ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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時系列がわかりづらいですが連邦の宣戦布告の前後の話です。

次話を0時に投稿します。


第六話: キシリア・ザビの破滅

【場所:サイド6首都政府庁舎・外交応接室】

 

漆黒のスーツに身を包んだキシリア・ザビが、足音もなく室内へ入ってきた。背後には冷徹な眼差しの側近、アサーヴが控えている。

 

向かいの席には、柔和な顔に厳格な視線を宿したベルガミノ大統領と、その補佐官――カムラン・ブルームが静かに座っていた。

 

応接の礼儀も最低限に、キシリアが切り込んだ。

 

「……どういうことですか? 大統領。

“イオマグヌッソ”建造のための予算提供を“しない”とは。

前回の会談では、“前向きに検討する”とのことだったはずですが?」

 

ベルガミノはまったく動じず、苦笑交じりに答えた。

 

「ええ。前向きに“検討”しましたよ。実に真剣に、ね。

しかし……いかに私が大統領といえど、議会の反対多数ではどうしようもありませんな」

 

キシリアの眉がピクリと動いた。

 

「……議会など……!」

 

思わず口をついて出たその言葉に、ベルガミノはすかさず乗せた。

 

「ほう、やはりそう来ましたか。

しかし、あなた方“ザビ家”とは違って、我々は“民主主義”で国を動かしているのです」

 

ベルガミノの眼が鋭くなる。

 

「“イオマグヌッソ”――確か“地球環境調整装置”という名目でしたな。

ですが……その説明を、到底信じろというほうが無理な話でしょう」

 

アサーヴが、苛立ちを隠さず声を上げる。

 

「……それは侮辱です。サイド6が我々の科学的見地を信用しないと?」

 

しかしベルガミノは涼しい顔で手を挙げ、言葉を遮った。

 

「侮辱? それはこちらの台詞ですよ。

――こんな映像が、我々の通信網に匿名で流れてきたのです」

 

「カムラン」

 

「はい、大統領」

 

カムラン・ブルームがタブレット端末を操作すると、室内の大型モニターが自動的に点灯。そこに映し出されたのは――

 

ギュネイ・ガスのモビルスーツが、アレックスの右腕にヒート・ロッドを絡め、高圧電撃を浴びせる場面。

 

その直後――ギュネイの通信音声が、室内に流れ始めた。

 

「アムロ・レイ、いるな? お前の女が戦っている宙域には、特殊部隊を潜ませてある。

バトルが終わって消耗したところを、十機がかりで襲撃して殺せる状況だ」

 

キシリアの顔色が変わった。

 

「なっ……それは……!」

 

反射的に目をそらすが、もう遅い。

彼女の“関与”を示す決定的な証拠が、今やサイド6政府内で共有されてしまっていた。

 

ベルガミノは、厳しい声で続けた。

 

「これは、単なる人質事件では済みません。

あなた方が今ご覧になったのは――ジオン公国の現職将校が、連邦軍人の私的行動中を襲撃しようとしたという証拠映像です」

 

キシリアが視線を上げると、ベルガミノはさらに言葉を重ねた。

 

「対象となった女性、シイコ・レイ中尉は確かに軍人ではありますが、当時は明確に“休暇中”であり、

なおかつ彼女が滞在していたのは――このサイド6・イズマコロニーでした。

戦場でもなければ軍事施設でもない、中立圏の民間コロニーに、ジオンは武装した特殊部隊を潜ませた。

これが戦争の引き金にならずして何になるのです?」

 

キシリアの顔色が明確に曇る。

 

「……っ」

 

「加えて、襲撃の対象はアムロ・レイの妻。

アレックスの搭乗者であり、本人が現場に駆けつければ、衝突は避けられなかった。

つまり――ジオンは意図的に中立コロニーで戦争を起こそうとしたと見なされてもおかしくないのですよ」

 

キシリアの視線が冷たく揺れた。

 

(……まずい……!

アムロ・レイに自分の関与が知られた以上、イオマグヌッソだけはどうしても成功させる必要があった……!

――それが、崩れた……!)

 

「……大統領。

それが我々の“正式な命令”による行動だと、どうして断言できるのです?」

 

「断言などしておりません。

ですが、その疑いがある時点で、“あなた方への資金協力”などできるはずもない」

 

ベルガミノは椅子からゆっくりと立ち上がる。

 

「サイド6は中立国家です。

“虐殺兵器”に資金を投じてまで、大国の覇権闘争に巻き込まれるつもりはありません」

 

キシリアはしばし無言のまま立ち尽くし、やがて――ふっと鼻で笑った。

 

「……ずいぶんと気が大きくなったものですね、大統領。

サイド6ごときが、ザビ家に楯突くとは。――身の程を弁えることです」

 

捨て台詞とともに、裾を翻し踵を返す。

 

その背中が遠ざかるのを見送りながら、ベルガミノは小さく、しかしはっきりと呟いた。

 

「……“気が大きい”、ですか。……とんでもない」

 

静かな語調だったが、その言葉には確かな皮肉が込められていた。

 

「我々は今――これからの“重要な顧客になる方”との会談を“延期”してまで、

あなたとの会談を優先したのです。……その意味に気づいていただきたかった」

 

カムランがわずかに驚いた表情を見せたが、すぐにその言葉の裏を読み取り、黙って頷く。

 

だが――怒りに支配されたキシリアには、その含意は届かなかった。

 

彼女は無言のまま応接室を後にし、アサーヴが慌ただしく後を追う。

 

高圧的なザビ家の気配が去った後、室内には微かな静寂が戻っていた。

 

ベルガミノは深く椅子に沈み込み、目を伏せて小さく呟いた。

 

「……昔の彼女なら、今の一言に込めた皮肉くらい――

すぐに見抜いたはずなのだが、な……」

 

それは、かつてのキシリア・ザビという女への、かすかな追悼にも似た言葉だった。

 

部屋の空気は冷え切っていた。

かつてなら“ザビ家の影”だけで圧倒できたはずのサイド6が、今、完全に背を向けた――その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【場所:サイド6政府庁舎・大統領私室(密談室)】

 

重厚な扉が静かに閉じられると、室内はひときわ静けさを増した。

カーテンは閉ざされ、盗聴を防ぐノイズシールドが稼働している。

 

カムラン・ブルームが、少し気を揉んだような声で口を開いた。

 

「……よかったのですか? 大統領。ザビ家に対して、あそこまで言い切ってしまって」

 

ベルガミノは、椅子に深く腰を下ろし、目を伏せたまま応じる。

 

「……ならどうする?

我々があいつらに協力して、連邦と戦争するか?」

 

一拍おいて、ベルガミノの視線が上がる。

 

「君も見ただろう。“イオマグヌッソ”――

あの兵器は、距離も遮蔽物も無視して、宇宙要塞さえ消し飛ばすとされている。

連邦から届いた“リーク情報”を見て、まだあれを“環境調整装置”だと信じるか?」

 

カムランは苦い顔を浮かべ、静かに首を振った。

 

「……信じられるわけがありません。

“環境調整”と謳いながら、あのような次元跳躍兵器に――

我々を加担させようとしていたとは……」

 

ベルガミノの目が細くなる。

 

「その上でだ。

我々は“その情報”まで受け取っていたのに、英雄・アムロ・レイの妻が、

我がサイド6のクラン・バトル中に殺された」

 

「それも……キシリア機関の暗躍により、護衛のエコーズ隊員まで引き離されていた。

――そんな状況で、ザビ家に顔を立てるような真似をすれば、

連邦は我々をどう見るか……分かるな?」

 

カムランは苦く唇を噛む。

 

「……そこまで、今の連邦は“脅威”なのですか?

彼らは敗戦し、力を削がれたはずでは――」

 

ベルガミノは笑わなかった。ただ静かに言った。

 

「……君も、一度“地球”に降りてみるべきだ。

ジオンはいまだに一年戦争時のゲルググやザンジバルを使い回している。

だが連邦は違う――あれらを上回る艦艇と、新型モビルスーツを着実に配備している」

 

「……敗戦して引き締まった連邦は、むしろ今の方が強い。

地球経済の再編も終わっている。国内の統制も利いている。

宇宙のように内乱に明け暮れてはいない」

 

カムランの顔が徐々に青ざめていく。

 

「……そこまでの……。

しかし、大統領。彼らは――我々をジオンの報復から守ってくれるでしょうか?

宇宙には、連邦の前線拠点は……」

 

ベルガミノは静かに首を横に振った。だが、次の言葉は重かった。

 

「……あるな。いや、持っている。確実に」

 

カムランは目を見開く。

 

「……まさか……」

 

ベルガミノは一瞬だけ目を閉じ、ある将校の姿を思い出していた。

 

「断言はされなかった。だが――

“ある将校”の態度を見て、確信した。

連邦は、今すぐにでも開戦できる自信がある。準備は整っている」

 

彼はそこでカムランに向き直り、低い声で続けた。

 

「……何より、君も見ただろう。

アレックスがヒート・ロッドを喰らっていたあの映像――あれはほんの“導入部”にすぎない。

その直後、たった一機のアレックスに、ジオンは精鋭16機と艦艇4隻を“全滅”させられているんだ」

 

カムランは言葉を失っていた。

 

「……そしてな、そのアムロ・レイと“同格に数えられているパイロット”が、

少なくとも4人はいるらしい。もちろん、実際に彼と並ぶかどうかは別だ。

だが――それでも、はっきりしたことが一つある」

 

ベルガミノは一拍置き、厳しく言い切った。

 

「数の差など、意味をなさない戦力が、“数で優っている側”に存在しているということだ。

ジオンがどれだけモビルスーツの数を誇ろうが、“張りぼての軍勢”など今や無意味だよ」

 

その声には、静かだが確かな絶望があった。

 

「……戦力、情報、指揮系統。すべてにおいて――今の連邦は、昔とは違う。

少なくとも、ザビ家の妄信に乗って道を誤るよりは、ずっと現実的な選択だと思わんかね?」

 

カムランは深くうなずいた。

静かに、重く、未来を睨むように。

 

ベルガミノは一拍おいてから、静かに言葉を継いだ。

 

「……それに、カムラン。そもそもだが――

我々がキシリアを“追い返した”ことなど、ジオン本国が知るはずもない」

 

カムランが眉をひそめる。

 

「……どういうことです?」

 

「こちらからの公的な報告は、“話し合いが不調に終わった”という一点で済ませる。

“予算の提供は今回は見送り”――そう結論すればいい」

 

「ですが……キシリアがグラナダに帰れば、報告するのでは……?」

 

その疑問に、ベルガミノはわずかに笑みを浮かべた。

 

「言っただろう?――“重要な顧客との会談を延期した”と」

 

その言葉に、カムランはハッとした表情を見せた。

一瞬、思考の糸が絡んだようだったが、数秒の静寂の後、彼の顔から血の気が引いていく。

 

(……“重要な顧客”……)

 

(――まさか……)

 

カムランはベルガミノを見つめ直した。

彼はかつて、宇宙港事業で中立の立場を活かし、巨額の資産を築いた人物。

政治家となって以降も、その“商人”としての本質を決して捨ててはいなかった。

 

そのベルガミノが「延期」した相手とは、誰か――

そして、誰が今、最もこの戦局を左右できる“買い手”なのか。

 

(……“これからの重要な顧客”とは――

他ならぬ、連邦軍しかあり得ない……!)

 

カムランは静かに息を呑んだ。

 

一方、ベルガミノはキシリアの去った方向を一瞥しながら、ぽつりと呟いた。

 

「……昔の彼女なら、さっきの言葉の意味に気づいていただろうにな。

だが今は、“怒り”と“焦り”に呑まれて、聞く耳も持たん」

 

その声には、嘲りというよりも、冷淡な諦念が滲んでいた。

 

(……“サイド6は中立”など、もう言葉だけだ。

だがそれでも――生き延びるには、“正しいほう”につかねばならない)

 

密談室の空気は重く、誰も口を開かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【宇宙空域・サイド6宙域外縁/重巡洋艦チベ艦内】

 

チベ艦橋、暗がりの艦内モニターにはサイド6の星影が徐々に遠ざかっていた。

怒気を孕んだ足音がブリッジを打つ。キシリア・ザビが一気に艦長席へと歩み寄り、忌々しげに吐き捨てた。

 

「……風見鶏のベルガミノが! この私を舐めるとはな!」

 

「――おそらく、連邦から多くの情報が流されているのでしょう」

 

隣で控える側近、アサーヴ大佐が冷静に答える。

 

「……くっ……」

 

キシリアは苛立たしげに腕を組んだ。

 

「とにかく、一刻も早くグラナダに戻らねばならん。

アムロ・レイや連邦の主力がどこに潜んでいるかもわからない……!

ミノフスキー粒子は散布しているな!?」

 

「はい、閣下。サイド6の宙域を離脱してすぐ、最大濃度で散布を開始しております」

 

「……全く、総帥(ギレン)がビグ・ザムなどという時代遅れのモビルアーマーに予算を浪費せず、

私が主導していた“イオマグヌッソ”を完成させていれば……!」

 

アサーヴが目を伏せ、声を低くする。

 

「……“シャロンの薔薇”が見つかっていれば、また違ったのでしょうが……」

 

キシリアの眉が僅かに動いた。

 

「あのとき、あれが消失していなければ……!」

 

言葉を切った刹那――

 

――警報音が艦内に鳴り響いた。

 

「っ!?」

 

キシリアが振り向く。

 

「――何事だ!?」

 

艦橋の通信士官が、蒼ざめた声で報告を上げた。

 

「敵です! 連邦のガンダムです!!」

 

モニターが切り替わる。

その映像には、光の残像を纏いながら接近する3機のアレックスタイプが映っていた。

 

「なっ……何故ここが――!?

……ええい、モビルスーツ隊、発進!迎撃しろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

チベ艦の格納庫から、18機の親衛隊ギャンが一斉に射出された。

青紫の機体が精密なフォーメーションを組み、キシリアの逃走経路を守る盾と化す。

 

その先頭を駆けるのは――若きエース、エグザベ・オリベ少尉。

あどけなさの残る顔に宿るのは、徹底的に叩き込まれた忠誠心と戦闘意志。

 

「……中佐がいなくても……キシリア様をやらせるわけにはいかないっ!」

 

彼のギャンがスラスターを噴かし、先陣を切る。

それを追うように、後続のギャンたちがシールドに内蔵されたミサイルを展開。高速で発射した。

 

だが――

 

「迎撃します」

 

ゼロの機体が最小限の動きで旋回し、ミサイルをビーム・ライフルの一撃で次々に撃ち落としていく。

同時に、アムロのフィン・ファンネルが起動し、ミサイルの雨を逆に親衛隊のギャンへと跳ね返すように飛翔した。

 

光条が宇宙を舞い、ギャンの一機、また一機が火花を散らして爆散する。

 

「なんだ……!? この迎撃速度……!」

エグザベの目が見開かれる。

 

遠距離支援からの観測に徹していたカミーユが、声を上げる。

 

「一機、動きのいいのがいるな。ニュータイプか……?」

 

ゼロが静かにうなずいた。

 

「だろうな。気配からして“少年”だ。おそらく――フラナガン・スクール出身のパイロットだろう。

……彼との交戦データは、これからの敵ニュータイプに対する貴重な資料になる」

 

カミーユが軽く肩を回すようにアレックスを旋回させ、進路を変更。

 

「――じゃあ、俺がやります」

 

「ん?」

 

「ゼロは“最強の三人”なんですよ。他の連中が参考にできるような動きじゃない。

……それに、俺だって今の力がどこまで通じるか、試したい」

 

そう言い切ると、カミーユはスラスターを噴かし、単騎でエグザベへと突撃していく。

 

ゼロはわずかに笑った。

 

「……自覚がないだけで、お前もその三人に並ぶと評されてるんだがな」

 

宇宙には、アムロ、ゼロ、カミーユのアレックス三機による“新たな白い閃光”が刻まれていた。

それは、ジオン親衛隊にとって絶望そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【宇宙空域・重巡洋艦チベ艦内/ブリッジ】

 

通信士官が声を失ったまま、砕け散るギャン部隊の残骸をモニターに映す。

煙の尾を引く最後の一機が爆ぜたのは、それからわずか五十秒後のことだった。

 

「……全滅?」

キシリアが叫ぶように振り返る。

 

「たった1分も持たずに、十八機の親衛隊が全滅したというのか!?」

 

「……っ、連邦の……ニュータイプ部隊……」

アサーヴが喉を震わせながら答える。

「まさか、ここまでとは……」

 

そのとき――モニターが警告色に切り替わった。

 

真紅の光が、艦の正面から迫る。

アレックス――アムロ・レイの駆る機体が、ブリッジの真正面に回り込んでいた。

 

銃口が――ビーム・ライフルの銃口が、

チベのブリッジに向けて、静かに構えられていた。

 

キシリアは慌てて身を乗り出す。

 

「待て!?」

 

咄嗟に叫ぶ。

 

「軍人の貴様が、命令もなく私を殺す気か!?

それでは、ただのテロリストと何も変わらんぞ!!」

 

ミノフスキー粒子が散布されていたとはいえ、

これほどの至近距離では通信妨害も薄く、

アムロの声は、艦橋の通信機から、明瞭に届いた。

 

「命令なし……?」

アムロは抑揚なく呟いた。

 

「ああ……ミノフスキー粒子を最大散布していたんだったな。

どうやら放送が届いていなかったようだ」

 

キシリアが息を呑む。

 

「な……何……?」

 

「なら、俺の口から言おう」

アムロの目が、鋭くブリッジを見据える。

 

「我々地球連邦は――1時間前、正式にジオン公国に宣戦布告している。

ギレン・ザビ総帥にも文書は受領済みだ」

 

キシリアの血の気が引いた。

 

「ば……馬鹿な……!」

 

「そんな中、敵の首領一族の一人を、見逃すと思うか?」

 

艦橋に沈黙が走った。

 

キシリアはかろうじて声を絞り出す。

 

「なぜ……ここが……分かった……?

レーダーには映らないはず……!」

 

アムロの声は、もう感情すら含まれていなかった。

 

「お前たちザビ家の“悪意”は、分かりやすいんだよ。出港する日付さえ分かれば

どこに隠れようと、すぐに分かる。」

 

一拍の間。

 

「……これで、二人目だ」

 

そして――

ビーム・ライフルが、発火した。

 

ブリッジの装甲ごと一瞬で消し飛ぶ閃光。

艦の中枢を、容赦なく焼き切った。

 

続いて、背部のフィン・ファンネルが放たれる。

意思を持つかのようにチベの艦尾、機関部、兵装基部、通信中枢へと滑空し――

 

次々に貫通、爆裂。

 

艦体が軋みを上げ、

チベの巨躯がゆっくりと内部から崩壊していく。

 

最後に残ったのは、艦の中央部で小さく火を吐き続ける残骸だけだった。

 

キシリア・ザビ――

ザビ家の象徴の一角が、ここに宇宙の塵と化した。

 




瞬殺された親衛隊に見えますがエグザベ君は頑張りました。30秒も持たずにとか言われずに済みましたから。50秒のうち二十秒は1人になったエグザベ君がカミーユ相手に持ち堪えた秒数です。
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