ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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二話連続投稿の二話目です。

後書きの最下部にアニメジークアクスの11話感想書いてあるのでネタバレ嫌な方は矢印↓マークでブラウザバック推奨です


幕間: ジョニー・ライデンの帰還2

エイシアの私室は、重苦しい沈黙に包まれていた。

 

ジョニーとユーマが向かい合う形で座り、エイシアは彼らの前に、先ほど突き止めたばかりの恐ろしい情報をデータパッドで示していた。彼女の顔はまだ蒼白で、震えが止まらない。

 

「…これが、私が調べたジフレドの真実よ」

 

エイシアの声は震えていた。

 

データパッドに表示された解析結果や傍受記録、そして何よりも「ゼクノヴァ」という単語と、その破壊規模を示すシミュレーション結果が、部屋の空気を凍り付かせる。

 

ジョニーとユーマは、その情報に目を通すにつれて、顔から血の気が引いていくのが分かった。

 

ゼクノヴァ。ソロモンを消し飛ばしたとされる、忌まわしき現象。それが兵器として転用され、その引き金がイングリッドの乗るジフレドだというのか。

 

そして、その空気の中でエイシアが再び口を開いた。

 

「……それだけじゃないの。ジフレドのパイロットに選ばれた人間が、既に二人、死亡しているの」

 

その言葉に、ジョニーとユーマの表情が強張った。

 

「死因が不明なの。医務記録も捏造されてる形跡がある。原因不明が二人も続くなんて、おかしいでしょ……? 偶然で済ませられる話じゃない」

 

ジョニーは数秒の沈黙の後、低く唸るように言った。

 

「……なるほどな。そこまでやるか、ザビ家は……!」

 

思わず出たその言葉に、エイシアとユーマは目を見開いた。

 

「ジョニー、どういう意味?」

 

「キシリア派の新型モビルスーツパイロットが二人続けて死んで、その死因が不明? そんなこと、暗殺でも無ければありえない!」

 

ユーマが息を呑んだ。

 

「暗殺って……いったい誰が?」

 

ジョニーの声は、確信に満ちていた。

 

「ギレン派だ! キシリアがゼクノヴァを搭載した新型を完成させ、パイロットを確保するのを恐れてる。だから、最大限防諜されてたはずのパイロットを殺せたんだ。そんな真似ができるのは、同じザビ家のギレンくらいだ!」

 

エイシアの顔から血の気が引いた。

 

「でも、ジョニー……そんなこと、キシリアが気づかないはずないわよね?」

 

「その通りだ。俺が気づくことに、あの女が気づかないはずがない」

 

ジョニーの目が鋭く細められる。

 

「気づいてて、放置してる。そうとしか思えん」

 

「なぜ……どうしてそんなことを」

 

エイシアは声を震わせて尋ねた。

 

「キシリアはジフレドのパイロットが欲しいんじゃなかったの?」

 

「さあな。兵器がまだ未完成なのか、ギレンに“完成してない”と思わせ続けたいのかまでは分からん……が、これだけは確実だ」

 

ジョニーは、椅子から身を乗り出す。

 

「イングリッドは、前のパイロットたちの流れに沿えば、“死因不明で暗殺”される!」

 

「そしてもしその暗殺を生き残ったとしても大量虐殺兵器の引き金になる」

 

「これが、連邦と戦ってる時で、使わなきゃジオンの人間が皆殺しにされるって状況で、俺がパイロットならまだ許せた」

 

彼の言葉には、戦士としての割り切りと、同胞を守るための覚悟がにじんでいた。

 

しかし、彼の目には、同時に深い苦悩が宿っていた。

 

「ジョニー…」

 

ユーマが、彼の名を呼んだ。その声は、震えていた。

 

「だが違う!」

 

ジョニーは、激しい怒りを込めて壁に手を叩きつけた。

 

鈍い音が響き、彼の拳が壁にめり込む。

 

「キシリアが虐殺兵器を手にしたとして、それを向けるのはどこだ!? 誰を殺す!?」

 

彼の目は、燃えるような怒りで赤く染まっていた。

 

「決まってる。あの女はギレン・ザビとの内乱で使う。つまり向けられるのは同じジオンの人間だ! あいつを同胞殺しの道具にする気なんだよ!」

 

ジョニーの声が、部屋に響き渡った。

 

その声には、怒りだけではない、深い絶望と悲しみが混じっていた。

 

娘同然のイングリッドが、自らの手で同胞を殺戮する道具にされようとしている――その事実が、彼の心を深く抉っていた。

 

「そんな!?」

 

ユーマは、ただその場に立ち尽くしていた。

 

ジョニーの言葉が現実味を帯びていく中で、イングリッドが大量殺戮兵器の引き金にされ、標的が同じジオンの人間である可能性が浮かぶ。

 

エイシアは、ジョニーの言葉を聞きながら、膝から崩れ落ちた。

 

彼女の脳裏には、可能性の一つとして、薄々感じていた最悪の予測があった。しかし、ジョニーの明確な言葉と、その裏にある確信が、その最悪の予測がまさに的中していると突きつけたのだ。

 

「うっ…うう…」

 

エイシアは、声にならない嗚咽を漏らしながら、顔を覆って泣き崩れた。涙が、彼女の頬を伝って流れ落ちていく。

 

ジョニーは、そんなエイシアとユーマに、覚悟を問うような視線を向けた。

 

彼の瞳には、決意の光が宿っていた。

 

「このまま何もしなければイングリッドはザビ家の政治ゲームで殺されるか、同胞殺しの大量虐殺のダメージで精神を壊されるかだ。」

「お前ら…全てを捨てる覚悟はあるか?」

 

低く、しかし力強い声が部屋を支配する。

 

「イングリッドを助けるために、裏切り者の汚名を被る覚悟はあるか?」

 

その言葉は、これから進む道の険しさを明確に示していた。

 

しかし、同時に、愛する者を守るためなら、いかなる代償も厭わないという、彼の揺るぎない意志の表れでもあった。

 

 

エイシアの私室。先ほどの激しい感情の波が収まり、三人の顔には、それぞれの決意が刻まれていた。

 

ジョニーは、冷静な目でエイシアを見据える。

 

「エイシア、お前のツテを使って二つ情報を流せ。少なくとも俺たちがイングリッドを取り戻すまでは、お前が流したとバレないようにだ。難しいと思うが、出来るか?」

 

エイシアは、きっぱりと頷いた。彼女の目に、もはや迷いはなかった。

 

「やるわ。それで、何の情報を流すの?」

 

「一つは、連邦に繋がりそうな奴に『ジオンはゼクノヴァを兵器として利用しようとしてる。そのための引き金が今グラナダに向かっている』って情報だ。

 

二つ目は『ジフレドの情報が漏れた』ってことをジオンに流せ」

 

ジョニーの言葉に、ユーマが眉をひそめた。

 

「だけどジョニー、それじゃあガードが固くなって、イングリッドを助けにいけないんじゃ…」

 

エイシアも頷く。

 

「そうね。流すことは可能よ。私が流したことも数日ならバレないように出来ると思う。でもそれだけじゃあ…」

 

ジョニーは、二人の言葉を遮った。

 

「話は最後まで聞け、お前ら」

 

彼の顔には笑みが浮かんでいた。

 

その笑みには、計算し尽くされた策略と、一抹の狂気が宿っていた。

 

「エイシア、情報を流してから数時間後にお前は基地の連中も何事だって思うぐらい慌てて俺の部屋に来い。そこで俺にこう言うんだ。

 

『ジフレドの情報が漏れてる。連邦に襲撃されるかもしれない! イングリッドが危ない!』ってな。

 

芝居を始めるんだ。目撃者が多ければ、その分真実味が増す」

 

エイシアは、ジョニーの意図を察し、小さく息を呑んだ。

 

「なるほど…」

 

「ユーマ、お前はその廊下から何事かと見てる目撃者の中にいろ。お前は芝居が下手だからこれだけを言え。

 

『イングリッドを助けに行かないと!』ってな」

 

ユーマは少し戸惑ったが、すぐに覚悟を決めたように頷いた。

 

「その後は、ギャラリーを押し除けてヒューのところに突撃だ。

 

『ジフレドの情報が漏れてる。輸送艦の護衛だけじゃ足りない可能性がある。

 

俺とユーマとエイシアの3人が今からコムサイで向かえば、グラナダからの増援まで時間稼ぎができる。行かせてくれ』ってな」

 

ジョニーは続ける。

 

「3人の理由は単純に、この部隊で一番強い俺とユーマ、そしてコムサイの運転役でエイシアだ」

 

ユーマの顔に、作戦の全貌が見え始める。

 

「そうか。向こうに着いちまえば…」

 

「向こうに着いてからが本番だがな」

 

ジョニーの表情が、一瞬にして険しくなった。

 

「まず俺だけでゲルググで向こうの船に乗る。イングリッドのやつは俺が来たら格納庫に来るだろう。

 

それをさらって艦を脱走だ。可能な限りモビルスーツは壊してから出るつもりだが、2隻いるからな。もう一隻はまともに相手することになるぞ」

 

ユーマの顔から、さっと血の気が引いた。

 

「つまり…俺たちは…」

 

彼の問いに、ジョニーは静かに頷いた。

 

「そうだ。あいつを数10万の同胞殺しにしないために、数100人の同胞殺しになるってことだ。

 

当然、ジオンでは最悪のお尋ね者だ。これから、もしジオンの人間とすれ違えば、後ろからいつ刺されるかもわからない生活を送ることになる。

 

それでも、イングリッドを助けるために全てを捨てられるか?」

 

その問いに、エイシアは即答した。

 

「……あの子の感応はニュータイプに近い。敵のパイロットの死で揺らぐほどやわじゃないけど、数10万の同胞の死を中心で受け止めたりしたら、どうなるかわからない。

 

だから絶対に助けるわ。そのためなら、全てを捨てられる」

 

彼女の目には、揺るぎない決意が宿っていた。

 

ユーマは即答できなかった。

 

彼の脳裏には、イングリッドとの様々な思い出が巡っていた。

 

――あいつがジョニーより赤い彗星の方が高速機動は上手いなんて言うから殴り合って、ジョニーとエイシアに止められたこと…

 

――模擬戦で勝ったら、まぐれだと掴みかかられ…

 

――逆に負けたら、俺があいつに掴みかかったっけ…

 

(あれ、喧嘩ばっかじゃん)

 

ユーマは、思わず苦笑した。

 

だがその記憶の裏には、いつもイングリッドがいた。

 

喧嘩ばかりしていても、いつの間にか彼女は彼にとってかけがえのない存在になっていたのだ。

 

(でも…エイシアが言うには、あいつが数10万の死を背負うことになるって…そんなことになって、またいつも通り喧嘩できるのか? 出来るわけない。

 

だったらやる事は一つだろ!)

 

ユーマの目にも、強い光が宿った。

 

それは、エイシアと同じ、覚悟を決めた者の目だった。

 

「……あいつに一生の借りを作れる機会を俺が逃すわけ無いだろ、ジョニー!

 

あんたが止めたって、密航してでも着いていくからな!」

 

ジョニーは、二人の目を見て、小さく頷いた。

 

「分かった。なら今から寝ておけ。

 

エイシア、前もって俺の部屋に飛び込んでくる時間は指定してくれ。

 

ユーマ、お前はその直前で部屋の近くの休憩所で時間を潰せ」

 

作戦の第一段階が、静かに、しかし確実な足取りで動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サングレ・アスルの廊下は、いつになく慌ただしい空気に包まれていた。

 

警報が鳴っているわけではない。だが、クルーたちの間には、どこか形容しがたい緊迫感が漂っていた。

 

その空気を突き破るように、甲高い声が廊下に響く。

 

「ジョニー! ジョニー! 大変よ!」

 

エイシア・フェローが、自室から駆け出してきたのだ。

 

髪は乱れ、息は荒く、顔色は真っ青――まるで命に関わる知らせを抱えているかのようだった。

 

彼女は廊下を駆け抜けながら、ジョニー・ライデンの私室に向かって叫び続けた。

 

「ジフレドの情報が漏れてるの! 連邦に襲撃されるかもしれない! イングリッドが危ないのよ!」

 

叫びは演技――のはずだった。だが、その声音には偽りの気配はなかった。

 

エイシア自身が漏らした情報であることは確かだ。

 

それでも、娘にも等しい存在であるイングリッドを守るために動いている今、彼女の感情は芝居の域を軽く超えていた。

 

だからこそ、彼女の言葉は、周囲にいたクルーたちの胸を強く打った。

 

廊下にいた者たちは、エイシアの鬼気迫る姿に思わず立ち止まり、視線を彼女に向けた。

 

誰もが、その一言の重大さを、感情ではなく本能で理解していた。

 

「ジフレド」「連邦の襲撃」「イングリッドが危ない」――

 

クルーたちの脳裏を駆け巡ったそれらの言葉が、不安を煽り、ざわめきが広がった。

 

ちょうどその時、廊下の休憩所から出てきたユーマ・ライトニングが、その光景を目の当たりにする。

 

彼は、エイシアの切迫した声とジョニーの部屋を取り囲む人だかりを見て、目を見開いた。

 

そして、叫ぶ。

 

「イングリッドを助けに行かないと!」

 

それは、用意されたたった一つのセリフだった。

 

――ユーマは演技が下手だった。普段なら、焦りの声もわざとらしくなるはずだ。

 

だが今回ばかりは違った。

 

その叫びは、真に迫るものがあった。

 

なぜなら、ユーマは一言も嘘をついていない。

 

周囲のクルーたちは、その言葉を「連邦からイングリッドを守る」という意味に受け取った。だが、ユーマの心にあったのはただ一つ。

 

――ジオンから、イングリッドを助ける。

 

それが彼の本心だった。

 

だからこそ、ジョニーはユーマにあの一言だけを叫べと命じたのだ。

 

何も偽らず、心から叫べる唯一の台詞。

 

それが、聞く者すべてに真実のように響いた。

 

ユーマの叫びが導火線に火をつけたように、廊下のざわめきは一層激しさを増していった。

 

 

ジョニーは、エイシアの芝居じみた演技と、ユーマの真実の叫びを部屋の中から冷徹な目で見つめていた。

 

彼の表情は、一瞬たりとも崩れることはない。

 

そして、廊下のギャラリーを押し除けるようにして、ジョニーはエイシアとユーマを引き連れ、ヒュー・マルキン・ケルビン大佐の執務室へと向かった。

 

途中で立ちふさがる警備兵も、ジョニーのただならぬ気迫と、彼に付き従うエイシアの必死な形相に、思わず道を譲った。

 

執務室の扉を半ばこじ開けるようにして、ジョニーは中に踏み込む。

 

ヒュー大佐は、驚いたように顔を上げた。

 

「大佐! ジフレドの情報が漏れてる!」

 

ジョニーは、荒々しい口調でヒューに迫った。

 

その顔には、焦燥と怒りが入り混じっていた。

 

「輸送艦の護衛だけじゃ足りない可能性がある! グラナダからの増援まで時間稼ぎが必要だ!

 

俺とユーマとエイシアの3人が、今からコムサイで向かえば間に合う!」

 

ヒュー大佐は、ジョニーの言葉に息を呑んだ。

 

彼の脳裏には、キシリア・ザビの顔が浮かぶ。

 

情報漏洩――それが真実ならば、キシリアにすぐに伝えるべきだ。

 

だが、今ここでキシリアに通信をすれば、その事実を敵に教えるも同然。事態はさらに悪化する可能性もある。

 

彼はキシリアに忠誠を誓っていたがゆえに、むしろ慎重にならざるを得なかった。

 

ジョニーは、そんなヒューの内心を、長年の付き合いから完全に読み切っていた。

 

「だから、あんたの命令書がいるんだ、大佐」

 

ジョニーはさらに畳み掛ける。

 

「キマイラ隊の司令の命令書があれば、艦のルートがわかってる俺たちがコムサイに大型ブースターを取り付けて向かえば、グラナダからの増援まで持たせられる!」

 

彼の言葉には、確信があった。

 

この状況下で、ヒューがキシリアに連絡を取れないと踏んでいた。

 

そして、イングリッドを守るためには、自分たちが直接動くしかない――それが唯一の打開策。

 

ヒュー大佐は、ジョニーの提案をじっと見つめた。

 

確かに、彼の命令書があれば、急遽コムサイを単独で出撃させることも不可能ではない。

 

そして、ジョニー、ユーマ、という、キマイラ隊最強の2人が向かえば、時間稼ぎも現実的だ。

 

ジフレドの機密、そしてイングリッドの身の安全。

 

それを守るためには、この非常識な提案を受け入れるしかないのか――。

 

ヒューの額に、冷や汗が滲んだ。

 

彼は、キシリアの怒りを恐れた。

 

だが、イングリッドを連邦に奪われること、あるいはジフレドの情報が完全に漏洩することの方が、より大きな失態となる。

 

「……分かった」

 

ヒューは、苦渋の決断を下した。

 

「至急、コムサイを準備しろ! 大型ブースターを装着させろ!

 

ただし、お前たちはグラナダからの増援到着までの時間稼ぎが任務だ。それ以上は、絶対に無茶をするな!」

 

ジョニーは、ヒューの言葉にわずかに口元を吊り上げた。

 

彼らの作戦は、第一段階を突破したのだ。

 

「了解だ、大佐。行ってくるぜ」

 

そう言い残すと、ジョニーはエイシアとユーマを連れて、コムサイの格納庫へと急いだ。

 

その表情には、成功への確信と、これから始まる苛烈な戦いへの決意が混じり合っていた。

 


































後半の例の曲流れた時はもうテンション振り切れて見てました。本家ガンダム来たー!
そして、ニャアンの突然の発砲にお前が撃つんかいとか掲示板を盛り上げてますが、自分的には嬉しいですけどね。
マチュもガンダムも捨てて とか言ってたけどマチュの優先度はキシリアより高いってことだし。


さて、あのガンダム誰が乗ってるんだ?
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