なんか温泉開発部にオリ主が退部届け出すやつ   作:ブルアカアンチ

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題名をちょこっと変えました


下倉メグは助言する

 

「本当に休んでいてもいいんだぞ?」

 

「いやぁ大丈夫ですよぅ!ちょっと疲れが出ただけですってば!」

 

鬼怒川カスミは温水ウナが何かを隠していることを直感していた。気丈に振舞っているが、今にもふらっとどこかへ消えていきそうな空気がウナにはあった。

 

カスミはどうにもそれを追求することが出来ず、ウナの手をぎゅっと握りしめて駆け出した。

 

「ハッハッハ、ならいい!さぁ今日は物資調達だ!ブラックマーケットに行くぞ!」

 

基本的に温泉開発部の物資調達源は言わずもがなブラックマーケットであった。ブラックマーケットでは武器に工作機械、建築資材にニトログリセリンまでもが広く取り扱われている。それ以外にもセミナーから流れ着いたガラクタやモモフレンズの限定グッズなども売られていることがあり、実はウィンドウショッピングするだけでも楽しい場所なのだ。

 

…治安に目をつぶれば。

 

 

「わあっ!見てください!ビッグブラザーのぬいぐるみですよ!しかも初期版です!」

 

水色のフクロウをモチーフにしたであろうぬいぐるみがこちらを見ているのを発見し、ウナは目を輝かせた。

 

「なんだいその…不穏な名前をした動物は?」

 

「モモフレンズのキャラクターです!昔から好きだったんですよー!この大きな目がキュートで!モモフレンズのみんなをずっと見守っているんですよ!…欲しいです!買ってもいいですか?」

 

やいのやいのと人人の目がウナを見るも、変わらずまくし立てる。いつもと違うその様子に少しカスミは気圧される。

 

「ま、まぁ資金には余裕があるから良いが…」

 

「ありがとうございますっ!すいませーん、これ2つくださーい!」

 

2つで8000クレジット。まぁ少し高いが温泉開発部は割と大きな事業を手がけているため痛くも痒くもないのだ。

小ぶりなぬいぐるみを2つ抱えてとてとてと走ってくるウナ。その満面の笑みにカスミは苦笑する。

 

「…はいっ、カスミ部長!おひとつどーぞ!」

 

「…本当に良いのか?好きなんだろう?」

 

「ひひっ、ユージョーの証ってやつですよ!カスミ部長にはお世話になってますから!……みんなには秘密ですよ?」

 

「…であれば貰っておこうか!ハッハッハ!感謝する!」

 

2人はお揃いのぬいぐるみを抱えて歩く。次に買わなければいけないものはなんだったかと指折り数えて進んだ。

 

 

たくさんの荷物を抱えた夕方、カスミがほのかに口を開く。

 

「…なぁ、ウナ。温泉は好きか?」

 

少し含みのあるその問いかけ、相手のしっかり目を見て話すカスミにしてはそっぽを向いた顔だった。ウナにとってそんなカスミは初めてだった。

 

「…どうしたんですか?…もちろん大好きですよ!」

 

しかし答えに迷うことはなかった。ウナは温水ウナは温泉を愛していた、そして何より温泉開発部を愛していた。

 

「ハーッハッハッハ!それなら十分だ!」

 

カスミは笑った。たとえウナが何を隠していようと、こころの深いところを同じくする我らにとっては些事であると信じた。

 

 

 

「…あれれ〜?今、ユナちゃん(・・・・・)の姿が見えたような…」

「…ノノミちゃん、そんなの今はほっといて早く行くよ。」

「…ん、早く武器を買うべき。」

「ま、待ってください〜。」

 

 

 

ーーー

 

 

 

「キキッ、なるほどなるほど…。楯無ユナ、元アビドス高等学校1年生、数ヶ月前に退学済み、ねぇ。交友関係に問題は無さそうだが…」

 

情報源がアビドス近隣のヘルメット団であるため信ぴょう性は高くないが、それでも楯無ユナの退学はマコトが思い描く彼女の人物像と一致していなかった。

 

つまり、外的要因だろう。マコトはそう結論づける。

 

「おい、アビドス地区の情報を寄越せ、最近のだ。……なんだこれは。」

 

マコトは絶句した。多少耳に挟んでいたとはいえ校区のほとんどが企業に買収されているとは思ってもいなかったのだ。

 

甘い紅茶を一気に呷る。

 

「…ふむ、これか?アビドス砂漠を中心とした局所的な地震…」

 

一見なんら関連性のない事柄、しかしマコトはどこか引っ掛かりを覚えていた。そもそも全てに関してアビドス砂漠はきな臭いのだ。カイザーコーポレーションが次々と周辺土地を買い漁っているのも、原因不明の砂漠化も、局所的大地震も全部が怪しかった。

 

それに、雷帝と過去のアビドス生徒会長が共同開発したという兵器もまだ見つかっておらず、それがマコトの懸念を助長させた。

 

「…フン、今打てる手だけでも打っておこうか。」

 

資料を読み終わったマコトは、手帳を開きながら電話を掛ける。仮にその原因が雷帝の遺産であろうがなかろうが、羽沼マコトにはやらなければいけないことがあった。

 

 

『…お電話ありがとうございます。こちらカイザーコーポレーション事業開発部でございます。ーーー』

 

 

ーーー

 

 

ウナは朝方からメグに呼び出され人気のない山奥へと赴いていた。そこでは色々と準備を整えたメグがニコニコ顔で手招きしていた。

 

「メグ現場班長!どうしたんですか?」

 

「温泉掘るよ〜!」

 

 

作業は一昼夜にわたって続いた。

 

 

「ひゃー疲れた疲れた!やっぱり温泉は気持ちいいねぇ〜」

 

「…そうですねぇ。はぁ疲れたー!」

 

お互いにくたくたであった。しかしその労力に見合ってか立派な露天風呂が出来上がっていた。2人で温泉に浮きながら星空を見た。

ふと思い出したかのようにメグが口を開いた。

 

「ね。そうだ!前から2人きりで話してみたかったんだよねぇ〜」

 

「わたしと?」

 

「最近、ウナちゃん元気ないよね?」

 

「……えへへ、ちょっと悩み事がありまして。」

 

メグはウナを見た。ウナは顔を逸らした。どうやら話す気はないようである。

 

「…ごめんなさい。」

 

「全然!……私馬鹿だからわかんないけどさ、結局のところ自分でぜーんぶ撤去しなきゃいけないと思うの。温泉は待ってても湧いてこないっ、てね!」

 

あはは、と笑うメグ。割とドライな価値観というか、解散と結成を繰り返してきた弱小部活の部長ならではの価値観を持っていた。

そんなメグの意見を聞いてウナはひとつ決心をした。

 

「…先輩、ありがとうございますっ!わたし、頑張ります!」

 

「もし1人で解決出来ないことがあったら私たちを頼ってね!ふふっ、なんてったって『我々は温泉開発部の仲間』だからね!」

 

すぅとウナは深呼吸をした。冷たい外気が身体中に周り、そしてすぐに暖められた。

 

「…はいっ!また一緒に温泉に入りましょうね!」

 

「もちろん!…あ、そうだっ!カスミ部長や温泉開発部の皆も呼ぼうよっ!」

 

その後ウナとメグは星空を見ながら他愛もない話を繰り返した。そして途中から呼んだカスミや温泉開発部も合流して、みんなで楽しい時を過ごした。

静かな山岳はその夜だけすこし騒がしくなり、笑い声と湯気が立ち込めていた。

 

 

 

その翌日、『退部届け』と書かれた書簡を置いて、温水ウナは行方を消したのだった。

 

 




短くまとめてしまったのであとあと書き足すかも。まぁ多分しない
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