GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
チャートが崩壊する音ぉぉ………
「ォォオオっとぉ!?」
『前に意識を向けすぎです。もう少し周囲にも気を配らなければ』
「そうは言っても…
『いいことを教えましょう准尉。戦場では、そんな言い訳は通用しないのだと』
四方八方へと飛び回る有線ビットから模擬戦用のレーザーが照射される。
「あっぶな!?」
これだけは最初に覚えろと、それこそ朝から晩まで叩き込まれた回避動作を入力、レーザーからジークアクスの機体を逸らす。
オメガサイコミュなら、もっと早く動けるのに…ッ!
『マニュアル操作もできるようにならねば。現状、万が一デバイスを奪われでもすれば、あなたは戦えなくなります』
「そんなピンポイントなこと起こるの!?」
そういうのってもっとこうさ、機体ごと奪ったりとか、関節部壊したりとかするんじゃ、ないっの!?
『相手が事前に情報を得ていれば、という前提ありきにはなりますが……確実にないとも言いきれない』
ハッと息を呑んだ瞬間、銃口に光を収束させながら有線ビットが目の前へと迫る。
「うゥ!」
咄嗟に蹴り飛ばそうとするも、いとも簡単に避けられる。
「ッ!外した!」
ビームライフルを構え、発砲。
しかし、未だ慣れない操縦桿での操縦に加えて、これまで扱ったこともない銃器ということもあり、模擬戦用レーザー弾が明後日の方向へと飛んで行った。
『狙った場所は悪くありませんでしたよ。もう一度』
さっきと同じように、ゆっくりと宇宙を泳がせるようにビットを操作するおじさん。
本当、どうやったらそんな器用なことができるのか教えて欲しいくらいで……腹立つ。
「そんなこと言うんだったら、止まってくれてもよくないです?最初みたいに」
『戦場での動かない
「……むぅ」
『どの口がと言われても仕方ありませんが、あなたには人殺しになって貰いたくはない』
……そりゃ確かに人なんて殺したくないけどさ、MSで戦ってるのにそんなの無茶じゃない?
こうしてソドンに乗艦し、緑のおじさんを初めとした周囲の人達から色々教えて貰って、私は少しだけ現実を見れた。
そして思ったんだ。今までは、ただ運が良かっただけなんだって。
一歩間違えば即死、牽制のための攻撃が思わぬ死を巻き起こしたりする、ついさっきまでいた仲間がいつの間にかいなくなっている、本当の戦場っていうのは、そんな残酷な世界だった。
……これから私は、そんな世界に足を踏み入れることになる。
中佐の本当の目的を考えると、それに付き合う私も最低でも1人は手にかけることになると思う。
その人の命を奪った時に……私、どうなっちゃうのかな。
平然といられる?それとも吐き気に襲われる?自分の行いに恐れて震える?……どれも分からなかった。
でも、これだけは分かる。
もしそうなったら、私はもう、元には戻れないんだって。
『ええ。ですので、できればそうなっては欲しくない。決して、私のようにはなって頂きたくないのです』
「おじさん…」
『しかし上官に対しての口の利き方についてはまた別の話です』
「おじさん!?」
『さぁ、再開しましょうか。准尉』
平坦な声で、キケロガの全有線ビットを縦横無尽に張り巡らせる緑のおじさん。
その砲口が向けられたジークアクスに逃げ場は……無い。
う、うそだ…こんな、こんなことが許されていいの!?
『准尉、いいことを教えましょう。目上の人には、敬意を払うことが大切なのですよ』
「ヒィ!?」
ジークアクスが撃墜判定を食らうまで、あと―――
「……」
ジフレドのコクピット内で、私は発進の時を待っていた。
今乗艦しているのは、一年戦争時、地球連邦から鹵獲されたマゼラン級を改修した戦艦で、名をバリエルという。
一口に鹵獲された戦艦とは言っても、鹵獲時には内部の操作系統をロック後、物理的に破壊するなどで対策が取られていて、一年戦争時には投入できなかったという裏話もあるんだけど……閑話休題。
大事なのは、なんで今私がその戦艦に乗っているのかということ。
赤い彗星によるソロモン落としの阻止を経て、休戦交渉に望んだジオンと連邦。
……実のことを言えば、この時点では小破や中破、果ては大破と修理を要する自軍艦艇が無数にあって、整備兵はそっちにかかりきり、その上でさっきの理由もあって、この戦艦鹵獲したのはいいけど…と少し持て余し気味だったらしい。
その内勝ったし無理して使うこともなくない?という意見まで出てくるようになって、それもそうだなと周りも納得。必要な箇所を直し、武装類は危険の少ない物に置き換えられ、標的艦として運用されることになったのだそう。
……とはいえ、そのまま静かな余生を過ごさせてはくれないのが台所事情の苦しいジオン軍。
結局、演習用の標的艦として改装されていた艦に近代化改修も含む大改造を施し、グラナダの警備艦隊へと配備される運びに。
さらにさらに、つい数日前まで新型の艦艇達と共にグラナダを守るべく飛び回っていた所にキシリア様が目を付けて、急遽私の初実戦における乗艦に抜擢。
キシリア様の急過ぎる決定に白目を剥きつつも、仕方なしと応じてくれたため、申し訳なく思いつつも、有難く乗せて頂いているという訳なのだ。
『準備はいいか、新人?』
「あ、はい…大丈夫、です」
『はは!そう心配することねぇよ。実戦といったら実戦だけどよ、あくまでもお遊戯みたいなもんだからな!』
そう私に声をかけてきたのは、急な呼び出しで来れなかったエグザべ少尉に代わって派遣された先輩。
バリエルMS隊の隊長を任されている人で、エグザべ少尉曰くキシリア様も信頼している人物の一人だという。
イズマコロニーに辿り着く前のアレコレとか、クランバトルにサイコガンダム云々である程度戦場には慣れてるとはいえ……所詮私は民間上がりの新兵。
初陣の独特の緊張感に気圧されて、ついつい肩が上がってしまっていたのを見透かされていたらしい。
『なんせキシリア様の秘蔵っ子だ。傷なんか付けさせねぇからな』
「お願い、します」
『ハッチ解放。いつでも行けます』
『了解。お前ら聞いたな!?オウル6とオウル7は新人の護衛、残りで目標を叩く、しっかりお手本見せろよ!?』
『『『『『『サーイエッサー!』』』』』』
『よし本日もノリがいい。それでこそお前らだ……出撃!』
なんとも緊張感のない会話の後、艦後部左右のハッチからなんの前触もなく飛び出していくMS達。
スラスターを吹かせ、後に続く。
「ニャアン。ジフレド、行きます」
ニュータイプを重視するキシリア様のお膝元たるグラナダで大改造を施されただけあって、通常仕様よりも6機多い8機の搭載数を確保したバリエル。
改修時に色々模索していた時期に出てきた鶴の一声で、戦艦としての在り方よりもMSの運用能力を重視することになって、結果こんな形になったらしい。
ギレンが幅利かせる本国の方ではビグザムが全てを制する状態らしいし、こういう所でも政争が感じられてちょっと呆れた。
あのザビ家に限って無理だとは思うけど……家族なんだしもうちょっと歩み寄りの姿勢見せないの?という感じに。
『集中しろ、新人!』
「あっ、す、すみません!」
『遅れるなよ!』
「ごめんなさい…」
『戦場では一瞬の油断が命取りになる。気ぃ配れよ!』
「は、はい!」
……怒られちゃった。
まぁ、10割どころか100割私が悪いし、完全に自業自得なんだけども。
護衛として付いてくれている2機の内、オウル7と呼ばれた1機が乗機の右腕をジフレドの肩に乗せ、通信を繋げてきた。
『まあまあ。さっき隊長が言ってた通り、今回の任務はそんなに難しいものじゃない。気を緩めるのはともかく、リラックスくら『うわぁッ!?』っ、な、なんだ!?』
「っ!」
励ますような言葉の途中――部隊回線に断末魔が響き渡り、戦術モニターからその1機を示す光点が消え去った。
『オウル5がやられた!』
『どこからの攻撃だ!?』
『狙撃ですッ!対象、捕捉できず!』
『散開して探せ!敵に意図を悟らせるな』
『『『『『了解!』』』』』
突然の味方のロストに、混乱しつつもすぐさま対処に移る部隊の人達。
隊長の鋭い一声に従って、隊列を組んで進んでいた各機が即座に散開した。
『そういう訳だ。どうやら、厄介な敵らしい』
『悪いんだけど、バリエルに報告と、可能なら増援をお願いしたい。ある程度離れれば、ミノフスキー粒子の影響下から脱せる筈だ』
「わ、わかりました!」
『頼んだぞ!』
『どこに敵がいるかわからない。気をつけろよ!』
「おふたりも、お気を付けて!」
これまで来た道をスラスター出力全開で逆戻りした。
道中でバリエルとの通信が回復したため、その位置で指示された通りに報告と救援を要請後、またすぐさまとんぼ返り。
「………えっ?」
そして、全速力で戻ってきた私を待っていたのは、全滅した先輩方だった。
シグナルは全て消失、通信はひとつたりとも返って来ない。
……宙域を漂うゲルググの残骸ひとつひとつが、それらが機器の誤作動でもなんでもないことを想起させる。
うそ、でしょ……?
一緒にいた時間は短かった。
けど、彼らはその中でも私にとても良くしてくれた。
可愛い後輩だって、期待の星だって…言ってくれた。
『――俺は嬉しいよ。実は弟が地球に住んでてな……今の地球って環境が荒れてるし、苦労かけてるもんだからよ』
このジフレドがイオマグヌッソのコントローラーとして作られたという噂を知る1人の先輩は、格納庫に屹立するジフレドを見て感慨深そうに呟いていた。
『――改善したらいいですね。地球環境』
『――はは!なに他人事みてぇに言ってんだよ!おめーがやってくれんだろ!』
『――……それもそうでしたね。わかりました、頑張ります』
『――おう!頼んだぜ!』
同時に、やっぱり、私は……卑怯者だった。
彼がイオマグヌッソの本当の正体を知らないことには気付いていた。けれども、私はそれを指摘することも無く、耳触りのいい言葉だけを口にして、その先輩に話すことはしなかった。
居場所を失いたくない。
侮蔑の目で見られたくない。
罵声を浴びせられたくない。
結局のところ、私の中にあったのは自己保身だけ。そんな自分に吐き気がするのももう何度目か。
……それでも、この時に決意を固められたのもまた確かだった。
マチュ達には申し訳ないけど、この人達のために、この身に代えてでもイオマグヌッソは破壊しなければならない。
これまでだってそうは思ってた。
……そう思ってたけど、私の中にはいつも死の恐怖が蠢いていて、そのための礎となることに若干の拒絶があった。
でもこれからは違う。これからは、自信を持って行動に移せる。
そう思った矢先の……これだった。
「は、はは……あーあ……もう、どうなってもいいや」
その時、”俺"は初めて、己の意思で私という仮面を外した。
エスビットを2基共に射出。
縦横無尽に飛び回らせ、サイコミュの感知能力を拡げていく。
"俺”自身、まだ”俺"がニュータイプだということに懐疑心を抱かずにはいられない。が……使える手は全て使う。
「っ!そこかッ!」
レバーを最大まで押し上げ、スロットルを全開にする。
猛スピードで目標地点に向かえば、そこには濃緑色のスナイパーが1機。
この世界とは違う、正史における連邦の主力機、ジムに似たその機体のことは知っていた。
gMS-01、その名は……
「ゲルググ!?」
以前のクラバにも出て来たが、こいつは今でも現役の軍用MS。横流しか鹵獲でもされない限り、そう簡単には他所の手には渡らない代物の筈。
ということは……
「お前、ギレン総帥の手の者か?」
……答えは、ない。
それどころか、連結されていたロングバレルライフルを分割し、二丁それぞれを構えて発砲して来た。
「ッ!」
すぐさま上体を反らし、頭部に戻していたエスビットを再度射出。
ルナを素早く後ろに回り込ませ、ビームを放つ。
「避けられた!」
ビームライフルを向け、即座に照準を済ませて引き金を引き、同時にアルテミスで砲撃を行う。
二方向からの同時攻撃、これは――なんだと!?
連邦の魔女と戦った際の、あの時の
間違いない。こいつ、エースだッ!
――その時、直感が危険を訴える。
「っ!?」
疑うことなく機体を後退させ、ビームライフルを発砲。
先程まで"俺”がいた場所に佇む迷彩色の緑のゲルググがシールドを構え、光弾をシールドで受け止めた。
「……っ、なるほど」
どうやら相手さんは1人じゃないらしいな。
攻撃に回していたエスビットを一時的に再度索敵に回すと、新たなにもう1機の姿をキャッチ。
……敵は3機か。厄介だな。
「ひとまず、お前からだっ!」
ビームサーベルを抜刀、目の前の緑のゲルググ目掛け突撃する。
「危ねぇ!?」
――が、途中2本のビーム線による横槍が入った。
ルナとアルテミスを最後の1機に回し、再びスラスターを噴かせ緑のゲルググへ向かう。
……濃緑のゲルググは、片手間に相手できる手合いじゃない。本音を言うなら先に倒したいところだが……それをするにもこいつらがネックになってくる筈だ。
こちらの動きに気付いたのか、マウントする暇すら惜しいと言わんばかりにビームスプレーガンを放り投げ、即座にビームサーベルを抜刀するゲルググ。
「遅い!」
猛スピードで突貫する”俺"へのカウンターとして放たれた縦上段の振り下ろしを、機体を屈ませ急速に斜め下に潜り込むことで回避。
慌てて振り向こうとする相手を殴り飛ばした。
「なっ!?クソッ!」
一時的に制御を失ったのか、グルグルと回りながら溺れる緑のゲルググの奥、影の間を縫うように濃緑のゲルググがビームライフルの銃口を向けているのが見えた。
咄嗟にビームライフルを投擲して意識を向けさせ、その隙に緑のゲルググに急速接近。
ようやくバランスを取り戻したところを蹴り飛ばし、再度姿勢を崩させビームサーベルを一閃。
宙に咲いた汚い花火を背後に、エスビット2基に絡まれ、鬱陶しそうにしているもう1機の緑のゲルググに狙いをつける。
今!――ッ!?
ロックオンが完了し、引き金を引こうとしたまさにその瞬間、いつの間にやら近付いていた濃緑のゲルググがビームサーベルを振りかぶって来た。
「こいつ…どこから!?」
ビームサーベルを抜刀、ビームサーベル同士を接触させ、鍔迫り合いにもつれ込む。
意識は向けてた筈……いつの間に来たんだ!?
空いた片腕のビームライフルを突き付けるゲルググに、一時的に呼び戻したアルテミスで射撃。
「ふぅっ!」
迫るビームに気を取られた隙に、膝蹴りを食らわせバランスを崩させる。
「さら…にっ!」
体勢を崩しつつも、何とか光弾を躱した濃緑のゲルググをビームサーベルで突き刺しにかかる。
機体をねじってこれをも躱す濃緑のゲルググだったが……残念だったな。
「"俺”の狙いは、最初っから
機関部を貫かれたライフルが爆散し、濃緑のゲルググがマニュピレーターでコクピットを庇う。
その首を斬り落とさんとビームサーベルを振るう――と見せかけ、トマホークのような武装片手に、濃緑のゲルググの援護に来ようとしていた緑のゲルググ目掛けて投げ付ける。
「そっちから来てくれるなんてな。好都合ッ!」
強引にでも、なんとか回転しながら飛来するビームサーベルを躱しきった瞬間、既に回り込ませていたルナとアルテミスの十字砲火に焼かれ、その身を第2の汚い花火へと変貌させた緑のゲルググ。
……言っちゃ悪いが、こいつら2人はそこまで強くなかった。やっぱり、エースはこいつか。
緑のゲルググを切り裂かんと飛び出した勢いのまま、回転しながら戻ってきたビームサーベルをがしりと掴み取り、頭部を動かしメインカメラの向きを変える。
ジフレドのメインカメラが捉える先には、残る一丁のビームライフルを投げ捨て、ビームサーベルを両手持ちに切り替える濃緑のゲルググの姿。
こいつはさっき、緑のゲルググの救援に向かおうとする動きを見せていた。
そして、それと同時に、エスビットの軌道を見て早々に見切りをつけ、諦めるという選択をも取った。
……間違いなく、こいつはオールレンジ攻撃を知っている。
エスビットを呼び戻し、その帰り道にライフルを挟むことで、ビームライフルを回収――はさせてくれないよなッ!
「チッ!、何!?」
高速で割り込んで来たゲルググにルナの軌道を逸らすも、それすらも読んだ斬撃がライフルを真っ二つに切断する。
暗黒の宇宙に爆炎の光が迸り、光に照らされた濃緑のゲルググがマスクに覆われたメインカメラを輝かせた。
……これでお互いビームライフルは無くなったってか。
それでもこっちにはまだエスビットが2基共に残っている。対する相手にはもうこれ以上の遠距離武装は無さそうだ。……なんか仕込んでたりしなければな。
エスビットを頭部に戻し、ビームサーベル片手にスラスターを噴かす。
「セァ!」
チッ!
右薙ぎの一撃を機体を急激なAMBACで躱され、舌打ちをこぼす。
「まだ――ッ!?」
距離が離れない内に追撃に出ようとしたものの、非起動状態で漂ってきたビームサーベルに直感的に飛び退く。
やっぱりか…!
勘に従って正解だったな。
先程までジフレドのコクピットのあった場所に、光の刃を発するビームサーベルに心底そう思う。
「今のゔっ…!」
ビームサーベルを切断し、武器を奪うという試みは失敗。またしてもこちらの動きを読んだ蹴りが放たれ、コクピットが激しく揺さぶられる。
「クッソマジこいつ!」
我武者羅にビームサーベルをブンブンと振るうも、当然そんな攻撃が当たる筈もなく……いとも簡単に回収されてしまった。
行けっ!
エスビットを射出。高速で濃緑のゲルググに向かう2基に合わせて本体もスラスター全開で飛び出す。
ルナとアルテミスを左右交互に砲撃させ、最小限に抑えながらも、確かに回避行動を取る濃緑のゲルググを視界に収める。
重要なのはタイミング。見逃すなよ…"俺”!
時折ブラフをかましつつ、いつか訪れるその時を待つも、待てども待てどもその時は訪れない。
「ふんっ!」
それどころかルナ、アルテミス双方の砲撃を潜り抜けてきたゲルググの攻撃を許してしまう始末。
サーベルを握り、袈裟斬りを放つ濃緑のゲルググの腕に、ジフレドの左腕を滑らせることで外させ、今度は逆に濃緑のゲルググの頭に掴みかかる。
「そこ!……それ避ける!?」
しかし、某フィンガーのつもりで放ったアイアンクローは躱され失敗、有効打にはならなかった。
けど、これだけ近ければ…!
エスビット両基を濃緑のゲルググの周囲をジグザグに旋回させ、ゲルググがそちらに意識割いている間に、空いた左腕に残りのもう一刀を握らせる。
「あっバレた」
なるべくバレないようにはしてたつもりなんだけど……
エスビット2基に向けられていたメインカメラが、バッチリと左腕のビームサーベルを射抜いていた。
「えっ?……いやそこでそれ使うのかよ!」
柄部分を延伸させ、もう片方のビーム刃を発振。
所謂ビームナギナタの形態を取らせた濃緑のゲルググが、油断なくこちらを見つめている。
それ知らなかったんですけどぉ!?あんたただのジムもどきじゃないの!?豚鼻以外にもゲルググ要素あったんかいっ!
心の中で罵詈雑言を叫び、左手のビームサーベルを発振させる。
「ここに来てようやく本気ってか?そりゃー随分」
……都合がいい。
今出せる最高速度を出し、二刀のサーベルを横に薙いだ。
「反応が早い!」
頭部と脚部を狙った斬撃は、ビーム刃を同じく上下に構えたビームナギナタに阻まれた。
攻撃を防がれたのにも関わらず、”俺"の顔が形作るのは――笑顔。
残念だったなぁ!それが狙いだよッ!
エスビットを射出、即座にビームを放つ。
「これも避けるのか!?……なんちゃって」
濃緑のゲルググの中でパイロットが息を呑んだのがわかった。
「その体勢じゃ、避けられないだろ!」
終わりだッ!!
ビームサーベルを一閃。
決着の意を込めた一撃は――相手の脚部を切り落とすに留められる。
「うそぉ!?」
今度はこっちの番だとでも言わんばかりの激しい連撃を、両の手のビームサーベルをなんとか受け止め、必死に耐える。
はやいはやいはやいはやいはやいって!?
通常のレバー操作だけでは追い付かない。
そう確信できるほどの速さで、ビーム刃が次々向かってくる。
サイコミュコントロールによる反応速度の向上、及びその反応速度を反映できるジフレドの性能。
両方あるからなんとか凌げてるが……正直死ぬほどキツい!
左右、あるいは上下、はたまた前後。
縦横無尽に振るわれるビームナギナタが、凄まじい速さで"俺”の体力を削り取っていく。
このままじゃマズイ……こうなったら…ッ!
鍔迫り合いの最中、力任せに押し込む素振りをチラ見せさせてからすぐさまビームサーベルを放棄し後退。
高速のビームナギナタに切り裂かれるビームサーベル。
一際大きい火花を最後に起こった小爆破が濃緑のゲルググの視界を覆い隠し、たった一瞬ながらその動きを止めることに成功する。
「フン!」
晒された隙を見逃さず、出力全開で即座に上昇、遅れてこちらに向けられたメインカメラ目掛けて踵下ろしを叩き込む。
「よし、今!!」
右手のビームサーベルをフルスイングさせ、ビームナギナタの柄部分を切断。
「今度こそ…終わりッ!!」
両の手に、激しく火花を散らすビームナギナタだったものを握る濃緑のゲルググ。
その頭上にビームサーベルの刀身を持って行き――力の限りに振り下ろした。
竹を縦に斬り裂くかのように相手を真っ二つに割る技、唐竹割りを繰り出し、濃緑のゲルググを縦に真っ二つに
しかし相手とて腐ってもエースというべきか……確かに機体を真っ二つにはされたものの、直前でコア・ファイターが飛び出していくのが見えた。
……先輩方を全滅させ、その命を奪った相手が、脇目も振らず逃げ出して行く様を見ても
だって、そもそもの話、
『おのれ…キシリアの犬……ディアブロめっ!!』
パイロットもそれ――機体から迸るスパークに気付いたのか、最後にそう言い残し、コア・ファイターが宙に散る。
1話限りのモブキャラ増やしすぎたなぁ……
このままだと余計な蛇足ばかりが延々続いていきそうなので、もう次回からイオマグヌッソ編入ります。
と言いたいところだったんですけど……急な話で申し訳ないのですが、色々とやらなければならないことを後回しにしてきたツケが回って来まして……思ってたよりも書いてる余裕がなくなって来たため、暫く更新できなくなるか、飛び飛びで更新することになると思います。
オリチャー爆走することになってでも完結はさせてやるからよぉ……完結済、その先に俺は行くぞッ!
※教導の新人さん、lakudaさん、ジャック・オー・ランタンさん誤字報告ありがとうございます!
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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YES
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NO