ちゃんはいないので。門番さんとおしゃべりして待とうかな。あ、寝てる。起きてーな。ダメだ多分どうやっても起きないぞこれ。まずいな?体を二、三度揺らしてみたが一切の反応なし。このまま倒してみるか。あ、なんか倒れない。踏み止まられてる。起きてるでしょ、これ。強化魔法を使って今度は全力で押す。すると、一歩横に行かれて僕は倒れてしまった。起きてるでしょ、これ。

 

「…中々力強いですね、見かけによらず」

 

「起きてるじゃないですか」

 

「残念、寝てました」

 

「はー…」

 

「しかし、なぜ貴方がここに?お嬢様達は?」

 

「早苗ちゃんがフランドールさんの方行って、レミリアさんは寝ちゃった」

 

「…なるほど。であれば私も従者である以上、客人をもてなす必要がありそうですね。してお客様。武術の経験は?」

 

「ないよ」

 

「では、ここは私の武芸も見ると言うことで、暇を潰すのはどうでしょう?」

 

「…いや、僕は実践が好きだから、武芸は」

 

「実戦…なるほど」




勘違いめーりんによる、勘違いバトル。
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