ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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アムロさんがラスボスになったのでラスボス対戦します。




IF: バトルアライアンス風世界で闇落ちアムロ3

宇宙の静寂を切り裂くように、二機のモビルスーツが向かい合う。

ひとつは純白の意志――Hi-νガンダム。

もうひとつは歪んだ理想の象徴――リボーンズガンダム。

 

通信が開く。リボンズ・アルマークの滑らかな声が空間に流れた。

 

「君の存在は、とても興味深いよ。アムロ・レイ。人類最強のニュータイプにして、今は誰よりも深い闇に堕ちた男」

 

アムロの声は、静かだった。

 

「俺がここに来たのは、お前を罰するためじゃない。世界を変えるためだ。シイコが死なずに済む世界を、どんな歪みを代償にしても作る。それだけだ」

 

「それは傲慢だね、アムロ。だがわかるよ、僕には。人を導くには、神の座に登るしかない。君もその域に近づいている。ならば…君は僕と共に歩むべきだ」

 

アムロの目が鋭く細められる。

 

「共に? お前の下につけと?」

 

「違う。君も“神”になれということだ。僕は人類を導く存在、救世主なんだよ。神と言ってもいい。君もそうなれる」

 

言葉の余韻が宇宙に溶ける間もなく、アムロは静かに呟いた。

 

「……神・・・か。神が導いたというには、死にすぎた。人が、人を殺す道具を渡しただけだ」

 

「人類には方向が必要だ。それが“犠牲”を伴うのは、当然のことだよ」

 

「犠牲、ね」

 

Hi-νガンダムが動いた。青白い残光を宇宙に引いて、一直線にリボーンズへと迫る。

その加速は、もはや人が操っているとは思えない。いや、だからこそ――人の意志がそこに宿っていることが、はっきりと伝わる。

 

リボンズもまた、反応する。後方へ跳躍しながら腕のバスターライフルを構え、狙撃――。

 

だが、そこにアムロの“殺意”が走った。

 

ビームを回避しつつファンネルを展開。七方向から同時に放たれるビームの網を、リボーンズガンダムはぎりぎりで抜けるが――その動きに、焦りが混じっていた。

 

「君は本当に違うな……あの時、アクシズを押し返した英雄とは、まるで別人だ」

 

「俺は“押し返す”気はない。ただ“断ち切る”。この世界を、過去を、運命を」

 

リボンズは口元を歪めた。

 

「それではただの破壊者だ、アムロ・レイ! 君が神にならぬなら、僕が君を裁く!」

 

リボーンズガンダムが変形し、攻撃態勢に入る。粒子を帯びた推進力が爆発的に広がり、二機は衝突した。

 

一撃ごとに宇宙の闇が光を弾き、爆ぜる。

Hi-νガンダムのファンネルがまるでアムロの神経の延長のように舞い、リボンズの射撃を封じ、動きを断ち、理想を抉る。

 

「お前は違う。救世主なんかじゃない。ただの“選別された人間”。自分を上に置いた独裁者だ!」

 

「なら君は――死んだ女の幻影に縋るだけの亡霊だ!」

 

二機は再びぶつかり合い、火花のようなビームと光の交錯の中、Hi-νガンダムが懐へ飛び込んだ。

ビームサーベルが、リボンズの防御を切り裂く。

 

「お前に、未来は見えていない」

 

アムロの声が響く。

 

「だからお前は、ここで終わるんだ」

 

一閃。

白い閃光が深紅のガンダムを切り裂き、爆炎が虚無に咲いた。

 

リボンズ・アルマークの“神”としての理想は、宇宙の深淵に沈んでいった。

 

Hi-νガンダムは、無言で漂う宇宙を見下ろしていた。

その眼差しは哀しみを含んでいる――けれども、確かな覚悟もまた宿っていた。

 

 

 

 

爆散したリボーンズガンダムの残骸が、ゆっくりと無重力に漂っていく。

Hi-νガンダムの機体はわずかに焦げ跡を刻みながらも、その白と青の装甲は確かに存在感を保っていた。

 

コックピットでアムロ・レイは静かに目を閉じ、そしてひとつ息を吐く。

リボンズとの戦いが終わった。しかし、それは“道の途中”にすぎない。

 

彼は通信ログとGNドライヴの残骸を確認しながら、ふと口を開いた。

 

「ありがとう、リボンズ。お前が作ったGNドライヴ……そして盗んだ、ツインドライヴの技術は——とても役に立つ」

 

その声に、誰も答える者はいない。だが、確かにそれは“感謝”だった。

 

「GN粒子による領域支配、それは一種の空間制御技術だ。サイコフレームと融合させれば……境界を越えられる。シイコが死ななかった世界へも、もしかすれば——」

 

モニターには、GNドライヴがゆっくりと回転を止める様子が映っている。

その静止はまるで、“神の夢”が終わったことを告げる鐘のようだった。

 

「お前が“神”になろうとしたなら、俺は“人”のまま抗ってやる。過去に、運命に、そして……世界に」

 

彼の眼には、わずかに迷いが混じっていた。それでも、前を見ていた。

 

Hi-νガンダムは反転し、リボンズが持ち込んだ技術の全てを回収しながら、次の戦場へと向かっていく。

その背に積まれたのは希望か、狂気か、それとも——

 

静かな宇宙に、白い残光が流れていった。

 

 

 

 

 

 

【宇宙の黄昏にて:アムロ vs クルーゼ】

 

コロニーの残骸が静かに漂う宙域。かつて戦火に焼かれたこの場所は、今や静寂と死の空間だった。

 

だが、そこにふたつの閃光が交錯する。

 

ひとつは黒と青の輝きを纏う、Hi-νガンダム。そのパイロットは、深く静かな怒りを身にまとった男——アムロ・レイ。

 

もうひとつは、不気味なまでに静かな黄金色を放つモビルスーツ、プロヴィデンスガンダム。そこに座すは、顔の奥に憎しみと虚無を宿す男——ラウ・ル・クルーゼ。

 

「やはり君が来たか、アムロ・レイ。ニュータイプの亡霊——いや、“神になろうとした者”よ」

 

アムロは静かにHi-νの操縦桿を握り締めた。

 

「君がラウ・ル・クルーゼか。…人類の終焉を望んだ者だと聞いている。だが残念だったな。俺は、まだ終わらせない」

 

クルーゼは笑う。嗤うように、諦めを含んだように。

 

「傲慢だな、君は。ニュータイプの可能性を信じ、自分だけが過去をやり直せると思っている。歴史の因果すら、君は捻じ曲げようとしている」

 

「過去は変えられない。だが……シイコが死んだ未来だけは、俺の手で潰す。全てを敵に回してでも、俺は選び直す」

 

クルーゼの口元が歪む。

 

「愛する者の死を、神の力で覆すか……君はかつての私と同じだ、アムロ・レイ。私が怒りと絶望に染まり世界を呪ったように、君もまたその先へ進んだ。だが——」

 

その声が冷たく低く響く。

 

「違うのは、私は神を否定し、君は神になろうとしていることだ」

 

アムロの瞳が鋭く細まる。

 

「そんなに人類が嫌いなら、なぜその命を最後まで燃やそうとする?君もまた、何かを救いたかったんじゃないのか?」

 

「……救う価値のない世界だった。それだけだ」

 

そして、戦火が開かれた。

 

プロヴィデンスのドラグーンが放たれ、宇宙空間を赤い死の軌道が舞う。Hi-νガンダムはそれを光の残像とともに躱し、ビームサーベルを抜く。

 

「君は過去の亡霊を見ている!だが俺は——未来を見ている!」

 

アムロの声と共にHi-νが加速。サーベルとビームが交錯し、空間が光の檻と化す。

 

その中で、クルーゼは微笑みを浮かべたまま言う。

 

「見せてみろ。神になろうとした男の力を——」

 

 

 

 

【宇宙の黄昏にて:アムロ vs クルーゼ/後編】

 

プロヴィデンスのドラグーンが四方八方からビームを放つ。Hi-νガンダムは光の線をすり抜けるように回避し、フル・サイコフレームの共振により、未来の動きを読み取るかのように次の一撃を先取りしていく。

 

「やはり君は化け物だな、アムロ・レイ。君の動きは予測を拒絶する。未来すら殺すつもりか?」

 

クルーゼの呟きと同時に、プロヴィデンスの背部が大きく開き、全ドラグーンが展開。空間がまるで銃殺刑の場と化す。

 

しかし。

 

アムロのHi-νガンダムがまるで空間そのものと同化するように突き進む。

 

「読めている、クルーゼ!サイコフレームはただの技術じゃない——これは、命が命を喰らって進化した“呪い”だ!」

 

バズーカから放たれた一撃がプロヴィデンスのシールドを吹き飛ばす。

 

「そして君の言う通り、俺は人間じゃない。俺はもう、戦うことしかできない——この歪んだ宇宙を正すために!」

 

クルーゼが僅かに焦る。彼の予測と制圧戦術を、アムロは力と速度、そして“意志”で超えてくる。

 

「君の戦いは憎しみに囚われた復讐ではない……!」

 

「違うな」

 

アムロの瞳が、深く冷たい光を放つ。

 

「これは祈りだ。俺の世界で、無惨に死んだ彼女への、唯一の償いだ。歴史がどれだけ俺を否定しようと、構わない」

 

Hi-νガンダムがドラグーンの網を突破し、クルーゼのプロヴィデンスに接近する。

 

その刹那、アムロは息を吐いた。

 

「帰れ、ラウ・ル・クルーゼ。お前の理屈も、哀しみも、全部終わった。俺が終わらせる」

 

ビームサーベルが閃く。

 

プロヴィデンスの腹部装甲が裂け、クルーゼの視界が揺れる。

 

「——傲慢だな、君は……だが、その傲慢さに、世界はいつか報いを与えるだろう」

 

「それでもいい。俺は……あの光を、もう一度見るために戦う」

 

Hi-νのサーベルが最後の一閃を放つ。

 

静寂のなか、プロヴィデンスの核が爆ぜ、閃光が宇宙を照らした。

 

アムロは何も言わずに背を向ける。

 

振り返らない。もう、何も。

 

彼が見ているのは——あの日、手の中から零れた命の光だけだった。

 

 

 

 

 

 

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