GQuuuuuuX式ちいかわ(臨戦)になった人がなんやかんやで諦める話 作:何でもいいでしょ?
なんというか……その…下品なのですが……フフ、スタンディングオベーションしてしまいましてね……
このグラナダに来て最初に行ったのは検査だった。
検査といってもほぼ健康診断みたいなもの……というよりは、病院とかで受ける普通に検査なんだけど、間にちょっとヘッドギアつけて宇宙線?の影響を調べたり、ブルーバックの映像を見せられて宙間恐怖症?とやらの耐性を調べたりとかで、地球と宇宙の差を改めて実感した。
旧世紀扱いされてる前世と現代じゃ違いがあるのかもしれないけど、そんな検査やった今までやったこともなかったし、やっぱりそこら辺色々違いがあるのかもしれない。
というか、1次検査の結果見て軍医さんっぽい人が血相変えて2次検査始めたのが気になるんだよね……大丈夫かな、なんか変な病気持ってたとかだったら最悪過ぎるんだけど。
頭を重点的に調べてたから脳の可能性もあるし……
戦々恐々としながら結果を待つこと数時間。
特にこれと言って異常は無かったって言われたけど、あれ見た後だと信用できない。
でもカルテとか見ても素人目じゃ矛盾とか見つけられないしなぁ。うーん……
「これを食べて安静にしておくように。激しい運動はNGだからな」
「ありがとうございます。わかりました」
チョコが練り込まれたパンと牛乳の乗ったトレーを手渡され、検査室から退室する。
結局、私が考えてもしょうがないと諦めることにした。
怪しさしか感じないけど、一応はお医者さんが言ってる訳だし信用することにしたのだ。
……パン見てたらお腹空いてきたな。
でもここで歩きながら食べるなんてマナー悪いし、休憩室まで我慢我慢。
チラチラとトレーに視線を送りながらも休憩室まで我慢し、空いていた椅子に腰掛け、パンと牛乳を味わう。
「美味しい」
チョコはしつこさのない程よい甘さで、パンの食感もふわふわしてて食べやすい。
牛乳もイズマコロニーで飲んでたのとは喉越しが段違い。
「……、っ」
落ち着け、落ち着け私。
いくら故郷を奪った連中とはいえ、ジオンは私の生命線。万が一追い出されでもしたら、もう私は生きていけないんだ。
怒りを沈めろ、憎しみを抑えろ……それに、エグザベ少尉みたいなようないい人達だっているんだ。全員を色眼鏡で見るな、私。
「んぐ、もぐ…!」
パンを次から次へと口へと放り込み、湧き上がった感情を牛乳で飲み下す。
「……ふぅ」
……もう寝よう。
残ったトレーを片付けて地下の駐車場に向かい、車の前で待っていた男性に声をかける。
「あの」
「ん?おお、終わったか。乗ってくれ」
「わかりました」
助手席に乗り込み、シートベルトをかける。
ライトをつけ、車が発進した。
「どうだ、やって行けそうか?」
「まだ、分からないです」
「そうか。まぁそうだよな。前はどこに?」
「元々はサイド2に住んでて、故郷が滅んでからはサイド6に移ってそこで暮らしてました」
「滅んでから……あー、悪かった。辛いこと聞いたな」
「大丈夫です。気にしてません。それに……今は、私もジオン所属ですし」
バツの悪そうな表情を浮かべた運転手さんに、気にしないでと首を振る。
気にしてないといえば嘘になる。けど、無闇に逆らったりするつもりはない。
ここで無駄死になんてしようものなら、何のために人の命を奪ってまで生きてきたのか、分からなくなってしまうから。
「お嬢ちゃん、強いんだな」
「強くなんてないですよ。私はただ」
「ただ?」
「……いえ、なんでもないです。忘れてください」
それから運転手さんに最近のジオンについて話してもらっていると、あっという間に兵舎についた。
「ありがとうございました」
「いいってことよ。ニャアンちゃんだっけ?お互い、頑張ろうな」
「はい。未熟者ですが、よろしくお願いします」
兵舎の前、運転手に礼を伝え、車を降りた。
去っていく車から目を離し、自動ドアを通って中に入る。
私に与えられた部屋は結構遠い。
まぁ私なんてただの民間上がりの一般兵だし、当たり前なんだけど。一人部屋もらえただけで贅沢なものだろうし。
自室へと辿り着き、ポケットから取り出したカードキーで鍵を開け、中に入った。
部屋の広さで考えたら、これまで私が住んでいたアパートとそう大差ない。内装で考えたら、あれとは比べ物にならないけど。
まず壁の素材からして違うし、置かれてる備え付けの電化製品の類も高品質。
他になにか違いがあるかと考えたら……やっぱり窓の有無だろうか。
なんでも、月の裏側にあるグラナダでは、窓は最高の贅沢らしいのだ。ソドンに乗ってた時に、エグザベ少尉がそんなことを言ってた気がする。
当たり前ながら、私の部屋にはそんな贅沢品な代物は存在しない。
本来窓がある部分は一面の壁となっていて、外の景色は見えなくなっている。
「エグザベ少尉の部屋は、どうなんだろ」
ここに来てからは別れたが、それまではなにかと私の世話を焼いてくれた彼。
良い人なんだけどなにかと苦労してそうで、時々顔に疲労が滲み出てたように見えたけど、大丈夫なのかな……
「マチュとシュウジのことも気になるし……」
アクシズショックモドキこと、ゼクノヴァの虹ならぬ桃色の光の中に消えたらしいシュウジを探して、ソドン隊と共に地球へ向かったマチュ。
ふと気になって調べたところ、サイド6では行方不明者一覧にバッチリ名を連ねちゃってて目眩がした。
後々ややこしい事になりそうな予感がしかしないんだけど……ねぇこれ絶対来るべきじゃなかったよね。
「マチュは、平和に暮らせる筈だったのに」
普通に仕事して、いい人に出会って、結婚して幸せな家庭を築く。そんな普通の人生。
あの時に自分の家へ、家族のもとへと帰っていたら、元の生活とまでは行かなくても、ある程度普通の人生を送れていた筈。
……いや違う。そもそも私のせいなのか。
私があの時にヘマをしたせいで、マチュをこっち側に引き込んでしまった。
叶うことなら、あの時に戻りたい。
あの時にマチュとぶつからなかったら、取り違えなんてしなかったら、そもそも駅に逃げ込もうなんて考えなかったら……マチュは
……いやでもその場合、サイコガンダムの破壊活動で死ぬかもしれないのがネックになるかも。
今確認できただけでも死亡者300人超えだし、確実にこれからも増えると思うと、ジークアクスに乗る道を選ばなかったマチュが無事でいられるのか、分からなくなってきた。
不謹慎だし、こんなこと言ったらダメなんだけど……あのサイコガンダムと戦ってこの程度の被害で済ませられたのは、ほぼ奇跡と言っていいと思う。
それこそ、ヘリオポリスみたいに崩壊してたっておかしくなかった。
サイコガンダムからすれば、コロニーなんて豆腐みたいなものだろうし。
……でも、現実にはそうはならなかった。
それもこれも、あの灰色の幽霊が来るまでの間、サイコガンダムとハンブラビを抑えることができたから。
マチュがジークアクスに乗る選択をしたから――守れた命もあった。
間違いなく、私とシュウジだけじゃ抑えきれなかった。
マチュがいてくれたおかげで……。でも駄目。
だからといって、マチュが戦うのをよしとしちゃ駄目。
「やっぱり、あの時に戻りたい……」
例えマチュと出会えなくなって、いつもみたいに3人でいられなくなるのだとしても。
これまでだって、ただ運が良かったに過ぎないんだ。
ガンダムに乗って、MSと戦って、それで……相手の命を奪わずに済んでたのは、本当にただ運が良かっただけ。
……でも、これからはきっとそうじゃない。
ジオンに――いや、”軍"に所属するということは、そういうことなんだから。
「マチュ……やっぱりマチュは、主人公なの?」
ジークアクスというガンダム。
シュウジという
クランバトルという環境。
サイコガンダムという戦争へ飛び込む理由なり得る破壊者。
現実と考れるにはあまりにも都合が良過ぎて、”物語"と考えれば説明がつく程、出来すぎた現実。
……もう私には分からない。
マチュは本当に主人公なのか、それとも私が引きずり込んでしまった哀れな民間人に過ぎないのか。
「私は……」
ベッドに横になる。
無造作に広がる髪を気にも止めずに、枕に顔を埋めた。
「さて。これからあなたには、この艦に乗り共に地球へと向かって頂きます。よろしいですね?マチュ臨時准尉」
「は、はい!」
人良さそうな笑みを浮かべる緑のおじさん――シャリア中佐に頷く。
整備兵と名乗る人達に、これまでのジークアクスの挙動について質問攻めを受けている最中に現れた、この男。
上官になるって聞かされてはいたけど……やいやい声投げかけて来た整備兵さん達がぴたって黙り込んでたのを見るに、この人結構立場上の人だったりする?
いきなり階級覚えろとか言われてもちんぷんかんぷんなんだよね……
とりあえずって私に付けられたのは准尉とかいうやつで、そこにさらに臨時っていうのが前についてくる。
臨時って聞くと、今だけの階級とかそんな感じの意味に聞こえるし、実際ちょっと聞いてみたらまさにそんな感じだった。
結構ややこしそうなのを除けば、だけど。
そんなこんなで、このソドンっていう船に、ジークアクスの専属パイロットとして一時的に身を寄せることになった私。
腫れ物扱いっていうのかな?
なーんかちょっと…いやかなり扱いづらそうな雰囲気とか醸し出されております。
ニャアンも一緒にいれたらよかったんだけど、ガンダムも壊れちゃったし、その修理のためだって言われたら、もうどうしようもなかった。
ニャアンと2人でシュウジを探しに行きたかったのに……
「では、まずは我々の任務、即ち目的について話しましょう」
「目的」
「まず、我々の任務はシャロンの薔薇の捜索です」
「シャロンの薔薇?ガンダムじゃないんですか?」
赤いガンダムの捜索だって聞いてたんだけど……そっち探すの?
「ガンダムの目的は薔薇のようですからね。薔薇あるところにガンダム有りとでも言うべきでしょうか。シュウジくんの目的が分からない以上、彼よりも先に薔薇を確保する必要があります」
「シュウジは悪いことなんて考えてないです!」
「同意したい気持ちは山々ですが、まだ彼についての理解が浅い。我々としては警戒せざるを得ないのです」
「う……」
「薔薇を探しているのは、我々だけではない」
中……えーっと、尉官佐官将官だから……中佐の目がゆっくりと開かれ、どことなく
「准尉、あなたにも話した筈です。現時点において、薔薇についてわかっている事実は極めて少ないのだと」
「この世界には存在し得ない異常な存在であること、建造中止となったMAの姿形をしていること、……そして、その内部が時間凍結され、ある1人の少女が眠っていること」
「シャロンの薔薇とは、我らの理解を超えた理外のオブジェクト。なにが起きるかは想像もつきません」
「……」
一気に捲し立てる緑のおじさんに言葉が詰まる。
シャロンの薔薇がなんなのかは確かに教えられた。私には知る権利があるとかなんとかで
「そう。あなたには知る権利がある。そして、やるべきこともまた、存在している」
「やるべき、こと」
「ええ」
私の、やるべきこと……
「いずれ分かることでしょう。ひとまずは、地球へ降りるところからですね」
そう言い天井の電灯に視線を送る中佐――やっぱ緑のおじさんでいいか。
「どこにあるとか、わかってるんですか?」
「それを探すのがあなたの役目ですよ。准尉」
「でも、ずっと見つかってないんですよね?私に見つけられるかな……」
そこら辺あんまり詳しくないけど、国が動いても見つけられないって相当だろうし、それを私が見つけられるのかと言われると……ちょっと、いやかなり自信ない。
でも、私がこうやって弱音を吐くと、この緑のおじさんは毎回こう言うのだ。
「大丈夫。君は、ニュータイプですから」
と。ちなみに今も言われた。
「ニュータイプって、そんな万能なものじゃないって言ってませんでしたっけ」
「その通り、ニュータイプは全知全能ではない。ただ人類の新たなる形そのものというだけです」
……うん。やっぱり何言ってるか殆ど分かんない。
このおじさん、いっつも変な言い回しばっかりするもんだから理解しにくいんだよね。
「申し訳ありませんね。性分なもので」
「あ、いやその……こちらこそ、ごめんなさい」
あんまりにも自然に心読んでくるから、もうそういうものだって思いかけてたけど……そういえばこのおじさんもシュウジと同じなんだっけ。言葉にする前から分かっちゃう人達。
これもニュータイプっていうのの能力の一つ?
だとしたらちょっと嫌なんだけど。プライバシーの欠片もないし。
どうせ今も読んでるんでしょ?
「そんなことはありませんよ」
読んでんじゃん。
ジトーっとした目を緑のおじさんに向ければ、相変わらずの気のいい微笑みが目に映る。
はぁ…とため息を吐き、脱力。
胸ポケットに放り込んでいたスマホを取り出し電源をつけた。
メッセージ?誰からだろ。
フリック入力でパスワードを打ち込み、アプリを起動、トーク画面を開く。
薔薇が、咲く…?なにこれ?
「……ほう」
運転手さん、再登場は多分しないですねぇ……
本編との間で矛盾が発生したら?
そんなんもうオリチャー爆走するしかないっすよ。
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なんて書いてる途中は思ってたんですが、予告の時点でもうコンチ(-)がかなりの被害を出しそうで涙が出ます(;;∀;)
※あーるすさん誤字報告ありがとうございました!
うちの子はジフレドくんに乗る?(4号機もエクシアとかストライクみたいな感じで、何かしらの形では出すつもりです)
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