GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
与太話だったのに……ガチで来ちゃったよいつものおっちゃん……
というか、シュウジが向こう側から来たのなら、この作品マチュの想い人両方異世界人という事になるのですが(汗)
「ここが地球……本物の海!」
「以前から本当の海で泳ぎたいと仰られておりましたので、特別に時間をと思いまして」
「ありがとうございます!中佐!」
「ふふふ…」
青くて、澄み切ってる…!
塩っぽい匂いが強いのは気になるけど、風も冷たくて気持ちいいなぁ。
潮風っていうらしいそれを胸いっぱいに吸い込み、清々しい気持ちになる。
「嗚呼、そうでした。准尉、ジークァックスの水中テストも行って頂けませんか?場所及び水深は准尉の判断に任せますので」
「わかりました!」
一瞬なんで今?って思わなくもなかったけど、実働データは重要だって前言ってたし、そういうもんだよねと納得した。
それよりも海、海だよ!
今はいないけど……また今度2人と来たいな〜。
「4号機修復が完了すれば、彼女も赤いガンダムの捜索任務に回るでしょうからね。いずれ会えますよ」
「……もう慣れましたけど、本当にナチュラルに心読んできますよね」
「気に触ったのなら申し訳ない」
「いえ、大丈夫です。……あの」
「なんでしょうか」
こちらに向けられた緑のおじさんの顔をじっと見た。
相変わらずの人のいい微笑みで、やっぱり何を考えているのか分からない。
……でも、やっぱりこれだけは聞いておかなきゃ。
「中佐の目的って、なんなんですか?」
「ふむ。その心は?」
「本当なら、私がこの船に乗ってるのはおかしな話ですし、強奪犯扱いの私がジークアクスの正規パイロットなのも変です。それに……薔薇を探して地球に降りたのも」
コモりんが愚痴るように口にしていたのを思い出す。
薔薇は既に他の部隊が捜索中なのに、なんで私達まで地球に降りるんだろって。
「正直、
ニュータイプ能力とかいうので、曖昧に伝わってくる相手の感情。
私が感じたそれらの中には、その2人、ひいてはザビ家という家への忠誠の感情はどこにも見当たらなかった。
「……でも、中佐はその2人を強く意識してる。頭のどこかには常に居座ってる」
それでも常にその2人が今どこにいるのかを把握し続けてて、それを重要なことだって判断してる。
「だから教えてください。中佐の、本当の目的を」
「……」
俯き、沈黙する緑のおじさん。
言葉足らずの下手な説明になっちゃったけど、私の思ったことはほぼ全部伝えた。
あとはこの人が答えてくれるかどうか……
「私の、本当の目的…ですか」
「っ!」
いつの間にか緑のおじさんが顔を上げていた。
その目に映るのは、以前見た真っ黒ななにか。
怯みそうになる体を叱咤し、目に強い力を込めて見詰め返す。
「……」
「……!」
暫く互いに無言で見詰め合い――おじさんが両手を持ち上げた。
「降参です。わかりました。あなたには話しましょう」
「―――はぁッ!ハァ……ハァ、ハァ…ハァァ」
な、なんとか勝った…!なんとか、勝った……!
乱れた息を整え、最後に一際大きな深呼吸をして、緑のおじさんに向き合う。
「落ち着きましたか?」
「は、はい。もう大丈夫、です」
「そうですか。では、話しましょうか。私の目的を」
――それから私は、崇高な責任を果たす為に木星に向かったこととか、果たせないと分かったら空虚になったとか、英雄として帰還した時もずっと空っぽだったとか、その時に赤い彗星のシャアに出会ったとかの色々な話を聞いた。
前提を知らなければ分かりづらいでしょうからって語られた話なんだけど……正直半分以上は想像もつかない話だった。
木星とか行ったことないし、宇宙線だかなんだかの影響も知らない。緑のおじさんにとっての本当の自由がどんなものなのかは気になったけど、敢えて指摘しないことにした。
「私の目的は、ニュータイプがニュータイプとして生きられる世界を作ること。今のように、ニュータイプが兵器として利用されることの無い世界を作りたいのです」
「ニュータイプが、ニュータイプとして……」
今までとは違って、確固たる意思を持ってそう告げた緑のおじさん……いや、今だと中佐って呼んだ方がよさそうかも。
嘘でも誤魔化しでもない本当。
この人は、本気だ。本気で世界を変えようとしている。
「今すぐにとは言いません。ですが、いつかこの夢に、あなたも協力して頂ければと思います」
失礼。と頭を下げて艦内へと戻って行く中佐。
いつかこの夢に、あなたも協力して頂ければ……か。
ニュータイプがニュータイプとして生きられる世界。
中佐は、私達もその中に生きる1人だって言ってた。
……実感湧かないけど。
「ニュータイプがなんなのかとか、ぶっちゃけわっかんないし」
人類の新しい形なんて壮大なこと言ってたけど……はぁ。
「んっ!」
艦内へと入り、格納庫への道を歩いていく。
目的地はひとつ、ジークアクスだ。
「リコリス准尉?何してるんだ?」
「中佐からジークアクスの水中テストをしてくれって言われたんで!」
キャットウォークを進み、開いたコクピットに飛び込もうとすると、近くにいた整備兵さんに呼び止められた。
この人は結構話す方で、割と打ち解けられてるんじゃないかって勝手に思ってたりする。
「あぁ…准尉も大変だな。まぁ了解、行ってこい」
「ありがとう!」
ハッチを閉じ、機体を起動させる。
いつものように壁から伸びてきた操縦桿に手を乗せ、ジークアクスを歩かせるイメージを浮かべる。
『ハッチ解放、射出タイミング譲渡。いつでもどうぞ』
「マチュ。ジークアクス、出ます!」
カタパルトから高速で射出されたジークアクスが、なにかに引っ張られるように海中へと没していく。
これが重力……ジークアクスだとこうも変わるんだ。
私が感嘆している間にも、ジークアクスはその身体を静かに沈めて行く。
1秒、2秒、3秒と時間が経つ事に表示される水深も深くなる。
ジークアクスの中なら、私は自由だ。
ジークアクスは私に応えてくれて、世界すらも思い通りになったような感覚になる。
ジークアクスに乗って、ずっと憧れてた本当の海に入ったら、もっと自由になれるんじゃないか。
そんなことを考えながら、どんどんと数値を上げていく水深メーターを見つめる。
……けど、頭に浮かぶのはさっきの中佐の言葉ばかり。
『――准尉、覚えていますか?イオマグヌッソとシャロンの薔薇の話を』
『――私は悩んでいます…シャロンの薔薇をキシリア様へ渡してしまって、本当にいいのかを』
『――私の目的の為には仕方ない。そうは思っても……嫌な予感がするのです』
『――このままでは、取り返しのつかない事態になってしまうのでは、と……』
「……」
あんな顔したおじさん、初めて見た。
いつも飄々として、余裕を感じさせる態度を取るあの人が、初めて見せたあの表情……それに、
「シャロンの薔薇」
その中に眠ってる少女って、どんな子なんだろ……
未だ会ったことも無いその少女の姿を想像する内に、周囲の景色が変化していたことに気づく。
「わぁ…」
モニターに映る辺り一面の海水が、その色を失っていた。
あんなに青かったのに、今じゃもう殆ど真っ黒だ。
「ね、ねぇ、ハロ?なんかギシギシ聞こえるんだけど?」
小さく鳴り響くそれに不安になって、思わずハロにそう問い掛けた。
『スイリクリョウヨウ!ウチュウモバンノウ!モンダイナイ!』
自信満々といった様子で返ってきたのはその一言。
水陸両用で宇宙も万能…へぇー、そうなんだ。やっぱジークアクスってすごいんだね。
流石はジオンの最新鋭機。
「てっことは、まだ潜れるんだよね?」
『シンド298、マダイケル』
「おっけー。そんじゃ、ちょっと進んでみよっかな」
私の意思に呼応して、ジークアクスがブースターを作動させた。
うん。水中でも問題無く動いてる。良好良好っと。
「あっ、ライトつけれるの忘れてた」
『よし、じゃあまずは軽く歩いてみてくれ』
「はい」
操縦桿を握り、ゆっくりと前へと倒していく。
ジフレドのメインカメラが淡い光を放ち、私の入力通りの動作を実行した。
『問題無さそうだな。やっぱり、あのガンダムに乗ってたおかげか?』
「連邦とジオンですし、操作系に少し差はありますけどね。まぁ赤いガンダムを基にしてる分似てる所は似てます」
gMS-κ ガンダム・フレド。あるいは、
ジークアクスのあのΩサイコミュと同系統の、κサイコミュを搭載したMS。
ジークアクスの2号機であり、イオマグヌッソのコントローラーとして作られたらしい機体。
……ジフレドがガンダム・フレドの略なら、ジークアクスもなにかの略称なのかな。
「あの、少尉」
『どうした?』
「ジークアクスの事なんですけど」
『ジークアクス…?なにか気になることでも?』
少尉の声色から、なんで今?という疑問が強く感じられた。きっとギャンのコクピット内で首を傾げていることだろう。
「ジフレドが、ガンダム・フレドの略なら、ジークアクスはなんの略…なのかと思いまして」
GUNDAM Fredがジフレドなら、GUNDAM QAXEとか?
『あぁ。ジークアクスはガンダム・クァックスの略称だよ。GQuuuuuuXは元々プログラム上のプレースホルダーなんだけど、如何せんそっちの方が呼びやすいからね。みんなそう言ってるんだ』
クァックス…そっちなんだ。
クァックスってどう書くんだろ、後で教えてもらお。
「ありがとうございます」
『うん。それじゃあ再開させる。次はジャンプだ』
「分かりました」
エグザべ少尉の指示の下、様々な動作をテストしていく。
ジャンプ、ダッシュ、前転、後転、側転、防御姿勢、模擬サーベルを構えての斬撃等と、それぞれの動きを一通り終えたところで、少尉がストップをかけた。
『――うん。あのガンダムを操っていただけはある。初めてでこれなら将来有望だ』
「ありがとう、ございます?」
褒めてくれるのは嬉しいんだけど、まだ色々残ってるんじゃないですかね?ビームライフルとか手付かずですし。
『勿論ビームライフルのテストもする。けど、それはまたあとだ。――そもそもの話、的の用意もまだだからね』
ハハ!っとまるで某夢の国のネズミのような笑い声をあげた少尉に頬が熱くなる。
チラリと周囲を見回して……射撃用ターゲットがひとつも無いことに改めて気付いた。
「ご、ごめんなさい……周り、見てませんでした」
『大丈夫、気にしなくていいさ。それに、今も準備は進めてくれてる筈だからね。……ほら』
エグザべ少尉のギャンが広々とした演習場にモノアイを向けると、ほぼ同時と言ってもいいタイミングで、無数のターゲット達がせり出して来た。
今じゃジオン内では見られないザクの形をしたそれらは、各部にターゲットポイントらしき丸い点が描かれている。
その周りにもちょっと広い円が描かれてるし、アーチェリーとかのターゲットみたいな感じなのかな。
『中心に当たったら撃墜、或いは部位破壊判定、その次の円から破損、損傷といった感じに点数が減っていく。まぁいきなり全ターゲットど真ん中は難しいし、無理はしなくていいよ』
だいたい思った通りだった。
全ターゲットど真ん中……確かに、私射撃が得意って訳でもないんだよね。
全く当たらないってことはないけど、遠すぎると普通に外すし……
『それじゃ、ちょっと話をつけてくる。準備ができたら呼ぶから、少し休んでいてくれ』
「分かりました」
白いギャンがこちらに背を向けて、コントロールルームの方へと飛び去って行く。
そんな、私への疑いを欠片も見せないギャンの後ろ姿に、少し複雑な気持ちになった。
……せっせと訓練をつけてくれてる先輩方には悪いけど、私はこのジフレドを本当の意味で使うつもりはない。
私の目的はむしろその逆、イオマグヌッソの破壊、あるいは無力化。
こうなってはもう生きるためだのなんだの言ってられない。
今はまだ動力源になるシャロンの薔薇が見つかってないけど、きっとそれだって遅かれ早かれ。
それまでに、このジフレドをモノしないといけない。
……応えてくれるよね?ガンダム。
『戻ったぞ。よし、準備はいいか?ニャアン』
「はい。大丈夫です」
『やる気十分だな。なんにせよ、やる気があるのはいいことだ』
「っ、ふふ」
器用にギャンに頷かせるエグザべ少尉につい笑いが漏れる。
……でもそっか。
私の目的を考えると、この人達とも戦わなきゃいけないんだよね。
「……」
嗚呼。我ながら絆されたものだと自嘲する。
いくら奥底へとしまい込んだと言えど、未だに憎悪の炎の勢いは弱まってはいない。
でも…それでも、やっぱりどこか、絆されてしまっている私がいた。
倒せるのかな……いや、弱気になっちゃ駄目。
倒せる倒せないじゃない。倒すしかないんだ。私がやるしか、ないんだから。
『――よし、これから3分の間に、どれだけターゲットに命中するかだ。当たった箇所によっては撃墜補佐加点も入るから、頑張ってくれ』
「……。わかりました」
割り切れない気持ちのまま、ビームライフルを構える。
まずは様子見に1射。外れた。
誤差を計算し直し、第2射を放つ。まだ少し遠い。
再度計算、数値を入力し、第3射。命中、ポイント加算。
「っ!」
補正値をそのままに次のターゲットに狙いを定め、引き金を引く。命中、けど中心から少し離れちゃった。
『落ち着け、焦らなくていい』
「はい!」
銃口の向きを調整し、引き金を引いた。
今度は見事にど真ん中。撃墜判定点も入った。
『いいぞ、その調子だ!残り2分半!』
「っ!」
1射を撃ち、当たればそれでよし、外せば誤差を修正し、再度射撃。このプロセスを何度も繰り返し、余計なタイムロスを省いていく。
……前からやってたことだけど、やっぱり最新鋭機だと違うな。
4号機の照準システムよりも遥かに高精度、高性能の照準システムが確実にターゲットを見定め、ラーニングを完了させたAIが的確に私をサポートしていく。
入力に対するレスポンスも早く、ハード面での優秀さも染み染みと感じる。
やばい、
い、いや、ダメダメ。ジフレドも自爆させるんだから愛着なんて持っちゃダメ…!
後ろ髪を引かれる思いで引き金を引き、銃口から飛び出した模擬レーザー弾がターゲットに命中したのを最後に、タイムアップを示すブザーが鳴り響く。
『そこまで!』
……もう終わりか。
『いい成績だ。これなら即戦力にもなり得るぞ』
喜ばしげにそう言うエグザべ少尉。
お世辞でも嬉しいとはまさにこのこと。自然と頬が緩んだ。
『まだ行けるか?ニャアン』
「大丈夫、行けます」
『その意気だ!よし、始めるぞ!』
各ターゲットのポイントが光を放ち、メインモニターにカウントダウンが表示される。
3、2、1……GO!
「ッ!」
撃つ。撃つ。撃つ。
狙いを定め、時には狙いすら付けずに引き金を引く。
モニターに表示される数字がどんどん桁を上げて行く中、私が注視するのはただひとつ。
そう、狙うべきターゲットだ。
現実ではわずか3分ほど。しかし、体感では何時間もの時が過ぎ、エグザべ少尉から声を掛けられた時にはすっかりヘロヘロになっていた。
『大丈夫か?疲れてるなら休憩を挟むが』
「い…え、できるだけ…ハァ…早くに……扱えるっ…ハァ、ようになりたいので…!」
『そ、そうか……くれぐれも無理はするんじゃないぞ。じゃあ最後に、サイコミュコントロールだ』
そして、私はこのMSの真価を知った―――
米津さんの爆笑ポイントが毎週毎週出てきてこれもうわっかんねぇなってなっております(笑)
あのおっちゃん、中身アムロならこの作品もバッドエンド一直線になるんですけど、どうなんでしょうかね?
※笠鷺さん誤字報告ありがとうございます!
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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NO