なんか温泉開発部にオリ主が退部届け出すやつ   作:ブルアカアンチ

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捏造とキャラ崩壊
追記:大変な間違いを犯していることに気づきましたので修正しました。修正できているかは知りません。


鬼怒川カスミは決断する

時はしばらく飛び、夕方過ぎの商店街に逃げる影3つとそれを追う影がひとつ。

 

「ひ、ひええっ!逃げ、逃げろーーっ!あれは、あれは話の通じない化け物なんだ!」

 

「あは〜流石に撤去は厳しいかも?」

 

「…化け物呼ばわりとは失礼ね。」

 

「なんなんですかあの人!?強すぎませんか!?もう盾ベッコベコなんですけど!?」

 

下倉メグの火炎放射器を涼しげに耐え、鬼怒川カスミがどこからともなく発射したドリルも見事に空中分解され、温水ウナのメインウェポンとなった盾も無惨な姿となった。

もちろん相手はゲヘナ学園風紀委員会所属の白い悪魔(空崎ヒナ)である。

 

「ええーい!カスミさん特製岩盤破壊ダイナマイトぉー!直撃すれば戦車だって木っ端微塵よぉーっ!」

 

「ワンダフル!良いぞウナ!あれはもはや人間では無い!やってしまえ!」

 

錯乱したカスミの後押しを受けてウナの右腕が光る!綺麗に投げられた3つの爆弾は銃で撃ち抜けば誘爆、走っている速度から考えれば避けるのは不可能!アッパレ!君たちの勝利は決まったも同然だ!

 

 

タタタンとみっつ銃声が響いたと思えばぽとりと落ちる爆弾。それら全ては導火線が断ち切られておりーー人類の敗北を意味していた。

 

「「わァ…」」

 

泣いちゃった。

 

「もう2人ともしっかりして!退却するよ!」

 

こんなとき、メグの声は誰よりも頼もしかった。

 

「…はいっ部長!」

 

その声で体制を建て直したウナは心の折れたカスミを背負いながら走る。彼女が重いという訳ではないが不自然な体勢である以上どうしても速度は落ちる。白い悪魔(空崎ヒナ)に追いつかれるのも時間の問題だろう。

 

考えろ、考えろとウナは自分に言い聞かせる。カスミは使い物にならず、メグ部長は焼夷弾と火炎放射器で少しでも相手の速度を落とそうとしている。

 

そして今走っているのは商店街、基本的に真っ直ぐでありすべてを破壊するか空でも飛ばなければ基本的に撒くことは出来ないだろう。

 

ーー空でも飛ばなければ?

 

ウナは自分の持つ盾を見た。至る所が凹んでおり無惨な姿をしている。しかしそれはそもそも開発用、爆破工事の爆風から身を守るためのものであった。

 

温水ウナは妙案を思いついた。

どう考えても成功する可能性は低いが、このような一か八かで道を切り開くことに関して、彼女は成功するという確信があった。

 

「そろそろ弾が足りないかもーっ!もっともってくれば良かった…。」

 

「っメグ部長!こちらへ!」

 

「わかった!…なにするのー?」

 

ウナはカスミ特製ダイナマイトに火をつける。そしてその上に盾を敷き、両足で乗る。言うまでもなく盾サーフィンの様相であった。

 

「カスミさん、メグ部長!捕まっていてくださいっ!」

 

そうして3人で身を寄せ固めあったその直後、大きな爆発がその真下で発生する。ヒナがその意図に気づいた時にはもう遅かった。

 

「わあああぁぁぁぁぁ!?」「ひょえぇ…ん?ハーッハッハッハ!こうなってしまえば形無しだなぁ!?」「あはははははっ!すっごーい!」

 

大盾に乗って大空を飛ぶ3人組。

ヒナはその様子を睨め付けながらライフルで牽制するも、高速で遠ざかる対象を撃ち落とすには威力が足りない。

 

「……はぁ、めんどうくさい。」

 

空崎ヒナは彼女たちを今回は見逃すことにした。

ウナが知る由もないのだが、ヒナは飛行能力を持っていた。そのため彼女らを追うことが出来たのだが、まだ風紀委員長ではないヒナはここで手を抜くことが出来たのだ。

今回は一本取られたと思うことにしたヒナは、もはや粒も見えなくなった温泉開発部を見送った。

 

ーーでも、妙に手強いあの生徒はいったいどこの生徒なんだろう。

 

 

 

ーーー

 

風を切り矢のように温泉開発部は空を舞う。

 

「ところでウナ君、着地はどうするというのかね?参考までに聞かせて欲しいのだが」

「えへへ、何も考えていませんっ!」

「いい返事だ、中身を除けばな!」

 

カスミは頭を抱えた。どう考えても高さ50メートル以上はある。いや、測り方を知らないのでもっと低いのかもしれないが、少なくとも自身が建設してきた建物よりめっぽう高い。このまま地面に強く打ち付けられてしまったらいかにキヴォトス人と言えど全治1ヶ月は免れないだろう。

 

「はいはーい!名案があります!」

「メグ部長っ!」

 

さすがメグである、と2人は思った。こういう危機においていつでも引っ張ってくれるのはメグ部長であった。

 

「障害物にぶつかる前にぜーんぶ撤去しちゃおうよ!」

「減速出来ないので却下!ぐぬぬ…」

 

さすがメグである。

 

「…あっ!湖に着水できそうです!よかったですね!」

「…ハーッハッハッハ!万事解決!」

 

カスミの祈りが通じたのか、3人は無事に着水することができたのだった。装備はボロボロ、消耗品はほぼ全滅、全身びしょ濡れと散々な様相である。なんなら温泉開発部の内何人かは懲罰房送りになってしまった。

 

「ひゃあー大変だったねぇ。みんなお疲れー。」

 

「本っ当に大変でしたね!?なんなんですかあの人!?」

 

何とか窮地を脱したかと思うと2人の体にどっと疲れが出る。カスミは俯いており、どうにも元気がないように見えたものの突如として笑い出した。

 

「…ふっククク……ハーーっハッハッハ!」

 

「どうしたんですかカスミさん?」

 

ウナは急に笑いだしたカスミを見て遂にストレスで不定の狂気にでも陥ったかと疑った。そしてカスミは2人に目を合わせて口を開いた。

 

「遂にだ!遂にあの悪魔に一泡吹かせてやった!」

 

「いや全然敗走してると思いますけど…」

 

「いいや、あの情報部いや風紀委員会の悪魔から逃げおおせた、その事実こそが我々の勝利なのだ!」

 

「いやぁあの子から逃げきれたことないもんねぇ〜…」

 

大声でまくし立てるカスミにメグはしみじみと思いを巡らす。昔の温泉開発部は風紀委員会などに目をつけられることは無かったが、カスミが来てからというもの妙に団結力が上がり、その結果白い悪魔の襲来に怯えることとなった。そしてそのせいか風紀委員会はカスミに目をつけており、カスミの逮捕歴は指の数では足りなかった。

 

今回はそんな相手に逃げおおせたのである。カスミが喜ぶのも無理は無かった。

 

「ハッハッハ!ウナ!メグ!我々3人がいればどのような困難も恐るるに足らん!…メグっ遂に私たちの理想が見えてきたぞ!」

 

「…理想?ん〜何かあったっけ?」

首を傾げるメグ、それでいいのか温泉開発部部長。

 

「温泉をたくさん掘りたいと言っていただろう!…キヴォトス中に温泉を掘りキヴォトスを巨大な温泉郷にするという理想!空崎ヒナさえ邪魔にならなければ実現できる!」

「戦略的撤退に成功したから、みたいな感じですか?無理があるような…」

「いーっぱい掘れるってことだよね!頑張っちゃうぞ〜!」

 

なんだか色々無理があるんじゃないか、と思うウナであったが楽しそうなので良しとすることにした。

 

「そうと決まれば作戦会議だ!時間は限られているからな!帰還だ!」

「お〜!」

 

 

なお、アジトは破壊されていた。

 

ーーー

その後、新しいアジト、第35アジトにて温泉開発部は今後の予定について話し合っていた。

 

「諸君!ご存知かと思うが新たに温泉開発部部長に就任した鬼怒川カスミだ。これより温泉開発計画会議を始める!」

 

集まった半数ほどの部員は少しどよめいたが、結局のところ全員が温泉が掘られればいいのですぐに治まった。

 

「今回の温泉開発計画は、主に3つの選択肢がある。ひとつはこれまで通りゲヘナの火山帯を縫うように温泉開発を進めるルートだ。おそらく今回の件で風紀委員会には警戒されているだろう。」

 

温泉開発部の皆の顔が俯く。今ここにいるメンバーは空崎ヒナから逃げられたメンバーであるがそれは見逃されたに過ぎなかった。誰もが軽くないトラウマを背負っていた。

 

「そこで、代替案として2つの案を用意した!」

 

「ひとつはレッドウィンターへと向かう案だ!あそこは今政変の真っ只中という話で、まぁいつものことだが、警備も手薄だろうということだ。」

 

「そして、もうひとつはアビドスへと向かう案だ!半年ほど前、生徒会長が失踪して戻ってきていないらしい。治安維持すらできているかも怪しいな!ハッハッハ!」

 

 

 

「…アビ、ドス……」

 

 

温水ウナの吐息から音が漏れる。頭が割れるように痛い。

『新入生?…このアビドスに新入生がくるなんて、ね。いやいやこっちの話だよぉ!うへへ〜。』

「もちろん、源泉の目星はつけてある!全て勘だがな!ハッハッハ!…っウナ!?どうした!?」

 

カスミの心配する声が聞こえる。しかしその声はウナには届かなかった。ウナはただ、頭が痛かった。アビドスという言葉が脳内を引っ掻き回していた。

 

そうして遂に痛みにこらえることが出来ずウナは意識を手放した。

 

 

 

ーーー

 

 

「…キキッ、あの空崎ヒナが正面からかち合って取り逃したか。」

 

ゲヘナ学園にしては静かさのある生徒会において甘い紅茶の香りが立つ。ペらりと紙をめくる音がする。

 

「今回の通報対象は通称温泉開発部、解散と再結成を繰り返す弱小部活。これは空崎ヒナの評価を改めるべきか?いや、違うな。」

 

羽沼マコトは空崎ヒナの実力を大きく評価していた。下手を打てばかの雷帝の再来となりかねない強大な力。しかし負の遺産を一掃するにはうってつけの力でもある。

 

ゆえに彼女が卒業するまでは誰かが制御、抑制しなければならないとまで考えていた。彼女を逆に独裁を戒める側に立たせる、とか。

 

「おい、資料を寄越せ。温泉開発部の、だ。」

 

慌てた様子で3年生(・・・)の生徒がマコトへと資料を渡す。

 

「主犯格、ゲヘナ学園2年生 下倉メグ 温泉開発部部長。撤去・切削を得意とする。成績不振………、ゲヘナ学園1年生 鬼怒川カスミ、温泉開発部。爆破・開発を得意とする。転校経験あり、もとの所属は……。キキッ、双方とも随分とゲヘナらしい(・・・・・・)じゃないか!素晴らしい。」

 

マコトは笑う。着実に実ってきているのだ、ゲヘナの種が。自らの偉業をこうも実感してしまうと彼女は顔を綻ばせざるをえなかった。

 

「データ無し 温水ウナ 温泉開発部。データ無しデータ無し……。」

 

ああ、お前か。

 

マコトは把握した。データが無いということは恐らくどこかの1年生。木っ端が頭角を現したという可能性もあるがその可能性は低いとマコトは考えていた。

 

「情報部に伝えろ、各学園の1年生について調べろとな。退学、転学問わずな。あとお前、温水ウナの転入届けを用意しておけ。」

 

どたばたと動き出す生徒会の生徒たち。

それを見ながらマコトは口角を上げた。

 

 

「ずいぶんと面白そうなことになってきたじゃないか、キキッ。」

 

 

 

 




ブルアカアンチなので羽沼マコトを有能にしてもいいんですよ、知ってましたか?
あと2.3話で終わります
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