ジークアクス世界の闇堕ちアムロ   作:gジェネサイコー

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前日譚に4話追加してあります。よければどうぞ。
忙しくてジークアクス組み立てられてないのに小説は書いてる。オカシイ。


幕間:サイド7の志願兵達 模擬戦後の反省会後、飲み会

リュウの部屋のテーブルは、すでにビール缶とつまみでにぎやかに埋め尽くされていた。

「模擬戦反省会」と名目で集まったものの、半分は飲み会モードであることは火を見るより明らかだった。

 

「ほらよ、カイ。冷えてるやつ取ったぞ。」

 

「ありがと、リュウの兄貴。いやー、やっぱこうじゃないとな。」

 

カイは缶をプシュッと開け、ひと口飲んでからアムロの方に悪戯っぽい目を向けた。

 

「にしてもお前な〜、アムロ。結婚するんだなぁ〜お前〜。」

 

その口調にアムロは少し顔をしかめる。

 

「……なんですかその言い方は。」

 

「だってさぁ、さっきの“俺、結婚する”発言、こっちは泡吹くかと思ったぜ?なぁ?」

 

「確かに。」

ハヤトも苦笑しつつ頷いた。

リュウは「……まあ順番に話そうや」と静かに場を整える。

 

「まずは反省会な。俺から言うと、射線の確認が甘かった。カイと距離取りすぎたな。」

 

「お、わりぃなリュウ。俺は……えーっと、詰めすぎ。まぁ毎度のことだな、気を付けるわ。」

 

「僕は……序盤の加速が遅れたのがまずかったです。機体は良かったのに、乗り手が足引っ張った。」

 

3人が順に自分の反省点を挙げると、視線は自然とアムロに集まった。

 

「よし、それで反省は終わり!飲みだ飲みだ!」

 

カイが勢いよく仕切り、改めてビールを掲げた。

一同が笑い合いながら乾杯する。

 

その後、カイがニヤニヤとアムロの方に寄ってくる。

 

「で?肝心の話な、アムロ。相手は誰だよ。言えよ言えよ、こちとら気になってしょうがねぇんだからな。」

 

アムロは肩をすくめた。

 

「……シイコさんだよ。ムラサメ博士の娘さん。」

 

その瞬間、カイの動きが止まった。

リュウとハヤトも一瞬絶句する。

 

「……マジかよ。お前、またすごい人と結ばれるんだな。」

 

「シイコ・ムラサメさんって……。撃墜スコアで言えば、ヤザンさんに次いで連邦内2位じゃないか。」

 

「連邦最強の夫婦じゃないか、それ……。」

 

リュウが深くうなずく。

 

「……確かに。アムロが旦那で、奥さんがヤザンさんの次って、冗談みてぇな話だな。」

 

カイがビール片手にニヤリと笑った。

 

「結婚式で俺たちが雑談する時、その話も入れとくか?『撃墜スコアも家庭でも、最強コンビ誕生!』ってな!」

 

「……やめてください、それは……。」

 

アムロは顔を赤くして、視線を逸らした。

だがその表情はどこか誇らしげで、嬉しさを隠しきれていなかった。

 

カイがその様子を見て、からかうように言う。

 

「ほら見ろ、顔緩んでんぞ!おーいリュウ、ハヤト、こりゃ本番で泣くの誰か決まりだな?」

 

「俺は泣かんぞ……いや、たぶん……。」

 

「僕だって……。」

 

ビール片手に笑い合う3人の輪の中で、アムロはふと、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。

 

こんな風に、仲間たちと笑い合える今が、きっと一番の幸せなのだと――。

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦の反省会は早々に流れ、話題は完全にアムロの結婚の方へと移っていた。

 

アムロは一度小さく咳払いをして、あらためて3人に向き直った。

 

「……それで、3人にお願いがあるんだ。」

 

カイ、ハヤト、リュウの視線が揃ってこちらに向く。

 

「……スピーチ、頼めないかな。お前たちは……数少ない、サイド7時代の……俺の仲間だから。

だから、もし無理なら遠慮なく言ってくれ。俺は……それでも構わないから。」

 

言いながらアムロは少しだけ目を伏せた。

そこには昔の気弱さがわずかに残る声音がにじんでいた。

 

一瞬の静寂の後、カイがガタンと椅子を引き寄せた。

 

「……バカ言うなよ、アムロ!そんなこと言われて断れるかよ!任せとけって!」

 

パチンと指を鳴らす。

 

「本番までに俺たち3人でネタ仕込んどくさ。お前の機械オタク時代の話とか、重機で連邦軍の基地に突っ込んだあの伝説の話とか、コメディー風に料理してやるぜ!式場、爆笑させてやっから覚悟しとけ!」

 

「なっ……!」

 

アムロは思わず言葉を詰まらせた。

その様子にリュウが目を剥いた。

 

「……おいおいお前ら、そんなことしてたのか!?知らなかったぞ、そんな話……!」

 

ハヤトが小さく苦笑して続ける。

 

「……カイさんの不良時代ですよ。僕は……朝練の前に無理やり連れて行かれました。」

 

「おいおいおい、ハヤトまで余計なこと言うなって。」

 

カイが頭をかきながら、どこか嬉しそうに続ける。

 

「ま、でもな。俺たちみんなボコボコにされたんだよ、あの時は。

しっかし忘れらんねぇのが、あの連邦軍の兵士のやつな――アムロを1発殴っといて、そんで“テム・レイの息子だ”ってわかった途端に態度変えて連れて行ったろ?やっぱエリートの息子は違ぇわ!」

 

アムロは呆れた顔をして、肩をすくめた。

 

「……カイさんが寝てた僕をインターホンで無理やり起こして、連れて行ったんじゃないですか……。

僕は……何がなんだかわからないまま……重機の中に乗せられてて……。」

 

その言い草に、カイは腹を抱えて笑い、リュウも「そりゃすげぇな……」と頭を振った。

ハヤトも、どこか懐かしそうな顔で微笑んでいた。

 

「……そんな昔のことまで持ち出すのはちょっと……。」

 

アムロが苦笑しながら言うと、カイは軽く肩を叩いた。

 

「そういうのがいいんだよ。そういうのを聞きたがってんだ、招待客ってのはな。

ま、でもちゃんと祝いの言葉は忘れねぇよ。な?」

 

リュウが腕を組みながらうなずく。

 

「もちろんだ。……スピーチ、楽しみにしてろよ、アムロ。」

 

ハヤトも柔らかく微笑んで続けた。

 

「俺たち、アムロの門出を心から祝うために出るよ。

昔話はその“ついで”だからさ。」

 

アムロは、その言葉に胸が温かくなるのを感じた。

言葉は多くなかったが、この3人には言わずとも想いが通じているのがわかる。

 

「……ありがとう。みんな……ほんとに、ありがとう。」

 

自然と、そんな言葉が口をついて出ていた。

 

アムロは3人に深く頭を下げた。

そこに、いわゆる“ニュータイプの象徴”という仰々しい姿は微塵もなく、ただ昔からの仲間に素直に礼を言う一人の青年の姿があった。

 

その姿を見たリュウは、静かにグラスを傾けながら思った。

(……こいつは、こういうところはあの頃のままなんだよな。だけど、もうずっと高いところまで行っちまってる。

俺たちにできるのは――支えてやることくらいだ。)

 

カイも内心でそんなことを思っていた。

(変わったよな、アムロ。前はもっと子供っぽかったのに……。でも、そういうとこは変わってねぇや。)

 

ハヤトは一度だけフラウの顔を思い浮かべ、それからアムロを見た。

(……俺も、もっと頑張らなきゃな。アムロの背中、絶対に見えなくならないように。)

 

そんな思いを胸に抱えながら、3人は再びグラスを掲げた。

 

「よし、もう一杯行こうぜ。今日は祝いだ!」

 

「おう!未来の新郎に乾杯!」

 

「……乾杯。」

 

グラスが静かに打ち鳴らされた。

 

部屋の中には、静かな、しかしどこか特別な絆が漂っていた。

それはサイド7時代から続く、戦いの中を生き抜いてきた仲間だけのものだった。




☆10評価ありがとうございます! メインセイルさん

☆9評価ありがとうございます 紅葉 千夜さん くろきしさん 如月二十日さん rarugさん


一気に評価してくれる人が増えてくれて嬉しいです。やはりホワイトベースクルーの人気は凄い。原作には遠く及びませんが彼らの活躍をこれからも書かせてもらいます。
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