くじらとダンスは踊れない   作:勇気生命体

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精神の迷宮

「随分甘っちょろくなったねぇ。姐さんもさぁ」

 

 ノミコンは何度目かの栄養補給をしながら、誰に言うでもなくそう言った。

 アニスによって作り出された迷宮に入れられてから、すでに三日が経過している。

 もし迷宮内に隠されている宝箱に食料が入れられていなかったら、乾き死ぬことは必至だったろう。

 

 そうすることも出来たはずだ。しかし、パパイアはわざわざ食事を用意している。まだ自身の幼馴染をあきらめられていないのだ。

 

「甘っちょろいよ姐さん。ボクに時間を与えちゃうなんてさ」

 

 ノミコンは立ち上がり、鞘に入れたままの剣で迷宮の壁を叩く。ぶつかった音が迷宮に鳴り響き、ノミコンは反響音からこのあたりの構造を把握した。

 セナの驚異的な感覚を自身のものにしつつあるのだ。しかも、セナ自身では不可能な戦闘時以外での利用も、ノミコンには可能だった。

 

 ここを出る頃にはかつて最強の冒険者が備えていた力を取り戻すことができるだろう。いや、セナ以上に力を使うことすらできるかもしれない。

 

 心配事がないわけでもなかった。

 ノミコンは手元に残っているパンを見た。空腹感は日増しに大きくなっている。最強の肉体を支えるためには常人の何倍ものエネルギーを消費するようだ。

 

 果たしてこの巨大な迷宮を餓死する前に抜けることができるだろうか。ノミコンはただそれだけが懸念だった。

 

「あ、そーか。もっと簡単に迷宮を進む方法があるじゃないか」

 

 ノミコンは左手を前に向ける。

 

「…………黒色破壊光線」

 

 最高峰の威力を持つ魔法が放たれ、迷宮の壁をまっすぐに破壊する。大きく開いた穴をのぞき込み、ノミコンはニヤリと笑った。

 

「いいねぇ。これは……いや、ちょっと浅慮だったかな?」

 

 おそらく食料が入っていたのであろう宝箱が半分消滅しているのを見てノミコンは言った。

 それから前に進み始める。次にやるときはできるだけ宝箱は避けるように撃とう。ノミコンはそう考えた。

 実際、この体は変わりつつある。ノミコンという新たな乗り手にも自由な動きができるようになっていっている。

 

 この迷宮を出た時がゼス王国の最後だ。

 

 ノミコンはほくそ笑んだが、同時に進行している内側の変化には気が付いていなかった。

 

 

 〇

 

 

 朝目が覚めるのと同じように、お銀の世界は突然再開した。

 そこはなんとなく見覚えのある上質な部屋だった。どうして自分がこんなところに寝ているのかはわからないが、最近よく記憶が飛ぶことが多かったので、また同じことが起こったのだと思った。

 

 しかし、光が差し込んでくる窓から外を見た時、どこが光源なのかさえわからない光の他には、なにも見えなかったので、すぐこれが現実ではないことを悟った。

 夢だ。そう思ったが、なんだか違う気がする。どちらかといえばもっと現実的で、しかし、より内省的な。

 

「あら、ようやく起きたのね」

「へぁ!?」

 

 窓の外を見ながら、じっと考えていたせいで、いつの間にか扉を開けて入ってきた女にお銀は気が付かなかった。

 驚いて振り返り、さらに驚く。

 女は確かに目の前に立っていた。

 だがその姿はぼかしが入れられた写真のようにぼんやりとしている。

 

「ここは良いところよ」女は何事もないかのように言った。「ま、これからあんまりいい所じゃなくなるかもしれないけど」

「あ、あ、あなたどうなってるんですか? なんかこう、すごい見えづらい感じですけど!」

「んー? あー……あたしのことはうまく認識できないようになってるのかしら? 記憶障害の影響かしらね。まぁそんなに重要じゃないわ。あたしが誰かなんて」

「いやいや教えてよ! めちゃくちゃ重要でしょ! ここがどこかもわからないし、現実かもわかんないのに! 話し相手までわかんなかったら、もうめちゃくちゃだよ!」

「はぁ……────よ」

「ええ?」

 

 女の声はお銀には届かなかった。確かに音は聞こえるのだが、意味が理解できない。

 どうやら女の方もそれは同じようで、自分が発した言葉にかなり驚いた様子だった。

 

「……どうやら自己紹介は不要のようね。こっちよ────ちゃん……お銀、ああ。こっちなら。お銀ちゃん。ついてきて」

 

 女に言われるがまま、お銀は豪華な屋敷の中を歩いた。女に連れられて階段側にある地下室への扉が開く様を見ると、見覚えがあるという感覚はますます強いものとなった。

 

「メルドロス……」自然とお銀の口からその名前が出る。

「そう。ベリウール家の奴隷のメルドロス。彼と一緒にここでこっそりラレラレ石を見てたわよね?」

「奴隷?」

 

 お銀はメルドロスのことを自身の父親だと認識していた。しかし、突如としてその認知が正され、彼が父の奴隷だったことを思い出す。

 記憶が蘇ることは最近よくあったがこれは明らかに質の違う、覚醒といえるほどの出来事だった。

 

 お銀はここがどういう場所なのか理解する。ここは記憶の世界だ。自分はここで記憶を取り戻すために──今の自分を殺すために──ここで目覚めたのだ。

 

「さぁ、早く降りてきて」いつのまにかいなくなっていた女が地下室から言った。

「え、ええ」

 

 気づきの衝撃から抜け出せぬままにお銀は地下室に降りていく。

 埃っぽさはないものの、乱雑に物が置かれてる様はまさに地下室のイメージその通りだった。

 

「なんか……落ち着くわね」

「そうでしょうね。ここは家の中でも一番好きな所だったから」

「そうなの……? そうね。そうだった気がする」

「いい調子ね。やっぱりここに来られたのが効いてるのかな?」

 

 女は置かれている木箱の中を漁りだす。何かを探しているようだが、見つからないらしく次の木箱も探し始めた。

 お銀は少しの間、混乱と戦っていたが、ふと目に入った木箱の一つがどうしても気になったので、女と同じように中を探る。その木箱は角の一つが凹んでいた。どこかにぶつけでもしたのだろうか。そんな風に思いながら、中に入っている難しそうな本を避けて木箱の底を見ると、大きめの桐箱が隠されるように置かれているのを見つけた。

 

「ああ、それよ」女が言った。「それを探してたの」

「何が入ってるの?」

「わかってるでしょう? お銀ちゃん」

「……ラレラレ石」

「そうよ。といっても昔ここで隠れて見てたようなお父様たちの面白い映像、なんてのは記録されてないけどね」

 

 不意に酔っぱらった若い男たちが変な歌を歌って楽しそうに笑っている映像が思い出される。

 これは父とその友達の映像なのだろう。子どもの頃、それを見つけ出して隠れて見ていた。若い父の姿はとても新鮮で見ているだけで幸せな気持ちになった。

 ここに来てから今までの数十倍の速度でお銀は過去を取り戻していっている。それを望んでいたはずなのに、さすがに恐怖を感じ始めてしまう。

 

「私……ラレラレ石は見たくない……なんだか嫌いなの。なぜかはわからないけど」

「知ってるわ。でも、あなたはこれを見なくちゃいけない。思っている以上に時間はないの。ここでは時の流れがゆっくりとしてるけど、止まってるわけじゃない。肉体の主導権はあいつに握られっぱなしなのよ」

「あいつ?」

「あたしでもお銀ちゃんでもない異物よ。あいつに体の主導権を握られてる限り、人類全員の危機だわ」

 

 女の言っていることを完全に理解できたわけではなかったが、その深刻さはお銀にもわかった。

 今の会話は一瞬の気の迷いだ。お銀は自分にそう言い聞かせた。

 

「見ましょう。そのラレラレ石に何が記録されてるのかは知らないけど。それが記憶を取り戻すのに繋がるなら、そうしなくっちゃ」

 

 女の顔はぼやけて見えないがニコリ微笑んだ気がした。

 そうして二人はラレラレ石を再生する。そこに記録されていたのは、お銀が想像していた通り、かつてのお銀──セナ・ベリウールの人生だった。

 

 

 〇

 

 

 最初に映し出されたのはリスの洞窟と呼ばれるダンジョンでランスやシィル、そしてかなみと冒険する所だった。

 

「へー、やっぱり私ってランス隊長と会ったことあったんだ」

「結構可愛めの人よね」

「え。可愛い? ……確かに言われてみると可愛いかも?」

 

 二人は冒険について、あれこれ話しながら映像を見た。そしてお銀は冒険というものを思い出した。

 

 次のラレラレ石に入っていたのは、お銀がスーと一緒にイカカレーを作っているところだった。

 

「これって随分時間が飛んでるように見えるんだけど、再生順合ってるの?」

「合ってる合ってる。いきなりヘビーな話見たって疲れるだけでしょ? まずは楽しいことを思い出さなくちゃ」

「ふーん……でも確かに。楽しかったよ。スーちゃんもそう思ってくれてたらいいな」

 

 そうしてお銀はリーザスで出会った日常を共に過ごした友たちを思い出した。

 

 次は突然戦いの場面だった。場所はリスの洞窟だろうか。赤髪の魔人が──サテラが鞭をふるう。それをセナは容易く捌いて見せた。

 かと思えば場面が大きく変わり、今度はセナの方がサテラにひどくやられ、ボロボロにされてしまった。これはユニコーンの森だ。記憶の片隅からユニコーンのニコも現れる。彼女がいなければこの時死んでいただろう。

 さらに場面は変わり、ハイパービルでの戦いを鮮明に映し出した。

 セナもサテラも死に体で、結局は二人とも仲間に助けられた。だがこれは勝利だ。冒険者の勝利。

 

 お銀は戦いの激しさと勝利の喜びを思い出した。

 

 また次のラレラレ石も戦いの場面だった。しかし、さっきの死闘とはまるで違う。セナも対面するリックもどちらも楽しそうに剣を交えている。

 これはあの戦争の後、リーザス軍のみんなで祝勝会をした時の記憶だ。彼らは戦友で、故郷のために戦った。それがうれしくて、羨ましかった。

 

 お銀はリーザス軍のみんなを思い出した。戦いの高揚感や望郷の思いを思い出した。

 

「次からはあまり面白くないわよ」女が言った。

 

 映し出された映像はどこか豪奢な屋敷に忍び込んでいる所だった。

 これはゼスの貴族の家だ。将校だった気がする。

 ゼス国王ガンジーの世直しに手を貸すことになったセナは、誰も手出しできないような強固な防備を持つ屋敷に侵入した。

 そこに監禁されていた十数人の子どもたちは全員が純潔を無理矢理奪われ、数人は面白半分に手足や目を潰されていた。

 そんな鬼畜の所業を行った男を斬りつけた時にすら、セナは父を思い出した。ある日、二級市民に斬り殺され、物言わぬ体で帰ってきた父を。

 

 お銀はゼスの貴族の悍ましさとトラウマを思い出した。

 

「大丈夫? ……あんまり大丈夫そうじゃないけど、続けるわよ」

 

 不思議な映像だった。ラレラレ石の記録で、ラレラレ石を見ている人間を見せられている。

 セナは過激さが度を越し、無差別にゼス国民を襲い殺すようになった二級市民の革命組織を潰したところだった。

 彼女は誰か囚われている人がいないかを探した。ガンジー王の手伝いをするようになってから、どれだけ獣欲が人を怪物にするのかを知ったからだ。

 

 とある部屋に入った時、覚えのある生臭さを感じた。だが、そう言った場所にお決まりの女奴隷などの姿は見られない。ここの組織の人間は殺すことばかりに気が行って、生きたまま誰かを捕えることなど考えもしなかったのだな、と思った。

 

 部屋にはラレラレ石が一つ。まるでそれが信仰の対象であるかのように鎮座していた。それが何のために置いてあるのか。すぐにわかったのに、セナは吸い込まれるようにそのラレラレ石を再生した。

 

 懐かしい顔だ。よく知った顔。

 それは間違いなくセナの母、マイラその人だった。ラレラレ石の中の彼女はただひたすらに辱められ、犯されている。

 セナは父が死んでからの母が死ぬまでの間に彼女がどんなこと他の貴族からされていたのかを理解した。

 どうして母が死んだと知らされたその日のうちに、メルドロスが自分を連れて屋敷から逃げ出したのかを理解した。

 

 セナは胃の中身をすべて吐き出した。同時にお銀も吐き戻した。だが現実ではないためか、出てくるのは胃液ばかりだ。

 

「どうして……少しでも故郷(ゼス)を良くしたかっただけなのに。そう出来ると信じていたのに。この国には助ける価値のある人間なんて、居なかったんだわ」

 

 あの時頭をよぎった言葉が、お銀の口から這い出てきた。

 お銀は性欲への嫌悪と、二級市民への怒りを思い出した──そんなお銀を見て、女は言う。

 

「でも、それだけじゃないでしょう? あなたは確かにひどい目にあったし、トラウマになるのも当然のことだけど。思い出してみて、全部を嫌いにならないで。あなたの人生には素敵なことだってあったはずよ」

「確かにあったはずかも……でも、無理よ。お父様のこと、お母様のこと……忘れて生きていくのなんて。怒りを忘れて、生きていくなんて」

「別にトラウマを克服しろなんて言ってないわ。そんなこと出来やしない。ただそういうことは自分の端っこに追いやってしまえって言ってるの」

「私には……無理よ」

「出来るわ。だってあなたあの戦争でもそうしてたじゃない」

 

 お銀はリーザスや自由都市同盟のためにヘルマン軍と戦ったことを思い出した。軍人を斬る度に父のことを思い出した。

 しかし、それでも戦った。あの時も苦しんだが耐えられた。どうしてだろう。

 

「友達のためだったからよ。(ゼス)のために頑張るなんて、あなたには無理だったのよ」

 

 リーザスで戦っている時、思い浮かぶのは故郷のために戦う友達の顔だった。ゼスで戦っている時、セナはいつも自分に言い聞かせた。

 これは故郷(ゼス)のため。ここで生きるすべての人のため。だから私がやらなければならない。

 

 人よりも国を愛することなど、セナには出来やしなかったのだ。セナは最強の冒険者で、英雄だったが、その資質は武力以外なにも持っていなかった。

 心は凡庸で、そのことを誰も──当のセナ自身ですら最強の自負故勘違いしていた──わかっていなかった。偶然手に入れた英雄などという称号はセナには重すぎた。

 

 そう思い至ると自分がどうしようもなく馬鹿で傲慢であると思えて、思わず項垂れる。

 このままずっと下を向いて愚かさに押しつぶされそうだった。

 

 しかし、ふと誰かに呼ばれたような気がして、ゆっくりと顔を上げる。

 

 いままでなぜ目に入らなかったのか。お銀は部屋の隅に一振りの剣が立てかけられていることに気が付いた。

 手を伸ばし、剣を握った。よく覚えている。これは初めて握った剣だ。あの日見た演者のように幼い少女は剣舞を踊った。

 

 ソードダンサー。最強でも英雄でもない。彼女が最も愛した名前。

 

 英雄であることを放棄したその時、お銀はセナを取り戻したように感じた。すぐにセナはお銀が急速に自分の内側に消えていくのを感じる。

 最強の冒険者は戻った。寂しさが胸の中で広がっていくのを感じる。絞り出すようにセナは言った。

 

「ミリに会いたい……」

 

 爛々と妖しく燃えていた紫の瞳が怒りと絶望をセナの隅へと追いやった。

 そうしてセナはしばらく剣を抱きしめ涙を流した。

 

 

 〇

 

 

「うーん。これはちょっと予想外ね」

「は、ええ!? あなた消えたんじゃなかったの!?」

 

 泣いている間、少しも気配を感じなかった女が突如部屋に現れたので、セナは思わず声を上げた。

 

「はぁ? なんで消えるのよ。むしろなんでセナちゃんまだいるのよ」

「いや、だって私、あなたのことセナだと思ってたし……お銀の人格だった私を消してあなたが主人格になるのかなぁって……」

「変な予想してたのね。残念はずれ。あたしはセナちゃんじゃないし。あなたはセナちゃんよ」

「わけわかんなくなってきたわ」

「昔から勉強得意じゃなかったものね。それよりどうにかするべきはいまの状態よ」

「い、いまの? 夢から覚める的な?」

「そうだけど、あたしが言ったこと覚えてないの? もう。セナちゃんの体はいま悪い奴に乗っ取られてて、めちゃくちゃやばいって話!」

 

 覚えてなかった。セナはそう言い出せずに誤魔化しの笑みを浮かべる。

 

「はぁ……あたしの読みだとあなたが自分をセナちゃんだと思い出せば、体の主導権を取り戻せるくらいにはメンタル復活すると思ったんだけど……考えが甘かったわ! セナちゃん、結構ヘタレだから」

「そ、そうだけど、そんなにいうことはないじゃん!」

「これはもうちょっと検証が必要ね」

 

 女は適当にラレラレ石を再生する。突然大音量で流れる嬌声はミリと初めてした時のセナ自身のものだ。

 セナは人類最強の速度でそのラレラレ石を取り上げ、再生を止めた。

 

「どーしていきなりこんなの流すのよ! ちょ、ちょ、ちょっと誰かに見せるものじゃないんだけど!!?」

「あたしはとっくに全部見てるっての」

「ぜ、全部!? 全部見たの!!?」

「そーそー、だからそんなに慌てないのある意味一心同体なんだからあたしたち。とりあえず、認知障害は緩和、反応速度も戻ってるみたいね。ミリちゃんとの愛のパワーかな?」

「ほんとに検証なのかよ……攻めずらいわね」

「もっと本気でぶん殴ってもいいと思うけどね。これ下手したらトラウマ再発でおじゃんよ」

「じゃあやんないでよ!」セナは顔を真っ赤にして叫ぶ。

「それぐらい切羽詰まってるってこと」

 

 女は考え込むように少し黙った。セナはその雰囲気に気圧され、女が次の言葉を発するのを待った。

 

「ゼスに居る間に会った人の名前、思い出せるだけ言ってみて」

「え? え、えーと……カオルちゃんでしょ、ウィチタちゃん……ガンジー王様に、ランスくん、シィルちゃん、マリアちゃんに志津香ちゃんに」

「ストップ。わかったわ」

「なにが?」

「まだ完全に記憶は戻ってないみたいね。特別最悪なやつが」

「そうなの?」

「…………いまでも思い出さないなら、もしかすると思い出しちゃいけないのかも」

「でも、私知りたいわ」

「また自分を忘れるほどのショックを受けるとしても?」

「知りたい。だって、友達のことを忘れてるかもしれないでしょ? そんなの悲しいわ」

「……じゃあ、見せてあげる」

 

 女は一つのラレラレ石を取り上げた。大きくて深い青色に染まっている。

 

「勇者アリオスと十二月革命についての記憶よ。覚悟しなさい。セナちゃんにとってはキツイわよ」

 

 そうして映像は始まった。




一旦ある程度書き溜めますのでしばらくお待ちください。
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