スキル:マイクラ(MOD導入済み)で行く異世界生活   作:金属粘性生命体

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「な、ここど、え、きっしょ」

 

 

 

 

 目が覚めるとそこは赤色に光る天井と壁に包まれた平原だった。

 

「な、ここど、え、きっしょ」

 

 草むらに寝転がっていた体を持ち上げ周囲を把握して、思わず出た困惑と素直な感想のふたつ。

 まず現状どこにいるか不明な点、それを飲みくだそうとして周囲を見渡したら平原のはずなのに壁と天井で囲まれているという異常さ。しかもよりにもよって壁の色が赤色でそれに視界が占領されるというのは実に目に悪く、おまけに緑と赤が並んでいるという気色悪さがどこにいるかという考えを押し流してしまう。

 

「なにここ?」

 

 元々は部屋の中でいつも通りゲームをしていたところだった。例の色を塗りあうイカのゲームだったり、四角い世界でハエたたきしたり、ちょっとエッチなナースが襲ってくるホラーゲームだったり。

 そんな一般ピーポーもやるようなゲームをやっていたら、なんか頭に衝撃が走って座っていた椅子から落ちたら知らん人が部屋に居たり────

 

「空き巣に殺されてますやん……」

 

 てことはここは異世界というわけで?

 

「ふむ、なるほど」

 

 ではまず──

 

「水の確保だな」

 

 歩きながらステータスとか確認するべ。

 

 

 

 

 

 なんとなしに歩き始める。

 

 とりま現状は動かなければ何も起きないので。

 

 少なくとも状況が悪るなるか良くなるかは何かを発見しなければならない。

 

「まず定番の《ステータス》」

 

 すると目の前にステータスが現れる、いや目の前というのも可笑しいか?頭の中になんか出てきたというか……うーん、情報がこう、刷り込まれた?と言った方がいいかもしれん、それが目に見えるというか。明らかに現実にないであろうとわかる感じで分かる、陰影もないし光ってる訳でもないしな。

 

 

──────────

 お名前:浅倉舞《アサクラ マイ》

 性別:生物学的に男

 年齢:24年生存

 能力:『Minecrafter(マインクラフター)《MOD導入済み(forge)》』

 ステータス

 『Minecrafter』にステータス統合済み・表記不可

──────────

 

「……Minecrafter?」

 

 ちょっと癖のあるステータスだなと思ったら……能力が。

 

 マインクラフター、なるほど、へぇ?しかもMOD導入済みとな。何が入ってるのかしら……これ敵追加系MOD入ってたらもしかしてこの世界に新しくモンスター生まれるパターン?

 それともこの世界はマインクラフトの世界なのかね、元からMOD導入済みの世界で世界生成がされて……ってそんなことは無いか。

 

「少なくとも四角い世界じゃないし、こーれはグロすぎる」

 

 第一印象は異臭であろう。平原を歩いていたら突如として香り出したその香りは腐敗臭と死臭のミックス。

 第二印象は周囲の汚さだろう。血や細かい肉片がどす黒くなりながら蛆虫やそれ以外の細かな虫が蔓延っていた。

 そして第三印象は気色悪い。完全に人の死体である、しかも見事に腹回りが抉られており内蔵が何かしらに食べられていたあとがあった。

 

「……持っていたものからして中世、いや、うーん?近現代の近世くらい?」

 

 なんかあれだよあれ、マスケット銃か、それみたいな残骸が落ちている。てことは少なくともよくある中世ではなく、そこから抜け出そうとしている近現代ら辺の技術力なのだろう。

 

「人の文明が進んでるのはいいことだ……この剣は貰っていくよ」

 

 バックソード?あれ、スモールソードか、いやでもスモールソードは紳士の武器だしな。バックソードであってるだろ、でそんな剣は運良くなのか、持ち主からしたら運悪くなのだろう。鞘に入った状態で死体の傍にころがっていた。

 

 手に取り軽く振り回す。感触はいい感じ、っと?

 

「あぁ、インベントリか」

 

 マイクラのプレイヤー最強説の一つ、インベントリが目の前に現れた。そこにはバックソードらしき模様がひとつのグリッドに納まっており耐久が3分の2ほど減っていた。

 

「いやありがたいね、インベントリ。あるだけでも持つものを減らせる」

 

 独り言が多いのは癖だ。配信とかしてた訳じゃないが……対戦ゲームとかで負けたら愚痴を言ったりするだろ?やりすぎると普通に1人で喋るようになるから程々にな。

 

 脳内で1人漫才を続けるが、やっとこさ水源が見えてきた。ちょっとした湖だ。周りに木々がないのが違和感だけどな。こういう所って普通木々が生い茂ってるイメージだ、日本人なら分かると思う。海外は知らんし。

 

「木も……1本だけだけど生えてるな」

 

 ならやれるだろう、マインクラフターは木1本からありとあらゆることを作り出せる。サバイバルと言う環境においては最強の能力だな。

 まず作るのは作業台、ついでピッケル……現実世界になったならスコップないと地面掘れないかもな。

 

 木の根元についた。さぁ始めよう、この空間が如何に異常であろうと俺はマインクラフターである。木があって己があるならばこの世の全てを破壊(マイン)して新たなものを創造(クラフト)しよう。

 

 腕を振りかぶって、とぉー!

 

「おりゃあ!」

 

 ゴスッ。

 

 ……

 

 …………

 

 いってえええええ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カッコつけて無理するもんじゃないね、如何にマインクラフターといえど現実世界にある程度即したマインクラフターだ。素手で木を取れるわけねぇじゃん常識で考えろ?ん、待てよ?

 

「MOD入りマイクラってことは……?」

 

 もしかしてですけど、better beginnings入ってます?

 

 better beginningsとは!

 いわゆるリアル系のMODであり、素手で木が取れなくるmodである。他にも石ピがゴミになっており銅しか掘れず石すら掘れない始末。なので序盤は水辺にある石ころを拾い、木の葉を破壊することで出てくる木の棒とクラフトして石斧を作り、その後石ピを作った後は銅を採取し、石ころで作ったカマドで銅を焼き銅ツールを作成する必要があるMODだ!

 

 …………え、それ入ってるん?マジで言ってる?確かに俺はよくこのMODを入れて多少の難易度調整をしていた。それ入ってるん???

 

「銅……洞窟、ここら辺なくね?」

 

 パッと見周りに無さすぎる。どないすっぺか。

 

 

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