ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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ランキングに目を通してたら見覚えのあるタイトルがあってビックリしました。皆様のおかげでランキングに一瞬だけ乗れました。お礼も兼ねてドゥーちゃん編書き切りました。楽しんでくれれば嬉しいです。

ドゥーの話、計9話、1時間ごとに予約投稿してあります。

後書きの評価してくれた方へのお礼の後にアニメ最新話の感想書いてあるのでネタバレ嫌いな方はブラウザバック推奨です。


幕間: ドゥー・ムラサメ1

舞台:連邦軍極秘研究施設——バスク・オムとドゥー・ムラサメ

 

暗い研究室の奥、サイコガンダムの巨体が無音で横たわっていた。ガラス越しにそれを見上げるバスク・オムの横に、黒いマズルガードをつけた少女が静かに立っている。

 

「……お前は、この機体の“心臓”だ。わかっているな?」

 

バスクの低い声に、ドゥー・ムラサメはかすかに目を伏せて答える。

 

「はい、僕はパーツです。……本当の体は、あれ。あれと一緒なら、誰にも負けない」

 

バスクは満足げにうなずいた。

 

「ゴップの時代は終わる。ジオンを甘く見た結果が一年戦争だ。だが、我々は違う。強化人間とサイコガンダムの軍をもって、真の勝利を手に入れる。人の感情では戦争に勝てん。必要なのは“絶対的な力”だ」

 

ドゥーは無言でサイコガンダムを見つめる。

 

それはアムロやヤザンの働きによって無くなったはずの強化人間計画が終わっていない証明だった。

 

 

 

 

連邦軍高官たちが一堂に会した軍本部の会議室。その場に響き渡ったのは、バスク・オムの怒声だった。

 

「今の連邦の体制は――ヌルい!」

 

資料を机に叩きつけながら、バスクは立ち上がる。

 

「次の戦争でジオンを完全に壊滅させるには、もっと積極的な戦力の増強と、敵を根絶する“殲滅力”を育てねばならん! ただの勝利では足りんのだ!」

 

周囲に緊張が走る中、ゴップ提督が重々しい声で応じる。

 

「やっているよ。ジオンのニュータイプ用MSに対抗するためのアレックス。そしてゲルググに勝る性能を持つ量産型、ネモの開発と配備。さらに、各地でのパイロット育成計画も並行して進めている。ハード面でもソフト面でも手は抜いていないつもりだが?」

(……目的は“勝利”であって“殲滅”ではない。だが、こいつにそれを言っても無駄だろうな)

そう内心で呟きながら、ゴップは目を伏せた。

 

だがバスクは噛みつくように言い放った。

 

「いいや、ヌルい! あなた方が“穏健路線”に変更した強化人間計画――あれをもっと大規模に、強大に推し進めるべきだ!」

 

会議室の端に座っていたムラサメ博士は、その言葉にわずかに眉をひそめた。

 

(私も……かつてはそう思っていた。ジオンのニュータイプが相手では連邦パイロットの中で上位の、娘でさえマブを殺される。ジオンのニュータイプに勝つには、孤児を使い潰してでも強化人間を生み出すしかないと――)

 

だが、記憶の中に浮かんだのは、ゼロ・ムラサメの姿だった。かつて研究施設で「パーツ」として扱っていた少年。今や連邦軍の中で自らの意志を持ち、アムロやヤザンと肩を並べて戦う存在となった。

 

(……だが、ゼロが証明してくれた。道は、それだけじゃない)

 

その時、ブレックス・フォーラ准将が強く声を上げた。

 

「バカな! 強化人間計画で、どれほどの人間が犠牲になったか――あなたは資料を読んでいないのか! ムラサメ博士のように、まだ“許容できる”範囲で研究していた者は少数派だ。他の研究施設では、明らかに不必要で非人道的な犠牲が、大量に出ていた! それを……また繰り返すというのか!」

 

だがバスクは一歩も引かなかった。

 

「そんな甘いことを言っているから、我々は勝てなかったのだ! 敵はニュータイプを戦力化している。我々も対抗するには――“犠牲”を許容してでも、勝つための道を選ぶべきだ!」

 

静まり返る会議室。その空気の中で、ムラサメ博士は静かに目を閉じた。

 

(ゼロ、お前がいてくれて良かった。お前という“答え”が、この場にあることが……私にとっての救いだ)

 

 

 

 

 

 

ブレックスは立ち上がり、両手で卓を押さえながら強い語調で言った。

 

「勝つための道を選ぶ必要があることは否定していない! だが、ゼロ・ムラサメが証明しただろう。強化人間は“道具”ではない。共に戦う仲間として見なければならないんだ!」

 

その場の空気が一段と引き締まる。

 

「彼は実験体だった頃よりも、明らかに優れたパイロットに成長している。さらに、現場での判断力と臨機応変な対応も身につけつつある。軍人としての誇りすら感じる!」

 

対照的に、バスク・オムは椅子に深く腰を下ろしたまま、鼻で笑った。

 

「……そうかな? 指揮など強化人間がせずとも、船にいる将校がやればいい話だ。強化人間には命令を忠実にこなす“部品”でいてもらったほうが使い勝手がいい」

 

その言葉に、ゴップ派の幹部たちの間には目立たぬが確かな反発の気配が広がった。

 

(前線を知らない人間が……)

(今の戦争はパイロット自身の判断力が求められている)

(道具では、敵の動きに対応できない……)

 

ブレックスはバスクの方を見据え、声を張る。

 

「それでは間に合わない状況があるんだ! 現場では“一秒”が生死を分ける。そもそも強化人間全員に対して、今、我々は“治療”を進めている最中だ。最強の強化人間、ゼロ・ムラサメも、同胞の回復を誰よりも喜んでいた。今さら、“実験”の再開など、あるはずがない!」

 

バスクは意地悪く笑った。

 

「ゼロが“最強の強化人間”? それは少し早計では?」

 

そして、わざとらしく間を取って言い放つ。

 

「我々は既に、それを上回る強化人間と、それが操る巨大MSを――“実用段階”に置いている」

 

会議室が静まり返る。空気が張りつめ、数秒の沈黙の後、ザワリとざわめきが走る。

 

そのとき、室内の視線がある人物に集中した。

 

ムラサメ博士だった。彼は思わずその場で立ち上がり、バスクを真っすぐに見つめていた。

 

「そんなはずはない!」

 

立ち上がったムラサメ博士の表情は強張っていた。

 

「最も安定した強化人間はゼロのはず。戦う意思がある者は彼に憧れて回復後、志願兵となる。意思のない者には治療と一般職への転属を……まさか……」

 

彼の声が震え始めた。

 

「……まさか、“ドゥー”を!?」

 

バスクは薄ら笑いを浮かべた。

 

「あの子は本人の希望で私の研究所を離れ、してみたい仕事があると!そのための治療が始められていた筈だ!」

 

「以前はそうだったようですな。しかし――人は変わるものですよ、博士」

 

その瞬間、ムラサメ博士は硬直した。誰よりも冷静だった彼が、表情を保とうとするあまり、逆に感情を隠しきれていない。

 

崩れ落ちることはなかったが、彼の拳は震え、机の縁を強く握りしめていた。

 

 

 

 

 

 

大型ホログラムに投影された模擬戦闘記録。そこには、黒い巨体――サイコガンダムが、無人で模擬展開されたビグ・ザムを圧倒する姿が映し出されていた。推定損耗率、99.6%。データ上の完全勝利だった。

 

ブレックスが目を細め、傍らのゴップと目を合わせる。

 

「……本物のビグ・ザムが再び降下してきたときの備え。そういう口上で隠れて予算などを集めたようだな」

 

その中央、満足げに腕を組むバスク・オムが声を張った。

 

「ご覧いただいた通りです。ドゥー・ムラサメは優秀ですよ。あのサイコガンダムの操縦系に適応できる者など、そう多くはいない。彼女はデータ上とは言え、ビグ・ザムに勝っている。あれが再来するならば、対抗策は必要でしょう。ドゥーはその要だ」

 

ゴップが渋面を浮かべた。「だが彼女は、そもそも治療と社会復帰の準備が進められていたはずでは? いつの間に君の直属の部下になった?」

 

「ええ、それは確かにそうでしたが……彼女自身が望んだのです。私は、その意志を尊重したまでです」

 

傍らにいたムラサメ博士の頬が引きつる。彼女の表情に、怒りと困惑、そして痛みが同時に浮かんでいた。

 

(確かに、ゼロと匹敵する反応はあった。だが……あの体格の女の子に、ここまでの強化を――)

 

彼は当時の記録を思い出していた。ドゥーがまだ試験段階のこと。彼女は「ドゥー」と名付けられた頃から、明らかに異質だった。無言で命令をこなし、精神波は常に安定。だが、心拍は異常に低く、強化の進行に比例して生命維持の閾値が下がっていった。

 

(狂気に陥った頃の私ですら……もっと時間をかけて、段階的にやろうとしていた。なのに、今の時点でここまで“実用段階”? どれほど体に負担をかけた……!?)

 

「……バスク中佐」

 

沈黙を破ったのはブレックスだった。その視線は冷徹だった。

 

「ドゥー・ムラサメが研究所から正式に移されたはずの頃、治療名目の資料が提出された。にもかかわらず、彼女は巨大MS用の実験体になっていた。……まあ、それもひとまず置こう。問題は、その“再現性”だ」

 

彼はホログラムのサイコガンダムの横に並ぶ一枚の資料を示す。そこには適合率、生命反応数値、そして「ドゥー・ムラサメ:成功例」とあった。

 

「強化人間にするにも、素質の差がある。ゼロやドゥーのような適応例は――数百にひとり、いや、千に一人でも珍しくない。君は、それを知った上で……地球じゅうの孤児をかき集めろとでも言うのか?」

 

バスクは、まるでそれを予期していたかのように薄く笑った。

 

「孤児を集める? そんな必要はありませんよ。今いる実験体と、その詳細なDNA情報さえあればね」

 

一瞬、会議にいた誰もがその言葉の意味を理解できずにいた。だが――「DNA」「実験体」という単語が、次第にその裏にある恐ろしい意図を浮かび上がらせていく。

 

ブレックスが低く呻くように呟いた。

 

「まさか……お前、まさか――」

 

バスクはそれに被せるように、飄々と続けた。

 

「ドゥーを始めとする強化人間の“才能”がある人間。そのDNAをもとに、クローンを作ればいい。成功例があるというのは非常に強いアドバンテージですよ。ジオンの捕虜の中に適性の高いものがいれば、そちらも実験体にすれば研究は飛躍的に進みます」

 

――会議室の空気が凍りついた。

 

バスクは内心で思っていた。

 

(本音を言えば、スペースノイドの中にも興味深い遺伝子を持った者は多い。連邦所属の兵士でも、DNAを提供させたい。奴らに人権などないのだからな。だが、今はまだ時期尚早。まずは――まずはドゥーのクローンで“成果”を出すことだ)

 

「貴様……!」

 

ブレックスが立ち上がり、机を叩いた。

 

「ふざけるな! そんなことが――人間の尊厳を踏みにじるような行為が許されるかッ!」

 

「“戦争”ですよ、ブレックス准将。我々が相手にしているのは、ジオンの亡霊どころか、地球圏全体を巻き込む“次の世代の脅威”なんです。理想で勝てますか?」

 

バスクの瞳は揺るぎなく、冷酷だった。

 

 

 

 

 

 

バスク・オムとブレックス・フォーラの激論は、次第に場の空気を震わせ始めていた。

 

「連邦軍は現実を直視すべきだ!」とバスクが拳を振り上げるように言えば、

 

「その現実をねじ曲げているのが君たちだ!」とブレックスが机を叩かんばかりに応酬する。

 

一触即発の空気に、周囲の議員たちの顔色も曇る。もはや議論というより、互いの怒りをぶつけ合うだけの応酬になっていた。

 

そこへ、やや年配の中立派議員が、意を決したように声を上げた。

 

「会議の時間は限られています。次の議題に移りましょう」

 

場が静まり返る。バスクは鼻を鳴らして腕を組み、ブレックスも深く息を吐いて椅子に背を預けた。不本意そうな顔を隠そうともしない。

 

次の議題へと無理やり進められたが、先ほどの火花は完全に燻っていた。議場の空気には、確かな緊張と苛立ちが残っていた。

 

ブレックスの手元のメモ用紙には、先ほどのバスクの発言に対する反論が殴り書きされている。その筆圧の強さが、彼の怒りを物語っていた。

 

ゴップはその様子を静かに見ていた。

 

(こうなると思っていたよ、ブレックス。だが、こういう場では怒りは武器ではなく、火薬にすぎない)

 

やがて会議が散会となると、ゴップはそっと立ち上がった。側近に一言囁くと、幾人かの関係者に目配せを送る。

 

「――ゴップ議長の執務室に、お越しいただけますか。ごく簡単な確認事項です」

 

その呼びかけに、ブレックス、ムラサメ博士、そして数名の議員と軍幹部がゆっくりと席を立った。

 

火がくすぶったままの者、冷静な仮面の下で策を練る者。会議では決着がつかぬ火種を抱えたまま、彼らは議場を後にし、ゴップの執務室へと向かう――

 

 

 

 

 

 

 

会議後:ゴップの執務室にて

 

会議室を出てすぐ、重い空気を引きずったまま数人の将官たちが足早に移動していた。ゴップの執務室。その重厚なドアが静かに閉まり、室内にはゴップ、ブレックス、そしてムラサメ博士だけが残った。

 

「バスクめ……!」

 

ブレックスの拳が机を打った。普段は冷静な男の口調に、怒気が混じっている。

 

「我々は怨念返しで戦いの準備を進めているわけではない。ジオンとの戦いをただの復讐劇にするつもりなど毛頭ない。過ちを過ちと認め、連邦の改革を進めようとしている中で――あのような、時代錯誤の“報復”を画策していたとは……!」

 

「自分がアースノイドの代表者のような顔をしていたな、まったく」

 

ゴップも眉根を寄せ、背もたれに深く沈み込んだ。

 

「軍の中でも過激な声があるのは理解しているが……“サイコガンダム”とはな。あれはもはや戦略兵器の域だ。しかも、その中心にいるのが“ドゥー・ムラサメ”という強化人間――」

 

彼はゆっくりと視線をムラサメ博士へ向けた。

 

「……どうなんだ、ムラサメ博士。彼女はそんなにも強いのか?」

 

博士はしばし黙してから、軽く頭を垂れ、目元の皺を深くした。

 

「確かに、彼女には“ゼロ”に匹敵する、いえ、方向性こそ違えど、同等の才能を感じました。だが――ドゥーはまだ十代になったばかりの小さな少女です。今の段階でそこまでの力を発揮できるとは到底思えない。むしろ、もしそれが真実なら……バスクは、彼女にどれほど負担をかけるような施術を施したのか」

 

部屋の空気が冷たくなった。沈黙が一瞬続く。

 

ブレックスが小さく唸る。

 

「連邦が再び“人を道具にする”側に回るなど、あってはならん……!」

 

「問題は、バスク一派をどうやって止めるかだ。彼らが本当にドゥーを『象徴』に仕立てようとしているのなら、我々は急がねばならん」

 

ゴップが低く言い、机上の端末に手を伸ばした。

 

「ムラサメ博士、彼女に関する詳細データ、共有してくれ。過去の施術履歴、現在の精神安定状態、すべてだ。対話の余地があるなら、我々はそれに賭けたい」

 

「……はい。ですが、どうか……彼女を、“ただの兵器”にさせないでください」

 

ムラサメ博士の声には、身を切るような痛みと願いが滲んでいた。

 

 

 

 

 

 




☆9評価ありがとうございます!  ロボ戦極凌馬さん





金髪に青い目のお兄さん生きてたんかい!ニャアンは新しいガンダムゲットしてるし、マチュは早くも脱走してるし。てかマチュ、母親がテロリストの母親なんて悪名背負う羽目になった中夢叶えたの!?いくら謝れない娘疑惑があるとはいえごめんお母さんくらいあると良いのだが。マチュに全ての原因があるわけでは無いけども!どうせ脱走は緑おじか謎のメッセージ打ってくる不明なやつの手引きだろうし。
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