GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
闇のキラキラを見て、なんでかめちゃくちゃモチベーションが湧いた為、書かせて頂きました。
……人生ろくな事がない。
「おい、いたぞ!」
「待て!」
「っ!」
……でもまあ当然か。
「止まれ!」
……あんなことしでかしたんだし、ろくな死に方もしないんだろうな。
「ハァ…ハァ、ハァ、ふぅ……」
軍警のやつらを撒いたことを確認し、静かに歩き出す。
そういえば……今日って、マチュに呼ばれて……いや、今日はちょっと無理かも。一応伝えに行かないと。
人目を避けながら歩く。目ざとく難民を見つける軍警相手でもなければ、見つからないように歩くのはそう難しくない。
「――ニャアン!」
……訂正、私のことを探してる相手は例外。
「マチュ」
「ふふ」
いつも思うけど、なんでこの子こんなに嬉しそうなんだろ……
片や本物のお嬢様、片や地位もお金もない難民。普通に考えたら逆だと思うんだけど。
……いや、少なくとも私は普通じゃないか。
なんせ、転生者だし。
過去の記憶は、今でも鮮明に思い出せる。
あの時の私は、降って湧いた2度目の人生――それも大好きだったガンダムの世界――に興奮していた。
いつかはガンダムに乗って戦うんだーなんて言って、両親を困らせてたっけ。
私は好きだった。ガンダムというMSが、それらに乗り巨大な敵を討つ主人公たちが。
……馬鹿な話だと思う。主人公たちがどんな気持ちで戦ってたのかも知ろうともせず、上辺だけでものを考えて。
いくら心理描写が描かれているからといっても、所詮はアニメ。全部が全部描かれている訳じゃない。
……でも、あの頃の私は、そんなことも分かってなかった。それに…戦争の悲惨さも。
あの日、全てを失った。
住む場所も、食べるものも、お金……それに、血の繋がった家族も。
あれだけ憧れていた非日常に巻き込まれても、私はちっとも喜べなかった。
ずっと涙が溢れるばかりで、止まらなかった。
……自分でも思う。馬鹿な子供だと。
プチモビでなんとか滅びの道を辿る故郷から逃げ出して、宛もなく彷徨う日々。
……家族が生きてるかも、なんて希望はない。あの日2人は確かに死んだ。私を逃がす為に。
前世の記憶があるなんて、おかしなことを言う私でも、それでも自分たちの子供だって言って愛してくれた両親。
あんなに大好きだったのに……失う時は一瞬。
大事なものは失って初めて大切だったことに気付く。……前世でよく聞く話だったけど、改めてその話の正しさに気付いた。
お父さんとお母さんに助けてもらったから、無駄死になんて許せなくて……生きる為には、手段を選ばなかった。
なんとか今日を生き延びて、また明日を終えられるかは分からない。
そんな不透明な日々を過ごしてきた。
……だから、あの機体――ガンダムが私の目の前に現れた時も、素直に喜べなかった。
あの日の出来事が、まるで【悲惨な過去】というスパイスにされてるみたいな気がして……
「……」
今私の目の前には、そのガンダム――RX-78-04、またはG-04 ガンダム4号機がある。
あの時から、運命を共にしてきた私の愛機。
4号機を見つけたのは、本当に偶然だった。
少しでも物資が残っていれば……そんな僅かな希望にすがりながら破壊された連邦の基地に潜入して、そこらに広がる死体に吐きそうになりながら探索した果て、そこにあったのだ。
破損したハッチの先、非常灯の光に照らされる青いガンダムが。
……そんな都合よくとは思ったけど、よくよく考えるとただの偶然だったと分かる。
その証拠に相方である5号機は完全に破壊されてた訳だし。
私がガンダムに乗りたいなんて願ったから、こうなったんじゃないか。
あの頃の私は真面目にそう思ってたし、4号機に乗るかは悩んだ。
悩んで悩んで、また悩んで……結局、私はここにいる。
「マチュとシュウジのため…だけど……」
私を助けようとして、また軍警に喧嘩を売ったマチュ。
そんな彼女は今、見知らぬ茶髪の青年と共にロッカーに隠れている。……もうすぐクラバが始まる。不戦敗になんてなったら、違約金でこれまでの賞金なんて軽く吹っ飛んじゃう。
……悩んでる暇は、ない。
コクピットに乗り込み、各種機器を作動させていく。
慣れた手付きで、通信をカネバン有限公司に繋げた。
『だ、誰!?っえ、君は……』
「私が出る」
『な、なんて?』
「話はそっちで付けて。登録名は……Black Cat、機体名はガンダム4号機!」
『が、ガンダム!?』
「早く!」
唾を飛ばしながら通信を切断し、機体を立ち上がらせる、
すぐ後ろのエアロックまで歩かせ、手動でハッチを開く。
「うっ、ぐぅっ!」
空気の流れに合わせて、凄まじい勢いで吸い出されるガンダム4号機。
姿勢制御バーニアを吹かせ、体勢を整え、暗黒の宇宙へと飛び出す。
「2号機は…赤いガンダムは!?」
マチュのマヴ、シュウジ。彼の駆る赤いガンダムを探し……見つけた。
でも……
「なんだろう…様子がおかしい」
普段のキレはなく、フラフラと落ち着かない様子。
シュウジになにが……
「分からない…でもそんなことも言ってられない。シュウジ、大丈夫?」
『グルグル、回る……』
……ダメだ。宛にできない。というか、これ早く病院連れてかなきゃダメなんじゃ……
「っ!」
始まった!集中しなくちゃ…相手は……えっ
「ど、ドム!?」
どこかで見たような動きで近づく2機のリック・ドム。
「嫌な感じ……近づかれたら不味い!」
腕部下部のビームガンを撃ちつつ、メガ・ビーム・ランチャーを構えて牽制。
効果は……
「っ!?」
動きが変わった!?
こっちじゃない……狙いは、赤いガンダムかっ!
「シュウジ!気を付けて!」
『あう…』
「クッ!」
射撃機能以外の全てをカットし、メインサブ含めた全ジェネレーターのエネルギーをメガ・ビーム・ランチャーに送り込む。
「当てないように……そこ!」
圧倒的なエネルギーの奔流を渦巻かせながら、砲門から放たれるビーム光。
赤いガンダムを狙っていたドムたちもそれに気づいたのか、2機揃いその場から脱する。
……あの連携、それにドム。1人足りないけど、まさか…!
だとしたら不味い。いくら
「シュウジ!起きて!お願いだから!」
メガ・ビーム・ランチャーをマウントし、ビーム刃はオフのままビームサーベルを引き抜く。
同時並行でビームガンを連射し、牽制。スラスターを噴かせて距離をとる。
「あまり離れすぎると赤いガンダムが狙われる……でも接近戦も不味いかも…!」
私の腕じゃ、あの天パみたいにできる自信はない。
でもこのままでいる訳にも……
どうしよう!?どうしよう…!?
「っ…ハッ!?ドムはどこ!?」
頭を抱えた隙にドムが視界から消えていた。
赤いガンダムは……狙われてない。
なら……まさかッ!?
「――ゥぁぁぁあっ!」
コクピットを揺らす激しい衝撃に歯を食いしばりながら、操縦桿を倒し、ペダルをベタ踏みする。
一度引き抜いたサーベルをバックパックに戻し、代わりにサイドスカートから携行武装のビームライフルを引っ張り出す。
「シュウジ!これ!」
『ぅあ…?……懐かしい。っと、ガンダムが言っている…』
「それはいいから!撃って!」
赤いガンダムにライフルを投げ渡し、周囲を周回する。
……自分自身馬鹿なことやってるとは思う。……けど、ここで赤いガンダムを破壊される訳には行かない!
「落ち着け…落ち着け私…タイミングを見ろ、シュウジに息を合わせて……」
やっぱ無理!?
シールドを割り込ませ、ドムの猛攻に耐える。
なんでか分からないけど…
「ぅあ!!?」
さっきのメガ・ビーム・ランチャーを見てか、完全にこちらをロックオンしたドム。
1機の攻撃をシールドで防いだ瞬間、もう1機に横から蹴りを叩き込まれ、シールドが宙を舞う。
咄嗟にビームガンを乱射し、シールドを回収しようとするも、バズーカに阻まれ距離を離される。
「ぅぅぅ…ウゥ!」
メガ・ビーム・ランチャーに手を伸ばし、構える素振りを見せれば、即座に向かってくる2機のドム。
即座に手を離し、両手でビームサーベルを抜刀、ビーム刃を発振させる。
「……ここ!ぁぁっ!?」
ドムの動きを目で追い、ここぞというタイミングでサーベルを振るったものの……ビーム刃は空を切り、逆に手痛い反撃を貰う羽目になった。
更に、渾身の一撃を躱され、体勢を崩した所にワイヤーのようななにかが足に取り付く。
「え…なに、こ――あぁぁぁぁぁ!?!?!!」
全身を貫く電撃の痛みに、体が勝手に悲鳴をあげる。
体を掻き抱くと共に、操縦桿から手が離れ、一時的に機体が無防備になった。
――そして相手はプロの軍人、こんなに大きな隙を見逃してくれる筈がない。
「あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」
悲鳴を上げる間にも1機のドムにより機体が引っ張られ、その先に待ち構えていたもう1機のバズーカが直撃、爆炎が広がる。
衝撃にルナ・チタニウム合金製の装甲が揺れ、軋み、一部が破損したことを計器が伝えてくる。
弾頭の爆発に巻き込まれたのか、ワイヤーが切れ電撃も収まるも、安心はできない。
「ツ、っ…!」
痛みの残る身体に鞭を打ち、なんとか手放したサーベルを回収したところで、再びドムの強烈な蹴り技が炸裂。
「っ!?」
衝撃に吹き飛ばされる中、モニターに再びバズーカを構えるドムが映り込む。
放たれたバズーカに対し、咄嗟にラッチにマウントしていたメガ・ビーム・ランチャーを盾にすることで、なんとか凌ぐ。
メガ・ビーム・ランチャーが爆散し、機体が爆炎に包まれる。
「〜〜〜〜!!!くそがァァァ!!!」
ジオンッ!テメェらジオンはいっつもそうだ!私から――”俺"から幸せを奪いやがってッ!
もういい…もういい怒ったぞ。
どうせ
フルスロットルで宇宙を駆け、2機揃って向かってくるドムに突撃する。
「逃げんなぁ!」
突然の暴挙に驚いたのか、慌てて交わそうする1機の脚部を掴み取り、膝関節をビームガンで破壊。
怯んだところにもう一撃、バズーカを吹き飛ばす。
「フレンドリーファイヤはできないだろ」
勇猛果敢にバズーカを構えるもう1機に向け、再び怯んだドムをバッと突きつければ……予想通り、バズーカの砲門を明後日の方向に向けた。
「甘いな」
ビームサーベルの刃を発振、ドムの胸部に突き刺す。
動力部にでも引火したのか、機体各部から誘爆の炎が立ち込め始めたドムを蹴り飛ばし、爆炎に紛れスラスターを吹かす。
呆然。たった一瞬……しかし、戦場においては致命的な隙を晒したもう1機のドムに、まるで死へと誘う死神の如く、ツインアイの光を輝かせたガンダム4号機が迫る――!
コクピットにビームガンを突きつけ、操縦桿の引き金を引いた。
「もう遅いんだよ」
銃口から飛び出した光弾が、逃げる暇すら与えずにドムのコクピットを貫く。
「ふぅ……」
胸部に穴を空けたドムを足蹴りにし、暗黒の宇宙に咲く汚い花火を尻目に、息を吐いたところで……我に返った。
「……またやっちゃった」
"俺”なんてもう捨てた筈なのに……ダメだなぁ、私……
ガックリと肩を落としていると、前を横切る赤いガンダムから通信が入る。
『逃げた方がいい。と、ガンダムが言っている』
「あ、うん……」
調子が悪そうな声色のシュウジの言葉に従い、機体をコロニーへ帰投させる。
開いたエアロックから通路に入り、足音を響かせながら隠れ家へと向かう。
しかし、その道中にてセンサーが人の生体反応を感知したことで、足を止める。
「なんでこんな所に」
隠れ家がバレる訳には行かない。どうにかしてやり過ごさないと……
「あれは……マチュ?」
曲がり角の先にいたのは、赤い髪が特徴的な彼女――マチュだった。
濡れてる…外は雨なのかな?まあなんにせよ…
ハッチを解放し、コクピットから出てマチュに声をかける
「マチュ、そんな格好じゃ風邪ひ「なんで…ニャアンが……」く、よ?」
え……
「ニャアン、その機体……なに?」
・この世界のガンダム4号機について
型式番号:RX-78-04
登録名:GUNDAM UNIT 4
パイロット:
次々に連邦の力を削いでいく赤いガンダムへの対抗策として、1部残された3号機のパーツ、前期試作型ジム、陸戦型ガンダム、戦場に出たガンキャノン等のデータを用い相方の5号機共々急ピッチで開発が進められたものの、白いガンダムはシャアに奪われ、01ガンダムは破壊されてとガンダムタイプのデータが不足していたこともあり、ある意味で"原点回帰”し逆に史実と同じデザインの機体となっている。
※ちなみに基地が破壊されていた中で、唯一4号機が無事だったことには、数こそ分からないものの、連邦により新たなガンダムが開発されているという情報を掴んだジオンが基地を襲撃、その最中にテスト中の5号機を発見、破壊し、目標達成と判断したという理由があります。
即座に敵の狙いに気づき、強奪、或いは破壊の憂き目を防ぐべく、基地施設の奥深くへと隠された4号機。テスト中で基地外に出ていた5号機はそのまま囮の役目を担いました。
ジオンに4号機の存在を悟らせず、最後まで隠し通した連邦兵たちに、敬礼。
だいたい2、3話で終わる予定。
完結したら刺客さんも頑張って書こうと思います(˙꒳˙* )
※ジャック・オー・ランタンさん誤字報告感謝ですm(*_ _)m
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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NO