GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話   作:何でもいいでしょ?

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アンケートのご協力ありがとうございました!

4号機にNTRの危機が迫る!
相手は仇敵ジオンの新型ガンダムだ!

4号機「!?」

という訳で、ジフレドくんに寝盗られることが確定しましたm(_ _)m


08

『無事か!?ガンダムのパイロット!』

 

だ、誰!?

 

ビームが発射される寸前、視界の端に見えたなんか白いの――壺のような頭部に走る十字状のモノアイレールが特徴的なMS、ギャンに抱えあげられた。

 

『話はあとだ!揺れるぞ、掴まっていろ!』

 

「わわっ!?」

 

有無を言わさずにぐんぐんと加速するギャン。

聞こえてくるパイロットらしき男の声の通りに、めちゃくちゃに揺れるコクピット。

三半規管に大打撃を負う私。

 

「オエッ……」

 

ちょっと吐きそう……うぷ

 

『このッ!キシリア様!』

 

「うぅぇ…?」

 

必死に吐き気を堪えている間に、ギャンはどこへと辿り着いたらしい。

ズシリという着地の音が鳴り響き、振動が体を揺らす。

 

『ジークアクスのパイロット!』

 

『え、あ、はい!』

 

『この人を頼む。下がっていてくれ!』

 

『わ、分かっ――いや、分かりました!』

 

口元を抑えながらモニターに目を走らせる。

堪えるのに必死で何言ってるか分からなかったんだけど、今何が起きてるの……

 

『あっ――ごめんニャアン!』

 

「ごめんってな――ウッ」

 

衝撃が体を押し潰す。

結構勢いが強かったこともあって、なんとか抑えていたソレの拘束が緩み、再上昇を始めてしまった。

 

『左腕壊れてたの、忘れてた……』

 

「そ、そうな――オェェ……」

 

『だ、大丈夫!?ごめんっ!』

 

「ちょ、ちょっと、座らせる体勢で支えてくれない?……このままじゃヤバいかも」

 

『わかった!』

 

重い金属音が鳴り、少しずつ角度が変わっていく景色。

これまでは横転して見えていたものが、いつもの見え方に戻り、ガシリと固定された。

 

「ありがとう」

 

『本当に、大丈夫?』

 

「もんじゃ焼きはまだあるけど……」

 

もんじゃ?……お大事に?』

 

なんとも言えない声色。

まぁそりゃそうもなるよね。

 

『そういえば、あの人達、大丈夫かな…?』

 

「分からない。音は凄いし、なんか爆発しまくってるようには見えるけど……味方みたいだし、大丈夫かも」

 

いつの間にやらその姿を現していた、ミニサイズブラウ・ブロことキケロガ。

この世界において、”灰色の幽霊"の異名で知られるその男の機体は、私達があれだけ苦戦したサイコガンダムをも歯牙にもかけない。

 

リフレクタービットの反射はかすりすらせず、拡散ビームは予兆の時点で範囲外へ離脱、指先のビーム砲に至っては逆に押し負け肩口の方まで吹き飛ばされている。

 

……強すぎ。

 

あまりにも淡々と蹂躙する様子に冷たいモノが走る。

 

『あのデカイの、バリア無効機能でもあるの?』

 

「ジオン名物のビックリドッキリメカだから、もしかしたらあるかも」

 

それか、単純にパイロットの技量……もしくはその両方?

 

『ビックリドッキリメカって……ジオンってそんな変なものばっかり作ってるんだ』

 

「ジークアクスも十分ビックリドッキリメカだと思うけど」

 

『えっ、ウソ!?』

 

正直、ろくでもない秘密が隠されてそうな気配しかない。

エアリアルも色々黒い考察されてたけど、ジークアクスはそれを軽く上回りそうな気が……

 

『あ、勝った』

 

「おぉ――ウッ」

 

気の緩みという隙を突く不意打ちをなんとか飲み下す。

 

エチケット袋残ってたっけ……いや、そもそも最後に補充したのいつだっけ……

 

己が尊厳を守るべく、必死に記憶を漁る私。

そんな私を置いて、状況はどんどん進んでいく。

 

『そちらのお2人も、ご無事ですか?』

 

『だ、大丈夫です。その、ありがとうございます。』

 

『これでも軍人ですからね。お気になさらず』

 

『ジークアクス、えと』

 

『申し訳ないのですが、その話はまた後に』

 

『あ、はい』

 

「知り合い、なの?」

 

いつの間にかマチュがシャリア・ブルと親しげ……とまでは行かないけど、面識はあるように話していたり、

 

『ご無事で何よりです。キシリア(・・・・)閣下』

 

『貴様らのおかげだ。助かったぞ』

 

「――へ?」

 

衝撃の事実が判明したり、

 

『直に軍警が来ます。お乗りください』

 

『そうだな。頼んだぞ、ラシット艦長』

 

『はっ!』

 

かなり激しくビットの直撃を喰らっていたように見えたのにも関わらず、船体は愚か窓ガラスにすらヒビひとつ入っていない緑のホワイトベース――ソドンの姿に戦慄したり、

 

『一緒に来て頂けますかな?』

 

『勿論。無理強いはしません。ですが……このままではキシリア様暗殺を目論見、サイド6を混乱させたテロリストとして軍警に逮捕されてしまう可能性があります』

 

『「っ!?」』

 

『マチュさんの方は正体が割れていませんが、Black Catさんの方はどうでしょう。――なにせ、自宅が家宅捜査されている』

 

「えっ」

 

なにそれ知らない……

 

『さてどう致しますか?我々の手を取るのか、取らないのか』

 

それ実質選択肢一つじゃん。マチュはまだなんとかなるかもしれないけど……

 

『あ、あの!』

 

『どうしましたか?マチュさん』

 

『いっ、一緒に行けば……シュウジと、また会えますか?』

 

『ふむ……確約はできませんね』

 

『そ、そうで――『ですが、このままこのコロニーに残る選択をしたとして、シュウジくんが戻って来るとも限らない』――ッ!』

 

『無理強いはしません。お2人の意思で決めてください。どうか、悔いなき選択を』

 

通信はサウンドオンリーで、相手の表情は伺えない。

……けど、どう考えても悪い顔してるとしか思えない声色で、背筋を冷たいものが走った。

 

「ま、マチュ」

 

『……ごめん。ニャアン』

 

「っ、ねぇ、まさか……!?」

 

思わずマチュに声を投げかければ、返ってくるのは申し訳なさそうなマチュの声。

直感的に悟らざるを得なかった。

 

『でも私、ニャアンだけじゃ我慢できないのッ!シュウジにも会いたいッ!』

 

――私に関しては外堀を埋められ、シュウジをダシにマチュが了承しちゃってと、とんでもない話になってしまった。

 

マチュがシュウジのことを好きなのは知ってたけど……恋する乙女を舐めてたってことかな。

 

せめてマチュにだけは、平和に生きて欲しかったんだけどな……

 

今となっては叶わない望みに思いを馳せる

自分でも辛い現実からの逃げでしかないのは分かってるんだけど……はっきり言って、現実逃避でもしてないとやってられないんだよね。

 

あぁそうだよ。誰が好き好んでこの人(・・・)とふたりっきりなんて……

 

緑のホワイトベースこと、ソドンのある一室。

私はこの現状の、ある意味での元凶とも言うべき人物、キシリア・ザビと向き合っていた。……ふたりっきりで。

 

闇バイトバレちゃったみたいだし、登録も取り消し秒読みでほぼ根無し草なのは認める。それは認める。

 

でも、でもさ、だからといって重要人物とふたりっきりにさせるってどうなん?バカなの?ジオンって警備意識ガバガバなの?

 

そんなんだから暗殺にサイコガンダムなんて持って来られるんだよ。

……いやこれもこれでおかしくない?

 

暗殺じゃないじゃん。暗のあの字もないじゃん。大々的にビームぶっぱなしてるじゃん。

もうあれテロとかその規模でしょ?なんであれで暗殺なんて言えるの?シャリア・ブルには何が見えてるの?

 

それともなに?全部暗闇に葬りさるって意味の暗殺だったりする?もしそうだったら怖すぎるんだけど。

 

元からジオンには思うところしかなかったけど、これじゃ連邦も……

 

結局、あの人が言ってた通りなのかな。

連邦が勝とうが、ジオンが勝とうが、スペースノイドに自由なんか無いって。

 

「どうした、黙り込んで」

 

「いえ……」

 

「なにか気になることでも?話してみるといい、話せる分には答えてやる」

 

「大丈夫、です」

 

身の危険しか感じないのでご遠慮致します。

 

「遠慮などしなくていい」

 

「そういう訳には……」

 

「ふむ。本当に遠慮などいらんのだがな」

 

困ったような表情をするキシリア。

……やっぱり別人にしか思えない。

 

元々私はキシリア・ザビという人物について、時には家族愛すらも利用する冷酷な人物というイメージを抱いており、それはこの世界のキシリアもまた同じだと考えていた。

 

だからあれからずっと身構えながら過ごしてたんだけど……ご覧の有様。

 

地に足ついてるって言えばいいのかな。

独尊的な部分が感じられるのは否定しないけど、部下を慮ってるのはちゃんと伝わってくるし、それが上辺だけを取り繕った仮面ではないことも分かった。

 

部下を慮る上司。この時点で上司ガチャSSRなんだろうけど……腹に一物抱えてそうな不気味な態度が怖い。

 

この人、何を考えてるんだろう。

 

目を細めてキシリアを見る。

私の視線に気づいたのか、目元を緩め、フッと軽く息を吐き笑うキシリア。

 

「警戒は薄れないか」

 

「正直に言うと、少し」

 

「まぁそうだろうな。いきなり来たよく知りもしない女とふたりっきりなど、警戒しても仕方ない」

 

そこ関係ないんだけどな。

一応知ってはいるし。アニメの知識だから役に立つかは別として。

 

「何故私が貴様を呼び出したのか、分かるか?」

 

「いえ…」

 

確かにそれは気になってた。

マチュが呼ばれたのならまだ分かる。オメガサイコミュなんて代物を動かせたんだし、キシリアからも名前を覚えるに値する活躍を見せたと言っていい。

 

……でも現実に呼び出されたのは私だった。

 

「そう気を張るな。そんなに難しい話をするつもりは無い」

 

「は、はぁ……」

 

気付かないうちに拳に力が入っていたらしい。

強く握り締めていた手が痛みを訴えた。

 

「まどろっこしいのは好かんのでな。単刀直入に言う」

 

キシリアの目が細まる。

 

「――っ!」

 

瞬間、眼前の女性から圧倒的なまでの"圧”が発せられた。

無意識に後退ろうとする体を抑え込み、ごくりと唾を飲んだ。

 

「私と共にグラナダに来てもらうぞ」

 

「な、何故でしょう…?」

 

なんとか出せたのはその一言。

口の中が乾くのを感じた。喉の奥が水を求めているのを感じた。

また意味もなく唾を飲み、キシリアの言葉に耳を傾ける。

 

「貴様の機体は損傷が激しい。積み込ませていた予備パーツでなんとかなるかと思ったが……報告を聞くに、2号機(赤いガンダム)とは各部品の規格も違うようだからな、この艦の設備では対応しきれん」

 

きっと、普段の私ならここで軽口の一つや二つ叩いてたと思う。……内心で。

 

「だから、グラナダに?」

 

でも、今の私にはできなかった。そんな軽口を叩くどころか、余計なことを考える余裕すらなかった。

 

キシリアの言葉をゆっくりと咀嚼し、順番にその音の意味を呑み込む。

今の私にできたのは、たったそれだけ。

 

「そうだ。――望むならあの機体を完全に修復してみせよう。時間はかかるだろうがな」

 

「っ!」

 

言葉の意味を理解するよりも早く、思わず立ち上がる。

 

やば、ガタンって音鳴っちゃった……

 

大丈夫かな、不敬だとかなんとかで殺されないかな……不安と恐怖に胸を高鳴らせていると、わずか一瞬ながら呆気にとられていたキシリアが顔を綻ばせた。

 

「フフ。嬉しいか」

 

「あっ……あぅ…///」

 

顔が…顔があつい…!

 

頬に手を当てて、両手で顔を覆う。

指と指の間の隙間からキシリアの目を見つめ、視線が合ったことに気付き、手を顔から離す。

 

そして、ゆっくりと頭を下げた。

 

「……その、よろしく、お願いします」

 

「任せておけ。相応に時間はかかるだろうが、まぁ安心するといい」

 

「ありがとう、ございます」

 

ほっと胸を撫で下ろす。

 

「気にするな。これからは貴様も私の部下の1人だ」

 

「……」

 

この話し合いの最も序盤に投げかけられた、ジオンに属するか否かという問い。

その問いに、私は……キシリアの手を取るという選択肢を選んだ。

 

複雑な気持ちは確かにあるし、一度火を付けた憎しみの炎は、そう簡単には消えない。

 

……それでも、私はその炎を抑え込む。

 

あの日から今日まで、決して忘れたことはない。

両親が最後に残した、"生きて”という言葉(願い)を。

 

だから私は生きる。

お父さんとお母さんの最後の願いだけは、絶対に守り抜くと誓って。

 

ろくな親孝行もしなかった親不孝者()ができる、唯一の親孝行を果たすために。

 

「最善を尽くします」

 

「フッ、期待しておこう」

 

キシリアが――いや、キシリア様が目を細め、静かに頷かれた。

 


 

ソドン艦内のある一室ににて、2人の男女が顔を合わせる。

 

「此度はよくやった。貴様のおかげで助かった、シャリア・ブル」

 

「勿体ないお言葉です。キシリア閣下」

 

片や灰色の幽霊の異名を持つエースパイロット。

片やグラナダを治めるザビ家の女司令。

どちらも、腹に一物据えたかのような不気味な微笑を浮かべ、油断なく相手を見つめていた。

 

「しかし、どうする。本人は了承しているとはいえ、クァックスのパイロットは確とした身分が確立されている。もしバレようものなら外交問題に発展するぞ」

 

「我々によるガンダム・クァックスの回収を目撃されてしまったのも事実。現在は確定情報としては扱われていませんが、信憑性の高い情報として扱われています。クランバトルの情報も公になった今、下手にサイド6に返す訳には行かないでしょう」

 

「ふむ……それはそうだが」

 

理解こそするものの、納得までは行かないキシリア。

目の細め具合からキシリアの内心を読み取ったシャリアは、躊躇無く切り札を切る判断を下す。

 

「それに――彼女は今回のゼクノヴァに立ち会っていると見られます」

 

「何?」

 

シャリアの言葉に、キシリアの表情が変わる。

 

「赤いガンダムのパイロットは"薔薇”を探し、地球を目指していたようです」

 

"薔薇”と聞き、キシリアが思い当たったのはある一つのオブジェクト。

 

「シャロンの薔薇か……」

 

「そのようです」

 

シャリアが頷き、キシリアは顎に手を当てて考え込む。

やがて答えが出たのか、長い沈黙を破り口を開いた。

 

「……本人の希望もあるからな、ジークアクスには続けて赤いガンダムの捜索任務について貰う。シャリア・ブル、貴様にも新たな任務だ。しっかりと励めよ」

 

「了解致しました」

 

素早く敬礼、部屋を後にするシャリア。

耳を澄ませ、シャリアが部屋を出ていったのを確信すると、キシリアは静かに呟く。

 

「ゼクノヴァを間近で見たというパイロット、か。可能性は高いな」




緑おじが切り札を切らなければ、このままジークアクスはグラナダにぶち込まれて解析に回され、マチュは頃合いを見てサイド6に返品されていました。

緑おじ的にはいてもらわなければ困る訳ですが、キシリア様的にはそうでもなかったからですね。

いくらオメガサイコミュを起動できる人材とはいえ、今の時期には背負いたくないリスクの類な上に、なまじ誘拐じみた手法で連れてきたこともあって、正当な手段で帰せるならそれがいいと思っていたのです。

……緑おじが切り札を切るまでは。


ちなみに、サイコガンダムくん達による『暗殺』は広義的な意味では間違ってなかったりします‪( . .)"‬

※煉獄騎士さん、笠鷺さん、花浜匙さん誤字報告ありがとうございました!

うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)

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