GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
「ニャアン、その機体……なに?」
「あ、え…」
なんで……
「ガンダム4号機…だっけ」
なんでそんな顔してるの……?
「私、ニャアンがガンダムに乗れるなんて、知らなかったけど」
怒ってるの……?どうして…?
「ねぇ」
私は、マチュとシュウジのために……
「なんで黙ってるの?」
「っ!」
平坦な声色の中に、底冷えするなにかを感じ取り、思わずブレザー越しに体を抱きしめる。
「ち、違うの」
「違う?なにが違うの?」
分からない。
なんで、なんでマチュは怒ってるの…?
「私のこと、騙してたの?」
「だ、騙してなんか!」
「じゃあなんで今まで黙ってたのッ!」
「っ」
それは……
「私を騙して楽しかった?ずっと黙っててさ」
「そんなつもりじゃ……」
「いいよね、ニャアンはさ。自分のガンダムも持ってて、バトルも強くて」
「マチュ、話を聞いて…」
「みんなも言ってたよ。
「あ…」
突然俯き、目元を暗くしたかと思えば、狂ったように言葉を吐き出し始めるマチュ。
「ニャアンとシュウジが組んだらさ、もう私お役御免だよね」
「そんなことは…!」
「じゃあ話してよ!」
「っ!!」
顔を上げたマチュ。
その目には――涙。
「マチュ…泣いてるの?」
「っ、うるさい!早く答えて!」
「ぅ…」
……どうしよう。
私は悩んだ。
ここでマチュに全部を話せば、恐らく彼女は私を避ける。もう会おうとも思わない筈。
……もう何人も殺して来た以上、覚悟はしてた。けど、
あの日から今日まで。初めてで……嬉しかった。
こんな私を、友達だって言ってくれたのは、あの2人だけで。
人殺しの分際で何言ってるんだって話だけど……怖かった。
私の過去の悪行を話して、それで……
「……話してくれないんだね」
「ぁ…待って!マチュ!!」
「最ッ低!」
走り出したマチュに、慌てて手を伸ばす私。でも、彼女に届く筈もなくて……
「まって……ぅぅ」
力無くその場に座り込む。
18m級のMSのコクピット、そんな所から手を伸ばしたところで空を切るだけ。……分かってても、手を伸ばさずにはいられなかった。
「なんで…なんで、こうなるの」
話してたら、こうじゃなかったのかな……
「おい!?ちょ、何してんだよ!」
「……誰?」
声をかけられ、振り向く。
誰かと思ったら、ジェジーじゃん。
「なにか用?」
「なんか用って、おま、こんな雨の中傘もささずに何やってんだよ!?」
雨?……あー、そっか。確かに今って雨だっけ。
「ごめん。気づかなかった」
「いや気づくだろ…で、ここに来たってことは、ウチになんか用で?」
「ここ?…あ」
ここ……ポメラニアンズじゃん。
「とりあえず入れ。風邪ひくぞ」
「風邪――ぅっ」
「お、おいどうした!?」
頭が、いたい……
なんで、なんで急に?
「くそっ世話かけやがって…!」
突然の頭痛に苦しむ私を見かねてか、背中におぶって運びだすジェジー。
大袈裟だって、そこまでじゃないよ、そう言おうとして……言葉が出なかった。
あ……れ……?
――そんな感じに意識を失って、目覚めてみれば……アンキーおばさん。
「失礼なこと考えてそうな顔だね」
なんで分かるの。
「顔に書いてる」
「顔に」
「で?こんな雨の中ウチに来たのは?なに、クラバの謝罪でもしに来たのかい?」
「クラバ?あっ」
そうだった。そういえば私今日のクラバブッチしちゃったじゃん……謝らきゃ。
「ご、ごめんなさい」
「ふっ。まあいいさ、お友達が勝ってくれた訳だしね」
「お友達?」
お友達って、誰だろ。勝つってことはクラバだよね?
そんなことできそうな友達いたかな……
「知らないのかい?あんたが連れてきたあの運び「待って!待って待って!」待つ?まあ構わないけど」
なんでか分からないけど、その先を聞いちゃいけない気がする…
警鐘を鳴らす勘に従い、慌てて遮る。
ふぅ。
でも、本当に誰のこと言ってるのかさっぱりなんだけど……そもそもクラバなんて知ってるの2人くらいしかいない筈。
半目になりながら、アンキーの顔をじっと見つめる。
「?」
聞きたい。この不思議そうな顔してるおばさんから聞きたくてしょうがない。
……でも聞いたらダメだって私の勘が言ってる。
「なんだこいつ、ひとりで百面相して」
「めっちゃシワ寄ってるっすね」
「別にいいだろ。ひとりで勝手に悩ませておけ」
「そこ、聞こえてんだけど」
失礼なことを宣う男共に目を向けると、程なくしてアンキーが立ち上がった。
「とりあえず、だ。なんで今日は来なかった?」
「あっ、それはー、えと、バレちゃって?」
「バレた?っ、まさか!?」
「多分、そのまさか」
両手の人差し指を突き合わせながら答えれば、返ってきたのはクソデカため息。
「不味いことになったね」
「アンキー、どうする?」
「ジークアクスはジオンの最新鋭機だし、もう今にでも来てるかもしれないよ……上に浮かんでるし」
「おいおいどうすんだよ!?」
一気に騒がしくなる事務所。
今更ながら、私のやらかしがどれほどのものだったか思い知らされる。
「騒ぐのは後。マチュ、どういう経緯でバレた?」
私を見るアンキーの顔は真剣そのもの。
いつもの感じはどっか行っちゃってるし、なによりも、オーラ?が変わった感じがする。
「えっと。ニャアンが軍警に絡まれて、助けようとしたら……ジークアクスの元パイロットっぽい人にロッカーに詰め込まれたーって感じ」
「あ?なんだそれ?」
「前に言ってた男のことか。他の人間は?」
「いない、と思う。あそこに居たのは…多分あの人一人」
「ふむ」
顎に手を当て考え込むアンキー。
なに考えてるんだろ……顔からじゃ読み取れない。
「ひとまず、だ。ジークアクスは暫く出さない」
「えっ」
そんな…!
「身バレしてるとなると、リスクが高すぎる。当面は、Black Catに頑張ってもらうしかないね」
っ!
「試合を見た感じだと、あのガンダム……4号機、だっけ。ビーム兵器の威力も凄かったし、多分ジェネレーター出力が高いんだと思う。固定武装もそこそこあるし、手持ち武器が無くなっても戦えそうだよ」
4号機――ぅっ!
まただ…また、頭が痛い。
「まだ分からないことだらけだが。確かに、ジークアクスを使うよりは、リスクも低いか」
「性能に助けられてるとこも結構あったけどよ。ハラヘリムシがいるなら、大丈夫そうだよな」
「そのハラヘリムシ、なんか今日調子悪そうだったっすけど」
「名前の通り腹でも減ってたんじゃねーのか?」
待ってよ、みんな…!
「そういうことだ。当分はウチにも来ない方がいいだろう。今の時点でヤバいんだ、これ以上のリスクは背負うべきじゃない」
「で、でも…!」
「でももなにもない。これは、大人としての忠告だ」
「ッ!」
アンキーの窘めるような声に、歯を食いしばる。
強く握った拳が痛みを訴えてくる。
よく分からない感情が私を支配し、胸がざわついて落ち着かない。
「マチュ」
「分かってる、けど…!」
「一旦落ち着きな。あんたは私が見込んだ相手だ。そう簡単にクビにはしないさ」
「う、んぅ……」
「けど、状況が悪いのも事実。今から隠し通せるか?」
アンキーのおかげでちょっとだけ落ち着けた。
他にもまだなんか言ってたみたいだけど、声が小さくて聞こえなかった。
だいたい想像はつくけど……
コップのお茶に口を付け、ほっと息を吐く。
同時に、ジェジーがパソコンを弄るケーンの傍で体を屈め、なにかを表示しているその画面を覗き込む。
「えーっと?たしか、ニャンコとかそんな名前だったか?」
「違うっすよ。ニャンコじゃなくて、ニャ・ア・ン」
「あーそうそう!ニャ「ニャアン!?」っうぉびっくりしたぁ!?」
「あっ……ごめん」
たちまち集まった訝しげな視線に小さく謝罪、またソファーに腰を下ろす。
「ね、ねぇ」
「あん?どうした?」
「さっきの、ニャアンの…話してたけど、なんで?」
なんでかはわかんない。
でも、私の勘が重要な話だって言ってる。
……でも、聞きたい気持ちもあるけど、聞きたくないって思ってる私もいるのが気になるんだよねぇ。無意識に耳塞ぎたくなってくるし。
これって…怖い、で合ってるのかな?なーんか変な感じだけど……
「なんでって、そりゃ……あのガンダムのパイロットだからに決まってんだろうが」
「――」
私の中で、なにかが壊れる音がした。
『――私のこと、騙してたの?』
『――だ、騙してなんか…!』
なに……?
『――私のこと騙して楽しかった?ずっと黙っててさ』
『――そんなつもりじゃ……』
なにこれ……?
『――……話してくれないんだね』
『――ぁ…待って!マチュ!!』
『――最ッ低!』
私…何言ってるの?
「おい、マチュ!」
「っ、は!?」
さっきのは――あぁ、そっかぁ……
「私、ニャアンに酷いこと言っちゃったんだ」
「大丈夫かよ、マチュ」
「私はね。でも、ニャアンは……」
「ニャアン?あいつのことか?」
「うん…」
ニャアン、怒ってるかな……ううん、絶対怒ってる。
本当…なんで私、あんなこと言っちゃったんだろ……
激しい後悔に苛まれながら、あの時のことを思い出す。
親に捨てられた子供のような、泣きそうな顔をしたニャアンの姿が思い浮かび――なにかを考えるよりも早く、体が勝手に走り出した。
「っ!私、ニャアンに謝らなきゃ!」
「謝る?お、おい!急に飛び出すんじゃねぇ!」
後悔しても遅いかもしれない。けど!
雨は止んでも、まだ明けない夜の闇の中へと走り出す。
あの後、ニャアンがどこに行ったのかは分からない。でも、見つけなきゃ…!
「見つけて、謝って。……許して、くれるかな」
ううん!
そんなの考えるのは後!今はニャアンを見つけるのが先!
神社……いない。
橋……いない。
ファミレス……いない。
カラオケ……いない。
コインランドリー……いない。
弁当屋さん……いない。
これまでニャアンと行った場所に行ってみたけど、結果は空振り。あとは……あの駅だけ。
「ハァ…ハァ……ニャアン、いるかな…?」
膝に手を当てた体勢で少し呼吸を整え、また走り出す。
そこそこ距離があったこともあって、駅に着く頃には夜の帳も消えかかり、朝日が段々と顔を出してくるところだった。
遅くなるって伝えてはいるけど、お母さん心配してるよね…一応連絡……
「うわぁ」
案の定、鬼電が入ってた。
マナーモードにしてたのもあるけど、ずっと走ってたからかな。全然気づかなかった。
と、とりあえず電話してみよ。
「も、もしもー『アマテ!今どこにいるの!?』うわっとと」
『遅くなるとは聞いてたけど、まだ帰ってこないじゃない!ずっと心配してたのよ!?』
うひゃー、これ相当お冠だ。
「ご、ごめんなさい」
『……それで、今はどこにいるの?迎えに行くから言ってちょうだい』
迎えは、今はちょっと……
「あ、後にしてくれない?」
『後?なんでまた』
「友達にさ、謝りたくて…」
『友達って、前に言ってた子?喧嘩でもしたの?』
「……うん」
唾を飲み込みながら電話越しに頷き、お母さんの返答を待つ。
許してくれるかな……
『…………。はぁ、帰ってきたらちゃんと説明すること。いいわね?』
「う、うん!絶対話す!」
『じゃ、待ってるから。ちゃんと仲直りしてきなさい?』
通話が切れ、スマホからツーツーという音が鳴り出す。
スマホをポケットに仕舞い、母の顔を思い浮かべる。
「ありがとう、お母さん」
普通のお母さん。
前までは普通なのはつまらないって思ってたけど……今はちょっと変わった。
そういえば、ニャアンも言ってたっけ……
『――普通がいいこと?』
『――うん。マチュはそう思ってないみたいだけど』
『――そりゃそうだよ。普通ってつまんないじゃん!』
『――……。つまらないのがいいんだよ。普通の、幸せ』
普通の幸せ、かぁ。
ニャアンが言いたかったのって、こういうことなのかな。……仲直りできたら聞いてみよ。
そんなことを思いながら、駅に入ろうとした――その時だった。
誰かが私の前に立ち、その足を止める。
「ちょっと、そんなとこで止まられたら邪魔なんですけど」
「アマテ・ユズリハ、だな」
「えっ」
なんで、私の名前……あっ
「ジークアクスについて、話がある。ついてきてもらおうか」
そこにいたのは、紛れもなくあの時のパイロット。……昨日私をロッカーに押し込んだ男だった。
「じ、じーくあくす?な、なんですかそれ?そんなの聞いたこともないんですけど……というか、そもそもあんた誰なんです?」
「とぼけても無駄だ。悪いが、一緒に来てもらうぞ」
ど、どうしよう!?こういう時ってどうすればいいの!?
こいつ完全にロックオンしてるみたいだし、誤魔化すの厳しそうなんだけど!?
なんとかこの状況を打開できないか、必死に頭を回転させていると、足音と共にどこからか声が聞こえて来た。
「――その必要はありませんよ。エグザベくん」
「えっ」
「だ、誰?」
こっちに向かって、ゆっくりと歩いてくる。特徴的な髭を生やした緑のおじさん。……いや、本当に誰?
こんな知り合いいたっけ…いやいなかったよね?とテンパリながら考えていると、緑のおじさんがニコリと笑う。
「初めまして。私はシャリア・ブルという者です。アマテ・ユズリハさん」
「は、はぁ……」
シャリア・ブル?誰だろ。こいつとは知り合いみたいだけど……
見覚えのないおじさんから話しかけられ、困惑顔を晒す私。
――しかし次の瞬間、その顔を凍りつかせることになる。
「それとも、こうお呼びするべきでしょうか?
―――マチュさん、と」
あ、あれぇ?
おかしいな、話数がどんどん増えてく予感が……
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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YES
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NO