GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

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自爆=アスランな人多くて笑っちゃいました(笑)
自爆ならもう1人代名詞の方いらっしゃる筈なんですけどw


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クレーター内に作られた特設コース。

渓谷を加工し形作られた内部をフルスロットルで駆け抜ける。

 

「っ!」

 

レーダーが前方の障害物を捉え、警告音を発すると共にモニターに相対距離が表示される。

 

操縦桿を引き戻し、ペダルを浅く踏み込むと、入力された指示に従ったジフレドが機体全体を傾かせる。

 

「うっ、ぐ、ぐぅ!」

 

障害物の下を潜り抜け、即座に上昇、再び加速し下がったら速度を取り戻す。

慣性に引っ張られ、少し声が漏れた。

 

渓谷の壁面を蹴り上げ増速、前へ前へと進もうとする機体を制御し、今度は逆の壁面を蹴り上げる。

 

「そっ…こぉ!」

 

続けて目の前に現れた障害物となる大岩に両手を付き、宙返りの要領で前へと倒れ込む。

姿勢制御バーニアを噴かし、着地。衝撃が収まらない内に大地を蹴って走り出す。

 

「ふっ!」

 

膝をバネのように曲げ、跳躍。

メインスラスターの推力で宙を舞う。

 

ゴールまでは……もうちょっと!

 

突き出した岩壁を右にローリングすることで躱し、直後に起こった崩落による落石をビームサーベルで斬り払う。

……やっぱり何度見ても飽きない見た目してる。

 

今までのガンダムシリーズにはない独特な見た目をした、このジフレドのビームサーベル。

エグザべ少尉が言うにはジークアクスのと同型らしいんだけど……私、ジークアクスがヒートホーク以外使ってるの見た事ないんだよね。

 

それ伝えたら「あっ、いや、それは……僕の、失態だ」ってズーンって沈んじゃったから宥めるのに苦労したけど。

 

あの夜、私達が2機のガンダムを目撃する前、つまるところイズマコロニーの内部に侵入する前に、シュウジの赤いガンダムと交戦して、順々に武装を失っていったらしい。ライフル、サーベルといった具合に。

 

エグザべ少尉は僕の力が足りなかったからだって自罰的に言ってたけど、私はそうは思わない。

実際模擬戦での少尉のギャンの強さは本物で、これでもそこそこのMS操縦経験がある筈の私でも、全く歯が立たない有様だったし。

 

「おっと」

 

頭部のビット――エスビットといって、それぞれルナとアルテミスっていう名前らしい――を分離させ、目の前に迫っていた岩を狙い撃つ。

 

中心部を貫かれた岩が砕け散り、前を塞ぐものが無くなる。……ここまでは良かった。ここまでは。

 

「えっ」

 

岩を貫くだけでは飽き足らず、減衰することなく直進した光弾がその周囲へと突き刺さり、発する超高温の熱で持って溶断。

その結果、グラグラと不安定だった岩からガッシリと安定していた筈の大岩までもが転がり落ちて来たのだ。

 

慌ててスラスターを噴かせて飛び退けば、大岩が落下した衝撃でまた新たな岩石が落石を始める。

 

「ぇぇ、えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

マウントしていたもう片方のビームサーベルも抜き放ち、二刀流で連鎖して襲いかかる落石群を切り裂いて行く。

 

まだ同時には難しい…けどッ!

 

エスビットを射出、どうしてもカバーしきれない部分にビームを撃ち込み、どうにか突破口を切り開く。

 

「見えたッ!」

 

僅かに見えた岩と岩の隙間目掛けてサーベルを2本とも突き出し、思いっきり操縦桿を押し込み、力の限り斬り裂く。

 

「ォォっ!」

 

スラスター出力全開で飛び込み、ゴール地点へと転がり込む。

ダン!という重い音を奏でながら大地を踏みしめ、両足でガラガラと削りながら勢いを殺して行く。

 

「んぐぐ、ぐぅ…!」

 

勢いが弱まり、慣性も完全に殺しきったところで、ほっと一息。

 

『だ、大丈夫か?ニャアン』

 

「少尉……ありがとうございます」

 

近付いてきたギャンから差し出された手を取り、屈む体勢でいた機体を立て直させる。

 

『いや。……ヒヤヒヤしたよ。いつ飛び出すべきか悩んだくらいだ。でも、見事な判断だった。それで、うん…えっと……』

 

文句無しの合格、ただ……どこか歯切れが悪そうに、先程私が抜けてきた渓谷へとメインカメラを向けるギャン。

 

……少尉が何を言いたいのかもうわかっちゃった。

 

『ここ、暫くは使えそうにないな』

 

「ごめんなさい…」

 

エスビットのオールレンジ攻撃を起因とした、あちこちが連鎖的に崩落を起こした渓谷内は、それはもうすごいことになってしまっている。

 

素人には何も言えないんだけど、こんな私でも分かることがひとつだけ。この有様ではどう足掻いても、訓練には使えないこと。

 

『ま、まぁ気にしないでくれ。たまにやるやつはいるから』

 

たまに()ですね分かります……

 

はぁ…とため息を吐けば、通信の向こうからわたわたと慌てたような気配が漂ってくる。

やっぱりこの人ってかなり優しいよね。

 

私の自業自得なのに、なんとか励まそうとしてくれている様子に少し胸が暖かくなった。

 

「大丈夫です、少尉。結果は結果、受け入れますので」

 

『そう…か。わかった』

 

ひとまず、別コースに移って最チャレンジ――瞬間、通知音と共にあるひとつのファイルが送られてきた。

 

『これは……』

 

「少尉にも来たのですか?」

 

『あぁ。少尉にもってことは、君の所にもか。……送り主は司令部で間違いなさそうだな。ウイルスの類もない』

 

例え司令部から送られてきたファイルだろうと、事前チェックは抜かりないエグザべ少尉。

まぁ騙りとかウイルスが仕込まれる可能性を考えると、そうするのが当たり前なのかもしれないけど。

 

『これを使ってくれ、問題がなかったらニャアンに送られてきたファイルも開いて欲しい』

 

ファイルの中身を読んでいたのか、途中の息を呑んだような大きな息遣い以外は基本無言だった少尉。

やがて中身を読み終えたのか、一拍の深呼吸の後ひとつの添付ファイルを送ってきた。

 

書かれていた名前はシンプルにウイルスバスター。これ使えって言ってたし、これは開いても問題ないやつだよね。

 

「ありがとうございます」

 

言われた通りにウイルスバスターでファイルをチェックする。

ウイルス以外にも対応してるみたいで、これひとつでスパイウェア等を含む全てのチェックができた。

 

"No threats were detected.(脅威は検出されませんでした)”というメッセージを信じ、司令部からのファイルを開く。

 

「っ!?そん、な…!」

 

やたらめったら丁寧な長文で書かれたそれ(・・)は、私を震撼させてあまりある情報だった。

 

『……ニャアンも見たか』

 

「少尉、あの…」

 

『恐らくは、中身は同じだ。夢でもなんでもないんだろう』

 

「少尉……」

 

平坦な声色からは何も読み取ることができない。

けれど、なぜだか私にはわかった。今のエグザべ少尉の中には複雑な心境が渦巻いているのだと。

 

……ファイルにはこう書かれていた。

 

――薔薇の回収に成功、現在イオマグヌッソへと移送中。と。

 


 

「むぅ…」

 

「いつまでそうしてるつもりなの?准尉」

 

「いつまでって……だってさぁ」

 

「だってもなにもない。仕事なんだから」

 

「そりゃ、わかってるけど……」

 

机に突っ伏し、不貞腐れる。

 

「確かに手柄が取られたのは悔しいかもしれないけど「そこじゃない」……じゃあ、なんなの?」

 

怪訝そうな目を向けてくるコモりん。

 

違うんだよね…別に手柄とかそういうのはどうでもいいんだよ。興味無いし。

 

「薔薇の中、見せてくれなかった」

 

「薔薇の、中?」

 

「見つけた時に、中に誰かがいるのが見えたんだよ」

 

ララァさんに似てる誰かが……

 

緑のおじさんから聞いた、シャロンの薔薇の中で眠る少女の話。

あの子がその少女であることは多分間違いないと思う。

 

でも、なんでその子がララァさんに似てたのかが分からない。

 

……それに、薔薇を見つけた時だって変だった。

 

ジークアクスの水中テストのために、逐一ハロに状態を確認しながら海中を潜航していた時のこと。

 

ジークアクスがなにかに反応し始めたのだ。本当に、突然と。

おまけに、シュウジが消えたあの夜にも見た、”alphacide"の文字を表示させて。

 

『――シュウジ!?』

 

それを見た私は飛び上がるような気持ちで喜んだ。

なにせ、α型サイコミュは赤いガンダムにしか搭載されていないこの世界唯一の代物だって、周囲の人から聞いてたものだから。

 

シュウジに会いたい!そう思った私の意思を汲んでくれたのか、モニターに方角と距離を示す数字が表示された。

 

『――ありがと。行こ!ジークアクス!』

 

『――イクゾ!イクゾ!』

 

最大出力で向かうこと10分とかそのくらい。

残りの距離が50mだか70mだかの距離まで近づいた時、異変に気付いた。

 

『――あれ…?』

 

薄っすらと見えたそのシルエットは、大き過ぎた(・・・・・)

18m級という、通常のMSサイズの赤いガンダムにしては。

 

『――ね、ねぇ?ジークアクス?これ……本当にガンダムなの?』

 

ジークアクスは答えてくれない。

ただ方角と距離を示すのみ。

 

『――っ!』

 

急に不安な気持ちに襲われて、足を止めそうになるも、迷いを振り切り意を決して前へ進んだ。

 

……やっぱり。

 

はっきりと肉眼で目視できる距離まで来た頃には、もうそれが赤いガンダムなんじゃないかという希望は捨てていた。

さっきからわかってたことだけど、明らかにでかいし、なんか丸っこい感じで細身のガンダムとは似ても似つかないし。

 

『――なんだろ、これ』

 

『――バラ!バラ!』

 

『――バラ?バラってな……うっそぉ』

 

……でも、まさか、あれがシャロンの薔薇だったなんて夢にも思わなかったんだよね。

 

てかなんでハロは知ってたの?よくよく考えたらジークアクスの性能把握してるの変な話だしさ。確かアンキーの私物だった筈だよね?

 

「薔薇の中に、眠る少女……」

 

「あれ?コモりんも知ってたの?」

 

あのおじさん、誰もが知っている訳ではありませんとか前言ってたのに。

 

「えっ?あー、なんか前に聞かされた覚えがあって……誰に聞いたのかは忘れちゃったけど」

 

「……ふーん」

 

自分でも分かってなさそうなのを見るに、本当に心当たりはなさそう。

一瞬緑のおじさんかなって思ったけど、宛が外れたっぽい。

 

「それで、その少女が気になるの?」

 

腕を組んで問いかけてくるコモりんに、うむと頷く。

 

「知り合いに似てるんだよね」

 

「知り合い?」

 

「そっ、ララァさん」

 

「ララァ?聞いたことないわね……」

 

「まっ、そりゃそうだろうね。私だって夢の中で一回見ただけなんだし」

 

「……ごめんなさい、准尉。もう1回、言ってもらっていい?」

 

「んー?夢の中で一回見ただけってとこ?」

 

「そうよ、そこ!何夢の中って!?それ絶対見間違いかただ似てるだけとかでしょ!」

 

うわっ、急に怒るじゃん……

コモりん優しいけどこういうとこあるんだよねぇ。いきなりスンってなったりもするしさ。

 

「見間違いじゃないってば、本当に瓜二つってくらいに似てたんだよ」

 

「本当に?」

 

「本当本当。似顔絵でも描けば納得する?」

 

備え付けのテーブルからメモ帳を引っ張り出し、10ページほどめくってシャーペンでガリガリと書き出す。

 

「別に描けとは言ってないんだけど……」

 

「まぁーまぁーそう言わずに〜はいできた」

 

「……早い割に上手い」

 

「下手だとでも思ってたの?」

 

「正直ね」

 

しげしげと私の描いた似顔絵を眺めながらの一言。ちょっとカチンと来た。

 

「コモりんひっどーい!これでも成績優秀な方だったのにさー途中までは

 

「聞こえてるんだけど」

 

「ウッ」

 

いつの間にやら、気づけば絵から目を離していたコモりんが、こちらにジト目を向けて来ていた。

 

「薔薇の少女に、マチュ…あの人、いったい何が目的なんだろ」




いよいよ今週……果たしてどうなるのか

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

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