すいません
本当に
僕が起きてから暫く経った。
いやまぁ、2週間ほどだが。
起きてからは色々あった。
この
聴いた時は顔には出てなかったが、中々悪い気分だった。
実際に銃を撃ち合っている場面に出くわして顔を顰めた。
アイツらが望んだ姿に近しいものを見て頭を抱えたよ。
ホントに。
でもまぁ、ここにはアイツらの情報も足跡も何一つ無いから安心…安心?と言えるだろう。
…治安は安心ではないが。
そう言えばなんだが、この前早瀬さんがシャーレに訪れた。
今回は先生がまた無駄遣いしてないかの様子見だと。
その日は早瀬さんは当番…あぁ、当番ってのはシャーレのシフトみたいな物だ。
…何言ってるんだ僕は
まぁいいや、それでなんの音沙汰も無い状態で来られた時、先生は青い顔になりながら焦っていた。
突然のガサ入れに対応出来ず、見事6桁台まで登る高額プラモのレシートが見つかった。
先生は正座しながら早瀬さんに怒られていた。
可哀想かって?…妥当だろ。
趣味にお金を注ぐのは…まぁいいとは思うぞ?否定出来ないし。
それでも、月にウン十万ぶっ飛ばすのは止めた方がいいと思う。
いくら稼げているからってそこまで飛ばしたら生活費がカツカツになるのもだ。
ホントにちゃんとご飯を食べて欲しい。
先生は普通の人間なんだから。
そう思ってたら早瀬さんから〘カオルさんもこれは駄目ですよね!〙って、言われた時はびっくりしたよ。
その時は本心をそのままぶつけましたよ。
〘…先生、私は趣味には何も言いませんが出費については本当に抑えてください〙
〘'で、でも…限定品だから、仕方な'〙
〘なくないですよ、月に幾ら飛ばしてると思ってるんですか〙
〘'で、でも〜'〙
〘早瀬さんに申し訳ないとは思わないんですか?忙しい中家計簿も付けてもらっているのに〙
〘'ゔッ'〙
〘思うんでしょう?だったら少しでも負担を減らす為に私が趣味についての出費の管理しますから〙
〘'そ、それって…'〙
〘…趣味の出費は月に5〜6万円程にします〙
〘'イヤだァ!!'〙
〘大の大人が駄々こねないでください…〙
〘'悪魔!鬼!'〙
〘あ〜最後まで話聴けば救済があるかもしれないのになー(棒)〙
〘'…'〙スンッ
〘先生が仕事頑張った分その月の上限があがるかもしれませんね〙
〘'よぉし仕事頑張るぞ!'〙
〘でも今月は駄目ですよ〙
〘'え'〙
〘今月はもう十分買ったでしょう?〙
〘'…イヤだァ!!'〙
あの後は大変だったなぁ…
まぁ〘仕事頑張ればチャンスあるんじゃないんでしょうか〙って言ったら凄い勢いで仕事に取り組み始めたから良かったとは思う。
チャンス?…もちろん無かったよ。
あの後別の高額グッズのレシートが出てきたからやめにした。
だから来月の給料日までは我慢してもらうしかないね。
慈悲?…無いよそんなもの。
あれ以上許可したら勝手に破滅するだろうし。
てか先生は割と珍しいタイプの人だと思う。
先生は女性なんだが、メカだったりカッコいいものとか浪漫に振り切った物とかが好きだ。
偶に居る趣味、思考が男子生徒な人。
まぁ…それも人それぞれだからな。
それはそれとして、自身に来ていた依頼の時間が近ずいていた。
背もたれに掛けていた黒いコートを羽織り、自家製のハンドガンと小型の盾を腰辺りに装着する。
依頼の場所へ向かおうと、シャーレの出口へと向かう。
「仕事頑張ってくださいね先生、私は依頼を終わらせてきます」
「'気をつけてね、まだ傷が完治してないから'」
「分かってますよ…それじゃぁ」
ドアに手を掛け、シャーレを出ていく。
空にはとても透き通った青い空が広がり、洋風な建物、そして鳴り響く銃声と爆発音。
…頭を抱えるしかないよ、この
破裂音が鳴り響く青い空を見上げ、顔を顰める。
ヘイローがある上に銃が身近にあるせいで治安が最早無に等しい。
だが死傷者が出ないのは殺しちゃいけないというモラルによるものだろう。
ここでは最低限…最低限?まぁ最低限の常識はあるらしい。
でも引き金は軽いし犯罪は当たり前。
…まぁ、死が聞こえないだけでもいいんじゃないかな。
この世では死が1番怖いんだから。
そんな事を考えていると…
「あっ、あの、カオルさんですか?」
「ん?」
話しかけられた方へと向くと、ゲヘナでは珍しい落ち着いた娘が居た。
「そうです。てことは、貴方が依頼者のハナイさん?」
「あっ、そうです」
「とりあえずそこのカフェで話しましょうか」
「あっ、はい」
静かなカフェテリア。
少し薄暗い店内が流れるジャズと共に雰囲気を醸し出している。
端っこのテーブルに男女が向かい合いながら座っていた。
その男は内心顔を顰めていた。
なぜなら
(威圧感…凄いよなぁこれ)
(ギヴォトスには男の人は居ない…見慣れない奴の上に無駄に身長が高いから怖いよなぁ…そりゃ)
目の前の娘に少しでも威圧感を与えない為に服装を変えてこれば良かっただろうかと思った。
とりあえず今の感情を出さないようにしながら依頼者の依頼内容を確認する。
「最近誰かに付けられている様な気がするから護衛をして欲しい…護衛の依頼で大丈夫ですね?」
「あっ、はい…お願いします」
「じゃぁとりあえず」と言いながら男はコートのポケットから黒い輪っかを出した。
「あっ、えっと…これは?」
「腕輪型のGPS…もし何かあった時にすぐに対応したいですから付けといてください」
「あっ、はい…」
話を終えた男女は席を立ち、男が少女の前を歩きながらカフェを出る。
「ぐっ?!」
突然の事だった。
カフェを出ると同時に男の顔面に煙が吹きかけられる。
(目が開けられない…催涙ガスか?!)
「キャッ!」
「さっさと行くぞお前ら!」
(早く…早く慣れてくれ!)
ブロォンッと、甲高いエンジン音を立てながら車がこの場から離れていく。
車が目の前の曲がり角を曲がるのと同時に男は目を開ける。
「…おせーよ、クソが」
男はポケットから長方形機械を取り出し、赤い点を見つめる。
とある廃墟。
ヘルメットを被った少女達がたむろしながら会話をしている。
「あの賞金狩りの姉がこんなんだとはなぁ」
「てか賞金狩りじゃなくて姉の方なんだね」
「依頼者の考えなんて知らねーぇよ…アタシ達は仕事をこなすだけだ」
そんな他愛のない会話を続けていると
ドガァァン
「何だ!?」
「奥で爆発した!」
「とりあえず行くよ!」
ヘルメットを被った少女達は全員でわちゃわちゃしながら爆発音がした方へと向かった。
ぽつんと1人残されたの両手両足が縛られたハナイだった。
(ど…どうしよう)
不安に駆られていると、後ろからコツン…コツン…と足音が聞こえてくる。
後ろへと振り向くと、黒いコートを羽織り眼鏡を掛けた男が立っていた。
男は右手の人差し指を口元に当てている。
そのまま近づいて縛られている縄を解く。
「立てますか」
「あっ、はい立てます」
「とりあえず逃げ「おい、アイツ誰だ!」…思ったより早いな」
男は腰に装備していたハンドガンを取り出し、側面のスイッチを押す。
男は周囲を確認すると、ハナイを抱き抱える。
「あっ、え、え!」
「舌噛むかもしれないので口閉じててくださいね!」
男はハナイを抱えたまま駆け出し、窓へと飛び蹴りをかます。
交換もされず経年劣化したガラスはガッシャーンと音を立てながら割れ飛び散る。
その窓から破片と共に飛び出した男とハナイ。
男は正面にある廃ビルにハンドガンの照準を合わせ、引き金を引く。
発射口から弾丸の様な何かとそれに繋がったワイヤー。
弾丸の様な物は廃ビルのガラスを貫通し、その階の天井へと突き刺さる。
ワイヤーがピンと張り、ハンドガンからキュルキュルと音が鳴る。
突き刺さった所を点として、弧を描きながら突き刺さった階の1つ下の階の窓を破り、その階へと侵入する。
男はハナイを下ろし、先程居た廃墟を見る。
「ここで待っててください、片付けてきます」
「…あっ、はい」
ハンドガンはキュルルッと、音を立ててワイヤーを完全に仕舞いきる。
男はまた側面のスイッチを押して廃墟へ照準を合わせる。
引き金を引くと当たり前の発砲音がし、着弾すると煙が広がる。
男は左手に小さいが盾を装備し、また側面のスイッチを押した。
男は何も言わずに駆け出し、窓から飛び出した。
またワイヤーが飛び出し、壁に着弾する。
そこを点として弧を描き、煙が残っている場所へと突っ込んでいく。
煙から飛び出し、黒いコートをなびかせながら盾で銃弾を弾き、ハンドガン一丁で敵を薙ぎ倒して行く。
その姿を見ていたハナイは
「…カッコイイ」
見惚れていた。
主人公 情報
黒崎 カオル
年齢16歳
戦闘経験はないが戦闘技能と戦闘センスはずば抜けて高い。
現在でもホシノとヒナの2人組でも対等に渡り合えるとか何とか…
身長186cm
目が悪いので眼鏡を掛けている。
過去の記録 「それは見せられないな」