現代魔法術はアプリで効率化!私は私の魔法術を極めたい   作:サモア リナン

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第21話:残響

再生能力を否定する魔弾。その魔力消費量は桁が違う。

春佳奈は合流前にすでに数発を撃ち、合計で10発──限界に近かった。

 

「……っは、はぁ……魔力……もう、ない……」

 

片膝をつき、肩で荒く息をする春佳奈。

額には玉のような汗。視界は霞み、眩暈が襲う。魔力の枯渇だ。

 

「先輩! 大丈夫ですか!?」

駆け寄る太が、倒れかけた彼女を支えた。

 

「……ごめん、もう一発も撃てない……。あとは、お願い……」

 

彼女はかすかに笑って、太に託す。

太は力強く頷く。

 

**

 

「斎藤さん! こっちにまだ未処理のヴァイタルが!」

 

阿戸の声を受け、斎藤の雷槍が戦場を駆ける。

 

「封印術式、使うよ。アプリはダウンロード済みよね? デバイスリンクで武器と連携して」

 

「はい!」

 

轟くような咆哮。地を這うような機械音と共に、敵の接近を知らせる足音が響く。

 

「早く合流して! 他のランカーパーティーもこっちに来てるらしい!」

 

**

 

【数分後・別戦場】

 

そこにはすでに、火と破壊が渦巻いていた。

 

三体の巨躯ヴァイタルを相手にしているのは、男性三人組のランカーチーム《オクロッカー》。

筋肉の塊リーダー・大匙、軽業師・佐治、範囲術師・長内。

 

「チッ、やっと攻撃通ったのに再生するとか、ふざけんなぁ!」

「大匙、左の奴が突っ込んでくるぞ!」

 

「分かった!げぇ、、この装甲、斬れなくなった!」

 

少し離れた位置では、女性ランカー四人組《シン・リーダーズ》が囲まれていた。

長髪のリーダー・鈴を中心に、叶、瑞、そして──

 

「りん!?」

「ごめん……足、やられた……!」

 

「もう持たない……誰か──っ」

 

その瞬間、轟音が戦場を切り裂いた。

 

──ドォン!!!

 

一体のヴァイタルが、胴体から真っ二つに裂け、吹き飛ぶ。

 

「間に合ったわね。全員、援護に入るわよ!」

 

ミセスの声が戦場を貫く。

空気が、風が、流れが変わった。

 

「二戦目です!」

斎藤の雷槍が火を噴き、阿戸の隠遁術がナイフと術式を連携して封印を決める。

 

ヒゲ男は盾となり、ミセスはシン・リーダーズの元へと滑り込む。

 

「この子は預かった! あなたたちは攻撃に集中して!」

 

「援護、感謝……!」

 

鈴が顔を上げ、剣を再び握り直す。

 

太は敵の背後へ滑り込み、拳を構える。

 

「こっちは任せて。前に集中して!」

 

「助かる」

 

斎藤が雷槍を構え直し、黒峰が横に並ぶ。

 

「合体される前に封印しちまいましょう、黒峰先輩」

「おう。春佳奈はもう下がってるしな」

 

攻撃のリズムが完全に変わった。

雷で動きを止め、刀で切り裂き、封印で止めを刺す。

太の打撃が要所で効き、ヒゲ男が守りを固める。

 

そして──

 

最後のヴァイタルが、封印された。

 

**

 

「……ふぅ、終わったか」

 

黒峰が剣を肩に担ぎながら呟く。

斎藤は汗を拭いつつ、息を吐いた。

 

「さすがにやりきった感ありますね。今夜は泥のように寝ます」

 

そこに、オクロッカーのリーダー・大匙が近づいてくる。

 

「借りができたな。名は?」

 

「黒峰。こっちは斎藤櫻、太たち。春佳奈は魔力切れで休んでる」

 

「……助かった。俺は大匙、オクロッカーのリーダーだ」

 

「鈴です。シン・リーダーズ代表。……命の恩人ですね」

 

互いに軽く会釈を交わす。

 

わずかに、戦場に静寂が戻る。

 

だが──

 

「……これで、全部じゃないんでしょ?」

 

ミセスの声に、空気がまた張りつめた。

 

「ああ……作ってるのは、神宮寺家とネクストらしい。太、知ってること全部教えろ。場合によっては──本社を制圧しに行く」

 

「……了解です」

 

風が吹く。

それは、決して穏やかな音ではなかった

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