東風谷さんと僕   作:覚め

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かー君の嫌な物一覧
一人

誰もいない場所
大きめなソファー


苦手な臭い

「宴会?」

 

「はい。あちらの巫女が親睦会を開くそうでして。かー君と私で一緒に参加しましょう?ってお誘いですね」

 

「…するー」

 

そんなことを言ったのはいつの僕だ。ああ、今朝の僕だとも。神奈子様のそばに寄って悪い気分を受け流す。受け止めきれん。なんで宴会なのに…しかも見たところ二十歳にもならない少女がいるのに…酒がこんなに臭うのさ。妖怪がほとんどらしいけど。神社の中心には射命丸さんも参加しており、なんともにぎやかな宴会となっているようだ。僕は神奈子様と一緒にいるから良い…

 

「大丈夫かぁ〜?」

 

「誰…」

 

「私は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだぁ。」

 

「あまり近づかないでやってくれるか?この子は酒の匂いが苦手なんだ」

 

「ぁあ?…おお、神様じゃないか。博麗神社と違ってちゃんと信仰対象がいるんだな」

 

「神社としてどうなんだそれは」

 

早苗ちゃんは宴会の中心にいるので助けは求められない。酒を飲んでいない人いないの?いなさそう。良く早苗ちゃんは耐えられるよね。外の神社で甘酒配ってたことあるみたいだし、それもあるのかな。僕は宴会の中心に行きたいと思ってそうな神奈子様を引き留めながら周りを観察するしかなかった。お酒を飲んでない人…この際全然酔っ払ってなさそうな人でも良い。でもいなさそう!

 

「日本酒は中々好みじゃなくて飲まないのよねぇ」

 

「お?なんだい西洋出身か?」

 

「私は貴女と話に来たわけじゃないのよ。こっちの子」

 

「…ぇ?」

 

「レミリアが口説いてるぞー!」

 

「あっちょっ」

 

「酔っ払いの言葉よ、今は気にしなくて良いわ。」

 

「は「かー君」…早苗ちゃん?」

 

「ぅわっ」

 

酒が入って酔っているからか、いつもより出てくるのが遅かった気がする。それと僕の肩に乗せる力が強いのなんの。でも目は怖い。アルコールを一瞬で分解してここに来たのかと疑うほどに、顔は赤くなかったし呂律も回っていた。目の前の…なんだろ。お嬢様、って感じの日傘さしてる人が弁解しまくって早苗ちゃんはまた宴会の輪の中へ。神奈子様も行ってしまわれた。心寂しい。

 

「私はレミリア・スカーレット。貴方は?」

 

「僕はかずきです」

 

「…苗字は?ないの?」

 

「ないです。親が教えてくれなかったので」

 

「…本当みたいね…てっきり私は東風谷とでも名乗るかと思ってたわ」

 

「そうですかね」

 

「ま、さっきのあっちの反応を見るにそんなことはなさそうだったけど。話は変わるけど、かずきは人間でしょ?」

 

「はい」

 

「それで外来人。用心しなさい。あそこの紅白巫女は貴方のこと助けないから」

 

「早苗ちゃんで十分かなぁ」

 

「たとえば、今ここで、悪い吸血鬼が貴方の首筋に牙を立てたりしたら。彼女は気付くかしら?」

 

レミリアさんが口の中にある犬歯を見せてくる。彼女の言い方的に牙と言った方が良いだろう。口を閉じさせる。はしたないよ、人に口を見せるのは。そう言うとレミリアさんは固まってしまった。そうして僕たちが少し見つめ合った後、レミリアさんは何かを考えるように視線を逸らした。僕はと言えば、酒の匂いがしない人と話したからか気分の悪さも消えていた。ありがたいね。

 

「ねえかずき」

 

「なんですか」

 

「貴方、私の眷属にならな「おい」っ」

 

「少し調子に乗ってませんか?」

 

「…人間如きにそんなことを言われる筋合いはないはずだけどぉっ」

 

目の前のレミリアさんに酒の破片が刺さる。思わず目を瞑ったが、目を開けるとそこにはなんともないとでも言いたそうな様子で、早苗ちゃんと対峙していた。どんな精神だこの人?早苗ちゃんに関してはもう止める気はなさそうで、振り返ったらいつもより怖い無表情でそこに立っていた。話の流れから察するに、僕の知らない遊びである弾幕ごっこで戦うらしい。ごっこ遊びじゃないよね?ほら、プロレスごっこみたいなやつ。

 

「さっきの話は弾幕ごっこの後で、ね?」

 

「あ、はい」

 

「かー君にそんなものは選ばせません。安心してください」

 

「うん」

 

「…モテモテですねぇ」

 

「射命丸さん」

 

「ま、ぶっちゃけちゃいますと我々妖怪からしたら貴方は不味そうな部類に入るんですよ」

 

「えっそうなの?」

 

「貴方は不味いご飯しかなくても、それを食べるでしょう?私たちもそうです。それを食べなければ死ぬ。だから食べる。」

 

「へぇ」

 

「もっとも、あのレミリアさんに関しては少し違いそうですがね。」

 

いつの間にか僕の周りに人が集まってきていた。お酒の臭いが籠る。頭が痛い…いつのまにか神奈子様からも匂うように。上空で二人が出してる弾幕ごっこを見て気を紛らわせる。へぇ、弾幕ってあんなものなんだ。驚きぃ。綺麗に光るものだ、と感心していると、魔理沙さんが何やら周りと話し込み始めた。射命丸さんは興味がないのか上空の弾幕ごっこを見ていて、それ以外は話を聞き入っていた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「あれ、もう終わり?」

 

「もうそろそろ夜明けなのよ。知ってるでしょ?吸血鬼は日光に弱い。だから今日は引き分けで手を打ってあげるわ」

 

「言い訳ですね。私に勝てないからと逃げてるだけです」

 

「それじゃあまたね、かずき。そっちの方も。次取り合いになったら勝てると思わないことね」

 

「引き分けで逃げた側が何を言いますか」

 

じゃあね、と手を振り僕たちも帰るかと荷物を纏める。宴会には食べ物の持ち込みが各集団に命じられており、ウチは神奈子様の寸胴鍋に入ったシチューであった。意外と人気で、始まって二時間でもう残っていなかった。そもそも汁物が少ないのもあるのかな。お酒飲むのにシチュー食べたらダメだと思うけど。酒飲んだことないからわかんないわ。早苗ちゃんにしがみついての帰宅。

 

「ゔ…気分悪いです」

 

「私もだ…飲み過ぎた…」

 

「 何やってんのさ二人とも〜。私のいないところで酒飲んできてさ」

 

「水持ってきますね」

 

「かずきに比べて、早苗はともかく神奈子はさぁ」

 

「諏訪子…頭がガンガンするから説教は後にしてくれ…」




西洋の料理って、西洋人に人気なんですかね?
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