鳳仙はその後、娘を産む。この子こそ物語開始時点での猫猫だ。ただし俺はそれでは一緒に住むのには同じ名字を持たないと可哀想なので羅冥と名付けた。
「よしよし、羅冥。」
羅冥はすくすくと成長していった。叔父であり、史実では養父の羅門が定期的に家に訪れたが医術よりも政治や武官の道に興味を示す。この時の羅冥7歳。
羅冥は12歳になると俺みたいに将棋や象棋にも興味を示す。まぁ俺と鳳仙は結婚後もかなり将棋や象棋、碁に関してはたまには勝負していたので、その影響もあるのだろう。
羅冥は14歳になっていた。少し危ないが木剣や木刀を与え、剣術に対して強くなっていた。薄々、気づいていたことだがやはり未来を変えたことによって子供の未来も変わるようだ。羅半は変わらなかったが羅半も羅半で文官になれそうだ。
ちなみに羅半は史実どおりいるものの養子にはしておらず、俺の異母弟のもとで暮らしている。異母弟曰く、親父は病死したとのこと。だが孫娘や孫を見れたのでおそらく何も心残りが無いので逝ったのだろう。
羅冥16歳、軍部に入庁する。物語開始時期が迫っていくなか、俺は帝国議会での参議院の議士と大尉を兼任するようになり、仕事が増えた。ちなみに子昌は同時期に衆議院の議士となる。
「羅漢の娘、羅冥と申します。羅半殿。」
「いやいや従兄妹だからそんな謙遜しないでくれよ。羅冥。」
「私は軍部に入庁したてなもので............。」
「君は叔父上と叔母上に似て飛び抜けた軍才をもっているとか。」
「はい。」
「僕も致方、世界が数字に見えてしまう体質でね。よろしく羅冥。」
「こちらこそ。羅半。」
羅冥が17歳。そろそろ毒の白粉事件が始まる時だ。壬氏は悩んでいるみたいだ。
「あなた、壬氏と言いましたかな?」
「はい。そうです。」
「なら私の娘にお任せください。私の娘は武官ですが女性です。後宮に出入りさせましょう。」
「いいだろう。ただし武器の持ち込みは無しだ。」
「行ってきます。父上。」
俺の体型は残念ながら戦闘には向かない。どうやら羅漢も甘党らしく、色々なお菓子を部下が持ってきてくれる。それに男性だ。俺は後宮に出入りできない。
羅冥は武器は無いが史実の猫猫よりは格闘戦に優れている。更に体型よりも筋肉や頭脳の使い方が分かるようで俺よりも知略に特化した武将になれると思う。
玉葉妃様と梨花様は自分の子が死んでいるから悲しいし寂しいだろうな。一番は無知なところをどう、教授するかだが.............。頼んだぞ羅冥。
翡翠宮
「白粉は毒、赤子に触れさすな」
「私の大叔父で医官である羅門から教えられた言葉です。」
「今回の白粉は鉛製の物だと思います。」
「無知は罪ですね。赤子の口に入るものなら、もっと気にかけていれば良かった。」
「それは私も同様です。」
「それと父上である羅漢から教えられたことなのですが、敵は2種類いるものだ。外敵も厄介だが内なる敵も厄介だと。何か後宮で闇蠢く陰謀があるかもしれないとのこと。」
「で、この鉛製の白粉はどうするのだ?」
「壬氏様、それは廃棄処分しかないと思います。勿体ないものですが毒になると分かった以上、それ故に気をつけねばなりません。」
「また廃棄処分は燃やすと有害物質が出る可能性があるので父上曰く人目のつかないところで分散して燃やすのがいいとおっしゃっていました。」
「鈴麗は大丈夫かしら?」
「うーん。気になるようであれば後宮医官である大叔父上に相談してください。私は医療は専門外です。一応、勉強のために大叔父のところで医薬品や毒の学習をしたことはありますが。」
羅冥は一度、呼吸を整えて言う。
そして鈴麗公主の顔を見る。
「でも私が見たかぎり大丈夫だと思います。大きな熱病や細菌感染がなければ赤ちゃんは簡単には死なないので。これ父上から教えられたことです。あと無理させずたまには寝具で寝かせてもいいとのこと。」
父上がなんで武官なのに医学や薬学に関して詳しいんだ?
羅漢の執務室
みんなも習うのは最初は保健だがそれが高校や大学になると医学や薬学に分かれる。私が主に知っている症状は気管支喘息、肺炎。ちなみに日本では急性上気道炎のことを風邪。上気道炎症状をインフルエンザウイルス。上気道重気感染症をコロナウイルスという意味がある。それぞれの病原体には抗菌や即効性の医薬品が必要だが、ゾフルーザを作るにはペニシリンの何倍もの努力も必要だ。
そうだ。顕微鏡を作ろう。そしてこの世界にあるのは分からないがついで望遠鏡も。双眼鏡は多分、まだまだだろう。双眼鏡には基本的にズーム機能があるし、双眼鏡が出回っていたら普通に暗殺されやすい国になるので。またまた子昌に頼んで硝子と竹それに本当はプラスチックが良いのだが生憎、無さそうだから、金属、特に鉄や銅が必要だ。
硝子は3重にする。これで壊れにくい強化硝子の完成だ。流石に自動車や鉄道で使うフロントガラス並みの硬い硝子はまだこの時代では作れないものの、これでも十分に硬い硝子だ。
あとは色々試行錯誤して、できた!!現帝には望遠鏡を。叔父である羅門には顕微鏡をそれぞれあげよう。
その後、無事に望遠鏡は現帝に献上された。
「陛下、望遠鏡は星を見る道具です。夜じゃないとなおかつ天気が晴れじゃないと仕えませんよ。」
現帝は困惑する。
「羅漢、お主が作ったのか?」
「はい。どうやら西方の遠い国々にある道具を再現してみました。西方の国々にはこんなものがあるそうです。」
「ほう。ならば夜に使うとするか。」
そして夜
「これはめちゃくちゃ良いぞ。星がよく見える。」
「ええ、よく見えるでしょう。ですがその道具を長時間使うと眼が失明するのでお気をつけください。」
「うむ。素晴らしい物を見せてもらった。これをこの国で売りたい。」
「うーん。市民には向かないと思います。」
実際に日本で望遠鏡を使っているのはプラネタリウムと宇宙や天文を専門とする科学者が扱っているぐらいで市民には星を見る余裕などない。実際にビルがないこの時代では星はかなり綺麗に見える。
ああ、流れ星だ。昔、広島県しか伝わっていない神話というか言い伝えがある。それは星の数は死んだ人と同じ、だが流れ星になってまた産まれてくる。輪廻転生ができるらしいとのこと。
ふう、日本よりもこの国は寒いが生きているだけで奇跡だと思おう。