ジークアクス世界の闇堕ちアムロ 作:gジェネサイコー
賑やかな会場の片隅、リタ・ベルナル、ヨナ・バシュタ、ミシェル・ルオの3人は小さなテーブルを囲んでいた。
もっとも、テーブルの雰囲気は賑やかさとは程遠いものだった。
開口一番、ミシェルが不機嫌そうに口を開く。
「……ったく、私あの2人とそんな親しくないんだけど?呼ばれても迷惑なのよ、正直。」
まるで結婚式の空気を壊してやろうという勢いの憎まれ口。
リタはそんなミシェルを見て、ふわりと微笑む。
「そんなこと言わないで。
ミシェルにとってもアムロさんは恩人でしょ?
だから今日は素直に来てくれて嬉しいよ。」
「恩人は恩人よ。でもあんた達と違って、気の利いた祝福の言葉なんて言えるほど会ったことないの、私は。」
むすっとした顔で言い返すミシェル。
そこにヨナが静かに言葉を挟んだ。
「気の利いた言葉なんていらないと思うよ。
アムロさんと向こうにいるゼロは、『あなた達のおかげで今はちゃんと生きています』って……それだけでも喜んでくれるさ。」
その言葉にミシェルはむっとして、ヨナの肩を軽くはたいた。
「……うっさい。
飲み物がないんだけど?ほんと気の利かない男ね。」
ため息をひとつ。
けれどその吐息には、どこか親しみが混じっていた。
「はいはい。すぐ取ってくるよ。」
ヨナは苦笑いしながら席を立ち、ドリンクテーブルへ向かっていった。
残ったリタは、少しだけ目を細めてミシェルを見た。
「知ってるよ。
ルオ商会のこと、アムロさんが言ってた。
“一般市民からも受け入れてもらいやすいように”って、ゼロや私たちのこと、わざわざ配慮してくれてる商会だって。」
「……。」
一瞬、ミシェルの目が驚きに見開かれ、すぐに逸らす。
「……ほんとに……あの人はお人好しよね。」
リタはふっと微笑んだ。
「私たちのこれからがどうなるかは私にもわからない。
でも――あんな未来みたいに、私とミシェルが生贄になって、ヨナだけ残す未来にはならないと思うよ。
だから、もっと気楽に生きていい。……ね?」
ミシェルは一拍間を置き、わざとらしく肩をすくめた。
「……これだからニュータイプ様は……。」
けれど、その声色はほんのわずかに柔らかかった。
会場の賑わいの中、フランクリン・ビダンは壁際に立ち、グラスを軽く揺らしていた。
アムロとシイコが幸せそうに微笑み合う姿を見つめながら、ふと心の奥がざわめく。
――自分は、こんな場に呼ばれてよかったのだろうか……?
そう思わずにはいられなかった。
かつての自分を思い返せば、誇れるような行動ばかりではない。
それでも呼ばれた。けれど今、彼らの輪の中に自分が本当にいて良いのか――。
そんな風に考えていた時、不意に声がかかった。
「……自分がこの場に相応しいのか疑問に思っている顔だな?」
驚いて振り向くと、そこにはテム・レイの姿があった。
いつもの鋭さではなく、どこか柔らかな眼差しでこちらを見ている。
「テム……レイ主任……。」
「ニュータイプでなくても、今の君の顔を見れば分かるさ。君のムーバブルフレームは息子たちの力になっている。
あの模擬戦の後は真面目に働いてくれているのも知っている。君が“外様”だのと思っている人間は――ここにはいないよ。」
その言葉にフランクリンの胸がじんと熱くなった。
認めてもらえた――そんな思いが静かに広がる。
だが、テムは続けてふっと微笑んだ。
「……そんなことより、かつて君も――あんなふうに幸せな結婚をしたのだろう?
なら、今はちゃんと奥方を気にすべきだな。」
「……っ。」
はっとして視線を巡らせるフランクリン。
会場の隅、ヒルダが座っているテーブルが目に入った。
そこには、祝福の場だというのに――どこか影を落としたヒルダの姿があった。
心の奥にきっとこう響いているのだ――
「自分たちも、かつてはこんな風に幸せだったはずなのに――」と。
「……すみません。失礼します。」
小さく頭を下げ、フランクリンは足早に妻の元へ向かう。
(今さら、取り戻せるものではないかもしれない――だが……今の俺にできることはやらなければ。)
心にそんな想いを抱きながら――フランクリンはヒルダの隣に腰を下ろし、
少しでも笑顔を取り戻してもらおうと、慣れぬ言葉を探し始めた。
披露宴の会場。
アムロとシイコが並んでゲストへと挨拶している姿は、まさに幸せの象徴のように映っていた。
その姿を、セイラ・マスとミライ・ヤシマも静かに見守っていた。
ミライはグラスを手に微笑みながら呟く。
「やっぱり……憧れるわよね。
あんなふうにお互いを想い合って、ちゃんと気持ちが通じて……結婚できるって。」
その言葉にセイラも穏やかに頷いた。
「そうね……アムロもシイコさんも、心から愛し合っているのが伝わってくるわ。」
柔らかく微笑んでいたセイラだったが――ふと、心の奥に影が差す。
目の前の祝福された光景が、一人の影を思い出させたのだ。
(兄さん……)
ふと過去の記憶がよみがえる。
ルナツーでの戦闘。
あの時、自分は軽キャノンのコクピットで引き金に指をかけていた。
兄に、敵として――銃口を向けたのだ。
けれど――兄は、自分の存在を感じ取った。
殺意に満ちたこちらの気配を受けても、攻撃を止めてくれた。
(私は……あの時、兄さんの想いを全然理解していなかった……。
あの人は私を捨てたわけじゃなかった。復讐にすべてを賭けたわけでもなかった……。
それでも私の中には誤解と怒りしかなかった……。)
目の前で微笑み合うアムロとシイコの姿が、胸に染みる。
もし――自分がもっと早く兄の気持ちを理解できていたなら。
ルナツーでモビルスーツ越しに再開する前、まだ穏やかだったテキサスの頃にちゃんと兄と話し合えていたら、
兄にも、こんなふうに愛する人と並ぶ未来があったのではないか。
そんな思いがセイラの胸に去来していた。
ミライがセイラの横顔を見て、そっと声をかける。
「セイラ……?」
はっと我に返ったセイラは微笑みを取り戻し、首を振った。
「……ごめんなさい。ちょっと考え事をしていただけよ。」
ミライはそれ以上は聞かず、ただ微笑んだ。
2人はふたたびアムロとシイコの姿に視線を戻した。
幸せの瞬間を、心に刻むように。
式のクライマックスが近づいていた。
祝福の言葉と温かな拍手に包まれる中、アムロとシイコは互いに向き合って立った。
司会の進行に促され、誓いの指輪が手渡される。
アムロは指輪をそっとシイコの指に滑らせた。
それは、シンプルだが確かな銀の輪。
(――どんな時でも、君を見失わない。
必ず、助けに行く。)
そんな決意を込めて、アムロはそっと手を握った。
「シイコ……。
これから先、何があろうと……全てをかけて君を守る。それが……俺の誓いだ。」
真剣な眼差しに、シイコはふっと微笑む。
「アムロ……私、守られるほど弱くないから。
だから……一緒に戦わせて。
あなたと同じ景色を、これからも見ていたいの。」
その言葉に、アムロは一瞬驚き――次に、深く頷いた。
彼女はいつもそうだった。
誰かの後ろに隠れるような人ではなく、自分の力で未来を切り開こうとする誇り高き強さを持っていた。
「……ああ。
一緒に戦おう、シイコ。
俺たちで、これからの未来を作るんだ。」
二人は静かに微笑み合う。
交わした指先には、小さな銀の光がきらめいていた。
そこには恐れも不安もなかった。
ただ――互いを信じ、支え合う二人の強い絆があるだけだった。
拍手が再び湧き起こる。
その中で、アムロ・レイとシイコ・レイは、揺るぎない歩みを共に踏み出していた。
セイラとシャアについてはシャアの中でだいぶでかい妹への優先度からの拡大解釈です。実際テキサスの頃でもセイラが言っても止まってくれなかったと思いますし。
でもシャアの中で女の枠組みって
頂点にララァ>次点でセイラ(ナタリーもここかな)>準家族枠でアルレット(サイコフレームに残った意思が守ったあたりこの辺かな?)>>>>大きく離れて使える女>>>>使えない女>>>>>>>>忌々しい記憶としてゴミのように捨てたい記憶の元になった女
に見えるんですよね。
なおそれらとは別枠で場合によってはララァと同等の優先順位になるアムロ
みたいに思えるので。何せ逆シャアで愛人で味方として作戦のために戻ってくれと、願ったナナイに「男同士の間に入るな!」ですからね。アムロの優先度高え。 流石スパロボでアムロさん以外どうでもいいんじゃないですか?と、年下のニュータイプに聞かれ沈黙で返した男は格が違う。
ファーストの時はどのみちアムロには勝てなかったろうけど、コアブースターで突っ込んできたアルテイシアを避けて窮地に陥った面もあったろうに、セイラに恨み節も無かったし、次にあった時も大事な妹枠だったし。