ブルーアーカイブ -LOST MEMORY DISORDER- THE RELOADED 作:かな餅
素材と設計図をいれるだけで大体何でも作れる優れもの。
何でも作れるけれど液体を作るのはちょっと苦手みたい。
分子レベルで解体してまたつなぎ合わせて物質を作る。
オーバーテクノロジーの1つで本来ならまだあるべきじゃない。
でも今はよくお世話になってる、だって便利だもん。
〈ジャブジャブヘルメット団、現着〉
「いやぁ、とりあえずこの人数で頑張ってみようかぁ〜」
現状の戦力は
ヘルメット団の
でも問題なのは……総力を上げてるってだけあってオートマタとか戦車も投入されてる点。
戦いとしてはあっちは占領戦でこっちはカプセルの防衛戦。
30分間は死守するのが目的だとして、僕が復活すれば最悪一度開け渡して取り返すことは容易。
だけど砲撃で体育館にすれば建物が崩れて機械が台無しになる可能性だってある。
だからロバートも少し反則を使った。
〈オートマタのハッキングを完了、これで後方の戦車は来るのが遅れるものと思われます〉
「さっすがぁー……にしてもあの数は多いけどねぇ」
純粋な歩兵は100を超えてるらしいから兵器が無くても物量の差が懸念。
〈では、ホシノとシロコは乱戦に持ち込んでもらいノノミは後方から弾幕で退却経路の確保を〉
そしてセリカは狙撃でチマチマと100人を削る係。
「……あんたたちもう知ってたの?」
〈ラブとその他はトリガーの護衛を増援は続けてくると思われるので注意をなるべく個人に〉
僕の知らない間でロバートはヘルメット団の動きを検知して真っ先に対策委員会に連絡。
そして何らかの約束を交わして対策委員会を防衛地点として借りることになった。
ちなみにヘルメット団の目的は僕でも学校でも無く、僕が持っているビブラニウムらしい。
一見円盤の金属と変わらないこれを狙うって事はまあ、本格的に奴らが関わってそう。
開戦から5分が経過、事前に弾薬は買い込んでいたけど持ち運べる弾薬には限りがある。
だから長期戦になって問題になるのは弾薬の問題、それをカバーする為には……。
〈弾薬の補給はなるべくドローンでサポートしますので前線の維持を〉
SHIELD機材からドローンをあるだけ引っ張り出して爆弾を投下するなら弾薬の補給なり……。
とにかくロバートが本気で動きまくってた。
本当なら元締めを消したいところだったみたいだけど見つからなかったから撃退で妥協らしい。
「ヘルメット団半数が崩壊!、しかし後方から100人ほどの増援です!、この数は流石に……」
〈それでは"厄災"に当たって貰います〉
助っ人はロバートが何かをやって脱獄させた……。
たしか七囚人の……"厄災の狐"。
襲撃事件を複数起こして尚且つ無差別で大規模な破壊行為を繰り返すからついたあだ名みたい。
総合的な脅威度・周囲に与える被害という意味ではキヴォトスでもトップクラスらしい。
だからこそ、彼女が暴れ出すとこの世界にはとっては"大きな問題"になる。
それこそ、脱獄した囚人をとっ捕まえようとする組織がちなまこに動くくらいには。
〈ヴァルキューレ及びSTRが動き出した事を確認、事前に自治区への立ち入り許可は出しました〉
「もしかして……連邦生徒会にもこれが?」
〈恐らくは少なくともこれでヘルメット団は本来の目的を果たしづらくなったかと思われます〉
こうして治安維持組織が出てくることでヘルメット団は動きづらくなった。
あと狐も暴れるだけ暴れて逃げてもいいって伝えてるんだって。
対策委員会はアビドスの生徒として学校を不良から守ってるだけ。
厄災の狐が帰ってSRTも消えても大規模に暴れるヘルメット団を
さて、この戦況でロバートに対面してる打ち手は何を出す?。
〈私の読みであれば持久戦においては我々の勝ちでしょう、次に厄介なのは血清持ちの有無です〉
[こちらシロコ、妙に動きが良い生徒が何人か……ん、厄介]
〈恐らく不良達の間で流通している喧嘩に強くなるドラックでしょう。優先的に倒してください〉
短時間だけだけど著しく身体能力が向上する血清。
中毒性もかなり高いものでアマネが持ってた注射の中身もそれだった。
意識を朦朧とさせて中毒性の高い血清を打ち兵士にする。
あれには中毒性以外の副作用は無い分効果に個人差があり過ぎるから使用者は限定される。
廃墟に監禁された生徒たちはその適性を得るために何かしらの実験をされてたってとこかな。
〈懸念はやはり……歩兵でしょうか、少数でありながら度々前線を上げられている〉
「しかしヴァルキューレも交戦を開始したようなのでこれ以上は……」
〈彼女達の意思は特別考えていません、問題はその裏側にいる存在です〉
ロバートがどれだけ調べても裏の存在が出てこない。
だから、そいつらにとってここで辞めるメリットはない。
〈増援を確認、戦車もです。オートマタは確認できず……厄災はまだ遊んでくれているようです〉
開戦から15分、相手は物量の電撃戦に移行しつつあって苦しくなってきた。
相手の機甲師団の形成でホシノとシロコの2人だけじゃ止め切るのは難しい。
ワカモとヴァルキューレにはこっちから命令出来ない。
折り返し地点まで来たけどまだ身体の作りきれてない。
〈……ラブ聞こえますか?〉
「……え?なに?」
〈トリガーは今どんな状態で?〉
「理科室にある骨格模型みたいな……」〈ではちょうど良いですね〉
〈端的に言えば貴方には装置の設定を一部変更してもらいますので今から指示をします〉
「え、ええ?」
カプセルなんでも作れるのはダークホールドの知恵から生まれた小さな働き者がいるから。
物質が持つ分子を切り離して自由に付け替えできるナノマシン、それがカラクリの正体。
電力を与える度に過剰な分を消費しようとして動きが活発に、つまりダイエットする。
食べれば食べるほど太るから食べた分だけ働く。
限界があるかどうかも今も不明、とりあえず更に電力を与えるって選択もあったらしいけど。
ロバートが考えたのはもっと奇抜なアイディア。
〈言うことを端末に入力してください。〉
【INITIATE CELLULAR CONVERSION PROTOCOL】
【TARGET: SUBJECT-TRIGGER】
【MATERIAL: NANOMACHINE_CORE-ALPHA】
【FUNCTION: FULL ORGANIC-SYSTEM REPLACEMENT】
【EXECUTE】
〈……
「ねえ入力したけど、この後どうすればいいの?」〈……何か刺激を与えられるものは?〉
「はぁ?」〈こう……痺れるものです〉
「あっ、カプセルの横にスタンバトンはあるわよ」〈ではそれをカプセルに当ててください〉
「はぁ?」
ナノマシンは電力とは別に、他のエネルギーを動力にすることもできる。
それは僕の身体に巡るエネルギーでもある。
僕の中には外部のエネルギーを拒むことで生まれる、密度の高い、途切れない力がある。
それがあるから、僕は“充電”なんてしなくても動けるし、止まらずに、戦える。
その仕組みの核になっているのが……“ハートストーン”。
ダークホールドと一緒に現れた、未知の物質。
ストーン名前なんてついてるけど、あれはただの鉱石じゃない。
例えるなら……存在そのものを動かす、何かの“意志”に近いのかな?。
そんなことは置いておこう。
〈……やはり意図的な刺激にはさらに反応を示す、作業の加速化を確認〉
「これめっちゃ、青く光ってるけど大丈夫なの……!?」
〈元気な証拠です、続けてください。10分短縮され残り後5分、皆さん持ち堪えてください〉
機甲師団の到着まで、あと10分。
……もしうまくいけば、目覚めた僕が全部まとめて片付ける。
でも、今の僕の意識は……うまく言えないけど、ぐちゃぐちゃ。
身体の中でナノマシンたち全部と繋がってる感覚があって、自分で自分じゃないみたい。
妙に落ち着いてる。
なんだろう、この変な感じ。
確か……誰かが喋ってたっけ?。
「……ねえ、何であの時あんな事聞いたの?」
――君はお金が欲しいから此処を守っているのか――
――何か理由があってここを守ってるのか――
――どっち?――
「……お金の為よ……居なくなった
『……』
「どっちかなんてない、ただ私はやりたいようにやってるだけ、あんたはどうなの?」
『……』
「あんたこそ……なんで私を助けてくれたの?、助けてなんて一度も言ってないのに」
そうだなぁ……なんか、すごい我儘聞こえた気がする。
「起きてよ、助けて。アマネを助けて。わたし、諦めてた、一回見つかんないって諦めた」
〈……数値に変動を確認、バイタル……生体バイタル?〉
「早く起きて……アマネをあんなことにした奴らを叩きのめすのを手伝ないさないよ。」
〈ラブ、そちらではなにが〉
「さっさと起きて……一緒に、"ヒドラ"とかいう奴らを1発かましてやんなさいよっ!!!」
〈……その名を何処で?〉
【ENERGY LEVEL EXCEEDED】
【WARNING: NANOMACHINE CONTROL LOST】
【THRESHOLD BREACH – CAPSULE INTEGRITY AT RISK】
【UNAUTHORIZED CONSTRUCTION SEQUENCE DETECTED】
〈想定に無いシーケンスが高速で進行、何かに制御を剥奪されたと予想、意識が……覚醒します〉
【UNEXPECTED SEQUENCE ACCELERATING BEYOND CALCULATED PARAMETERS】
【CONTROL OVERRIDE DETECTED – EXTERNAL INFLUENCE PROBABLE】
【CONSCIOUSNESS REACTIVATION IMMINENT】
「……光が無くなった?」
【MANUAL CAPSULE OPENING】
【EMERGENCY SEALING PROTOCOL INITIATED】
「……なんかやばそうな文字出てるけど――」
出る時はなんか開かなくてロバートも返事がなかった、だから仕方ないから……。
「?!」
蹴破ることにした。
目覚めた時には……暗くて。
音もなく、何も感じない。
けれど、確かに“何か”が終わって、“何か”が始まった。
重たくまとわりついていた膜のような感覚が、スッと剥がれた。
意識が、水面から顔を出したように浮かび上がる。
身体の感覚はちゃんとある。
ナノマシンの感触が皮膚の内側でうねって、神経を這っている感触。
右脚を上げる。
あおむけのまま、蓋に向けて膝を曲げて。
また全力で蹴り上げた。
「ちょ……ちょっと」
拳も足も何度も真上に叩きつけて、拳に伝わる振動を次にはもっと強く感じて。
『HELLO WORLD』
しっかり見える両目に体育館の蛍光が入ってきて眩しさを感じる。
懐かしいようで清々しいようで……身体の中に入ってくる空気の流れが新鮮で。
「……あんた、治ったの?」
『……生まれ変わったって言えばいいのかな?、ラブちゃん……だっけ?……ぽわぽわする……』
「……しっかりしなさいよ、さっきまであんなに派手に……ちょっ――?!」
『……あぁ、あったかい。』
ラブちゃんの手からちゃんと体温が伝わる。
懐かしい暖かさ……人の匂いがする。
「……大丈夫?」
『うん、じゃあ……ラブちゃん。』
――”僕は何をすればいい?”――
【トリガーのメモ:ビブラニウム】
理論上破壊不可能という最強の金属
でも耐久力というよりも最強という点は幅広い素材としてだと僕は思ってる。
どのようにやっているのか色々あるけど様々な形へと加工しやすくて。
様々な用途に利用できる場合がとても多い。
円盤状の盾とか薄いナノマシンのスーツとか人工細胞とか色々ね。
でも持ってる分は全部自分の身体に使ったから手元にはもうない。
どうにかして手に入れられないかはいつも考えてるけど。
ワカンダに行ける方法……ないかな?。