GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

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明日のクラバの後に返せ(ジークアクスを使えとは言っていない)


05

シュウジの隠れ家がバレた。

赤いガンダムを隠せる場所を知らないか?

 

「……」

 

マチュからそう問われ、私は『分からない』と返すしかなかった。

4号機を隠したあの場所には、もう1機別のガンダムが入れるだけの余裕はない。

 

かと言って他に心当たりがあるのかって言われたら……それもまた、なかった。

 

「来た」

 

ズシンという重い足音と共に、赤いガンダムが現れる。

メインカメラを赤いガンダムに向け、通信を開く。

 

「シュウジ」

 

『今日もニャアンが一緒なのか』

 

「うん。武装が減ってるジークアクスよりも、4号機の方が向いてるって」

 

『そっか。ガンダムの武器も残り少ない。気を付けよう』

 

シュウジの言葉通り、赤いガンダムに残された武装はビームサーベルが2本と、ガンダムシールド。冗談抜きにこれだけ。

 

もし、赤いガンダムが落とされるなんてことになったら本末転倒だし、ガンダムの動向には気を配っておかないと。

 

「ねぇ。シュウジ」

 

『ん?』

 

「今回、バトルが終わったら一緒に来て欲しいところがある」

 

『来て欲しい?……わかった。行こう。と、ガンダムも言っている』

 

「ありがとう」

 

よかった。シュウジは頷いてくれた。

あとは……マチュ次第。頑張って、マチュ。

 

『――スペースグライダーを手に入れる?』

 

『――うん』

 

『――どうやって?まだお金足りないんじゃ』

 

『――……カネバンの金庫にはある筈』

 

『――っ!それって、まさか…!』

 

あの神社で、2人で建てた作戦。

スペースグライダーの入手と、赤いガンダム(シュウジ)の誘導。

今のところこっちは順調。……とは言えないのかも。

 

クラバにはそこまで詳しい訳でもないけど、この突然のスポーン変更がおかしいのは分かる。

なにせ、今回の舞台に選ばれたのは……

 

「コロニー内」

 

MSの戦闘が起きるっていうのに、なぜコロニー内が選ばれたのか。しかも唐突に。

……どうにもきな臭い。これからなにが起きるっていうの?この大事な時に?

 

『ニャアン、落ち着いて』

 

「あ、うん。ごめん」

 

無意識に握り締めていた操縦桿を離し、目を閉じて深呼吸。

深く息を吐いて、もう一度目を開いて―――ぇ

 

「なに、あれ……」

 

『ガンダムが…反応している?なんだろう、妙な感じだ』

 

夜の闇の中、周囲の光に照らされながら浮かぶ巨大な物体。

そして、その巨大な体にしがみつく青いモノアイのMS。

 

嘘、でしょ……

 

「あ、あれが、今回の相手なんて……言わないよね…?だってさ、クラバってMS同士なんでしょ?MAなんて、おかしいもの」

 

受け入れ難い現実に、勝手に首が左右に動く。

4号機の足を無意識にあとずらせていると、ガシッと4号機の肩が掴まれた。

 

「しゅ、シュウジ」

 

赤いガンダム(シュウジ)に。

 

『気を付けた方がいい。向こうも気づいたようだ。と、ガンダムが言っている』

 

「え?…っ!」

 

目を向ければ、青いMSがモノアイをこちらに向けていた。

ビクッと体が震えるも、再び握った操縦桿は離さない。

 

そうだ、負ける訳には行かない。ここで勝って、シュウジをポイントまで連れて行く。

マチュとシュウジと行くんだ!絶対に、地球に!

 

「こんなところで止ま――はっ?」

 

MSがしがみついていた巨大な物体。それが、変形(・・)していく。

 

開かれた防弾シャッター、展開されていく四肢、そして見覚えのあるV字アンテナ。

フェイスの形状は全然違うけど、あれって……

 

「サイコガンダム…!」

 

Zの作中において、ホンコンの街を壊滅させ、無数の絶望を振り撒いた破壊神。

 

なんであんなのが出てくるの!?コロニー内でサイコガンダムなんて…!

 

『危ない!』

 

「うあぁっ!?」

 

赤いガンダムに手を引かれ、ビルの陰へと引きずり込まれる。

同時に目の前を極太のビーム光が通り過ぎる。

 

「あ、ありがとう」

 

『うん。でも、まずいかもしれない。ガンダムも焦っている』

 

「ガンダムが?」

 

ガンダムが焦るなんて、これまでなかった。

ガンダムも――いや、その中にいる誰かも、サイコガンダムの脅威に気付いたっていうの?

 

『……サイコガンダムっていうのは、僕が相手する。ニャアンはあの青いのをお願い』

 

「えっ、ひ、1人じゃ危ないよ!」

 

赤いガンダムの両肩を掴む。

サイコガンダム相手に1機で挑むなんて正気じゃない…!ましてRX-78でなんて…!

 

『ニャアンのガンダムよりは適任だと思う』

 

「そんな」

 

適任って……4号機にはサイコミュが搭載されてないから!?

だっ、だったら、2人で戦おうよ!1機でサイコガンダムに挑むなんて……無茶だよ。

 

『でも、どちらかを自由にしてしまう』

 

「っ!?」

 

『なんの躊躇もなく撃ってきた。この意味、分かるよね』

 

「……うん」

 

赤いガンダムの肩を掴んでいた手を離し、4号機のツインアイを通して赤いガンダムを――その中のシュウジを見詰める。

 

「死なないよね?」

 

『僕はまだ死なない。ガンダムが、そう言っている』

 

力強いシュウジの声に、頷く。

もうこれ以上、言葉はいらない。

こちらに向けられた赤いガンダムの背中が、そう物語っていた。

 

「……頑張って、シュウジ」

 

『そっちこそ』

 

『「お互いに!」』

 

同時にフルスロットル。スラスターを全開にし、互いの目標へ向かって突撃する。

 

私の目標は、あの青いMS。

名前は……えーっと、っ!そう、ハンブラビ!Zに出てたやつ!

 

「――いや待ってティターンズないのになんであるの!?サイコガンダムもそうだし!」

 

訳の分からなすぎる現実に混乱の叫び声を上げる。

この世界にも何らかの原作があると思えば、確かに時代設定的にはZが近いのかもしれないけど……ちょっと早くない!?

ガンダムのサイコミュもそうだし、この世界なんかおかしいって!

 

「えぇぇい!!このスペースノイドアンチどもがッ!」

 

シールドを身を隠すようにして構え、ハンブラビに向かう。

気付いたハンブラビは腕部に収められたビームガンを乱射し、こちらを狙ってくる。

 

コロニー内でもお構いなしとか、こいつら本当に…!

 

なるべくシールドで受け止めながら、スラスター出力を全開にハンブラビに向かう。

しかし、向こうも向こうでまともに相手する気がないのか、こちらに背を向けて逃げ出そうとする。

 

狙ってこない?

クラバの筈なのに……狙いは別にある?

 

今日なにかあったっけ……ダメだ、分からない。

でも、

 

「お前の思惑通りには行かせちゃダメだってことは分かる!」

 

腕部ビームガンを構え、ロックオン。

但し発砲はしない。これはあくまでもポーズ。

 

私が狙ってるのは……

 

「っ!今!」

 

ロックオンを警戒し、こちらに目を向けるハンブラビ。

その動きを見逃さず、近くのビルを足蹴りにハンブラビへと高速接近、右手に構えたシールドを振り被る。

 

接触の直前、ハンブラビが展開した腕部クローと4号機のガンダムシールドが衝突し、激しく火花を散らす。

 

Zの設定通りなら、総推力はこっちが勝ってる!このまま押し切る…!

 

「っ!?」

 

光を纏う掌部ビーム砲を腕ごと蹴り飛ばす。

 

危なかった……やっぱりそう簡単には行かないか…!

 

今のキックでまた距離が離れたのをいいことに、再び逃げ出すハンブラビ。

 

いくら追いつけるって言っても、こうも逃げられちゃ被害が広がっちゃう…!

 

なんとか足を止めたいけど……ビーム兵器は使えないし、バルカン砲も危ない。一応持ってきたとはいえ、ハイパーバズーカなんて以ての外。

 

「ハッ!」

 

そうだ。再開発中のシェルター!

あそこなら人も少ない、もしかしたら避難も完了してるかも!

 

「そうと決まれば!」

 

プロペラントタンクと、スラスターユニットが一体化されたコンポジットタンクユニットの全推力を以って、ハンブラビへ突貫する。

 

こちらの軌道を呼んでか、絶妙なタイミングで回避行動を行うハンブラビ目掛け、シールドを投擲。

 

「そこ!」

 

明後日の方向に蹴り飛ばされたシールド。

それを更に先回りして蹴り飛ばし、シールドが再びハンブラビへの到達する瞬間に回収、頭部目掛けて振り抜く。

 

流石にこれは予測できなかったのか、モノアイ付近に直撃。衝撃で機体を大きく傾ける。

 

「おぉぉぉぉぉ!!!」

 

腕を広げてハンブラビに取り付き、スラスター出力に物を言わせて飛び出す。

 

「このッ!暴れるな!」

 

頭部バルカンを斉射、弾切れと同時に頭突きし、尚も逃れんと暴れるハンブラビに蹴りを叩き込む。

 

「っ!?ンぐぅッ…!」

 

しかし相手も只者じゃない。

闇雲に暴れるだけでは脱出は不可能と考えたのか、クローを展開し、こちらの関節部目掛けて刺突を放ってきた。

 

なんとか関節部に直撃するのは避けたけど、装甲に穴空いちゃった……

ルナ・チタニウム合金も容易く貫通するとか、恐ろしい武装だ。

 

『クソっ!邪魔するなガンダム!』

 

通信!?っ、接触回線か!

 

「邪魔するに決まってんでしょ!コロニーの中でビームなんて、何考えてる訳!?」

 

『こっちは歴史に名を刻みに来てるんだ、お前らの相手なんかしてられないんだよ!』

 

「大虐殺者にでもなるつもり!?サイコガンダムなら可能だろうけどっ!」

 

『貴様っ!?なぜ知っている!?』

 

「そんなのどうでも、いいッ!」

 

驚愕してか、一瞬固まるハンブラビを離し、膝を曲げたキックで大きく蹴り飛ばす。

 

『なっ!?きさ―――』

 

轟音と共に地面に激突し、砂煙を巻き上げるハンブラビ。

背部にマウントしていたハイパー・ビーム・ライフルを構え、スコープも使わずに発射。

 

端から当たるなんて思ってない、牽制のための射撃。……けど、

 

「出てくるの早すぎる!」

 

ビームサーベルを出力してきた相手に倣って、こちらもビームサーベルを抜刀。

光の刃同士が接触し、激しい火花を散らしながら鍔迫り合いにもつれ込む。

 

『忌々しいやつめ!』

 

「こっちのセリフッ!」

 

片手で構えていたサーベルを両手持ちに切り替え、スラスター全開に前へと踏み込む。

 

ガンダム4号機という機体の全てを載せた光の刃は、一歩、また一歩とハンブラビを押し込んで行く。

 

『お、押されている!?5年前の型落ちに、このハンブラビが!?クソっ!』

 

「っ!」

 

もう片方の腕のビームサーベルも起動させ、二刀流の構えを見せるハンブラビに、こちらも必然的にもう片方のサーベルを抜刀せざる得なくなり、両手持ちの構えを解く。

 

「ハァ!」

 

押し返される反動を利用し、少し後方へと飛んだ後再度接近、高速で伸びてきたワイヤーのような武装を斬り裂こうとするも、ワイヤーに高プラズマでも流れているのか、火花を散らし弾かれた。

 

「だったら!」

 

サーベルをランドセルに戻し、背部にマウントしていたハイパーバズーカに手を伸ばす。

 

「防ぎには来るよねっ!遅い!」

 

こちらの思惑に気付いたのか、再びワイヤーのような武装を伸ばしてくるハンブラビをビームガンで牽制、動きが止まったところにぶっ放した。

 

爆炎が広がり、ハンブラビが炎の中に呑み込まれる。

 

「これで終わる……訳ないよね」

 

本音を言うなら終わって欲しい。

でも、ハンブラビがこの程度で落ちる筈がない。ほら……

 

立ち込める爆煙の中、赤のモノアイが強い光を放つや否や、二つのビーム光が煙を切り裂く。

それを為した者――ハンブラビがゆっくりと歩み出て来た。

 

ビームガンと共に、メインカメラをハンブラビに向ければ、向こうもこちらを見据えて来た。

 

本格的に4号機()を潰すつもりになったのか、逃げる素振りもなく、静かにビームサーベルの刀身をこちらに向けてくる。

 

「ここからが本番……うっ!?この、喰らえ!」

 

ビームサーベルを振るう――と見せかけた掌部ビーム砲にシールドを挟ませ、こちらも左腕のビームガンを放つ。

当然のように避けるハンブラビに、こちらも地を蹴り接近――と見せかけ、今度は地面に向けてハイパーバズーカをぶちかます。

 

辺りは再び砂煙に覆われ、互いの視界が奪われた。

 


 

金庫の鍵を開けることに成功し、バッグに札束を詰め込んでいた最中、私の背後に誰かが立った。

……いや、誰かは分かってる。

 

「ま、そんなとこだろうとは思ってたよ」

 

「アンキー…!」

 

もうちょっとだったのに…!

 

悔しさに唇を噛む私に、アンキーは呆れたような目を向けてきた。

 

「言っとくけど、あたしは止めないよ。持ってくなら勝手にしな」

 

「っ!な、なんで」

 

このお金、大事なんじゃないの?

それを勝手にしろって、どういう……

 

「……それどころじゃない」

 

「――えっ」

 

それどころじゃないって……

 

困惑する私に、アンキーはスマホでなにかのライブ映像を見せて来た。

そこに映る衝撃の光景に、思わず息を呑む。

 

「なに、これ……」

 

街が、燃えてる……

 

襲いかかる軍警のザク達を、まるでおもちゃのように次々と破壊、撃墜していくMSと思われる巨大なロボット。

コロニー内だろうとお構い無しといった様子で、無数のビームを何度も周囲に放っており、ビームが直撃した場所から爆炎が巻き上がっている。

 

「こ、これ」

 

「今の外さ。こんなおっかないのが我が物顔で暴れてんだよ」

 

「うそ」

 

「嘘じゃない。現に、あんたのマヴも戦ってる」

 

アンキーに促され、再び目をスマホに向けると同時に、近くに映っていた瓦礫の山から1機のMSが飛び出し、巨大なMS目掛けてビームサーベルを振り抜く。

 

真紅の塗装が特徴的なその機体は――ガンダム。

 

「シュウジ…!」

 

突っ込んでいく赤いガンダムに、軍警がおもちゃのように蹴散らされる絶望的な光景を思い出され、思わず叫んでしまう。

 

赤いガンダムのビームサーベルが直撃すると思った、まさにその時、光の壁――バリアのような物が現れ、ビームサーベルの光の刃を弾いた。

 

「ば、バリア!?」

 

「赤いガンダムだけじゃない」

 

アンキーがスマホを操作する。

画面が切り替わり、今度は何度も砂煙を上げながら、激しくぶつかり合う4号機と1つ目の青いMSの姿が映し出される。

 

「ニャアン!?」

 

「あんたのお友達は、2人とも必死に戦ってる。これを見てどう行動するのか、だ」

 

「っ!」

 

そこまで言い切ると、アンキーは私に背を向けた。

そのまま部屋から出ていき、姿を消す。

 

私以外誰もいなくなった部屋で、一人拳を握り締める。

 

「……んっ!」

 

札束を詰めていたバッグを放り投げ、ジークアクスがあるハンガー目指して走り出した。

 

「ハァ…ハァハァ…ハァァ、ッ!」

 

いつもは歩いて進む廊下を全力疾走で駆け抜ける。

ドアノブを捻ると同時に蹴って開け、スピードを落とすことなくハンガーへと向かう。

 

「――最後に一つだけ。あんたのことは信用してた。頑張って……行ってきな!」

 

「ぅわ!」

 

ジークアクスの下へと辿り着き、コクピットハッチを開いて、いざ乗り込もうとした瞬間、影から突然現れたアンキーから何かを投げ付けられた。

 

「んもぅ!なんだよ!急いでるんだか……ら」

 

文句を言いながら投げられた物に目を向け、固まった。

 

「こ、これ……」

 

「退職金さ。持って行きな」

 

一見するとそれは、クラバでいつも着ていたパイロットスーツ。……しかし、その中には札束がぎっしり詰め込まれていた。

 

退職金って……ふふ。そういうことなら、有難く貰っちゃおうかなっ!

 

「今までありがとう!行ってくる!」

 

退職金(・・・)を大事に抱きしめ、コクピットに乗り込む。

ハッチを閉じ、ジークアクスを起動させた。

 

待ってて、シュウジ、ニャアン!今助けに行くから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしたって、2人とはな……オマケに男も女も両方と来た。若さって怖いね」

 

そういえば、アンキーなんかボソボソ言ってたけど、なんて言ってたんだろ?




ハンブラビくん活躍期待してたのに大して動かずに落とされちゃってわからなかったので、独断で武装モリモリver.にすることにしました。

※ジャック・オー・ランタンさん誤字報告感謝ですm(*_ _)m

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

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