GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

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他の作者さん方の素晴らしい作品を読ませて頂く毎に、際立つ文の拙さに差を感じる今日この頃。
誤字脱字も多すぎる……


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「薔薇が咲く」

 

えっ

 

アマテ(・・・)さん。今、あなたはそう仰いましたね?」

 

准尉でも、マチュでもなく、アマテ。

突然本名を呼び出した緑のおじさんに対し、私が思ったことは一つ。

 

いや、仰ってはないです……

 

「それは失礼。そのメッセージ、少し見せて頂けても?」

 

「は、はい」

 

トーク画面を開いたまま、緑のおじさんへスマホを手渡す。

 

「"時は満ちた”。"もうすぐ薔薇は咲く”。ですか。興味深い」

 

顎に手を当てるんじゃなく、髪の毛をいじいじしながら静かに呟く緑のおじさん。

 

……そろそろスマホ返してくれないかなぁ。

 

「おっと、これは失礼。――む」

 

「あぇ?」

 

スマホが私の手に戻ったタイミングで、また新しいメッセージが届いた。

 

「”探し物が見つかる時は近い"?……」

 

「ふむ。どうやら、送り主は我々が薔薇を見つけると踏んでいるようですね」

 

「っ」

 

チラりと向けられる視線。

影が差した横顔に冷や汗が流れる。

 

「正体不明の送り主に、薔薇を探すガンダムのパイロット。関連性があるかもしれませんね」

 

関連性って、これもシュウジが送ったって言いたいの?

それは流石に……

 

「言い掛かり。ではないかもしれませんよ。何故ならあなたは知らないのだから」

 

「シュウジ・イトウ。彼が薔薇を探す理由を」

 

「そ、それはっ!……っていうか、探してるのはガンダムだって伝―――

 

瞬間、脳裏に浮かぶビジョン。

 

泡立つ水。

光すら入らない暗闇。

その中に佇む大きな何か。

 

なんだろ……これ。

水の中に、何かが沈んでる?

 

大きくて、トゲトゲしてて……

 

「これは薔薇よ」

 

「だ、誰!?」

 

慌てて振り向き、ふと思う。

 

そういえば、ここ、どこ?

 

気付けば目の前に広がっていたどこかの森。

さっきまでいた筈の、緑のおじさんの士官室とは似ても似つかない景色。

 

私の内面を表すかのように、体が勝手に目を瞬かせた。

 

「ここは夢の中」

 

「っ!?」

 

いつの間にか隣に誰かが立っていた。

一度見たら中々忘れなさそうな、特徴的な髪型の女性。

 

「あな、たは?」

 

「私はララァ。ララァ・スン」

 

「ララァ、さん?あっ、私は……あー、マチュ。マチュ・リコリス、って言います」

 

アマテ・ユズリハ(本名)を名乗るかちょっと迷い、結局表向きの名前を口にした。ちなみに命名は緑のおじさん。

 

べ、別にいいよね?嘘ついてる訳でもないんだし……

 

「そ、それで!」

 

「残念だけど、あそこにガンダムはいないわ」

 

「……。えっ?」

 

「あなたの探し人は薔薇に辿り着いていない。こことは違う、他の場所にいる」

 

「え、えぇ…?」

 

「ここもただの夢の世界。単なる虚構に過ぎないのよ」

 

「……?」

 

盛大に出鼻を挫かれ、真っ白になった頭に叩き込まれる情報の洪水。

1ミリも理解できない現状に、ただただ首を傾げることしかできなかった。

 

「探し人が言うように、薔薇は地球にあるわ。あなたの求める景色の中に、確かに存在する」

 

「あなたは薔薇と感応したのよ」

 

「薔薇は目覚めた。時も満ちた。もうすぐ薔薇は咲き誇る」

 

……うん!さっぱりわからん!

 

キャパオーバーして理解を捨てた私。

困った顔をしながらも、意味深な言葉で捲し立てることはやめないララァさん。

いやさ、ちょっと話すのやめない?ついてけないんだけど?

 

「この夢の世界もいつまで続くか分からないわ」

 

それはそう。

 

「……言葉にするよりも、見てもらった方が早いかもしれないわね」

 

「見てもらった方が?」

 

それってどういう……ッ!?

 

突然目の前の景色が宇宙に変わり、どこからか現れたなんか知ってる形(・・・・・・・・)の白いMSと、豚鼻っぽい口元の赤いMSが激しくぶつかり合い始めた。

 

え?な、なに?は?

 

あまりにも唐突すぎて固まる私。

私が呆けている間にも状況はどんどんと変化していき、初めは互角に見えた戦闘も、気付けば赤いMSが劣勢を超えて絶対絶命にまで追いつめられていた。

 

「あっ、死んだ」

 

胸部を白いMSのビームサーベルに貫かれ、爆散。……したかと思えば、またしても白いMSと共に現れ戦闘が始まる。

 

「さっき死んでなかった!?なんでまた戦ってんの!?って死んだし!」

 

叫ぶ間にまた死んだ赤いMS。……かと思えばまた白いMSと共に目の前を通り抜けて行く。

 

あーもうわかったわかった。この先の展開わかったって。……はい死んだ。

 

どうせまた来るんでしょ?うん、知ってた。

 

――それから私は、白いMSがありとあらゆる方法で赤いMSを爆発四散させる様を見せつけられた。

 

何十回も見てたら流石に戦法も被ってくるもので、数えるのも億劫になってきた頃には、新鮮さの欠片もない光景に完全に飽きが来てしまった。

 

これ、いつまで見ればいいのかな……

 

「何度繰り返しても、白いMSが彼を殺してしまうの……」

 

そうだね。最低でも50は超えてる。

 

「夢の中の私は何度も赤い士官服を来た彼に出会った。彼は私に手を出すこともせず、私をあの館から連れ出してくれるの」

 

夢の中なのに夢の中……

あの館がどこの館なのかもわかんないけど、とりあえずこのララァさんって人からしたら、大切な人なんだろうね。

 

……これだけ想ってくれてるのになんであんな簡単に死んでるのさ。白いMSが強すぎるっていうのもあるのかな……

 

「そうね。でもガンダムの彼だって悪い人じゃな「ちょっと待って」どうかしたの?」

 

「今あれのことガンダムって言った?」

 

「?、そう言ったわね」

 

「えぇ!?」

 

いや確かにニャアンの4号機っぽいなーとは思ってたけどっ!まさか本当にガンダムとは思わないじゃん!

 

……いや、でも、よくよく考えたらジークアクスも、赤いガンダムも、4号機も、あとあのデカかったサイコガンダムも、みんなそれぞれ違う見た目してたよね。

 

となると、4号機に近いデザインのガンダムがあっても別におかしくないのか……

 

「赤い士官服の彼も、ガンダムの彼も、私にとってはどちらも大切な人なの」

 

「はぁ…」

 

相槌を打とうとしたタイミングでちゃうどため息が漏れる。

 

「それでも、赤い彼は特別。私を救ってくれたから」

 

あれ?今サラッとなにか見えた……へぇー。

 

娼館っぽい所からララァさんを身請け人として引き取るあの変な仮面の人の姿。

以前調べたこともあって、私はこの仮面の正体を知っていた。

 

「赤い彗星のシャア」

 

確かパイロットスーツを着ない人だっけ?あと面倒くさくなったらすぐ逃げる人。いずれグラサンノースリーブになって帰ってくるかもってニャアンが言ってた。

 

……グラサンノースリーブって意味わかんないけど。

 

「ニャアンって子の言葉に嘘はないわよ」

 

へっ?

 

私ニャアンの名前出したっけ……

 

「安心して。あなたは口にしていないから」

 

クスッと微笑むララァさん。

 

じゃあなんでわかったんだろ。

この人もシュウジとか緑のおじさんみたいな人?ニュータイプってやつ?

 

「そうね。そうかもしれないわ」

 

あ、やっぱりそうなんだ。

 

「っていうか、すごい自然に心読んで来ますね」

 

緑のおじさんみたいに。

 


 

……誰?誰か、呼んでる?

 

声も聞こえない。文字で示された訳でもない。それでもなぜだか感じた。私を呼ぶ声を。

 

私を呼んでる?誰が?

頭じゃない、これは……心?心に響いてる?

 

心に響いてるって実際どう響くんだろって常々思ってたけど、こんな風に感じるんだ。

 

呼び声の下へ向かいたい欲求が強まるも、海軍研究所(ここ)にも仕事で来てる以上、ほっぽり出すのもどうかと思いとどまる。

 

そうだよね。

せっかく4号機を直してくれてるんだからこっちが優先だよね。

 

この声は……まあ後で時間貰ったらいっか。

 

いくら建造とは違って修復が目的とはいえ、パイロットの意見は必要不可欠。

 

それに加えて、素人でもできるごくごく簡単な整備だけで無理矢理稼働させていたことも影響してか、摩耗なりなんなりでガタが来ていた部分も多く見つかったらしい。

 

コクピットでのデータの確認や、訂正値の入力作業中も結構な頻度で怒号が響き渡り、恐らく新品であろう部品が詰まったコンテナがいくつも運び込まれ、あちらこちらで規格チェックが何度も行われている。

 

いくらあの赤いガンダムの兄弟機とはいえ、皆さんかなり張り切ってますね……目が血走ってる人もいたし。

 

万が一の時にはパイロット本人が整備を行う必要があるからとここに座らされた私。

最初の方は怒号が響く度にビクっと肩を震わせて、作業を中断させてしまってたんだけど……何回も聞いているうちにすっかり慣れたみたいで、今では一緒に作業してくれている整備兵さんに質問を投げかける余裕すら生まれる程だった。

 

「ごめんなさい。このエラーコードなんですけど」

 

「ああ、大丈夫ですよ。赤いガンダムの時と同じです。プログラムの上書きが終わったら正常値に戻りますので」

 

「あ、そうなんですか。ありがとうございます」

 

聞く内容は仕事についてだけど。……当たり前か。

 

現状、4号機の修復完了率は20%行くかなといったところ。

いくらRX-78系列は赤いガンダムの改修で経験済とはいえ、そもそも規格が違う部品類や、私でも理解できなかった部分のブラックボックスの解析に難航しているらしい。

 

無駄にガッチガチにしやがって、連邦めっ!とか愚痴ってる人もいたし、鹵獲対策案外しっかりしてたのかな。

 

自分が動かしやすい範囲かつ、整備兵さんの指示に沿って、4号機本体とケーブルを通じて接続されたパソコンをカタカタと叩いていく。……お世辞にも早いとは言えない速さで。

 

一応タイピング自体は遅いとはいえ、そんな時間はかからないだろうと最初は思ってた。

まだハード面からして目処が立ってない段階だから、パイロットの補正値入力なんてたかが知れてる。

 

そう考えてたんだけど、やっぱり現実はそう甘くなかった。

 

元々入っていた連邦製のOSをジオン式の物に切り替えるとは聞いてたのだけど、まさか末端のプログラムまで赤いガンダムをモデルにしたものと取り替えるとは思わなかった。

 

リスペクトもここまで来ると少し呆れてしまう。

後々αサイコミュとあの瓢箪みたいなビット搭載しますとか言われたら失笑するかも。

 

あの夜、2基のビットを縦横無尽に操り、エグザべ少尉の乗っていたらしいオメガサイコミュ非起動のジークアクスと、激しい攻防戦を演じた赤いガンダムを思い出す。

 

よくよく考えるとあの人もあの人で凄いことやってたんだっけ。あんまり聞いたことないんだけど、ビット掴んで飛んでくるビットにぶつけるって。

 

しかもサイコミュを介さないマニュアルでそれをやったんだから凄いとしか言えないよ。

 

……それはそれとして、フラナガンスクールの首席だっていう彼にも起動できないオメガサイコミュを難なく起動できたマチュの異常性が際立つのがなんとも。

 

ため息を吐きたい気持ちを抑え、ひたすらキーボードに指を這わせていると、整備兵さんから休憩を言い渡された。

 

「頑張ったご褒美にでも、どうぞ」

 

「ありがとうございます…!」

 

渡されたのは果汁100%のみかんジュース。ただのジュースだけど、努力が認められたみたいで嬉しく思った。

 

手を振る整備兵さんに頭を下げ、4号機が格納されている33番ハンガーを出る。

 

扉が閉まる直前に振り返り、外装が殆ど取り外された愛機の姿を目に収めた。

 

……ずっとモノコック構造だと思い込んでたんだけど、正確にはRX-78はモノコック構造じゃなくて、"セミ・”モノコック構造だったみたい。

 

なんかフレームあるなとは前から思ってたけど、そういうことだったんだと納得した。

 

閉まりきった扉から目を離し、ベンチでも探そうかと一歩を踏み出した――ところでまた聞こえてくる謎の声。

 

「これ…?」

 

集中している間は聞こえなかったけど、なんかまた聞こえるようになって来た。

本当になんなんだろ。この声。

 

休憩時間……余裕はある。

 

「探して、みる?」

 

……よし。

 

深く息を吸い込み、歩き出す。

声を頼りに右に左にと足を進め、研究所の廊下を歩いていく。

行く手を阻むように現れるパスワード入力式のような扉やカードロック式の扉も、近付くだけで勝手に鍵が開いていくものだから拍子抜けした。

 

扉を潜るごとに声に近づいて行く。

一歩、また一歩と進み、辿り着いたのは一つのハンガー。

 

「ここが……」

 

ごくりと唾を飲み込み、意を決して扉に近付く。

……予想通り、勝手にロックが外れ、扉が開かれた。

 

「MS?」

 

暗がりの格納庫に佇んでいたのは、1機のMS。

 

機体色は、紫っぽい?

暗くてよく見えない……でも足、特に靴部分の構造はジークアクスに似てる。

こんな変な形他に見た事ないし、よく覚えてる。

 

他の部分は……やっぱりよく見えない。

 

「明るかったらもうちょっと見えるのに」

 

ん?あそこにエレベーターがある……見た感じキャットウォークに続いてそう。

 

行ってみよ。

 

普通に外が見えるタイプのエレベーターで上に上がる間にも、謎のMSの観察は続ける。

見たところ、足や脚部の構造以外にも、他に腕部、背部のバックパックの形状が似ているように感じた。

 

ジークアクスを元にした機体ってことなのかな?

でもジークアクスってジオンの最新MSって聞いたけど……でも目の前のこれはどう見ても後継機だし。うーん。

 

エレベーターから降り、キャットウォーク上を歩く中でMSの顔が見えるようになった。

視界に映ったそのフェイスに、私が初見で感じた感想。

 

「カメレオン?」

 

……違うか。

 

はぁとため息が漏れる。

なんでこれがカメレオンに見えたんだろ。……確かに今もちょっと見えなくもないけど。

 

「あなたが私を呼んだの?」

 

それとも、”俺"を?

 

「……なんて、MSに言ったって――あー、普通に返ってきそうな機体いくつも浮かび上がるなぁ」

 

人工知能だったり、残留思念だったり、中に人がそのもので入ってたりと割となんでもありなところあるし。

 

某ユニコーン3番目の兄弟を筆頭とした幾つものMSの姿が頭に浮かんだ。

 

「ふふ」

 

……って待って、あれ?そういえば、この格納庫って「おい、そこで何をしている!?」

 

「ひっ!?」

 

下から響く怒号に思わず肩がビクつく。

 

「ここは立ち入り禁止だぞ!ロックも掛かってるのに、どうやって入ったッ!」

 

「えっと、勝手に、開いたっていうか……」

 

「嘘をつくな!」

 

「っ!」

 

ど、どうしよう……私、このままじゃ……

 

混乱でぐちゃぐちゃな頭を抱え、必死に考えを巡らせる。

 

なんとかしなきゃ、なんとかしないと…!

でもなんとかって、どうすればいいんだろ…?

 

私は民間上がりのただの下っ端。なんの実績もない。

正直に話したところで疑いが晴れるとは思えない。

かといって黙っていても意味がない。

 

わかってる。わかってるんだけど。

やっぱり、どうすればいいのか、分からない……

 

嘘、だろ……

 

怒りが霧散する気配。それどころか、感じられる感情が恐怖一色に染まりきった。

 

なんで、急に…?

 

あまりにも唐突かつ、突然過ぎる心境の変化。

この短い時間の中で、いったい何が起きたって言うの…?

 

一周まわって冷静になった思考で、いつの間にか閉じていたらしい目を開くと……鋭い光を纏う巨大な複眼と目が合った。

 

おい…なんで、ジフレドが……動いてるんだよ…!?

 

「じふ、れど?」

 

それが、このMSの名前…?




ジフレドくん見て最初にカメレオン?って感じたのは作者ですm(*_ _)m
暗かったのもありますが、なにより目の感じが龍騎の仮面ライダーベルデっぽく見えたんです……なんとなく。

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

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