中央暦1639年10月26日 16時23分
パーパルディア皇国 エストシラント 第3外務局
第三文明圏の列強国たるパーパルディア皇国は皇都エストシラントに、他国との外交事務を担当する外務局がある。
パーパルディアではその外交担当国によって第1、第2、第3の三つの外務局が別々に存在しており、第1外務局は対列強国、第2外務局は列強国以外の文明国、そして第3外務局は文明圏外の、いわゆる“蛮族国家”を担当している。
「計画はどうなっている! 早く報告書を出したまえ! 大幅な遅延だぞ!?」
そんな第3外務局のデスクで、気の短い課長が部下を怒鳴りつけていた。
上司の怒気をはらんだ大きな声に辟易しつつ、部下が手持ちの書類に目線を落として答える。
「は、ハッ……すみません。国家戦略局からのストップが入りまして……」
「言い訳はいい! 現在の進捗だけ伝えたまえ!」
「え、えぇと……公国監査軍東洋艦隊の22隻と、ワイバーンロードを装備した2個飛竜隊がフェン王国懲罰のために出動準備中でして、数日以内に出撃できるとのことです」
彼らこそ、“蛮族国家”相手に日々皇国の最大利益を引出すために動き続ける第3外務局の職員である。
列強国と文明国は数えられるほどしかいない反面、文明圏外国家は掃いて捨てるほどいるため、そのぶん業務内容も担当職員も多い。そのため規模的にも第3外務局が一番大きい部署となっており、全職員の実に6割近い数が当局で働いていた。
さらに言えば、第3外務局の強みは“皇国監査軍”と呼ばれる武装組織を保有しており、これを用いて無礼を働いた蛮族国家を懲罰する権限をも有している点であろう。
その懲罰権を、今回フェン王国という小さな島国に行使しようとしていたのだが……
パーパルディアから東側200キロに、縦150キロ、厚さ60キロの、勾玉を逆にしたような形の島が存在する。これがフェン王国である。
その東側には、内海を挟んでフェン王国を鏡写しにしたような形のガハラ神国がある。なお、そのさらに南東に1700キロほどいったところにセイロン島がある。
パーパルディア皇国では現在、皇帝主導の下、領土拡張政策に邁進していた。
その一端として、第3外務局ではフェン王国に対して南部の地域、即ち縦20キロ、横20キロの範囲をパーパルディアに献上するよう求めていた。
当該地域はただの森林地帯であり、木材の供給には適したものではあるものの、戦略的にはまったくといっていいほど重要性の低い地域だった。だがそれでも、第3外務局としては「蛮族国家に領土を献上させた」という実績が残るため、非常に重要な地域だった。
またフェン王国としても、使い道のない領土を献上するだけで、パーパルディアから技術供与を受けられるといううまみがある。それにパーパルディアが他国から“守ってやる”ことにより、安心もできよう。
もちろん、あくまでこの考えはパーパルディアの一方的な考えでしかない。第3外務局がおいしい思いができる“素敵”な提案だった。
だからこそ余計に自らの出世を狙っている課長ら幹部陣は、目くじらを立てて進捗を聞いていたのだ。
しかし、フェン王国はこれを拒絶した。これはまだ予想できていた。領土の割譲というのはそう二つ返事でできるようなことではない。
そこで第3外務局は腹案として、当該地域の498年間にわたる租借案を提示した。
これなら受け入れるだろうと思った矢先、フェン王国剣王シハンは、これをも拒絶するに至る。
あろうことか、彼の国から痛烈な皇国に対する非難文とこれ以上の交渉を拒否する旨の通知が届いたのが、つい先月のことである。
パーパルディア人からすれば、
『列強の顔を潰した』
と、いうことになる。
第3外務局の担当者は想定外の回答に憤慨し、その報告を受けた局長カイオスもこれまた大激怒した。
カイオスはすぐさま皇国監査軍に指令を出し、監査軍東洋艦隊を差し向けようとする。
しかし、ここで待ったをかけてきた部署がいた。それが国家戦略局である。
国家戦略局はパーパルディア内外に職員を送り込み、時には合法的に、またある時には法すれすれ、もしくは完全に非合法な手段を用いて他国の情報をかき集めてくる情報機関である。
そんな国家戦略局が、フェン王国含む文明圏外国家……特に大東洋諸国……の様子が変だとし、警鐘を鳴らして来たのである。
第3外務局はそんな注意など聞き入れるつもりはなかったが、あろうことか戦略局の提言が上層部に伝わったらしく、一時的な東洋艦隊派遣が停止される始末となった。
カイオスら第3外務局の面々は悶々とした気分で1か月を過ごしていた。だがそんな中、調査の結果があまりにも頓珍漢であったとして、風向きが第3外務局側に吹いてきたのである。
だが、まさか彼らは予想できなかった。
既にフェン王国が、パーパルディア皇国の影響圏を抜け、異界からやってきた国家の協力機構……大東亜共栄圏に加盟しているなどということは。
中央暦1639年11月3日 11時23分
フェン王国 アマノキ フェン王国駐箚大日本帝国大使館
「むむむ……これは……」
対ロウリア戦争が終わり2か月。順調にロデニウス大陸が戦後復興を終え、高度経済成長期を迎えようとする中、大陸から遠く離れたフェン王国の首都アマノキでは不穏な空気が漂っていた。
アマノキに置かれている大日本帝国大使館に呼び出された剣王シハンは、大使と駐在武官から見せられた写真に眉をひそめる。
フェン王国は、意外なことに魔法が存在しない。その代わり、国民全員が教育として剣術を学ぶ。
剣に生き、剣に死ぬ……どんなに見下されるような門地の者であっても、その強さが認められれば尊敬され、それなりの地位に立つことができる。反対に、どんなに優れた家門に生れたところで、剣が扱えぬ者は馬鹿にされた。
それを知った大日本帝国では、最近では剣道有段者がこぞって修行と観光を兼ねて同地を訪れており、フェン王国からは剣術師範たちが来日し、剣道ブームが発生している。
また駐在武官の交代式の際には、儀礼的なものに加えて剣王シハンとの試合も行われることとなっており、陸海軍省では剣に覚えのある武官をわざわざ選定して送る羽目となっている。
「これは、パーパルディアの奴らですな」
大使の持ってきた写真には、シハンも見たことがあるパーパルディア皇国外務局の監査軍艦隊が写っていた。曰く、パーパルディア東海岸の港で撮影されたものだという。
大使は顔色変えず、説明を付け加えた。「これは現在、この国に向かって航行しています」
シハンは顔をはっとさせた。それと同時に覚悟を決めたかのように、確認するように問いかけた。
「つまり、戦が始まるのですな?」
大使と武官らは頷いた。
「先月、剣王陛下がパーパルディア皇国第3外務局からの申し出を拒否したことに対する報復処置と思われます」
「ふむぅ……パーパルディアとの、列強との戦……」
シハンは脳内で、自国とパーパルディアとの国力差を比較したが、まったくもって話しにならなかった。
フェン王国の人口は500万人ほど。対してパーパルディアは7000万に至る。
さらに軍船での比較でいえば、フェン王国水軍21隻に対し、パーパルディア海軍は400隻超。また、ワイバーンやその上位種であるワイバーンロードといった飛竜戦力はフェンには存在しないが、パーパルディアには1000騎を超す数が揃えられていた。
これに対抗するためには、隣国のガハラ神国の「風竜」という飛竜を持ち出さねばならないだろう。
ガハラ神国では神通力と呼ばれる魔法に似る術を使い、風竜12匹を操っている。数は少ないものの、文字通り一騎当千の強さを誇り、列強も一目置いている。
そんなガハラ神国もついこの間、フェン王国とともに大東亜共栄圏に加盟した。
このように、フェンとパーパルディアとの国力差は圧倒的だった。しかし、それはあくまで一対一での話になる。
シハンは一瞬眉をひそめたが、目の前にいた日本大使を見るやすぐに顔を緩める。
「日本との同盟、この日のためにあり、ですなぁ」
「フェン王国に対する明確な武力攻撃があり次第、大東亜会議で対パーパルディア制裁案を提案する予定です。可決されれば、大東亜共栄圏軍による軍事制裁が行われるでしょう」
「ほぉ、それは助かる。貴国の軍隊をもってすれば、パーパルディアとて鎧袖一触だ」
シハンは目を輝かせる。
それと同時に、かつてフェン王国を訪れた日本海軍の姿を思い出していた。
中央暦1639年9月25日 9時56分
フェン王国 アマノキ
時は少しさかのぼる。
フェン王国では5年に一度、「軍祭」と呼ばれる催しを開いている。
軍祭では文明圏外の各国が同国に集まり、それぞれが磨いてきた武技や自慢の装備品を見せ合ったりする他、友好的な軍事交流を推奨していた。
開催当初は各国の軍事力を誇示することにより、他国をけん制する意味合いが強かったが、近年では“祭り”としての色合いが強い。
文明圏の国家にも招待状を出したことがあるが、基本的には謝絶、もしくは返事すらない場合が多いため、あくまで文明圏外の国々の国際式典になっている。
大日本帝国がロウリアを併合し、本格的にそれ以外の国々との交渉を始めたのは、そんな軍祭直前のことであった。
フェン王国を統べる剣王シハンは、人口7億、面積355万平方キロ(ロウリア軍政監部統治領も含めれば555万平方キロ)と説明した日本代表団を最初こそ笑った。ホラをふかすのもいい加減にしろ、と。
しかし、後々彼らが持って来た魔力を用いず通話が可能な「ケイタイ」や、色鮮やかに動く絵を映し出す「テレビジョン」などを見せつけられ、何より沖合に停泊していた化け物じみた軍艦群の見学を行ったシハンは考えを180度改め、今では誠実に交渉を行っている。
それでも当初、確証を得られなかったシハンは一計を案じた。軍祭に日本軍を参加させ、実力を推し量ろうとしたのである。
それに彼の国は、大東亜共栄圏という経済・軍事協力機構の盟主らしい。同じ文明圏外国で国交を持つクワ・トイネ公国やクイラ王国も既に参加しているようで、近年この文明圏外国家の中で頭角を現している話題の国家であった。
もし彼の国が軍事的にも強ければ、これまで抑圧してきたパーパルディアからこの国に鞍替えしてもいい、とまでシハンは考えていた。
かくして、軍祭当日。
各国の軍船がワイバーン、ガハラ神国からは風竜などが親善として派遣される中、日本海軍は昭南(シンガポール)港を母港とする第三艦隊を派遣した。
第三艦隊は先の異世界転移により、旗艦である尾張型原子力航空母艦『阿波』(8万2000トン)が外洋航行中のため消失し、横須賀海軍工廠において原子炉機関の燃料棒交換作業が終わったばかりの『播磨』が配備され旗艦を務めている。
また予備役に編入されていた白鳳型通常動力型空母の『王鳳』(7万4000トン)も再就役し、他にも2万トン級ヘリ空母の穂高型航空母艦『生駒』及び『葛城』が控えており、総数33隻の大小さまざまな艦艇が所属していた。
陸海軍戒厳司令部から発展解消され、正式に大本営となった海軍部内では、外務省からフェン国軍祭のことを聞かされるや、速やかに第三艦隊の派遣は提言した。セイロン島の第四艦隊は未だロデニウス大陸近海に展開中であったためである。
政府は艦隊丸ごとの派遣は過剰であると主張したものの、一部の過激派海軍士官らが頑なに曲げず、さらに第三艦隊司令部からも「全艦抜錨準備よし」なる怪電文が送られてくる始末となったため、艦隊派遣を認めている。
さらに手土産に、ロウリア戦で拿捕した木造帆船も牽引されていった。ただ解体して木材にすればよいものを、わざわざ標的艦にするためである。
艦一隻一隻が、この世界から見ればとてつもないデカさの艦隊がやってくると、文明圏外の各国武官らは開いた口が塞がらなかった。
剣王シハンには事前に、標的艦として旧式の帆船を用意していたが、第三艦隊側が自分で持ってきていたため、引き下げている。
各国がそれぞれの得意武芸を見せ、各国水軍もまた標的艦としてフェン王国が用意した帆船に攻撃をしていく中、遂に日本海軍の番となった。
自分たちの持ってきた帆船を洋上に浮かべると、まず玉波型駆逐艦が5キロまで離れた。
本来、現代戦においてここまでの接近戦はまずない。対艦誘導弾による遠距離攻撃で終わりである。
しかし、それでは大本営海軍部の移行である「超絶怒涛のインパクトを見せつけてやれ」という指示にそぐわないため、第三艦隊では協議の末、最近艦隊に配備された”彼女“とともに、できるだけ派手な攻撃を見せることにした。
各国の武官たちが固唾をのむ中、日本海軍による攻撃が開始された。
まず最初に、そこから艦前部に設置される10センチ単装砲がぐるりと旋回してみせると、(この世界の基準からすれば)あり得ないほどの速射力、精度で帆船3隻をアッという間に沈めて見せた。
さらに沖合に停泊していた空母『播磨』には各国武官を乗艦させ、艦上戦闘機「猛風」の発艦作業の見学会を行っている。
一部の武官は、こっそり持ち込んでいた魔力検出装置で都度計測していたが、何度も「ゼロ」と表示されるその様に絶望することとなる。「なんてこった、ニホンは第二文明圏の……」
猛風は甲板最前部にある2基のカタパルトから射出されていった。
瞬時に時速250キロ近くまで加速させ、洋上に射出されていく4機の猛風は、翼下に空対艦誘導弾の2発、誘導爆弾2発を搭載していた。
それらは旋回した後、標的艦として停泊中の帆船に向け誘導弾を発射した。
本来であれば、射程500キロをマッハ5で飛翔する極超音速空対艦誘導弾を、帆船如きに使用することは贅沢極まりない話であろう。
しかし既に帝国臨時議会により可決された百数十兆円単位の臨時軍事予算により、脳内ウハウハ状態の海軍中央部が「何を使ってもいい」と言い放ったため、高級だがよりインパクトを与えられる兵器の使用が決定されている。
各国武官らのいる物見台から、20キロほど離れた地点で猛風は誘導弾を発射。
ロケットブースターが作動後、スクラムジェットエンジンによりぐんぐん加速していった誘導弾は、マッハ5に加速するまでもなく標的艦を捉え、命中した。
標的艦は先の10センチ単装砲で攻撃されたよりもド派手に爆発して見せると、文字通り艦内をぐちゃぐちゃにされながら轟沈していった。
さらに武官らが見える範囲で猛風が接近すると、誘導爆弾を投下し、こちらもまた派手に爆炎を上げながら帆船が沈んでいった。
実のところ、戦隊ものの特撮映画よろしく艦内に気化させたガソリンを充満させたため、特撮のようなド派手な爆炎が上がっているのであるが、彼らが知る由はない。
そして仕上げに、“彼女”がやってきた。
基準排水量8万5000トン、満載時は10万を超す全長279メートルの巨艦。
最大速力は28ノットに至り、現代の誘導弾や航空機での戦いには不釣り合いな4基の巨大な連装砲を積んだ彼女……近江型戦艦のネームシップ『近江』であった。
戦後、日米冷戦下で1960年代まで続いた日米による戦艦建艦競争は、46センチ三連装砲4基を搭載する米海軍のケンタッキー級戦艦に対抗して建造された近江型戦艦を作り上げた日本に軍配が上がった。
主砲は45口径51センチ連装砲4基8門。1964年に『近江』が、翌65年に『駿河』が就役し、「本型をもって大和型戦艦という艦種の完成形を見た」と呼ばれるほどにまで洗練された彼女たちの登場を最後に、太平洋上に新たな戦艦が現れることはなかった。
というのも、1960年代にもなると戦艦よりも誘導弾を大量に搭載した巡洋艦や駆逐艦、ジェット機を100機近く積んだ空母の運用思想が確立しつつあり、そちらの方が重要視されていったのだ。
歴史にイフは禁物だが、もし日米が第二次世界大戦で開戦し、太平洋上で熾烈な海上戦闘が行われていれば、航空技術の発展により空母を有していた両軍による空母戦が実施され、戦艦の無用化は20年早く気付かれ、モンタナ級もケンタッキー級も、加賀型も近江型も建造されず、下手すれば大和型戦艦も途中から空母に改造されていたかもしれない……と、主張する日米歴史家は後を絶たない。
流石に航空機の発展により空母運用が主流となっていき、戦艦建造はストップされたが、日本海軍では未だに大艦巨砲主義者が少なからず存在した。
また帝国海軍在郷軍人会の影響も大きい。
近江型戦艦は1960年代に建造され、2010年代まで就役、加賀型戦艦は1950年代に建造され、1990年代末まで就役だったため、海軍の中では少なくない数の将兵が戦艦勤務を経験している。
それらが各戦艦会の会員なものだから、現役・退役軍人の中で戦艦保護運動の声は無視できないほどの勢力を誇っていた。
各戦艦会は、予備艦・記念艦となった彼女たちを定期的に整備していた。
航海こそしなかったが、3年に一度空砲を撃つぐらいの祭りはやっており、特に世界に誇る近江型の51センチ砲の空砲発射会は、ドイツやアメリカの海軍軍人らが見に来るほどの盛況ぶりである。
そんな余生を過ごすと思っていた彼女たちだったが、異世界転移の結果、砲艦外交上等、海軍の空母半数が消失ということをいいことに、海軍内の大艦巨砲主義者たちが予備艦・記念艦となったものの、先述の理由から状態が非常に良い彼女たちを再就役させるのである。
閑話休題。
51センチ連装砲4基8門の斉射は、おそらく軍祭の中で最もインパクトを与えた瞬間だった。風圧で海面が揺れ、上空で観戦していたワイバーンや風竜たちは余りの衝撃波に情けない声を上げて陸地に逃げ隠れてしまった。
海上で見ていた武官らは、かすかに残る耳鳴りとともに、大日本帝国だけは本当に敵に回してはならないと痛感している。
軍祭閉幕後、シハンはただちに日本大使を呼び出すと、大東亜共栄圏への加盟を要請した。
見事大本営からの指令を達成し、また久しぶりに戦艦『近江』の51センチ砲を空砲ではなく実弾でぶっぱなすことに満足した第三艦隊将兵らは、ほくほく顔で昭南島に戻っていくのであった。
一方、パーパルディアの第3外務局では苛立ちを募らせる者たちがいた。
フェン王国懲罰を叫んでいた職員である。
軍祭開催中にフェン王国を攻撃する手はずだったが、国家戦略局からの待ったにより遅れに遅れてしまった。
詳細は不明であるが、どうやら戦略局内で大日本帝国なる国家に対する危機意識が蔓延し、それが第3外務局はおろか、天聴にまで達せられたのである。
本来、軍祭当日を襲おうと思っていた外務局側は、余計な茶々を入れるなと激高した。
しかし1か月も経った頃、ほとぼりが冷めたとみた第3外務局は、局長カイオスの指示で監査軍東洋艦隊の派遣を決定したのである。
国家戦略局が気付くころには、すべてが遅かった。すべて終わった後だったのだ。
パーパルディア皇国がロウリアの二の舞になるまで、そう時間はかからなかった。