GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
これはいかんですね(´・ω・`)
「久しぶり、という程でもないな」
「こんばんは」
グラナダの綺麗な夜景――時間的には夜景…うん――が映える広い一室。
一目見ただけでクラスが違うと確信できる豪華さ。この窓だって……すごく大きい。
何もなければ目を奪われたのであろう綺麗な夜景。
でも残念ながら今はその何もないの何がある訳で……
「どうだ。
私と顔を合わせるのは、その特徴的な紫のマスクを外したキシリア様。思ってたよりも美人なお顔でちょっとびっくり。
てっきりもうちょっと老けて見えるとばかり……やっぱり今のなし。
「まだ、少し」
直前のあの話も含めて、慣れるのにはちょっと時間がかかりそう。
「そうか。まぁいいだろう」
鷹揚に頷くキシリア様。
……奥で何かを用意してる方の雰囲気が黒いのが気になるんですけど。
「どうした、何か気になることでも?」
「いえ、特には……」
「何度も言うが、遠慮などいらんのだぞ」
「大丈夫です。本当に遠慮なんてしておりませんので」
「……そうか」
キシリア様が一応と納得された所で、黒い雰囲気を纏っていた男がカップの載ったお盆をテーブルに置いた。
一つのカップをキシリア様に、もう一つを私の前に置く所作には淀みがなく、慣れているのが見て取れる。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「ごゆっくり。……」
「…?」
お礼を伝えれば、表面上はにこりと微笑む男。
けど相変わらず纏う雰囲気は黒いまま。……それどころか、近付いた分はっきりと伝わったことが一つ。
この人、私のことをよく思ってない?
忌み嫌うかのような気配、排除を望んでいるかのような瞳。……そして、その奥に沈むどこか憐れむような目線。
どこからどう考えても、好意的に思われているとは思わなかった。
新人の癖にとか思われてるのかな……俺は苦労してこの立場を得たのにっ!とか言われても困るんだけど。
みんな同じ人間な以上、中には嫌な人もいるってのはわかってるけど、ここまで露骨だとちょっと萎えてしまう。
この紅茶だって飲む気も失せてるんだけど、出された物を飲まないのは失礼になるよね……
「頂きます」
カップを手に取り、口元へ持って行く。
そして、香ばしい香りを放つ茶を口に含もうとした、……その時だった。
「待て」
「――えっ?」
鋭い眼光を光らせ、私を静止するキシリア様。
止められた?なんで?
訳が分からず固まる私を他所に、キシリア様はある一点――正確には、その位置に立つある一人の人間――を睨み付けた。
その目線の先にいたのは……
「ッ!」
青ざめさせた顔に大量の汗を垂らす側近の男。
「これまでの2人を葬ったギレン総帥のスパイ……ミゲル・セルベートに毒薬を与えたのは、貴様だな?アサーヴ」
「えっ」
「……ハァ。イオマグヌッソを動かすわけには行きません。あれは、人の手に余る代物です」
ま、待って…?
「だからあの2人を殺したのか?」
ちょっと待って…
「ええ。ジフレドが作られた本当の目的、それを知る者であれば、誰だってこうするでしょう」
状況に…
「ふん。貴様は気付いていないようだな」
「何がですか?」
「故にこそ、
「ガっ!?」
状況に付いて行けな――へっ?
血を流し倒れるアサーヴというらしい男。
銃口から硝煙を吐く一つの拳銃を構えたキシリア様。
ころ、した?キシリア様が、この人を…?
「ひっ」
思わず口元を抑えた。
MS戦とは違う、生身の殺害現場。
倒れた体から流れ出る、鉄のような匂いを放つ赤い液体に、喉の奥から酸っぱい物が込み上げてくる。
これまで私は、多くの人を殺してきた。
……でも、生身の人間の死体を見る機会はあまり無かった。
4号機を見つけた日に味わったそれと同じ、強い拒絶感から来る吐き気を堪え、キシリア様を見つめる。
「まさかこの男がスパイだったとはな。はっきり言って、夢にも思わなかったぞ」
その顔は平然としていて、アサーヴという男性の死を気にも留めていないように見えた。もう、終わったことだと。
ドアが開き、入って来た複数人の男達がアサーヴの死体を回収していく。
カーペットに染み込んだ血はどうにもできない様子だけど、それ以外をほぼ完璧にこなし去っていく姿には、どうにも
「さて。此度お前を呼び出した理由だが、他でもない、ジフレドの件についてだ」
「……っ!」
「お前には期待している」
私は見た。
微笑みの奥、ドロリと濁る暗い何かを。
「お前に、今一度起こしてもらいたいことがある」
「……」
「そう、ゼクノヴァだ」
「ッ!?」
全身が総毛立つ。
この人、正気…!?
ゼクノヴァって、あのアクシズショックモドキのことでしょ…?それを起こすって……
「未だイオマグヌッソの真価を知る者は少ない」
「しん、か?」
「そうだ。あれは"シャロンの薔薇”が発生させるゼクノヴァをエネルギーとする戦略兵器」
戦略兵器……?
「核をも遥かに上回るその力は、連邦への抑止力となり得る」
一見まともに聞こえながら、その実かなりヤバい発言に、SEEDの
「……とはいえ、そのシャロンの薔薇自体が見つかっていない以上、まだ先の話になるがな」
ホッとした。
「あの娘の証言で薔薇が地球にあることは判明した。何分範囲が広すぎるが故手間取っているようだが、それも時間の問題だろう」
ホッとしてる場合じゃなかった。
「お前には、それまでにあのジフレドを乗りこなせるようになってもらう」
嫌です……
「なに、現時点であれ程の適性があるのだ。心配せずともあのMSはお前に従うだろう」
こんなに嬉しくない激励なんて久しぶりかも……
でも、そっか。だからあの人あんなに怖がってたのか。
さわりの時点でロクでもないどころか、スリーアウトチェンジレベルの代物だと確信した。
あのジフレドかなりヤバいやつじゃん。
うわっ、乗りたくない……
ただの憶測に過ぎないけど、ゼクノヴァを起こしたら私はここからいなくなるんじゃないかと思ってる。
ソロモン落とし以降行方不明になったシャアや、あの夜に光の奥に消えて以来消息不明のシュウジのように。
……恐らくはこの人もその可能性は頭にある筈。
第一、ゼクノヴァはこの世界では禁忌に近い扱いを受けている。それを理解していて尚、ゼクノヴァの発生を望むのなら……
キシリア様の顔を盗み見る。
自信に溢れた余裕のある表情。一瞬チラ見しただけでも喜びの感情が伝わってくる。
垣間見えたあれと、ゼクノヴァを起こせっていう爆弾発言がなかったらなぁ……はぁ。
「最善を、尽くします」
「フッ。期待しているぞ」
このやり取り、なんか既視感あるな……
「――ってことがあったんです」
「こ、これって、僕が聞いていい話だったのか…?」
「……ひとりで抱え込める限度をこえましたので」
「その言い方はダメなやつじゃないか!」
なんて事だとでも言いたげに声を荒らげるエグザべ少尉。
しょうがないじゃないですか……ひとりで悩んだって鬱になるだけでしょうし。
「イオマグヌッソが、ゼクノヴァを利用した戦略兵器……」
「少尉は、知らなかったんですか?」
「逆に知ってたと思うか?」
「……いいえ」
知ってたらあれだけ騒いだりしないだろうし、正真正銘知らなかったのだろう。
……ご友人の
「ミゲルさんの件。残念でしたね」
「……」
「いい人、だったんですよね」
「……僕にとっては、ね」
これまでとは一転し、静かな声でポつりと零す姿に、先程彼が口にした、現実を受け止めきれないという言葉が重なった。
「全く気付かなかったよ。あいつがギレン総帥のスパイだったことも、2人を殺したことも」
エグザべ少尉が極力表には見せないように隠しているのはわかってる。
いくら同期2人を毒殺した相手でも、彼にとってはミゲルさんも大切な同期の1人。複雑な気持ちになるのも無理はない。
「私は何も言いません」
「……ありがとう」
握る手にハンドルが食い込んでいたのは、見なかったことにすることにした。
「薔薇を探しに行きましょうとか、あのおじさん本当何考えてんだろ。ねぇコモりん?」
「……准尉。私の方が階級は上なのだけど」
「別にいいじゃん、2人っきりなんだし」
「はぁ……いくら臨時でも、今のあなたはれっきとしたジオンの軍人なんだから、もうちょっとしっかりしてくれないと困るんだけど?」
頭が痛いとでも言いたげに額を抑えるコモリン。
小言は多いけど、やっぱり優しいだけあって話しやすい。
「あといい加減パイロットスーツを着なさい。ヘルメットも無しで、もし万が一があったらどうするのよ?」
「えぇー。だってあれが気に入ってるんだもん」
「だもんじゃない!可愛いなっ!……オホン!クランバトルで慣れたつもりなのかもしれないけど、宇宙は本当に危険な場所なのよ?」
「……わかってるよ。それくらい」
「マチュのそれはあくまでもわかってる
「むぅ……」
「頬膨らませたって無駄!」
「むぅぅぅぅ」
「あぁぁぁぁもうっ!……とにかく、もうこんなことやめて早く家に帰りなさい。後悔してからじゃ遅いんだから」
今更遅いかもだけど。最後にそう言い残し、立ち去っていくコモりん。
その後ろ姿を見送り、手すりにもたれかかった。
「……ニャアンって、何者なんだろ」
思い返すはあの夢。
ララァさんと一緒に、色んな景色を見た。
地球で、宇宙で、向こう側のララァさんが見たというそれらはとてもキラキラしてて、綺麗だった。
「わぁぁぁ…!」
「あれ?あそこに誰か……ニャアン!?」
なんであんなところに……?
遙か遠くと言いたくなるくらい遠い空の上から、ニャアンが私達を見下ろしていた。
ニャアンは私が見ていることに気付いた様子もなく、ただこちらを見下ろすだけで、なんの反応も見せなかった。
……おまけに、一目見ただけでわかるほど様子がおかしい。
「なんか体バグってない?大丈夫なの…?」
まさにゲームのバグとかで見るような感じで、体がブレブレな上に、もう1人の人影が重なっているようにも見えた。
もう1人の方は完全にモザイクかかってるみたいになってたし、男なのか女なのかもさっぱり分からない。
あの変なの、ニャアンとどんな関係が…?
まるでニャアンを盗られたかのような気持ちになって、不快感から変なのを睨み付けた。
「彼女/彼は向こう側すら超えたその先、異なる次元からの来訪者。世界を見据える神の視点を持つ者」
なんか急に気になるワードが沢山出てきた。
振り返り、ララァさんを見上げる。
「異なる次元って、どういうことですか?」
とりあえず一つずつ聞いてけばいいやと自己完結、気になった所を質問していく。
……彼って言ってたからあの変なのが男なのはわかったし、そこは質問しない。
代わりに耳元で叫んでやりたい気分にはなったけど、ニャアンは私のだって。
「言葉の通りよ。あの子はこことは違う、また別の次元から落ちてきたのよ」
「……?」
何言ってるのかさっぱりだった。
別の次元から落っこちるなんて、そんな映画みたいなことが現実に起こる筈が――待って?そういえば、ゼクノヴァって……
「それって……それって!キラキラの向こうのことですか!?」
そうだ、そうだよ!
シュウジはガンダムと一緒にキラキラの向こうに消えて行った。確か赤い彗星のシャアも消えたみたいなこと書いてあったし、そう考えたら辻褄が合う!
期待の眼差しをララァさんに向けた。
……けど、返ってきたのは首を横に振る動き。
「えっ、違うの…?」
「完全に違うとは言いきれないわ。でも、そうね。似て非なるものというべきかしら」
似て、非なるもの……
「じゃ、じゃあ、神の視点って…?」
「言葉通り。けれど、これ以上は私が言うべきではないわ」
「っ!?」
明確な拒絶の意思を感じさせる言葉に肩が震えた。
「なんで!」
「知りたいと思うのなら、彼女本人から聞き出すことよ。それに――あなたも本心ではそう思っている」
息を呑んだ。
咄嗟に何かを言い返そうとして、その何かが言葉にならず、俯く。
「そうね。またお話しましょう。次に会える日を待っているわ」
「ま、待って!」
まだ聞きたいことも気になることも沢山あるのに、もう終わりなんて…!
ぼやけていく視界の中、ララァさんが歩き去って行くのが見えた。
必死に意識を保って、ララァさんを呼び止めようともしたんだけど、唐突な眠気に襲われて……抗いきれずに眠っちゃったんだよね。
……で、起きてみればジークアクスの中。
目を閉じたままフラフラ歩いて潜り込んでったって言われたけど、当然ながら記憶はないし、周りからも夢遊病みたいに見えてたみたい。
新世代のニュータイプとか何とか言う緑のおじさんと、純粋に心配してくれるコモりんの間で差を感じたよね。
「……。はぁ」
結局、ニャアンの正体は分からなかった。
あの話を聞いてわかったのは、ニャアンがこの世界の人間では無かったことと、何か特殊な目を持ってるらしいということだけ。
……まぁ、ララァさんの話が本当ならって前提がついてくるんだけど。
「ニャアンがいつか話したいって言ってくれたの、これの事なのかな……」
そろそろジフレドくんに乗せないとタグ詐欺になってしまう……
※SIGSEGVさん、ジャック・オー・ランタンさん誤字報告感謝ですm(*_ _)m
正直意図を理解できなかった為、修正はしておりません。申し訳ごさいませんm(_ _)m
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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