GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
『余所見とは余裕だな!』
「そっちがな!」
『ガハッ!?』
ハンブラビの背部メガ粒子砲が火を噴き、慌てて半身を逸らして回避――と見せかけオーバーヘッドキック。
強烈なキックに怯むハンブラビに、ダメ押しにとシールドバッシュ。
『ぐぅ……ちぃッ!』
体勢を崩したところにビームライフルを叩き込んだ仕留めるという算段は、ハンブラビが強引ながらも完璧に立て直してみせたことで瓦解した。
「そんなことまでできるとか……聞いてねぇぞ」
『はぁぁ……もういいだろ。こっちは忙しいんだ、邪魔するなよ!』
「ッ!この…!」
メガ粒子砲を躱し、両腕のビームガンを乱射。
お互いの砲火は当たることなく、夜闇をビームの光が照らす。
「マチュは……まだ動けない」
ジークアクスの反応は、先程から同じ場所に留まっており、動いてない。
何が起きたのかは正直分からないが、なにかが起きたのは確実。
赤いガンダムは確認できないし、ジークアクスも動けないとなると……サイコガンダム、どうする。
「っ、そこ!」
『くっ!』
これも当たらないか…!
サイコガンダムも気掛かりとはいえ、
平気でメガ粒子砲バカスカ撃って来るんだ。もし街の方へ行かせようものなら……考えたくない。
『執拗いな…!邪魔するなって、言ってるだろッ!』
「ぅぐっ!?」
苦虫を噛み潰したような気分を味わい、顔を顰めた瞬間、突如急接近してきたハンブラビに掴み掛かられた。
いきなり何を…!?
『確かにダメージコントロールが上手いようだが、負ったダメージには変わりようがない』
「っ!?」
こいつ、まさかっ!?
『いい加減うっとおしいんだよ!まずは左腕から貰う!』
胴体から左腕を引きちぎろうと、ハンブラビが力を込めていく。
モニターには左腕内部の配線が次々と離脱――引きちぎられていく様がリアルタイムで表示される。
こいつ、本気だ!本気で左腕引っこ抜こうとしてやがる!
左腕のビームガンは射角から外れていて使えない。その上、今まさに機能も停止した。復旧も不可能。
「はな、せ!」
苦し紛れに右腕のビームガンを放ち、キックも交えることで脱出を試みるも、ハンブラビはビームガンのみを警戒し、キックは端から気にもとめない。
なんとかビームガンを当てようにも、角度の問題で、これ以上動かせば自分で自分を撃ち抜く羽目になってしまう。
『これでガンダムも、終わりだなッ!』
「ぐぁぁ…っ!」
鳴り響き続けていた、ギギギ…という嫌な音が最大まで達し、ガギンッ!という音を最後に、右側に引っ張られるようにして機体が地面へと倒れ込んだ。
「っ!」
メイン、サブ関係なく、モニターの映像に目を彷徨わせる。
視界の端に映った、二の腕から下だけの、ホワイトカラーの腕部パーツを持つハンブラビに焦りが湧いた。
残った右腕を支えにすぐさま立ち上がり、ビームガンを突き付ける。
対してハンブラビは動きを見せない。
……急にどうしたんだ、こいつ。
『いくらガンダムといえど、旧式の機体でここまで。よくやったのは認める。けどここまでだ』
「そうか?まだそう思うのは早いんじゃないか?」
『強がるのはやめておけ。いくらダメコンが上手かろうと、マシーンの状態には変わりようがないんだ』
「……」
確かにその通り、だが今それを言って何なる?
状況を再確認させて、”俺"の心を折ろうとしているのか?
『武器を捨てて投降しろ。命まで取ろうとは言わない』
「なっ!?」
なんだと!?
『幸いにも、その4号機の行方を追っている部隊がいる。身の安全は保証してくれるだろう』
「……」
眉を寄せる。
こいつ、もう勝った気なのか?
確かに左腕は無くなったし、ハイパーバズーカも攻防に巻き込まれて爆散した。
けど、こっちにはまだビームライフルにサーベルも残って……いや、だからこそか。
どうやら、相手はこれ以上こっちに傷をつけないように苦心してくれているらしい。
「……」
再びIFFに目をやる。
赤いガンダムはロスト、ジークアクスに動きはない。
味方がボロボロなのに対して、サイコガンダムとハンブラビのunknown二人組は健在。
機体状況を表すモニターに視線を移す。
引きちぎられた左腕は言わずもがな。それ以外の箇所にも負荷が溜まり異常信号が発せられている。
なるほど。確かに、諦めるには十分な理由が沢山ある。
あとは身の安全さえ保証してやれば、確実――とか思ってんだろうなぁ。
「知ってるか?」
『ん?』
4号機のツインアイが光を放つ。
それはまるで、この愛機が、"俺”――いや。私の意志に応えてくれたかのようで、つい頬が緩む。
これまでありがとう。それと、これからもよろしく、相棒っ!
「――そういうのを、油断って言うってことッ!」
『なに…!うわっ!?』
右腕のビームガンを発射。
当然のように驚きながらも、冷静に回避しようとするハンブラビ。その足下に転がっていた4号機の左腕を撃ち抜き、爆発の衝撃でバランスを崩させる。
「今!」
ビームサーベルを抜刀、ビーム刃を出力しコクピットのある胸部を狙う――!
『グッ、し、しま――』
光の刃がガンダリウム合金製と思わしき装甲ごと、コクピットを溶断。
開かれていた回線が途切れ、背後から爆発音が鳴り響いた。
「もうクラバとは言えないけど。クラバなら死人も出るし、諦めて」
振り返りはしない。
近くに転がっていたシールドの状態を確認。
一目見て、サイコガンダム相手には使えないという判断を下し、今も尚暴れているであろうもうひとつのunknownの下へと向かう。
「――。は?」
シェルター再開発区からの道中、あのマークII的なカラーリングの敵を頭に浮かべていた私。
現場へと辿り着き、改めて件の敵の姿を見て、ハッキリと思考が止まるのを感じた。
思わず、は?という声まで漏れそうになり……既に口にしていたことに気づく。
「えっ、いや、え?……えっ?」
そこに居たのは超大〇巨人だった。あるいは巨〇兵だった。
……もう一度言う。超大〇巨人、あるいは巨〇兵だった。
えっ?あれサイコガンダム…?確かに頭とか胸部の形とかはそのままだけど……えっ?
指の先からビームを撃ち放ちながら、どこかへ向かって一直線に飛んでいくサイコガンダム。
なんとも言えない気持ちのまま、その行く先に目を向ける。
「?、あのビル、屋上に誰かいる?」
黒い服を着た性別がよく分からない人と、その誰かの隣辺りに立つ白い服を着た男性。
「火災からの避難という形と考えたら、屋上に上がるっていう判断は間違ってないけど……」
ビームが飛び交う中でって考えたら、ちょっと悪手なんじゃないかな……飛び散ったビーム粒子だけでも凄い被害になる訳だし。
「普通に考えたらサイコガンダムを優先するべき……なんだけど」
今の私には、もう一つだけ、気掛かりなことがあった。
そう。ゼクノヴァ以降、なんの動きも見せなくなったマチュのことだ。
あれからジークアクスは沈黙を保ち続けている。
もし怪我でもして動けないんだったら病院に連れていかなきゃ――って
「……あぁ、ダメだ」
やっぱり私って、最低の人間だ。
大切な友達を、サイコガンダムから逃げる為の言い訳に使うなんて……
体が震える。
4号機の爆発に巻き込まれて、炎に呑みこまれる姿が目に浮かんでしまう。
滑稽としかいえない。
これまで散々そうしてきたと言うのに、いざ自分の番が来たとなれば、怯えて震えるなんて。
マチュやシュウジなら、私がこうやって言い訳してる間にもサイコガンダムに飛び掛かって行くんだろうな。
「っ」
強く噛み締めた歯が軋み、ギリっという音を鳴らす。
レバーを握る手に力が入り、ギチリという嫌な音を立てた。
「ハァ…………怖い。怖い、けど」
ここで逃げたら、あの2人の友達だなんて、言えないよね。
「ッ!」
ビームサーベルを抜刀、スロットル全開でサイコガンダムに突撃する。
ただでさえ隠し事ばかりで、話して欲しいって言ってくれたマチュにだって、自分勝手な考えばっかりで答えようともせずに、結局は怒らせて話を拗らせてしまった。
私は自他ともに認める卑怯者。ロクデナシの人殺しだ。
でも……
『――ごめん!』
『――え、な、なんで謝るの?悪いのは私なのに……』
『――話したくないことだって、そりゃ一つや二つあるよね。私、無神経だった』
『――それは…』
『――だからといってじゃないんだけど……えと、これからも、友達でいてくれる?』
『――っ!』
でも……マチュは、こんな私でも友達でいて欲しいって言ってくれた。
マチュとシュウジ、そして私。3人でずっと一緒にいたいって、言ってくれた。
マチュは分からないって言ってたけど、私とシュウジは知っていた。
普通の幸せというものが、どれだけ貴重で、尊いものなのかを。
だから、だからこそ、私は戦う覚悟を決めれた。
どこかへ消えたシュウジも、きっと同じ気持ちだった筈。
大切な友人の、普通の幸せを守るために。
「でぇぇいッ!」
大型のビットの群れを躱し、時には足蹴りにすることで更に加速、巨〇兵と化したサイコガンダムへと接近する。
あと少しで間合いに入るという所で、サイコガンダムがビーム砲のトリガーを引いた。
「ぐぅ!」
咄嗟に向かってくるビットの一つを掴み、即席の盾としてビームを防ぐと、驚くべきことが起こった。
「弾いて……いや、反射してる!?」
これ、まさか……リフレクタービット!?
ビームを受けたビットがビームを反射、その先にいたビットが再びビームを反射し、サイコガンダムから放たれたビームの進行方向を次々に変えていく。
機体のシステムすら追いつかない、光の速さで飛び交うそれを睨み付け、必死に目を凝らしてビームの行き先を追いかける。
これがあのリフレクタービットなら……来たッ!
「うぐ!」
AMBACで回避、すぐ後に迫ってきたビットを蹴り飛ばし、勢いを付け加速。
コクピットがあるであろうサイコガンダムの頭部に辿り着き、ビームサーベルを突き立てる。
「っ、ここもダメ!」
なんとか内側に潜り込まないと…!ッ!
「でぃっ!」
再び飛んできたビームを避けるついでに、頭部にキックをぶち込んでおく。
巨〇兵化している分、どこからが外側でどこからが内側かが分かりづらい…!
リフレクタービットの感じからして、装甲が付いてるところに発生してる?
……いやでも、それだとビットを稼働させたら、それだけで防御力がガタ落ちしちゃう。あれだけ派手にキャストオフしてるとなると、それは考えづらいかも。
「グゥっ!」
頭であーだこーだ色々考えている間にも攻撃は続く。
今まさに追加で放たれた拡散ビーム砲も加わり、そろそろ本格的に回避が難しい領域に突入しつつある。
「うぅぁあ!」
ハンブラビのビームライフルはともかく、この威力では流石に切り払いじゃどうしようもないし…!
やった瞬間ビームサーベルごと呑み込まれる未来しか見えないよ本当に!
「ハッ!?」
まずい、避けきれな―――
『――ぬぅぅッ!』
えっ
「ま、マチュ!?」
『ニャアン!だいじょ――うわぁッ!?』
4号機とビームとの間に、シールドを構えながら割って入って来たジークアクス。
しかし、サイコガンダムのビームは、そのシールドごとジークアクスの左腕を吹き飛ばし、私達は2機揃って弾き飛ばされた。
「〜〜〜〜っ!」
『いっ、たったた……』
4号機をジークアクスの背後に回らせ、右腕でジークアスを抱え込みながら、着地。
激しく火花を上げ、舗装された道路を盛大に荒らしながら、勢いに任せ滑って行く。
なんとか勢いを弱め、片膝立ちの体勢でジークアクスを受け止めた。
「……マチュ、大丈夫?」
『な、なんとか』
「……なら、よかった」
『ありがとう』
「ううん。気にしないで。……そういえば、シュウジは…?」
『ッ、シュウジ、は……』
ジークアクスを立たせながらマチュに問いかけると、深い悔恨の念を滲ませた声が返ってきた。
今聞くのはやめとこ。
「やっぱり今はいいや。あとで聞かせて」
『えっ、あっ……い、いいの?』
「そんな場合じゃなかったし。とにかく今はあいつを止めないと」
『そうだね。でも、ヒートホーク無くしちゃった』
そう。ヒートホーク無くし――無くした?
「無くしちゃったの?」
『……ごめんニャアン、なんか武器とかない?』
「ぶ、武器って…こ、これ?」
ビームライフルに手を伸ばす。
『当たる気しないから他ので!』
「じゃ、じゃあこっち!」
ランドセルから残った左側のサーベルを抜き取り、ジークアクスに投げ付ける。
『ありがと!』
内部回路がやられてしまったのか、動きの悪い左腕に変わって、右手で受け取るジークアクス。
壊れかけみたいな動きしてるけど、左腕大丈夫なの?
『それ言ったらニャアンもじゃない?』
確かにと頷き、サイコガンダムに目を向けた。
「あれについて、なにか知ってることある?」
『サイコガンダムっていうらしいのと、バリア張ってること、あとシュウジが言うには内側と外側がある?みたいな』
「さっき見てたなら分かってると思うけど、あのふよふよ浮いてる大きい塊は、それぞれがビーム反射する代物だから気を付けて」
『えっそうなの!?』
「あの殺人ビーム反射して色んな方向から向かってくるから、ビームの挙動は見てた方がいいよ」
『うわぁ……』
気持ちは分かる。
『本当になんでこんなことするんだよ。また戦争でもしたいの…?』
「……」
一つ思い当たることがあった。
一直線にある一つのビルへと向かっていたサイコガンダム。
そして、そのビルの屋上にいた黒と白の服装の人。
……思い返せば、サイコガンダムはあの2人を見ていたように思える。
でも、だからといって、たかが2人だけのためにサイコガンダムなんてもの使うかな?
普通に考えたらリスクとリターンが釣り合ってない気がするんだけど。
「――っ!」
もう一度サイコガンダムの向かう先を見て、確信した。
「マチュ!」
『きゅ、急になに!?』
「サイコガンダムの目的、わかったかもしれない…!」
『それって……』
双眸をこちらに向けてきたジークアクス。
その目を誘導するように、ある一つのビルを示す。
「屋上、ズームしてみて」
『ズーム?う、うん。……え、人?』
「多分。あれがあいつの目的」
『あの人達が狙われてるってこと!?行かなきゃっ!』
慌てて飛び出すジークアクス。
後を追うように飛び立ち、追いついた所で横に並ぶ。
ちょっと距離も離れたし、サイコガンダムがこっちに気付くにも余裕が……えっもうバレた!?
「避けて!」
『見つかるの早いって!?』
それは本当に、そうッ!
機体を反らしたその瞬間に、拡散ビーム砲が背を通り抜け冷や汗が垂れる。
『でも私達が狙われてる間は、あの人は無っ事!……なんだよね!?』
「生身の人はかするだけで危ないから分から、ないッ!」
サイコガンダムと、その目標らしき人物へと近付く事にどんどん濃くなっていく弾幕の嵐。
中にはバランスが悪くなっていたおかげで、コクピットの直撃を避けれたようなビームもあり、左腕取られてよかったなんてトチ狂った考えすら頭に浮かんだほどだ。
「ハァ…ハァ…っ!」
ハンブラビ戦からここまで、殆ど戦いっぱなしで、そろそろ集中力に限界がきつつあった。
考えが纏まらない頭で必死に回避ルートを導き出し、ルートをなぞるように4号機を動かす。
「ガッ!?」
『ニャアン!?』
動きを読まれてしまったのか、はたまた回避が単調になってしまったのか。
右足首付近に直撃を喰らい、右脚が丸ごと吹き飛ぶ。
更には運の悪いことに、プロペラントタンクに誘爆でもしたのか、後方からも大きな爆発が巻き起こり、凄まじい衝撃が走ると共に炎と煙が周囲を覆い隠した。
「ぅぅぅ!……あっ」
煙で遮られた視界が晴れれば、こちらに向けられた砲口が目に入った。
慌ててペダルを踏み込んで離脱を図るも、スラスターは異常警告を鳴らすのみで、推進力を生み出すことはない。
……ごめん。マチュ、シュウジ。
私、向こう側で待ってるから、ゆっくり来て。
お父さん、お母さん。今からそっちに行くね……
ジークアクスちゃん、赤ガンではなく4号機のサーベルを手に取る。
赤ガン「う、嘘や…こ、こんなん…NTRやんけッ!」
それはそうと、ジフレドくんかっこいいね……(ボソッ)
一応アンケート出しますので、お答え頂けると嬉しいです(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
※日曜日の午前中に締め切る予定です。
祐☆さん、ジャック・オー・ランタンさん誤字報告ありがとうございました!
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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YES
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NO