GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

19 / 24
お久しぶりです(;´Д`)
乙4合格出来たことで、モチベがぐぐーんと上がりましたが……結局あまりいい展開が思いつかず、どちらかというと退屈な展開になってしまいました。


19

「ハァ…ハァ………ニャアン……」

 

各部の関節どころか、機体各所のあらやる部分から、激しい火花を撒き散らし、ぐったりと壁面へと大小様々な傷をつけたその身を沈み込ませるジフレド。

ついさっき、驚愕しながらも私の全てをかけて倒し、無力化したガンダムの名を冠するMS。

 

ニャアンとも話し合ったし、納得もしてくれたのに……どうして。

 

「いや、違う……」

 

私が重宝している勘は、さっきの動きが、愛しい人のそれではないことを告げていた。

まるで操り人形のように、誰かに操作されたかのような、そんな感じがした。

 

「どうしよう……」

 

特徴的な複眼をめちゃくちゃ毒々しい赤色に光らせ、ユラァ…と立ち上がって来たジフレド。

なんでかは分からないけど、一刻も早く無力化しなければならない……私の第六感は告げていた。

 

――このままだと、なにか…取り返しのつかないことが起こると。

 

「ニャアン…!?」

 

『……』

 

ジフレドを覆う、嫌な感じのする靄のようなナニカ(・・・)が見えた。

 

「なに、この感じ……気持ち、悪いッ!」

 

『……』

 

先程までとは異なり、いっそ気味が悪いまである正確無比な射撃、強度の弱い部分を狙うこちらもまた気味が悪いレベルの正確さの斬撃の嵐。

 

「この!」

 

けど……なーんでかめっちゃ読みやすい。

いっそ敢えて読みやすくさせてるのでは?とすら感じる、上段の振り下ろしを逆手に取り、カウンターで武器を弾き飛ばす。

 

「うわっ」

 

今度は殴る蹴るといった体術と来たよ……ビット使うっていう発想すらない訳?

まぁ正確すぎる程に正確ではあるとはいえ、なんでか動きはめちゃくちゃ読みやすいからいいけどさ。

 

「本当に、なんなんのさ…!」

 

ブン!とビームサーベルを振るい、ジフレドの頭部を斬りつける。

しかし……

 

「浅い…!」

 

光刃が届く直前、上体を僅かに逸らされたことで、斬撃は表面を薄く斬りつけるだけで終わる。

 

いや、焦るな。別に完全に避けられちゃった訳じゃない。確実にダメージは入ったんだから。その証拠に……

 

溶断され、斜め線が入るように、溶け、爛れたジフレドのフェイスパーツ。

赤熱し、溶解したパーツはボトボトと溶け落ち、脱落する。

溶け落ちたパーツの奥から覗くその内部構造は……

 

「えっ」

 

赤、なんかめっちゃある穴――以上。これだけ。

 

「えっ?」

 

な、なんかこう……他にもっとないの?えっ、MSってこれが普通なの?ジークアクスもこうなの?だとしたら嫌すぎるんだけどっ!?

 

ジークアクスの中にあれがある様が頭に浮かび、素でうへぇ…とか言いそうになり――頭を駆け抜けたイメージに、ジフレドを渾身の力で壁へと叩き付けた。

 

「ッぅ!!」

 

いくら兄弟機同士とはいえ、なんかのリミッターを解除したジークアクスと、恐らくは前までのジークアクスと同じでリミッターがかかったままのジフレド。力の差は……歴然。

 

「ふん!」

 

尚も抵抗せんと、破損しながらも向けられた頭部を思い切り殴る。

 

さっきまでのニャアンは各部に伝えるパワーを細かくコントロールすることで、この状態のジークアクスにも渡り合える程の力を発揮していたけど……これまでの攻防の中、今ジフレドを操っている何者かは、そんな素振りを1度も見せる事はなかった。

 

常にフルパワーを伝達し続け、関節に負荷がかかろうがお構い無し。率直にいえば……機体の状況も鑑みない素人の発想そのもの。

 

「あとのことなんか何も考えてないとか、嫌な予感しかしないんですけど」

 

こんなのが急に動き出すとか、ジフレド……本当にどうなっちゃったのさ。

 

反撃のチャンスを尽く奪い尽くし、ひたすらに何度も何度も殴り続けていると、やがて対象のジフレド次第に抵抗がぎこちなくなっていき、やがては完全に動きを止めた。

 

「もう、大丈夫……ハァ…だよね?」

 

――そして、冒頭に戻る。

 

「本当、どうすればいいんだか……」

 

シャロンの薔薇をこのままにはできない。

でも、だからって、あんなことがあったのにニャアンをここに置いていくのも……

 

思わず両手で顔を覆いながら悩ましい問題に呻き声を漏らす。

 

「えっ」

 

その時、私の前に現れたのはもう1人の愛しい人。

 

「しゅう、じ?」

 

「……」

 

シュウジは何も口にすることなく、ただ一点を指差した。

その指が指し示す先に目を向ければ……そこにはシャロンの薔薇が。

 

まさか……

 

「薔薇を、優先しろって、そう言いたいの…?」

 

シュウジは首を左右に振った。

 

違うの…?じゃあ、どういう意味なの?

 

「マチュ、薔薇に意識を向けてみて」

 

「っ!」

 

幽霊じみた半透明な体に合わせてか、エコーがかった声になってたけど、私が何度も聞いたシュウジの声を聞き間違えることなんてない。

 

やっぱり、本物だ……シュウジ!

 

「タイムリミットが近付いてる。でも、焦らないで」

 

「シュウジ?」

 

「マチュ、君にはまだ、やるべきことがあるんだ」

 

再会を喜ぶ私とは違って、強い意志の籠った目で何かを告げるシュウジ。

 

こんなシュウジ、見たことない……急にどうしちゃったの?なんであの時消えちゃったのとか、聞きたいこともまだ色々あるのに……

 

「……ッ!」

 

「シュウ――うぁっ!?」

 

突然の激しい揺れ。まるで嵐のごとき振動は、ジークアクスの機体をこれでもかと揺さぶり、意識が早く機体を固定しなきゃ…!という焦燥感に支配される。

 

「急いで、マチュ!彼女が、完全に目覚めてしまう前に…!」

 

「そんなこと言ったッてぇ!!こんな状況なんだよぉっ!?」

 

ハッ!?そうだ、ニャアンは!?

 

私の意思を反映してか、即座にジークアクスがニャアンの生体反応をサーチし始める。

 

……よかった。上手いことハマりこんでるおかげで何とかなってるみたい。

 

「で、ででで…でさ!今言ってたけど、どうすればいいの!?なんかもうすんごいことになってるよ!?」

 

これもう地球にたまに起きるっていう天変地異レベルじゃないの!?こん中壊れちゃうって!?

 

今だってめちゃくちゃ必死に掴んでるから吹き飛ばされてないだけでさ、ちょっとでも油断したらすぐにで持ってかれちゃうよこれぇっ!

 

「っ!来るっ!」

 

「来るって、ぬわぁにぃがぁ…!?」

 

意味ありげにどこかへと目を向けるシュウジ。

申し訳ないんだけど、そっち見てる余裕ないからぁ!

 

「――シュウジ・イトウ。まだ続けるつもりか」

 

「へっ?」

 

声…通信?

いや、でも、通信にしてはガサガサ音とかないし、普通に聞こえる。

 

「ッ!」

 

こんな事してる場合とは思いつつも、どうしても気になっちゃったもんはしょうがないと顔を向け、硬直。

 

えっ、あれって……

 

「赤い、ガンダム…?」

 

隔壁を切り裂き、内部に侵入してきたのは……クランバトルにおけるシュウジの愛機として何度も共に戦ってきたかの機体、”赤いガンダム"だった。

 

「いい加減に目を覚ませ」

 

「……僕はいつも正気だ」

 

って言うか、この2人……もしかして、知り合い?

赤いガンダムを持ってたから何かしらの関係はありそうだとは思ってたけど……以外と近い関係性だったりする?

 

「薔薇の少女は世界を歪める元凶。彼女がこの世を歪め続けるというのならば、それを正さねばならないことはわかる筈だ」

 

「それも全て、あなたを守る為だ」

 

「知っている。それに……だからこそだ」

 

「……」

 

あのー、2人でめっちゃシリアスな空気醸し出してるとこ悪いんだけど……まだシャロンの薔薇がめちゃくちゃ荒ぶりまくってるんですよね。具体的にはもう全体が真っピンクに染まってたり…?

 

「どうやら、時間切れみたいだ」

 

これもう本格的にまずいかも…!と焦りが冷や汗となって現れ、額から流れ落ちる。

 

シャロンの薔薇が、一際強い輝きを放った。

 

「……」

 

赤いガンダムをじっと見つめ続けていたシュウジは、不意にシャロンの薔薇へと目を向けたあと、一度目を閉じた。

そして、再び口を開く。

 

「やっぱり、こうするしかない」

 

「シュウジ・イトウ、お前は……いや…貴様は、まさか!?」

 

赤いガンダムに乗る誰かが驚きに息を呑んだのがわかった。なんか空気が重苦しくなってきたものだから、ちょうど同じタイミングで私も息を呑んだし。

 

……状況についていけてないし、次々出てくる訳の分からない単語を理解するだけで精一杯だけど、なんでかこれだけはわかる。

 

なにか、大変なことが起こるって――

 

「そう。僕は、向こう側からやってきた

 

「ッ!!」

 

「――ぁ」

 

シュウジが、向こう側からやってきた…?それって……

 

「僕の目的はただひとつ」

 

「チッ!させるか!」

 

私が物思いに耽っている間も、2人は私を待ってはくれなかった。

 

赤いガンダムのパイロット(赤い彗星)が声を荒らげると同時に、内壁に刻まれた無数のラインに、まるで水が流入するかのように光が灯り出し、各部のボルトで止められたロックが次々と外され始めたのだ。

 

「そう、か。それが、あなたの選択か」

 

「えっ…?」

 

何が、起きてるの……なんで宇宙が、見えてるの…?

 

「薔薇の少女が目覚める前に、向こう側へと送り返す!」

 

「……それじゃ彼女の心は救えない。だから――僕は」

 

シュウジの言葉に呼応するかのように、シャロンの薔薇の対角線上に、なんらかの光が出現。その光はどんどんとその規模を拡大させて行き……やがては、ある1機のMSの姿を映し出す。

 

あれって、まさか……

 

「ッ!?白いガンダムだと!?」

 

「終わらせる時が来た。ガンダムが、そう言っている」

 

それは、あの夢の中で見たMS――ガンダムだった。

 


 

「うっ、うう……」

 

……ここは?私は…?っ、そうだ、マチュっ!

 

「暗い…」

 

一箇所以外は……完全に真っ暗だ。非常灯もついてない。

半ば必然的にその唯一の光源へと向けられる意識。

 

暗闇に包まれたコクピットの中で、唯一光を放っているデバイスの液晶画面。

そこに表示された『Standby…』の文字に、思わず目が細まる。

 

standby?……何を?何をスタンバイしてるの?

 

自爆装置のことを指してるのなら、起動できないのはさっきで確認済だけど……なら、これはまた別のことを指してる?

 

「今はなにが起きてる……どれくらい寝てた?くそっ、分からない!」

 

頭をガシガシと掻きむしっていると、特徴的な電子音声がコクピット内に鳴り響いた。

 

「っ!」

 

慌ててデバイスの液晶画面を覗き込むと、そこには『Take off. Mission complete.』の文字が。

 

離陸、任務完了…?いったいどういう……

 

「ぇっ?」

 

なにかのロックが外れるような音と共に、突然の浮遊感が体を包み込む。

 

「は?えっ……うえぇ?」

 

何が起こったのかと周囲を見回すも、相変わらず周囲は真っ暗なまま。

――そう思った直後、真っ暗な空間から抜け出すかのように、周囲から光が差し込んだ。

 

差し込んだって言うよりは……反転したって言うべきなのかな?なんかぐりんってなってから光が、外が見えるようになった。

 

「あっ、ジフレド…?」

 

まず最初に目に入ったのは、上半身のみを持ち上げた体勢のジフレド。そして同時におかしいとも思った。

 

コクピットの中にいる筈なのに、なんで機体が映ってるんだろ……サブカメラとかの映像でもないし、というか、これそもそも映像なの?

 

「映像…にしては随分と自然に見えるというか」

 

ガラス越しに窓の外を見た時と、どことなく重なる既視感を感じるというか、なんというか。

 

「なにがどうなって……ん?」

 

あれ?なんであの部分光ってるんだろ。しかも赤く点滅してるし。

 

あの光がなんなのか気になり、ずいっと身を乗り出した瞬間、少し大きめの揺れが私を襲った。

 

「わぁぁぁぁ!?えっ、なに!?」

 

ガバッと慌ててシートに掴まり、顔をブンブン振る。

そうこうしている間にも私が乗っているらしいなにかは移動を始め、ついにはジフレドの巨体が小さく見え始めた。

 

「離れてく…?……まさかっ!」

 

これって、もしかして、コア・ファイター?

 

そういえば、動いたのは見た事なかったけど、ジフレドにはコアブロックシステムが搭載されてるって整備兵の人達が説明してくれてたっけ。

 

……それはそれとして、なんでコア・ファイターが勝手に動いてるのか気になるんだけど。私さっきまで気絶してたよね?紛れもなく。

 

状況について行けない私を置いてけぼりに、コア・ファイターはついにはイオマグヌッソの外へと抜け出す。

 

「戦ってる……マチュはどこだろ、早く見つけないと……」

 

辺りには無数のビーム光が迸り、それすらも霞む爆炎の光があちらこちらを照らしている。

爆炎が巻き上がる度に、なにかの断末魔のような声が聞こえて、無意識に手が口元を覆った。

 

「気持ち悪い……なんなのこれ」

 

これがニュータイプの力?……だとしたら、なんておぞましい存在なんだろう。ニュータイプっていうのは。

聞きたくもない断末魔を強制的に聞かされるなんて、悪夢以外のなんでもない。

 

「ニュータイプ……」

 

とにかく、巻き込まれる訳にはいかない。

なんか勝手に動いてたし、意味があるかは分からないけど、とりあえずと操縦桿に手をやった。

 

あっ、やっぱり勝手に動くのね。

 

まだなんのアクションも起こしていないというのに、なんでか方向転換して離れ始めるコア・ファイター。

自動操縦とかそういう機能でもついてるのかな。

 

サイコミュコントロールの可能性もあるっちゃあるけど、完全に意識失ってる間にも動いてた節あるからね……

 

「……?」

 

目の前をなにかが過ぎった気がした。

 

「なに?なんだろう。なんか、細長くて、白い……」

 

流石にキャノピーにズーム機能なんてついてないよね……無いか。そっか。

 

わかってても気になるものは気になる。とはいえMS同士の戦いに無防備なコア・ファイターで突っ込む訳にもいかないし………ここは大人しく離れるべきかな。

 

離脱するのか、それともここに残るのか、私の判断を仰ぐように旋回していたコア・ファイターが、フルスロットルで宇宙を駆け抜ける。

 

「ん?……ッ!?」

 

多分一番安全なルートで離脱を進める中で、ふと見えてはいけないものが目に入ってしまった。

 

ジークアクス、赤いガンダム、キケロガ、純白のギャンという見るからに強そうなスクワッド――実際この世界最高峰だと思う――を相手取るは、たった1機のMS。

 

他のガンダム達よりも一回り大きいように見える頭頂高。

白と黒という特徴的なモノトーンの中で、鋭い輝きを放つ頭部ツインアイ。

 

そして、今も尚その特色とも言うべき細長い放熱板のようなもの――フィンファンネルを縦横無尽にかけ巡らせるそのガンダムは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

νガンダム(・・・・・)

 

あーもう終わりです。お疲れ様でしたー




おっちゃんからνなお兄さんにお色直しされた理由は……また次回。

ちなみに、ダミージフレドくんを放置した場合、「あれ?こいつ大したことないな」と思わせ、攻勢が緩んだ所で、コア・ファイター周り"だけは”無駄にガッチガチにロックした自爆特攻してくる為、マチュの判断は割とファインプレーだったりします。

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

  • YES
  • NO
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。