ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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第二十六話: 星二号作戦6 ゲーツvsプルツー

 戦場に走った閃光。エルピー・プルのキュベレイが光に呑まれた瞬間――。

 

「プルッ!?」

 プルツーの心臓を直撃するような衝撃が走る。

 数多く存在する“プルシリーズ”の中でも、最も自分に近しい、双子のような存在――半身とも呼べる彼女の死は、サイコミュを通じて魂そのものを削り取るかのように伝わってきた。

 

「……消えた……?そんな、嘘でしょ……!」

 声が震える。感情が乱れ、ファンネルの制御もわずかに乱れた。

 

「ドゥー……!あの状況から勝ったのか!?」

 ゲーツの瞳が驚愕に見開かれる。だが次の瞬間、口元に獰猛な笑みが浮かんだ。

「まるで“壁を越えた六人”並だな……!なら俺も負けてられない!」

 

「……くそっ!」

 プルツーは乱れた呼吸を立て直し、必死に叫ぶ。

「あいつが死んだからなんだっていうのよ! 私はプルツー! ジオン最強のニュータイプは私だ! プルがいなくたって――!」

 

 だが、その激情の裏で、戦術はすでに読まれていた。

 

「悪いが……君のファンネルの動きは、全部見た」

 ゲーツのサイコガンダムMk-II。その背から展開したリフレクタービットが軌道を描き、跳ね返された光条が次々とクィン・マンサのファンネルを撃ち落としていく。

 

「なっ……なんで!? さっきまではっ!」

 プルツーが絶叫する。

 

「全力疾走しすぎだ」ゲーツの声は冷静だった。

「君は自分の限界値を見せすぎた。限界が分かっていれば、対策はいくらでも立てられる!」

 

 サイコガンダムMk-IIのインコムが宙域を舞う。光条を避け、あるいは反射させ、軌道を描きながらクィン・マンサの関節部とカメラアイを一つずつ精密に撃ち抜いていく。

 

「くそっ……! こんなもの――!」

 視界を奪われてもなお、プルツーは胸部のメガ粒子砲を充填し、力ずくで焼き払おうとした。

 

 しかし――その瞬間。

 クィン・マンサの装甲にインコムに取り付けられた鉤爪がひっかかる。

 

「なにっ――!?」

 

 次の刹那、ゲーツの巨体がインコムの牽引で一気に間合いを詰める。

 まるで――師であるシイコ・レイが得意とした“スティグマ戦術”の再現。

 

「ここで終わりだ、プルツー!」

 

 閃光が奔る。

 サイコガンダムMk-IIのビームサーベルが虚空を切り裂き、クィン・マンサの胴を深々と貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クィン・マンサの胴を深々と裂いた閃光が、プルツーの機体を内部から焼き尽くしていく。

 

「……っ、く……そ……!」

 焦げ付く匂いと共に、コクピットが赤く染まる。

 

 その刹那、脳裏に甦るのは――かつてのやり取りだった。

 

『リンクサイコミュ? 何だいそれ?』

 気怠げに問い返したあの日の自分。

 

『主機と従属機のサイコミュを繋ぐことで、両者のサイコミュ適性を上げる装置だ。今は主機側の装置が一機しかないから1組しか作れないが、お前が他のプルシリーズとリンクすれば――』

 グレミーの説明に、即座に首を振った。

 

『いらない。私はジオン最強のニュータイプだ。1番強いあたしをさらに強くするより、最低値の奴らを足手纏いにならない程度に引き上げるのに使いなよ』

 

 ――その言葉の後に聞こえた、あの声。

 

『え〜プルツ〜! 私とリンクしようよ〜! そうしたら“灰色の幽霊”よりも強くなれるかもしれないよ〜!』

 無邪気な笑顔の、プル。

 

『いないやつなんて、どうでもいいよ。グレミー、そういうことだから』

 

『じゃあグレミー、装置を増産しといてよ。そしたら次の戦いでは私とリンクしようねっ!プルツー』

 

『ふんっ』

 

 冷たく言い放ち、振り返りもせず背を向けた自分。

 

 それが――最後の会話だった。

 

 今になって胸を掻き毟るような後悔が押し寄せる。

(ああっ……プルの言う通り、あの時……私が主機になって、プルと繋がっていれば……互いを高め合えていたのかもしれない……)

 

 視界が暗転する中、プルツーの唇が震える。

 

「……ごめん……ね……プル……」

 

 その呟きと共に、緑の巨影は爆ぜ、光の粒子となって宇宙に散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場に轟く衝撃と閃光の中、残ったキュベレイは孤立していた。

 その瞬間――宇宙の彼方から、白い機体が突如として舞い降りる。

 

「おいおい。俺は遊撃部隊のドゥーやフォウがピンチだっていうから、最前線から蜻蛉返りしたきたんだぜ?」

 シナンジュ・スタインに乗ったヤザン・ゲーブルが笑いながら登場する。

 その手元のビームマグナムが、残存キュベレイの一機を正確に射抜いた。続けざまにビームサーベルを振るい、もう一機のキュベレイも切り裂く。

 

「そんな!? 最強の3人の1人、ヤザン・ゲーブルまで!?」

 プルスリーの瞳が震えた。

 

 しかしドゥーは冷静に声を出す。

「よそ見しちゃダメだよ」

 アレックスのビットとフィン・ファンネルを最大稼働させ、残った二機のキュベレイを撃墜する。

 これでジオンの旗艦への奇襲部隊は、完全に壊滅した。

 

「ようドゥー、えらく強くなったじゃないか?」

 ヤザンは笑い、戦場を見渡す。

 

「そうかな? ゼロならどうするかなって考えてたら、何とか生き残れたんだけど」

 ドゥーは少し肩をすくめて答える。

 

「なるほどな。お前がゼロのアレックスを引き継いだ時は、ナラティブなりZなりに乗ればいいと思ったが、お前にとって一番の機体がゼロのアレックスだったわけだ」

 ヤザンは短く頷く。

 

「だったら嬉しいな」

 ドゥーは素直に微笑む。

 

 ヤザンは一瞬、遠くを見つめて呟いた。

(ガキの成長は速いもんだな)

 

「ここは俺が請け負ってやる! お前らは補給に戻れ!」

 白い機体が軌道を描き、戦場を掌握する。

 

「「「「「了解!」」」」」

 ドゥー、フォウ、ゲーツ、アスナ、エリシア――五人はそれぞれの機体を操り、戦線を後にした。

 

ドゥーたち五機が補給に向けて後退した瞬間――その隙を突こうと、ジオン側のゲルググ八機が一斉にヤザン・ゲーブルに襲いかかる。

 

「遊撃部隊が後退したぞ! ガンダムタイプだろうが、一機で俺たちを止められると思うなよ!」

 ジオン兵たちの叫びが戦場に響く。

 

 しかし白い機体――シナンジュ・スタインに乗るヤザンは、微笑を浮かべながら応じる。

「1対8か……足りんな! もっと連れてこい! ガキの成長に驚いてるところだ! 大人も頼れるってところを見せなきゃならんのでな!」

 

 その声と共に、シナンジュの巨躯が反転。白い装甲が光を反射し、八機のゲルググが放つビームを次々とかわしながら、逆に反撃の射線を作り出していく。

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