現代魔法術はアプリで効率化!私は私の魔法術を極めたい 作:サモア リナン
再生能力を否定する魔弾。その魔力消費量は桁が違う。
春佳奈は合流前にすでに数発を撃ち、合計で10発──限界に近かった。
「……っは、はぁ……魔力……もう、ない……」
片膝をつき、肩で荒く息をする春佳奈。
額には玉のような汗。視界は霞み、眩暈が襲う。魔力の枯渇だ。
「先輩! 大丈夫ですか!?」
駆け寄る太が、倒れかけた彼女を支えた。
「……ごめん、もう一発も撃てない……。あとは、お願い……」
彼女はかすかに笑って、太に託す。
太は力強く頷く。
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「斎藤さん! こっちにまだ未処理のヴァイタルが!」
阿戸の声を受け、斎藤の雷槍が戦場を駆ける。
「封印術式、使うよ。アプリはダウンロード済みよね? デバイスリンクで武器と連携して」
「はい!」
轟くような咆哮。地を這うような機械音と共に、敵の接近を知らせる足音が響く。
「早く合流して! 他のランカーパーティーもこっちに来てるらしい!」
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【数分後・別戦場】
そこにはすでに、火と破壊が渦巻いていた。
三体の巨躯ヴァイタルを相手にしているのは、男性三人組のランカーチーム《オクロッカー》。
筋肉の塊リーダー・大匙、軽業師・佐治、範囲術師・長内。
「チッ、やっと攻撃通ったのに再生するとか、ふざけんなぁ!」
「大匙、左の奴が突っ込んでくるぞ!」
「分かった!げぇ、、この装甲、斬れなくなった!」
少し離れた位置では、女性ランカー四人組《シン・リーダーズ》が囲まれていた。
長髪のリーダー・鈴を中心に、叶、瑞、そして──
「りん!?」
「ごめん……足、やられた……!」
「もう持たない……誰か──っ」
その瞬間、轟音が戦場を切り裂いた。
──ドォン!!!
一体のヴァイタルが、胴体から真っ二つに裂け、吹き飛ぶ。
「間に合ったわね。全員、援護に入るわよ!」
ミセスの声が戦場を貫く。
空気が、風が、流れが変わった。
「二戦目です!」
斎藤の雷槍が火を噴き、阿戸の隠遁術がナイフと術式を連携して封印を決める。
ヒゲ男は盾となり、ミセスはシン・リーダーズの元へと滑り込む。
「この子は預かった! あなたたちは攻撃に集中して!」
「援護、感謝……!」
鈴が顔を上げ、剣を再び握り直す。
太は敵の背後へ滑り込み、拳を構える。
「こっちは任せて。前に集中して!」
「助かる」
斎藤が雷槍を構え直し、黒峰が横に並ぶ。
「合体される前に封印しちまいましょう、黒峰先輩」
「おう。春佳奈はもう下がってるしな」
攻撃のリズムが完全に変わった。
雷で動きを止め、刀で切り裂き、封印で止めを刺す。
太の打撃が要所で効き、ヒゲ男が守りを固める。
そして──
最後のヴァイタルが、封印された。
**
「……ふぅ、終わったか」
黒峰が剣を肩に担ぎながら呟く。
斎藤は汗を拭いつつ、息を吐いた。
「さすがにやりきった感ありますね。今夜は泥のように寝ます」
そこに、オクロッカーのリーダー・大匙が近づいてくる。
「借りができたな。名は?」
「黒峰。こっちは斎藤櫻、太たち。春佳奈は魔力切れで休んでる」
「……助かった。俺は大匙、オクロッカーのリーダーだ」
「鈴です。シン・リーダーズ代表。……命の恩人ですね」
互いに軽く会釈を交わす。
わずかに、戦場に静寂が戻る。
だが──
「……これで、全部じゃないんでしょ?」
ミセスの声に、空気がまた張りつめた。
「ああ……作ってるのは、神宮寺家とネクストらしい。太、知ってること全部教えろ。場合によっては──本社を制圧しに行く」
「……了解です」
風が吹く。
それは、決して穏やかな音ではなかった