GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

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お久しぶりです(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
前よりも文字数も少なく(クオリティも低下してるかも)なってますが、私は元気です。


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あの日から、おおよそ1ヶ月の時が過ぎた。

まだ新人でありながら――ジフレドのメインカメラが捉えた映像から、こちらのスケジュールを抑えたギレン派からの妨害だと判断された――あの襲撃を退けたことを高く評価され、私は表彰を受けた。

 

……気持ち的には複雑だったけど。

 

色々と煮え切らない想いを抱えつつも訓練に勤しみ、とうとう迎えた今日。

 

失敗はできない。今日だけは。

 

「そろそろ時間だ。準備は?」

 

「……大丈夫です」

 

「そうか。先に行っておくぞ」

 

「ご武運を。私もすぐに向かいます」

 

「君もな。お互い頑張ろう」

 

ヘルメットを小脇に抱え、待機所を出て行くエグザべ少尉。

その背を見送り、今一度頭を回す。

 

今日、これからキシリア様の計画が実行される。

……何がなんでも止めなきゃ。

 

「絶対に、あの兵器を使わせないようにしないと」

 

例え、この命に代えてでも。

 

『――新人が先に出る。皆は僕に続け!』

 

エグザべ少尉が他の親衛隊の先輩方に指示を飛ばす。

通信から響く声を耳から耳へと流しながら、深く息を吸い、吐いた。

 

「ニャアン。ジフレド、行きます」

 

膝を曲げ、バネのように勢いを付けて飛び出す。

さっきの少尉の言葉通り、私の後を追うように、少尉達のギャンが次々と飛び出してくる。

 

あっという間に私を追い越した先輩方は、縦1列になるように隊列を組んでいき、私はその最後尾に収まる。

 

『いいか、事前の作戦通りだ。まずは国家親衛隊のビグザムを無力化する!各機行動開始!』

 

了解!と鋭い返答を返した先輩方が、ブースターを点火し猛スピードでビグザム目掛けてカッ飛んでいく。

 

「……本当はやりたくないけど」

 

ビームサーベルを出力、手近な戦艦に取り付き、その艦橋を一刀両断する。

 

突然のMSの発進に戸惑っていたのか、抵抗する素振りすら見せず撃沈した戦艦。

無抵抗な相手を一方的に攻撃する行為に嫌気がさすも、これも必要なことだと割り切る。

 

キシリア派にもギレン派にも、イオマグヌッソを渡すことはできない。

 

仮に今回の作戦で完全な破壊に成功したとしても、1度作られてしまった以上、余力があれば何度でも作られてしまう可能性がある。

 

よしんばシャロンの薔薇が消失したとしても、正史においてソーラ・レイを生み出したジオンは侮れない。

 

……なら、ここでその余力を削ぐしかない!

 

「そこ!」

 

ようやく事態に気付いたのか、砲塔を回頭させ始める戦艦達の艦橋を狙い撃つ。

 

引き金を引く、引く、引く。

 

接近する光弾を無理矢理艦を回頭させ躱した艦艇に、エスビットの砲撃を叩き込む。

 

ひとつ、またひとつと宇宙に大輪の華が咲き誇っていく。

華が咲くごとに消え去る命を感じ取り、吐き気が込み上げてくる。

 

「ング…えぇいッ!」

 

ヘルメットを投げ捨て、チューブから水をがぶ飲みする。

込み上げてくるものを強引に飲み下し、再度スコープを覗き込む。

 

「そりゃバレるよね!」

 

けど、相手とて無能じゃない。

何隻も沈められたとなっては、流石にこっちの位置もバレるというもの。

 

砲口から放たれた大出力ビームを宙を駆けることで避け、今度はこっちから向かう。

 

「右、左、斜め右…下!」

 

正確に放たれる砲撃を何度もバレルロールを繰り返すことで躱し、ビームサーベルを発振させる。

 

ついに切っ先が艦橋を捉えたその瞬間、ビームサーベルを思いっきり振り下ろした。

 

「そっちにばっかり気を取られてちゃダメ」

 

背後でまた1隻、艦艇が宇宙のチリと化した。

 

「お疲れ様」

 

それを成した功労者――2基のエスビットを頭部に戻す。

……またすぐに働いてもらうことになるけど。

 

さて、と。

 

目標として定められたギレン派の艦艇。

それらをあらかた排除し終えたのを確認し、本命(・・)へと目を向ける。

 

「やっぱり、大きい……」

 

エスビット2基を射出。

ビグザム周辺を周回させながら、様々な位置から砲撃を行い、Iフィールドの外面がどこまで展開されているのかを確かめる。

 

……試してみた感じ、正面と背面は殆ど全体、左右もある程度全体的に張られてる。

ルナかアルテミスのどちらか一方だけなら、通り抜けて内側に潜り込めるかも。

 

「行って!」

 

アルテミスと本体で注意を引いている合間に、目処をつけた地点にルナを滑り込ませる。

 

ビグザムの意識がルナに強く向けられたのを確認し、本体でコクピットに取り付きに向かうも、メガ粒子砲や拡散粒子砲がそれを許さない。

 

「うぐぐぅっ!」

 

距離を取り過ぎれば狙いを付けられる、かといって近付き過ぎれば2脚の強烈な振り回しが待っている。

全く、やりづらいったらありゃしない。

 

エスビットをバラバラに動かし、絶え間無くビームを放たせることで気を逸らし、その隙になんとか近付いてトドメ。……頭では考えついてるのに…!

 

現実は上手くいかない。本体が近付くまでにこっちの動きを悟られてしまう。

 

進行ルート上にあのゴン太ビームを置かれちゃ避けるしかない。一応このジフレドにもジークアクスの物と同じIフィールドジェネレーターを搭載したシールドが装備されたけど、あの出力の前じゃ焼け石に水。

 

手数が足りない…!

 

あともう一手、もう一手が欲しくて堪らない。

それこそ…つい今仕方横を通り抜けて行った、白いギャンを含む親衛隊のギャン達が装備してるハクジ装備のような……って、えっ?

 

白いギャンがコクピットへとハクジを深く突き刺した瞬間、3機程のギャンが飛来し、次々にその手に握られた大型ランスでビグザムを貫いていく。

 

「すごい…」

 

大型ランスを深々と突き立てられたビグザムが爆散し、宇宙を爆炎の光が照らす。

 

『呆けてる暇はないぞ!』

 

っ!

 

鋭いエグザべ少尉の声にハッとした。

エスビットを呼び戻し、スラスター全開で宇宙を駆け抜ける。

 

狙いは今まさに先輩方のギャンと交戦しているビグザム。

ランスの穂先から放ったビームはIフィールドに阻まれ、痺れを切らしたギャンが大型クローで一刀両断される。

 

『距離を取るな!接近しろ!』

 

今し方味方の1人が死んだとしても、命を賭してビグザムを落としにかかる無数のギャン。

 

その群れに紛れるようにして、上空から急速接近、2本の足でがしりとビグザムに取り付く。

 

「ふん!」

 

ビームサーベルを出力し、そのコクピットを斬り裂くように横に薙いだ。

 

スパークと火花を散らし始めたビグザムから背を向け、背後から飛んで来たそれ(・・)を掴み取る。

 

Iフィールドはその性質上、実態を持った質量には効果を発揮しない。

だからこそ、物理的な攻撃はIフィールドに対する特攻となりうるのだ。

 

そして、今この宙域にはその条件に当てはまる物が無数に存在する……そう、破壊されたビグザムや艦艇の残骸だ。

 

勿論これだけでビグザムが倒せる訳じゃない。

逆にこれだけで落とせるビグザムがあるとすれば……きっとそれはガワだけ似せたパチモンに違いない。

 

「1人じゃ落とさなくても!」

 

ジフレドの手に収めたもの――ビグザムの装甲板を投げ付け、すぐさま移動。また別の装甲板を手に取る。

 

投げて、移動。投げて、移動。このサイクルを何度も繰り返し、ついにはメガ粒子砲だけでなく、脚部クローまでもがジフレドに向けられた瞬間、

 

「――今です!」

 

私の声を聞いてか、それとも各々の判断か、4機のギャンがほぼ同時と言っていいであろうタイミングで、その大型複合兵装でもってビグザムを串刺しにする。

 

やがて、耐えきれなくなった機体が爆散。また1機、ビグザムが宙に散る。

 

「残りのビグザムは……あと1機!」

 

レーダーが示す赤い光点の方向へと目を向けた、ついその時のことだった。

 

「あっ」

 

目標と見定めたビグザムが爆炎に包まれ、その姿を掻き消して行く。

 

……どうやら、1次作戦は無事終了したらしい。

ここからは2次作戦――イオマグヌッソの掌握へと移行する。

 

キシリア様の計画はここからが本番だ。……同じく、私の計画も。

 

茶封筒を取り出し、その中身である1枚の紙を見る。

 

「……」

 

書かれているのは座標。

下の文には、この座標でゼクノヴァを起こせという簡潔な指示が綴られている。

 

「ッ!」

 

指示書をビリビリと破り捨て、ゴミを茶封筒の中へと放り込む。

 

当たり前だけど、キシリア様……いや、キシリア(・・・・)の指示に従うつもりは欠片もない。

それに、そもそもの話…もう従う理由もないし。

 

「すぅ……はぁぁ……」

 

深々と深呼吸し、精神を落ち着かせる。

 

そして――いよいよ覚悟が決まる。

 

「よし」

 

ペダルに足を掛け、イオマグヌッソ内部へと向かおうとしたまさにその時、どこからか現れた全身を白く染めたギャンに肩を掴まれた。

接触部を介して回線が開かれ、そのパイロットの声が届く。

 

『待て、ニャアン!勝手に持ち場を離れるな!』

 

「……っ」

 

エグザべ、少尉……

 

私は迷った。

予め考えていた建前を口にすることで、確実にイオマグヌッソ内部へと侵入するか、あるいは……ここで真の目的を伝えて、少尉に協力を仰ぐか。

 

突然こんなことを話したところで、他の先輩方が耳を貸すことはないであろうことは分かりきっている。

……でも、私と同じ、イオマグヌッソの正体を知る少尉なら……

 

「少尉……やっぱり…私には、できません」

 

『えっ』

 

「キシリア様の特命では、指定する地点に、ゼクノヴァを発生させろとあります。……でも、それって……大量殺人者になれって、ことなんですよね?」

 

『大量、殺人…!?』

 

何を言ってるんだ!?と驚愕を露わにするエグザべ少尉。

彼の乗機もまたその機体を震わせ、パイロットの動揺をわかりやすく示している。

 

「私、気になって調べたんです。そしたら……キシリア様の仰る座標が、ア・バオア・クーを指していることがわかって……」

 

キシリアが、父デギンを殺したギレン総帥を憎んでいるというとは知っていた。

とはいえ、まさかここまでするなんて……

 

「あんなところでゼクノヴァを起こしたりしたら……どうなるかなんて、火を見るより明らかです」

 

『それ…は……』

 

「だから、私は…イオマグヌッソを破壊します。あんなものは、この世界にあっちゃいけない」

 

『……』

 

「少尉、できればあなたにも、助力をお願い…したいです」

 

サウンドオンリー(音声のみ)で、伝わらないのは百も承知。それでも、必死に頭を下げる。

 

そうして、暫く無言で頭を下げ続けた果て。

エグザべ少尉が、静かに言葉を口にし始めた。

 

『ニャアン……』

 

「……」

 

『確かに、君の言う通りだ』

 

「!」

 

『イオマグヌッソは、世界に新たなる混乱を呼び込むだろう。大勢の死をも呼び込むだろう』

 

「な、なら――『けど』……っ、えっ?」

 

『僕は、キシリア様の親衛隊だ。誰がなんと言おうと、そうなんだ』

 

しょう…い?

 

『キシリア様の盾として、矛として、僕は戦わねばならない』

 

まって、まってよ……

 

『だから――――すまない』

 

「っ!?」

 

コクピット内に響き渡る衝撃。

必死に操縦桿を握りしめ、なんとか揺れを堪えていると、部隊回線での通信が繋がった。

 

『皆聞け!新人が…ガンダム・フレドが謀反を起こした!総員、即座に鎮圧せよ!』

 

そんな!?




次回の更新はいつになるかは分かりませんが、ちょっとずつ書いていきます。

※祐☆さん、笠鷺さん、ジャック・オー・ランタンさん誤字報告ありがとうございます!

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

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